栂池〜白馬岳〜猿倉(長くなっちゃった)
- GPS
- 15:00
- 距離
- 19.0km
- 登り
- 1,458m
- 下り
- 2,008m
コースタイム
17日6:30白馬大池山荘-9:00小蓮華岳-10:30三国峠-11:20白馬岳-11:30白馬山荘-12:20杓子岳手前の鞍部-13:00村営頂上宿舎
18日6:10村営頂上宿舎-10:20猿倉荘
【予定】
16日8:00栂池自然園-12:00白馬大池山荘13:00-17:00白馬岳頂上宿舎
17日5:30白馬岳頂上宿舎-8:00避難小屋-10:00雪倉岳-13:00水平道分岐-15:00朝日小屋
18日4:30朝日小屋-5:30朝日岳-7:30五輪の森-9:00白高地沢-12:00兵馬ノ平-13:00蓮華温泉
天候 | 1日目 晴れときどき曇り一時雨 2日目 曇りのち雨、濃霧 3日目 曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2011年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
栂池からはゴンドラとロープウェイを乗り継いで栂池自然園へ。 駐車場は無料、バスは520円、ゴンドラ&ロープウェイは片道1720円。 ■八方バスターミナル発栂池行きの始発は、8時15分とかなり遅めです。 ムーンライト信州が運行する日のみ6時台に1本でますが、それ以外の日は要注意です(私)。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
多分、普段なら危険と感じる場所はないと思いました。 2日目はとても風が強く、稜線上では両足踏ん張っていないとよろけてしまうくらいで、かなり怖かったです。 ■栂池自然園の登山口について: ロープウェイを下りて、なんとなく人の流れについて自然園ビジターセンターに入ってしまい、入園料300円を払いました。 が、登山口はビジターセンターの手前です。 自然園の中がちょっと見れたのでよしとしましたが、余分にお金を払って歩いてしまった事実は消えません。 ■村営頂上宿舎までの道のりについて: 白馬山荘から少し行くと四つ角に立て札がありますが、村営頂上宿舎とは書いてありません。 「杓子岳」「清水岳・祖母谷」「大雪渓」です。 山と高原地図でみると、「杓子岳」方面にあるように見えますが、「大雪渓」のほう(白馬山荘から行くと左手)に曲がると村営頂上宿舎です。 白馬山荘から村営頂上宿舎までは15分程度の道のりで、普段なら大きな建物なのですぐわかると思うのですが、2日目は濃霧のため視界がなく、道を間違えてしまいました。 しかしなにも杓子岳手前の鞍部まで行くことないじゃないか私・・・。 |
写真
感想
ほんとうは、白馬岳+朝日小屋のおいしいごはんが目的だったから、1日目で白馬岳山頂までいく予定だったんですけれども。
八方第二駐車場に車を停め、6時台のバスで栂池に向かう予定がなんと、始発は8時15分。ムーンライト信州の運行日しか6時台のバスは出ないのだった。調査不足。
仕方ないので車で仮眠して、栂池自然園についたのは9時半をまわっていた。
この時点でまだ朝日小屋のおいしいごはんをあきらめきれていないわたくし。
今冷静に考えれば、私の体力じゃどう考えたって無理だとわかりそうなものを…恐るべし、食い意地。
少し急ぎ足で登山開始。しかしおかしい。この木道は山からどんどん離れて行く気がする・・・と思ったら、歩いていたのは自然園の中だった。
登山口はビジターセンターの手前だったのだ!
すごすごと入口へ戻る。
ここで入園料300円と時間を30分ほどロス。
登山において焦る気持ちというのは本当によくない。
まず体力の消耗がいつもより早い気がするし、のども乾くし道も間違える(バカ)。
下山してきたお姉さまに今から白馬岳までだと7時間以上かかるわねといわれ、そこで初めておいしいごはんをあきらめたのだった。
そうと決まれば今日は白馬大池まで。しかも今回の無茶な計画さえなければテント泊してみたかった場所だから願ったりかなったり。
楽勝だ!とは思わなかった。なぜならすでに体力を消耗していたから。一度消耗した体力はなかなか回復してくれない。
次からはもっと早い段階で潔くあきらめよう、と決意する。
白馬大池までは天気もよく、すばらしい眺望が楽しめた。
初めての雪渓も体験。ほんの少しだったけどドキドキしながらゆっくり登った。
このとき抜きつ抜かれつしていたおじ様が、雪渓でシャッターを押してくれるというのでお願いした。そしてカメラを構えようとした瞬間、おじ様が、転んだ!!
でもすぐ起きた。こんなもんです、とおっしゃった。
上の方で休憩していた方々がわっはっは、おじさん無理しちゃだめだよと笑っていた。
おじ様も笑っていた。
その上にきれいな雲と青い空が見えた。
・・・本当に心臓に悪かったです。
その後おじ様とは白馬大池までご一緒させてもらった。
独学で、50歳直前から登山を始めたとおっしゃっていた。ただいま御歳59。
山の話や天気の話、植物の話やカメラの撮影テクニックまで、ぽつぽつとお話される様子はまるで先生みたいだった。
途中霧雨に降られたとき、すぐ止みますから大丈夫、とおっしゃれば本当に雨は止んだ。
カップルを見つけるとすすんでシャッターを押しに行き、「アツイ!アツイ!」とベタな冗談をとばし、子供を見つければ、「さぁヤッホーと言って御覧なさい!あなたも一緒に言いましょう、せーの!」と知らず知らずのうちにその場にいた全員が子供と一緒にヤッホーを叫んでいる。
白馬大池に着いて、私がテントを張っているとやってきて、まずは一杯、とコーヒーを振る舞ってくれ、ペグ打ちまで手伝ってくれた。
隣のテントは一緒にヤッホーを叫んだ子供たちの家族で、そこのお父さんも一緒になってペグを打ってくれたのだった。
白馬大池のテント場は地面が硬いので、本当に助かった。
写真を送ります、と連絡先を聞いたけど、いやいや、こういうのはご縁ですからね、きっとまたどこかで、と教えてくれなかった。
この距離感が本当に心地よい。
到着時は快晴だったのが、テントで仮眠してる間にスコールがあった様子。
でもまた晴れて、テントもすっかり乾いた。
夜も満天の星空を楽しんだ。また月明かりが強かったので、1ヶ月前の木曽駒のテント場を思い出した。
明日も晴れかな、とわくわくしながら眠りについた。
ところが目覚めると、曇っていてご来光も見えなかった。
早々にテントを撤収し、雷鳥坂へ。
途中、白馬岳から戻ってくる先生と再会した。
「お早いですねー」と手を振ると、先生はあちゃーという顔をして、「きちゃったかー」といった。
「この先はもう雨だよ、まぁでも来ちゃったからね。大変だけどがんばって」
先生は颯爽と下山していった。
それでも小蓮華岳まではなんとか稜線もきれいに見えたし、雲海も楽しめた。
が、小蓮華岳の山頂についた直後、ひどい雨が降り出したのでカッパを着る。
白馬岳に近づくにつれてガスが濃くなり、ほとんど視界がきかなくなった。
稜線上は風が強く、ザックカバーがバタバタ鳴った。
足を踏ん張っていないとよろけてしまいそうだった。
せっかく白馬岳山頂に到着したというのに、感動はまったくない。
あんなに大きな白馬山荘も目の前に着くまでわからない始末。
そんな中、とにかくテント泊するための村営宿舎まで移動しようとして道を間違え、どういうわけか杓子岳の手前まで行ってしまった。
視界のなさは、正常な思考能力まで奪うらしい。
なんでもっと早い段階で引き返さなかったのか。
こんな風雨のなかテントなんか張れないし。
だったら最初からおとなしく白馬山荘に泊まればよかった。
いや、最初から白馬大池に荷物をデポして白馬岳ピストンにすればよかったのに。
私のバカ。うぅ。
荷物は重いし、風が強すぎてまっすぐ歩けないのがこんなに恐ろしいとは。
精神的にダメージを受け、しかし道中すれ違ったお兄さんに道を教えてもらい、なんとか村営頂上宿舎に到着。
精魂尽き果てたため、もちろん小屋泊に変更。
同じ部屋になった方も、同じように白馬山荘から迷ったそうだ。
さすがにそんな長い距離歩く前に引き返したそうですけど・・・。
でもそれを聞いたらちょっと元気になった。
その後のおしゃべりも楽しくて、ものすごく元気をもらえた。
もしこの天候の中、この広い部屋に1人だったら、ものすごく寂しかっただろう。
この小屋にはポストがあるので、絵葉書をかって切手を貼ってポストに投函してみたら、もう少し元気になった。
それから、なんといっても乾燥室だよね!!
濡れた靴やザックまで乾いちゃうんだから。すばらしい。
じめじめしていた心まであったまって、完全に元気を取り戻すわたくし。
さて問題は帰りのルート。
談話室でもみんなこの話題で持ちきりだった。
どのルートはどこが危ない、このルートは稜線が長いなど。
天気予報もさまざまな情報が飛び交い、正直なにをどう判断したらいいかわからなかった。
とりあえず大雪渓だけは無理だな、と思っていた。
アイゼンがなかったし、大雪渓=落石が怖かったから。
強風濃霧の中、そんな無謀なことはできない。
白馬鑓温泉へは、先ほど間違えたルートを杓子岳方面に歩くことになる。
稜線上の風の怖さを思い出すと憂鬱だし、鑓温泉はよく事故がおこるルートと聞いて却下。
白馬大池方面も稜線だけど、こっちは一度通った道だからまだなんとかなる気がする、という理由でそちらから帰るつもりで寝た。
夜更けにどんどん天候はひどくなり、窓からはびゅうびゅうという風の音と、時折スコールのような雨の音が聞こえた。テント場から駆け込んできたひとも結構いたときいて、もしテン泊してたら…と思うと身震いした。
翌朝、かろうじて雨はあがっていた。
繰り返すが私はアイゼンをもってないし、落石が怖くて行きも栂池からにしたくらいだから、この時点でも大雪渓だけはどうしても避けたかった。
白馬大池方面に行こうとしている方を見つけて、一緒におりてもらえることに。
ところが、稜線上は時折風速15メートルの風ガ吹いている、と聞いて、さすがにこれはやばいと思った。
大雪渓からなら一緒に降りてくれる人を見つけたよ!と相部屋の方。
もう大雪渓しかない。
一緒に降りてくれる方にも声をかけ、大雪渓から4人で下ることになった。
しかしすでに4本爪のアイゼンは売り切れ、レンタルもなし。
アイゼンなしで、この大荷物での雪渓は怖すぎる。
残るは約8000円の6本爪アイゼン。
ちょっと(いやかなり)痛い出費だったけど、命には代えられない。
ようやく観念し、お金握りしめて売店へ。6本爪アイゼンを買ったのが6時前。
小屋の方は丁寧に靴のサイズとアイゼンのサイズをみてくれて、装着するときにわかりやすいようにとわざわざ箱の写真を切り抜いて持たせてくれた。
アイゼンのナットを締める手が震え、2度もドライバを手から落とした。
登りの雪渓で転んだ先生の笑顔が頭をよぎる。
大雪渓で転んだら、笑ってすまないよなぁと思っていた。
相当びびっていたわたくし。
レーダーをみながら、大雨の雲が近づいてきている、下るなら早いほうがいい、と常駐隊の方にせかされるように小屋を出発。
一緒におりてくれたのは、男性2人と相部屋だった女性1人、それぞれソロ山行の方々。
とても経験豊富な方達で、道中6本爪アイゼンについていろいろ教えてもらった。
これがあれば、冬の北八ヶ岳は余裕らしい。
上高地から徳沢など、いろいろ企画してるものに誘っていただけた。
というわけで、今年は雪山デビューできそうです♪
肝心の大雪渓は、正直拍子抜けした
アイゼンって、こんなに滑らないんだ!
雪を踏む感覚が気持ちいいし、とっても涼しい!
最初崩れた雪庇を見たときは心底びびったけど、下り始めたら楽しかった。
が、最後の方でドン!と地鳴りがして、クレバスの裂け目が広がってる音だと気づいた瞬間、猛烈なスピードで雪渓を駆け下りる私がいた。
それまで楽しみながらも恐る恐るだったのに、こんなに走れたのか私!と思った。
膝が悲鳴をあげはじめた頃、無事猿倉到着。
幸運にも、私たちが下っている間大雪渓はガスることなく、視界を確保したまま楽に下ることができた。
一緒に下りてくれた方が八方の駐車場まで車で送ってくださり、そのまま4人で倉下の湯へ。
あの濃霧と暴風の中、いったいどうやって下りようか考えていた時間が嘘のよう。
こうやって危険を回避できたことはすごく自信になったし、次も同じようにうまくいくとは限らないけど、少なくとも以前より安全な方法を選択できる知識が身についたと思う。
なにより、山での助け合いの精神がとっても心に響いた。
まだまだ私は助けてもらう一方だけど、いつか私も誰かの助けになれるといいな。
1人で来たけど全然1人じゃないなぁと、1人で山にくるたびいつも思うのだった。
14日〜16日にほぼ同じコースでテン泊していました。
山の天気は怖いですね…。
15日の山頂宿舎のテン場は一晩中強風で怖い思いをしました。
でも素敵な出会いがあったようで、何よりです♪
貴重なレポートありがとうございました!
あの強風の中テン泊ですか!!
すごいですね、きっと本当に怖かったことでしょうね。
私は小屋の中でも怖かったです。
山行記録拝見させていただきました。
まだ記憶に新しい景色がたくさんあって、嬉しくなりました。
おつまみ、お酒、いいですね〜♪
私はもう荷物の限界で、いつも粗食なんです。
うらやましい限り。
yo-coさん、はじめまして
massyと申します
17日に小蓮華山〜大池ですれ違ってるかもです!
我々は大池に下りたら最高の青空だったのですが、上りはいかがでしたか?
白馬大池はお花が一杯で素敵なところでしたね
我々は花より団子になってしまいましたが
コメントありがとうございます!
山行記録、拝見させていただきました。
もしかして、雷鳥坂を過ぎたあたりですれ違った方たちがそうかな??
私の記憶も曖昧ですいません。
多分、朝食休憩が済んでみなさん再出発したところだったような???
白馬岳までは、小蓮華山まではいいお天気だったんです。
そこからは風がすごくて怖かったです。
白馬大池はぜひまたテント泊したいなと思っています!
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