上高地への道、徳本峠
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- GPS
- 10:15
- 距離
- 25.9km
- 登り
- 2,204m
- 下り
- 1,428m
コースタイム
- 山行
- 8:13
- 休憩
- 1:46
- 合計
- 9:59
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
天候にも寄りますが、ワサビ沢に架かる木橋は極めて滑り易い状況でした。特に島々側のスロープが凶悪です。この部分は避けて歩く方が良いでしょう。板の間にストックを入れ、滑る事によって折ったりしそうです。 |
その他周辺情報 | 竜島温泉せせらぎの湯 |
写真
感想
何年も前から上高地へ向かう歴史の道・徳本峠を訪れたいと思っていました。
標高が比較的低いので盛夏は避け、秋、紅葉の頃が良いなと考えながら十余年。
やっと訪れる機会を作りました。
松本市役所安曇支所に車を置かせて貰い、島々谷の林道を歩きます。
以前から旧版地形図上で確認はしていたのですが、島々谷には昔森林鉄道があったようです。地形図上では北沢の上流、西マゴゼム沢と冷沢の合流地点の辺りまで軌道が描かれています。
林道が出来てしまった為か、往時を想像させるようなものは残っていません。林道脇にある古い祠や石仏がこの道の歴史を物語るのみです。
金精様がひっそりと祀られていたのには驚きました。この周辺で祀られているのを見たことが無かった為です。以前は広く崇拝されていたものがいつの間にか廃れてしまったのでしょうか。そう考えると少々寂しいような、悲しいような複雑な気持ちになります。
二俣で一休み。二俣から先は林道は無く登山道となります。
二俣の看板から先に築堤があります。これ、森林鉄道跡なのでしょうか。後の時代に造られた単なる堤防のような気もします。
少し歩いて行くと森林鉄道跡と判る諸々が姿を現します。
普通の登山道なら埋めないような凸凹を綺麗に整地し、谷部分には石を組み、山部分は切り取ります。そしてカーブは滑らか。
南沢に鉄道があったとは知らなかったのでこれにはちょっとびっくり。
登山道はほぼ森林鉄道跡をそのまま辿りますが、途中流失してしまった箇所や何ヵ所かの橋はそのままトレースしている訳ではありませんでした。
それにしても。60年近く前の森林鉄道跡がこんなところに残っているとは。
どんな感じだったのでしょう。
岩魚留小屋の少し手前に比較的規模の大きい、石組みされた土台、何かの痕跡があります。
恐らくそこが森林鉄道の終点、ここから先は”鉄分”の無い道となります。
暫く進むとこの道最大の難所、ワサビ沢の橋です。
この比較的新しい苔が付き始めた橋、全体的によく滑ります。そして特に滑るのが島々側の橋に登る為のスロープです。写真 (24/49)の橋です。
迂闊に足を置くと次の瞬間滑っているといった具合です。やや滑り易いなんて生易しいものではありません。激烈に滑るのです、これが。私はこの板の間にストックが入り、危うくストックを折る所でした。丁度この橋を渡り終えた所でご夫婦とすれ違ったのですが、ご主人が転倒なさってしまいました。(滑ります…とは伝えたのですが)季節や天候に左右されるとは思いますが今迄ここまで滑り易かった場所は他に思いあたりません。
さて、いよいよこのルートで一番楽しみにしていたレトロな山小屋、そう、岩魚留小屋です。
この小屋が既に営業をしていない事は知っていましたが、建物が潰えてしまう前に訪れたいと思っていました。
想像に違わぬ枯れた趣。この小屋が営業している時に来たかった。
柱に貼られた看板は山火事防止を訴える営林署の纏リス看板。以前はよく見かけたのだがこの頃はあまり見ないように感じる。
さて、この小屋に何故かメガネの忘れ物が。近視用、女物のようだ。ここにメガネを忘れてこの先の行動に支障は無かったのだろうか。
岩魚留小屋を後にし、一時間少々歩くと最後の登りに差し掛かる。道は沢を離れ、水場(力水)を過ぎると徳本峠は意外と近かった。急登を想像していたがやや肩透かしにあった感じ。勿論、楽な事に越したことは無いのだが。
この最後の登りを上っている最中、上空ではヘリコプターがうろついていた。徳本峠に一回近づき、暫くしてもう一度近づいてきた。見上げるとヘリは紅葉しかかった木の葉を蹴散らしている。結構煩い。そして次に見たものは人を吊り上げる光景だ。
えっ?遭難者?一体あれは何だったのだろう? 程なくして峠に着いた私は小屋の近くにいた人に聞いてみた。
それによると、テント泊の方で、昨日雨に打たれ、低体温症になってしまったとの事。ヘリを呼んだという事はあまり芳しくなかったのでしょう。
折角の徳本峠でしたが、バスの時間が迫っていた為足早に下山を開始しました。
峠の島々側に比べ上高地側の道は特段に良く整備され、快適に歩くことが出来ました。ここまで歩き易い道も中々ありません。
明神に出ると段々山から観光地へと雰囲気が変わります。
最後に驚いたのが河童橋を過ぎた辺りまでバス待ちの行列が出来ていた事です。
沢渡に行くバスのようです。いったいどれ程待てば乗れるのでしょうか。嫌な予感がします。
私達は沢渡の先、安曇支所まで行かなければならないため、チケットを買うべく列の横をチケット売り場まで行きました。
行列を見て感じた嫌な予感は杞憂に終わり、新島々行の最終バスに乗る事が出来ました。
これ程までに人が来ているとは。驚かされました。
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