挨拶は「頑張ってください」 御殿場口からの富士山
- GPS
- --:--
- 距離
- 21.7km
- 登り
- 2,420m
- 下り
- 2,420m
コースタイム
- 山行
- 9:15
- 休憩
- 1:05
- 合計
- 10:20
天候 | 晴れ時々曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
4:50到着時には、第2駐車場は満車でした |
コース状況/ 危険箇所等 |
危険箇所はありません 御殿場口の醍醐味である下山時の大砂走りでは、走らずに敢えて歩いてみました 宝永山に寄り道しても、この程度の時間で下山できるようです |
予約できる山小屋 |
|
写真
感想
とある理由から毎年富士山に登っている方に、仕事で大変お世話になっています。ただ、この方は、登山口となる5合目の標高が最も低くいために健脚向けとされる御殿場口からは登ったことがないそうで、昨年に一緒に登ることを計画しましたが、都合がつかずに延期となっていました。
そこで、今年の9月3日に御殿場口で実施する予定でしたが、お盆休みに雌阿寒岳で足を負傷してしまったそうで、再延期となってしまいました。
急な予定変更のため、直前まで行く場所が決まらず、八ヶ岳あたりにでも行こうかな?と考えました。しかし、私自身、御殿場口から登れば主要4ルートの踏破となることと、ここ最近急に涼しくなったために空いているだろうと判断して、下見と体力測定を兼ねて登ってみることにしました。
御殿場口の駐車場に近づくにつれて気温が下がり、最後に確認できた温度計は12℃を示していました。山頂は0℃以下だろうな…寒いだけなら服を着込めば何とかなるかな。それよりも風速が心配でした。
駐車場に到着すると、日曜日ということもあり、既に第2駐車場は満車でした。第3駐車場は半分程度の埋まり具合でした。朝食を済ませているうちにご来光タイムとなり、一般観光客の方がゾロゾロと車から出てきました。ご来光をある程度楽しんだ後すぐに出て行ってしまうので、もう少し遅く到着すれば第2駐車場に停めることができたのかもしれません。
登山口である鳥居を潜り、大石茶屋まで進みます。標高1,550mにある大石茶屋から営業している小屋がある標高3,000mの七合目まで、コースタイムで約4時間。頑張りましょう。
次のチェックポイントである次郎坊までは、傾斜が比較的緩やかなため、ここで1年ぶりの砂礫歩きの感触を確かめました。眼前には遮るものがなく、左から二ツ塚や宝永山、そして富士山と雄大な風景を楽しみながら、ペース配分を考えて進みました。でも、次郎坊までは結構あるな…。
次郎坊で、登山口と下山口が交差します。この先、単調極まりない砂礫のジグザグ登りがひたすら続きます。他のルートのようにほぼ一定の間隔で山小屋がなく、なかなか山頂までの距離が縮まっているように思えないため、たまに振り返って「随分と登ってきたこと」を実感するようにしました。
トレランの方にどんどん抜かされました。この砂礫をあのスピードでどのように歩いているのだろう?よく観察してみると、彼らは通常の登山道よりも歩幅を非常に小さくして進んでいました。あの歩き方が楽なのかな?真似してみると、確かに楽なような…。でも、歩幅を小さくする分、歩数が増える。つまり、それだけ足を動かす必要があるので、筋力を酷使するような感じです。自分にピッタリな歩き方を見つけることはできるかな?
新六合目にある営業していない六合目小屋を通過し、だんだんと砂礫状からザレ状に道が変わってくると、六合目に到着。ここで、プリンスルートと合流しました。この先は、これまでのように砂礫歩きに苦しめられることはなく、順調に進むことができます。しかし、ここまでに体力をゴリゴリ削られているため、山頂まで苦戦を強いられそうな感じがしました。
営業していない七合目の日の出館を通過して、宝永山のバッジが売っているわらじ館に到着。ここで少し休憩しました。この先にある砂走館では、既に今年の営業は終了したらしく、小屋締めの作業中でした。
標高が3,000mを超えたので、呼吸に気を付けながらさらに登って、(富士宮口の山小屋が満員の場合に備えて?)富士宮口八合目とつながっている分岐を過ぎ、七合九勺にあるのになぜか赤岩八合館に到着。この先は山頂まで営業している小屋がなくなるので、ここでも少し休憩しておきました。ただ、赤岩八号館も小屋締め作業が始まっていて、のんびりと座って休憩することは許されない雰囲気でした。
ここで、両手がパンパンに浮腫んでいることに気が付き、初めての経験だったので少し不安になりました。きちんと水分はとっているけれど?
いよいよ山頂を目指します。ただ、覚悟はしていましたが、小屋だらけの他のルートを先に経験してしまうと、山頂まで途中に目標とするものがないので、コースタイム的には1:30程度であっても非常に長く感じました。
道を譲っていただく際にどこから登ってきたのかを尋ねると、半数以上が「プリンスルート」と答え、御殿場口よりも楽とは言えども、登っている方の多くは苦しそうな顔をされていました。私も同じような顔をしていたのでしょう。富士山は高尾山に次いで挨拶をしない山であると認識している中で、極々僅かに挨拶してくる下山中の方は、まるで示し合わせたように「こんにちは」ではなく「頑張ってください」であったのが、御殿場口ルートとは何か?を物語っているようでした。
途中で、パンパンに浮腫んだ両手の血の気が引いて真っ白になっているようで、これは目の錯覚か?と思いながらも、えっちらおっちら登って山頂の鳥居に到着しました。
立ち止ると寒いので、すぐにお鉢廻りへ。ほどなくして浅間大社奥宮に到着してお参りを済ませると、いつもと比べて体調が明らかにおかしいことに気が付きました。相変わらず両手が真っ白なので、慌てて上着を着込んで手袋を装着し、持参しているお湯を飲んで身体を温めました。引き返して下山しようかどうか迷いましたが、剣ヶ峰まで行ってみることにしました。
ゆっくり目で歩いていると、剣ヶ峰では大行列ができていることが確認できました。これは無理だな…と思った矢先、急に雲が切れて晴れてきて、ポカポカ陽気になりました。すると、身体が嘘のように楽になってきたので、これなら行ける!と思い直し、剣ヶ峰の行列に並びました。25分ほど待って記念撮影を終えた後、7月に落としたナルゲンボトルを探しましたが見つからず、諦めて速やかにお鉢廻りへ。
体調はすっかり回復し、山頂にある小屋も全てが小屋締め作業中でしたが、扇屋の前で昼食にしました。昼食中は、上着を着なくても寒くない程度の暖かさで、太陽の偉大さを改めて実感しました。
さて、下山です。挨拶をする方には登り時と同じく「こんにちは」ではなく「頑張ってください」と返しながら下り、七合目日の出館に到着。御殿場口の醍醐味である大砂走りが始まりますが、一度経験しているので、コースタイムの確認をするために敢えて歩いてみることにしました。
富士宮口への分岐となる下り六合までは、比較的下山者、特に団体さんが多くてゆっくり下っているので、歩きでちょうど良かったです。下り六合で、宝永山に寄り道してみたくなり、馬の背方面へ。
馬の背では、案内標識の撤去作業中でした。宝永山に到着すると、先着した男性がザックから荷物を取り出しているところでした。私が山頂標識にカメラを向けても、お構いなく食事の準備を始めたため、変な角度からの撮影となってしまいました。早い者勝ちなのは理解しているつもりですが、この男性に限らず、撮影スポットで休憩するのは控えていただきたいものです。
その後、猛烈な勢いで下って行く方にぶつからない様に気を付けながらのんびりと下り、ゴールとなりました。
これにて、主要4ルート全てを経験しました。通常の登山口(五合目)から登るのであれば、やはり御殿場口が一番トレーニングになると思いました。また、全てのルートを経験してみると、2008年に皇太子様が富士山に登られた際に、なぜあのルートを選択したのか、理解できることでしょう。
今回の反省は、両手の浮腫みを甘く見ていたこと。体調の変化に気が付いたのであれば、速やかに何かしらの対応をするべきでした。特にソロ登山の際は、気を付けようと思います。
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