2011年夏山修了山行(1) 北アルプス・霧の槍ヶ岳3180m
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- GPS
- 54:13
- 距離
- 30.7km
- 登り
- 1,786m
- 下り
- 2,185m
コースタイム
【30日(土)】4:00起床、5:00朝食、槍沢ロッジ5:40→6:25ババ平→7:05槍沢大曲7:15→7:30中の沢7:45→7:50天狗原分岐→9:10坊主岩小屋→10:10殺生ヒュッテ(昼食)10:30→10:30槍本道合流→11:30槍ヶ岳山荘12:00→12:25槍の穂先→13:15槍ヶ岳山荘、14:30反省会、17:00夕食、19:00就寝
【31日(日)】槍ヶ岳山荘5:05→6:20千丈沢乗越分岐(朝食)6:50→8:20槍平小屋8:35→9:35滝谷避難小屋→11:10白出沢出会11:20→12:45新穂高ロープウェイ新穂高温泉駅
過去天気図(気象庁) | 2011年07月の天気図 |
---|---|
アクセス |
利用交通機関:
バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
◇地 図 昭文社「槍ヶ岳・穂高岳」 ※定員(20 名)になり次第締め切ります 参加費用 約3 万円 ※バス使用 |
予約できる山小屋 |
槍平小屋
|
写真
感想
今回の夏山修了山行(1)は3日間の予定で北アルプス・槍ヶ岳へ。天気はもうひとつというところでしたが、全員元気に統一して行動することができました。また、たくさんの山野草にも出会えました。1日目は梓川に沿って登り、アルプスの自然を体感、2日目は槍ヶ岳に向かって雪渓の残る槍沢のガレ場をひたすら登り、槍の穂先を極め、3日目は過酷な自然の中の飛騨沢、右俣谷を下りました。3日目の朝は槍ヶ岳後方からの日の出や一面の雲海も見え、雄大なアルプスを体感できました。
【29日(金)雨のち曇り】一度は登って見たいと思っていた「槍ヶ岳」、期待と不安が交錯し、バスではなかなか眠りに就くことができなかった。気づくとバスは中ノ湯ゲート前に午前3時に到着。ここから上高地には自然保護のため、自家用車の乗り入れ規制があることは知ってはいたが、ゲートが閉まっており、本当に乗り入れできるのか不安となりました。午前5時の開門でホッと一安心。5:20上高地バスターミナル到着。小雨のなか登山準備と朝食、今回のメンバー全員が槍ヶ岳は初めてとのことでしたが、CLの温かいコーヒーを頂くうちに、次第に明日の槍ヶ岳への期待が膨らんできました。6:30出発、5分で有名な「河童橋」、悪天候のためここからの穂高連峰が望めなくて残念。小梨平のキャンプ場には多数のテントが張ってあり、こんなところでの避暑など最高だなと思いながら、雨に濡れた緑の樹林帯を梓川沿いに進みました。梓川の水は雨にもかかわらず青く澄んで、滔々と流れているのに感動しました。
7:25明神→8:20徳沢→8:55新村橋→9:40横尾(上高地と槍ヶ岳の中間地点で各11辧⌒疎瑤悗諒岐)昼食→11:05一ノ俣→11:27ニノ俣を過ぎるあたりから日が差してきて、明日への希望が膨らんできました。12:00槍沢ロッジ到着、雨で登山者が少なく、談話室を独占しての反省会、ロープワーク講習会と有意義に過ごし、18:00ごろには就寝。道中沢山の草花が咲いており、足を止めては写真を撮ったり眺めたりで、余裕の楽しい1日目でした。(KO)
【30日(土)小雨後曇り】朝食後すぐ集合。昨夜はヒュッテ3階貸し切りで布団1人1枚、多少イビキありましたが、皆さんゆっくりと眠れたようです。天気は小雨でも空は明るいです。ストレッチの後、CLの「頑張って行きましょう」の声で5:40槍沢ロッジ(1825m)出発、道は少しガレていて、林の中を槍沢に沿って進みます。6:45ババ平キャンプ場(1987m)到着。両岸の横尾尾根・赤沢山の急崖が一気に迫ってきます。さらに進むと、河原には益々大きな岩がゴロゴロ、道はどんどんガレてきます。7:05槍沢大曲(2094m)、そろそろアミノバイタルの助けがいります。7:50天狗原分岐(2348m)到着、急に視界が開けて、ここが槍沢のグリーンバンド? そろそろ森林限界か。渓筋に沿って大きな雪渓が3、4筋見えます。この開放感、でもガスで槍も穂高も見えません。岩だらけの道を進むと、9:10坊主岩小屋(播隆窟)(2660m)到着、ここは江戸時代に初登頂した念仏行者、播隆が利用した岩穴だそうです。昔の人は偉かった。岩岩した道をなお進んで雪渓を2箇所トラバース、10:10青息吐息で殺生ヒュッテ(2800m)に到着、小雨のなか昼食後本道に合流して山荘を目指します。高度にしてあと200m、足が進みません。周りは一面のお花畑です、イワツメグサ、ミヤマキンバイ、イワカガミ、コケモモ等。雲の中に薄らと赤い屋根が見えます。K氏の「ファイト、ファイト」の声に励まされて皆頑張ります(今日のK氏は高度が上るほどにハイテンションで、反省会で皆から「セニョールK」と命名された)。
11:30ずぶ濡れで槍ヶ岳山荘に到着。この後、すぐに雨が上がる。12:00槍の穂先に向かう。12:25槍の穂先に到着、ここで北海道の「ハイキングクラブみどりの風」の皆さんに拍手で迎えられる。全員初登頂バンザイ。みどりの風の皆さんは創立30周年でここ槍ヶ岳にこられたそうで、Iさんが会の名をいうと、「神戸中央山の会、知っているよ」といわれ、ご機嫌でした。13:15槍ヶ岳山荘に戻り反省会と夕食、17:00就寝しました。体力、脚力の多少の差はあっても、それぞれの思いを胸に持って、頑張って登り切った2日目、いいチームワークでした。(MA)
【31日(日)晴れのち曇り一時雨】3日目は槍ヶ岳から新穂高温泉へ下る。最初の1時間ほどは晴天でしたが、次第にガスが出てきて景色も見えなくなりました。最初はガレ場続きでしたが、それでも両側にお花畑が広がり、天空の気分を味わうことができました。下るに従い、ごつごつした岩が突き出た道が続き、歩きにくく疲れました。下る途中で見た北アルプスの沢や谷を埋め尽くす大きな石に、到底人間の力では太刀打ちできない自然の力を感じました。
4:00起床、日の出を待って出発ということで5時前に外に出るともう明るい。槍の穂先にはすでに多くの人が連なっているのが見える。ストレッチの後出発、南へ下り飛騨乗越へ出る。振り返るとちょうど雲海から太陽が顔を出すところだ。南に大喰岳(3101m)が迫る。ここから西に飛騨沢へと下る。ツメキリグサ、ヨツバシオガマ、イワカガミが咲くガレ場を下る。クロユリの花を探す。朝日を浴びた笠ヶ岳に映る槍ヶ岳の影が美しい。どこかでイワヒバリも鳴いている。2800m辺りになると少しガスが出てくる。
6:20千丈沢乗越への分岐で朝食、槍ヶ岳山荘で作ってもらった竹の皮に包まれた山菜炊き込みご飯を食べる。コーヒーを沸かしてゆっくり時間をとる。この間に他のグループもやってきて言葉を交わす。6:50出発、相変わらずガレ場が続き歩きにくい。中ノ沢の水場でのどを潤す。8:20槍平小屋に到着、ここは広いテント場になっている。ここで小休止、Mさんのリュックから新鮮なキュウリが出てくる。奥穂高岳の方向を見ると槍のように尖った山が見える。
8:50南沢、沢を埋め尽くした大きな石に驚く。9:25岩に埋込まれた藤木レリーフの前で小休止。この藤木九三は日本初のロック・クライミングを目的とした山岳会であるRCCを芦屋で創設した人で、芦屋の高座の滝の近くにもレリーフがあるそうだ。右俣谷の激流を右下に見て下る。川底には大きな石が荒々しく転がっている。道は相変わらず岩が飛び出ていて歩きにくい。細い山道の両側にはキバナホトトギスなどきれいな花が咲いている。9:35やっと滝谷避難小屋到着、チビ谷、ブドウ谷を過ぎ、11:10白出沢到着、白出沢は大規模な砂防工事中のよう。ここで少し腹ごしらえして、右俣林道を下る。穂高平避難小屋のところから再び山道を通り、12:45新穂高ロープウェイ新穂高温泉駅に到着、新穂高温泉ひがくの湯でくつろぎ、車上の人となった。(KI)
あいにく、天候が悪く、連日、雨合羽が欠かせませんでしたが、そんな事は、気にもならない雄大な自然の風景と空気を感じた3日間でした。
28日夜間三宮を経ち、慣れない車中泊を過ごし、29日早朝着いた上高地から
別世界への始まりでした。手付かずの森林・水量豊かな梓川・美しい河童橋、色が濃い空気が濃いと感じたのは私だけでしょうか・・
ガスの切れ間から、残雪が見えます。水の色が、透明からコバルトブルーに変化します、川音が、一層澄んで聞こえます。「槍が岳」はまだ遠いけど、もう気持ちの高ぶりは始まっていました。
1日目は比較的ゆったりで、槍沢ロッジもこの季節にしては、空いていました。
2日目は、いよいよ「槍が岳」を目指します。高度もあがってきて、木々が少なくなっていきます。残雪もより多く、よりキレイになっていきます。だんだん呼吸が荒くなって、脚にも疲労を感じてきます。そんななかで、癒してくれるのは、高山植物の群生です。色とりどりの可憐な花々は、なんなんでしょう・・ここまで頑張ってこないと、みせてあげないよ・・と後ろを押してくれているような気もします。
そして、息も切れ切れになってきたところに、眼前に槍が岳の全貌が見えました。
天に突き出るその鋭角な尖りの頂・・目の前に現れた時の感動は忘れられません。
小雨の中、シガミつき、コワバリながら登った穂先・・頂に立った感激はひとしよでした。
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