剣岳、立山
- GPS
- 80:00
- 距離
- 19.4km
- 登り
- 3,461m
- 下り
- 1,791m
コースタイム
7月14日23:00池袋発-夜行バス(車中泊)
7月15日05:30富山-富山電鉄「上市」-タクシー‐08:05馬場島-08:45松尾平-13:30早月小屋(泊)
7月16日04:13早月小屋-05:45標高2600m(朝食)06:10-07:10標高2800m-08:25剱岳08:50-10:25前剱-11:15一服剱-12:00剣山荘(昼食)12:35-14:10別山乗越-15:55雷鳥平-16:10雷鳥沢ヒュッテ(泊)
7月17日04:40雷鳥沢ヒュッテ-07:05室堂平-06:20一ノ越山荘(朝食)06:40-07:40雄山08:00-08:20大汝山-08:50雄山09:00-09:45一ノ越山荘-10:40室堂-トロリーバス、ロープウェイ、ケーブルカー、トロリーバス-扇沢ー大町15:05ーあずさ26号-18:01八王子-横浜
天候 | 快晴 |
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過去天気図(気象庁) | 2011年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス タクシー
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
復路/室堂〜扇沢:トロリーバス、ロープウェイ、ケーブルカー、トロリーバス 扇沢〜信濃大町:路線バス 信濃大町〜八王子:JR「あずさ26号」 八王子〜横浜:JR横浜線 |
コース状況/ 危険箇所等 |
池袋〜富山 夜行バスは3列シートでゆったり。(バス停は東口交番のすぐ後) 馬場島〜早月小屋:比較的整備されている登山道ですが、とにかくずーと登りです。標高200m毎に標識があり、ペース配分が出来る。また、早月小屋まで水場がないので馬場島で十分確保する事。 早月小屋〜剱岳:標高2700m辺りに「くろゆり」を発見。2800m以降は殆ど鎖場で落石注意。山頂祠の岩場で「野ネズミ」を発見。 剱岳〜雷鳥沢:剱岳から下りルートで下山。「かにのよこばい」は慎重に最初の一歩を出す。前剱から登りルートを間違えて来る人が居るので要注意。前剱の下り、一服剱の下り、別山乗越の下りはザレ場が多い。 早月小屋〜雷鳥沢まで好天にもかかわらず12時間程度を要した。下りでの渋滞も時期により多少あるので、早月小屋出発には余裕を持ったほうが良い。 雷鳥沢〜立山:三連休の中日で好天の為、凄い数の登山者でした。一ノ越山荘から雄山までの登山道は殆ど登りの人で埋め尽くされており、下りはガレ場、ザレ場のルートを探しながらとなってしまうので、要注意。 立山室堂山荘辺りにリュックを置いて、デイバックで身軽に立山往復を勧める。 混雑時は、ロープウェイ、ケーブルカーに乗車制限があり待たされる事があるので、時間に余裕が必要。 |
予約できる山小屋 |
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写真
感想
神惑山岳部 2011年夏のビッグイベント
北アルプス 剱岳・立山山行記『転と起』
山行時期:2011年7月14日〜7月17日(3泊4日内車中泊1)
山行者:隊長H江氏、O椋氏、N戸氏、160N吉氏、rugger135
今年の梅雨明けは例年より約二週間早く、今回の山行時期は雨の心配をしなくて良いとても素晴らしい天候に恵まれました。N吉氏曰く「僕は晴れ男!」・・・納得
7月14日(木)22時半頃池袋駅東口前、まるで池袋には縁の無い我々はバス乗り場が良く判らない?駅前交番で聞くと、交番の直ぐ後でした。バス停には既に沢山の人がリュックや旅行バックを持って並んでいた。このバス停から各地への高速バスが出ているのでした。
23:00「富山行きバス」池袋を定刻に出発。バスは独立した3列シートでゆったりしている。寝酒の缶酎ハイとおつまみに夜食のおむすびでお腹を満たし12時前にはすっかり就寝モードに・・・目覚めたら富山です。
7月15日(金)快晴 05:30富山駅前に定刻に到着。今回の夜行バスは快適でした(豆知識:バス旅行のお供にエアー式の首枕が便利です)
駅前の「吉野家」で朝定食を食べ、コンビニで昼食用のおむすびを買い、富山電鉄でN戸さんと翌日の雷鳥沢での再会を誓い別れ、我々は上市へ向う。
上市からタクシーで早月尾根の登山口「馬場島」へ・・・
08:05登山開始、北アルプス三大急登と言われるだけあり、こちらからの登山者は少ない様です。
1日目は海抜760mから2200mにある「早月小屋」まで1440mの登りです。樹林帯が直射日光を遮り暑さに耐える事が出来たが、ただひたすら登るばかりのキツイルートです。途中の老木杉に驚き、標高200m毎にある標識を見ては「あと何百m・・」と登りの辛さを紛らわす。
13:30突然視界が開けた時、赤い屋根が見えた「早月小屋だ!」 予定より2時間近くも早い到着。早々リュックを下ろし外でビール、焼酎で宴会スタート。夕食の頃には既に出来上がってましたね・・・明日の本番前に飲み過ぎたようです。
7月16日(土)快晴 03:15起床、身支度をして水と朝食、昼食の弁当をリュックに入れ 04:13まだ少し暗いがヘッドランプの明かりを頼りに「剱岳」を目指す。
辺りが明るくなるにつれて、剱岳の山容がはっきり見えてくる。
05:45標高2600mで朝食を取る。天に向って聳える剱岳を目の前にすると武者震いがしてきた、ラグビーのキックオフ前の緊張感と同じだ。ここからは森林限界を超え強い日差しを遮るものが無い。周りは岩と高山植物の世界である。幸運にも日本海側からの冷たく強い風に立ち向かう様に咲く可憐な「くろゆり」を発見した。
07:10標高2800m残り200mからは鎖場が続く、垂直に近い岩場をよじ登ったり、垂直壁を真横に渡ったり・・・踏み外すとお仕舞です・・緊張の連続。
08:25「剱岳」2999m登頂 山頂から何とも言えない素晴らしい景色が360度にわたりスカイブルーにアルプスの山容が映えます。
山頂で暮らす野ネズミを発見。山頂祠の岩陰にいて、堀江隊長の弁当を狙っていたようです。
08:50 雷鳥沢に向けて下山開始。下り専用ルートがあるため、登りの人と譲り合う事がないので下りに専念出来るが、こちらも半端なルートではない。
09:10下りの難所「かにのよこばい」を無事通過するが、先頭のH江隊長が「足を掛けるところが無い!」と叫んだ時はビックリした。ここは、最初の一歩が勇気いると本に書いてあった。足元が見えないので、下に足を伸ばして足場を探る・・一度下り更に登って前剱を経由して11:15一服剱に到着。ここから下に剣山荘(ケンザンソウ)が見えた。
12:00剣山荘に到着し、昼食を取る。(早月小屋で貰った弁当は朝・昼同じものにはちょっとがっかり)
12:35剣山荘出発、直ぐ前の大きな雪渓を渡り剱沢小屋を経由して、カラフルなテントの花が咲く剱沢キャンプ場を抜ける。
14:10別山乗越(剱御前小舎)に到着。眼下には今日の目的地雷鳥沢が見えた、あと一息である。最後の力と気力を振絞り、雷鳥沢まで下る。
16:10「雷鳥沢ヒュッテ」でN戸氏の出迎えを受け、12時間の歩行を終える。先ずは、リュックを下ろしてビールで乾杯!ここは地獄谷から引く温泉があり、二日間の汗と汚れと疲れをサッパリと洗い流し、19時には就寝。・・・今夜は控え目です。
7月17日(日)快晴 04:00起床、身支度を整え朝食の弁当を入れて、04:50最後の行程「立山」へ向けて出発。地獄谷経由室堂を予定していたが、地獄谷は有害ガス噴出につき夜間通行禁止となっていたので、急遽ルートを雷鳥荘経由に変更。
ミクリガ池、ミドリガ池を経由し立山室堂山荘で歩行道にリュックを置きデイパックに積み替えて、身軽になって立山に向。
06:20一ノ越到着、朝食を取る。(今日の弁当はなかなかである)ここから雄山2991mまで1時間もあれば登れるのだが、三連休の為か登山ツアーの人人・・我々が朝食と取っている間に、先にスタートされてしまい登りは人の数珠繋ぎとなってしまった。途中休憩ポイントで何とかかわす。
07:40「雄山」(オヤマ)2991m到着、雄山神社3003m(今回初3000m越え)で登山の安全祈願をして、立山最高峰「大汝山」3015mへ縦走、08:20「大汝山」(オオナンジヤマ)登頂し、室堂向け引返す。
08:50雄山、そこから下るのだが、登山道は下の一ノ越から雄山山頂まで、人で埋め尽くされていました。・・・どうやって下りる?
登山道から少し外れた所を、慎重に下る。ガレ場で足元の岩が崩れる。滑って転ぶ、起き上がる。まさに『転と起』である。
09:40一ノ越に下りる。10:40室堂に到着。今回の高所トレを終える。
室堂からは、トロリーバス、ロープウェー、ケーブルカーを使い扇沢に出る。途中黒部第4ダムに寄り「黒部ダム湖カレー」を食す。
扇沢から路線バスで信濃大町に出て、15:05信濃大町発「あずさ26号」車中でお決まりの反省会をおこない、18:01八王子に到着。
横浜線に乗換え帰路に着く。
今回は車中泊を入れて3泊4日の山行だったが、全員無事に帰還できたのは天候に恵まれたのが一番であった。晴れ男のN吉氏に感謝です。
剣山荘から見上げた剱岳に、数時間前にあの頂に立ったのだと思ったとき感慨無量の心境であった。本当に辛くて厳しい山でした。
来年は、南アルプス「北岳3193m〜間ノ岳3189.3m〜農鳥岳30255m」を計画してます。
二年前の神惑山岳部の槍ヶ岳山行に参加していないので、僕にとっては、初めての北アルプスでした。
昨年の南アルプス、悪沢岳、千枚岳の垂直壁に足がすくみ、びびりまくっていたので、その直後には翌年の剣岳は無理だろうと思っていたが、この1年の間に山行を重ねるうち、やっぱり行きたくなって来たのです。
映画の「点の記」も観ていたし、鍛えぬいた人間でないと近づいてはいけない山のように思っていました。
実際、早月尾根からの2800m過ぎの岩場は、冷や汗たらたら、息ハアハア、高所恐怖症には堪えました。
しかし、聞くも恐ろしカニのヨコバイは、平気だったのです。垂直ハシゴも平気。自分の高所恐怖症を分析してみると、下りは割りと平気。そして鎖、ハシゴなど人工のつかむ物があると、すっかり安心してしまうようです。
頂上では達成感を味わう余裕はなかったのですが、下ってみて、不思議な幸福感に満たされました。
「自分は偉い、よくやった」というようなのとは違う、ほんわかした充足感という感じ、心の奥の方でじーんとくるような感じです。
剣岳に畏れを持っていたからかもしれないけれど、他の山を下りた時とは違う気持ちなんです。
一人では決して登ろうなんて思わない山だけに、一緒に登ってくれた仲間に感謝です。
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