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Yamareco

記録ID: 133998
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
槍・穂高・乗鞍

凡人でも24時間以内で槍ヶ岳・北鎌尾根の日帰り周回は可能か?

2011年09月15日(木) [日帰り]
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GPS
--:--
距離
52.2km
登り
2,815m
下り
2,815m

コースタイム

【写真・コメントの前に、今回の山行実施にあたっての前段の説明・・・】


注)ルート上の写真やルートのインプレは8月の山行の方が詳しいです。

 2年前の夏、初めて1人で北鎌に挑んだ時は、それまで5年間ほど山に登っていなかったこともあって、命からがら戻ってきた、という感じでした。1日目は天狗の腰掛けでビバーク、2日目はババ平にたどり着くのがやっと・・・ 結局、この時は2日半かかって駐車場まで戻りました。

 昨年の夏、前回の課題克服を目的に2回目の北鎌に知人と挑んだ時は、昨年の経験もあって多少心に余裕を持って周回してきましたが、それでも1日目はP12を過ぎたビバークサイトまでしか到達できず、丸2日かかって降りてきました。

 今年の盆休み、「これを最後の北鎌にしよう」と単独での3度目の挑戦。北鎌平まで行ければいいなーと思っていたら、どういうワケか初日のうちに槍ヶ岳の頂上へ到達、翌日の午前中には駐車場まで降りることができ、1日半で北鎌を周回しました。

 この3回目の時は今回同様に徹夜して21時半ごろに釜トンネルから入り14時半か15時ごろに槍ヶ岳の頂上へ到達、その日は殺生のテン場で1泊したとは言え翌日はテン場から普通に歩いて5時間半で駐車場に戻れたことから、「これを最後の北鎌にしよう」と思っていたのに下山後にはもう「槍ヶ岳山頂から殺生までを足すと1日目と2日目のトータルで24時間かかっているかかかっていないか微妙なところ・・・ これはもしかしたらもう少し頑張れば1日で(24時間以内で)周回できるのではないか?」と思うようになっていました。

 以前より私同様に自転車を使って釜トンネル付近から15時間ほどで北鎌を周回した記録や新穂高から同じく15時間で北鎌を周回したブログを見ていました。四捨五入して50歳になるオッサンで、しかも中学時代に1500m走で6分を切ったことがなく体力や持久力に自信のない私には15時間で行って帰ってくるのは200%無理ですが、24時間以内の周回だったら少しは可能性があるのでは?と思ったワケです。

 しかしこれを達成するにはかなり体を山に慣れさせておく必要があると感じましたが、チャレンジを来年にするとまた春からトレーニングして体を山に慣れさせるのに時間がかかると思い、今なら体が山に慣れていることもあり、前回のお盆休みからあまり日を置かない9月15日(木)に今季2度目通算4度目の北鎌にチャレンジすることにしました。ま、こんなくだらない発想をして、実際にやってみる物好きはそういないと思っていますが・・・(笑)

 *コースタイムは、写真や「感想」を参照下さい。

天候 晴れのち時々曇り
過去天気図(気象庁) 2011年09月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
コース状況/
危険箇所等
・水俣乗越から独標までは、北鎌沢の登りを除き道に迷う心配は少ない。
・独標〜北鎌平が核心部分であるが、基本稜線通しで間違いはない。
・北鎌はバリエーションルートなのだから、個人的にはガイド付や経験者と登っても、それはただ北鎌に行ったというだけでバリエーションルートをこなしたことにはならないと思う。異論はあるだろうが、大変だけど単独か未経験者だけで行ってこそ頂上に到達した時の感激も一層大きいと思います。
・個人的にはバリエーションルートなのに最近赤布やケルンが散見されるのが残念。

21時30分、釜トンネルに突入。この後、今回の山行で最大のアクシデント発生。トンネルを出たところでナント舗装工事・・・ 「アツアツのアスファルトを敷いたばかりで、今通ると自転車のタイヤは溶けてパンク、靴のソールもドロドロになるから1時間待ってくれ」とのこと・・・ 「24時間のうち1時間でもなくなると厳しい・・・ こんな事で撤退なのか!?」と思案に暮れましたが、ガードレールと舗装の端との間の20センチ程度の草むらの上を、自転車が地面に触れないよう持ち上げて歩き、難を逃れました・・・
2011年09月14日 21:30撮影 by  Canon IXY DIGITAL 910 IS, Canon
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9/14 21:30
21時30分、釜トンネルに突入。この後、今回の山行で最大のアクシデント発生。トンネルを出たところでナント舗装工事・・・ 「アツアツのアスファルトを敷いたばかりで、今通ると自転車のタイヤは溶けてパンク、靴のソールもドロドロになるから1時間待ってくれ」とのこと・・・ 「24時間のうち1時間でもなくなると厳しい・・・ こんな事で撤退なのか!?」と思案に暮れましたが、ガードレールと舗装の端との間の20センチ程度の草むらの上を、自転車が地面に触れないよう持ち上げて歩き、難を逃れました・・・
いつも「もうイヤだ、これを最後にしよう」と何度となく思いながらも走ってしまう不気味な真っ暗な夜道を、ヘッドランプの光だけを頼りにひた走ります。
2011年09月14日 22:23撮影 by  Canon IXY DIGITAL 910 IS, Canon
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9/14 22:23
いつも「もうイヤだ、これを最後にしよう」と何度となく思いながらも走ってしまう不気味な真っ暗な夜道を、ヘッドランプの光だけを頼りにひた走ります。
23時36分、横尾着。水を補給し、23時46分出発。
2011年09月14日 23:36撮影 by  Canon IXY DIGITAL 910 IS, Canon
9/14 23:36
23時36分、横尾着。水を補給し、23時46分出発。
0時54分、槍沢ロッジ着。食事&トイレののち、1時22分出発。
2011年09月15日 00:54撮影 by  Canon IXY DIGITAL 910 IS, Canon
9/15 0:54
0時54分、槍沢ロッジ着。食事&トイレののち、1時22分出発。
1時47分、ババ平通過。平日なのに意外にテント多し。
2011年09月15日 01:47撮影 by  Canon IXY DIGITAL 910 IS, Canon
9/15 1:47
1時47分、ババ平通過。平日なのに意外にテント多し。
日中でも熊が出ていると槍沢ロッジのブログで読んだのでビクビクしながら、誰もいない真っ暗な山道を歩き、3時3分、水俣乗越着。パワー補給をして3時9分に下降開始。
2011年09月15日 03:03撮影 by  Canon IXY DIGITAL 910 IS, Canon
9/15 3:03
日中でも熊が出ていると槍沢ロッジのブログで読んだのでビクビクしながら、誰もいない真っ暗な山道を歩き、3時3分、水俣乗越着。パワー補給をして3時9分に下降開始。
今まで気がつかなかったが、天上沢にもビバークポイント多数。やはり近年北鎌には相当数の人が入っている?
2011年09月15日 03:57撮影 by  Canon IXY DIGITAL 910 IS, Canon
9/15 3:57
今まで気がつかなかったが、天上沢にもビバークポイント多数。やはり近年北鎌には相当数の人が入っている?
5時7分、北鎌沢出合着。ここから見える左右俣分岐にサッサと行く。
2011年09月15日 05:22撮影 by  Canon IXY DIGITAL 910 IS, Canon
9/15 5:22
5時7分、北鎌沢出合着。ここから見える左右俣分岐にサッサと行く。
5時22分、左右俣分岐着。5時29分出発。水を2リットル入れ、ザックに収まっている残りの1.5リットルと併せて3.5リットル担ぎ上げる。
2011年09月15日 05:29撮影 by  Canon IXY DIGITAL 910 IS, Canon
9/15 5:29
5時22分、左右俣分岐着。5時29分出発。水を2リットル入れ、ザックに収まっている残りの1.5リットルと併せて3.5リットル担ぎ上げる。
有名な大岩。靴はファイブテンのアプローチシューズ、キャンプフォーで来たのでサクッとクリア。
2011年09月15日 06:16撮影 by  Canon IXY DIGITAL 910 IS, Canon
9/15 6:16
有名な大岩。靴はファイブテンのアプローチシューズ、キャンプフォーで来たのでサクッとクリア。
死者多数を生み出したクライマーホイホイ。
2011年09月15日 06:34撮影 by  Canon IXY DIGITAL 910 IS, Canon
9/15 6:34
死者多数を生み出したクライマーホイホイ。
7時11分、北鎌のコル着。初めて来た時は左右俣分岐から2時間49分もかかったが、今回は1時間42分で到達。お盆休みと比べ、一応ツェルトと張り綱は装備に入れておきましたが、逆にテント・シュラフ・シュラフカバーなどは省き、また左右俣分岐で担ぎ上げる水を3.5リットルに減らしましたから、荷物の重量はお盆休みより4キロは軽くなっていることが奏功したのでしょうか。
2011年09月15日 07:11撮影 by  Canon IXY DIGITAL 910 IS, Canon
9/15 7:11
7時11分、北鎌のコル着。初めて来た時は左右俣分岐から2時間49分もかかったが、今回は1時間42分で到達。お盆休みと比べ、一応ツェルトと張り綱は装備に入れておきましたが、逆にテント・シュラフ・シュラフカバーなどは省き、また左右俣分岐で担ぎ上げる水を3.5リットルに減らしましたから、荷物の重量はお盆休みより4キロは軽くなっていることが奏功したのでしょうか。
コルからしばらく行ったところで独標が見え始める。一応ツェルトは持参しているとはいえ、登り始めたその日のうちに槍ヶ岳山荘まで抜けきったのは3回のうち前回のお盆休みのみ。今回も必ずその日のうちに槍まで抜け切れるという絶対的な自信があったわけではなかったので、先を急ぎます。
2011年09月15日 07:38撮影 by  Canon IXY DIGITAL 910 IS, Canon
9/15 7:38
コルからしばらく行ったところで独標が見え始める。一応ツェルトは持参しているとはいえ、登り始めたその日のうちに槍ヶ岳山荘まで抜けきったのは3回のうち前回のお盆休みのみ。今回も必ずその日のうちに槍まで抜け切れるという絶対的な自信があったわけではなかったので、先を急ぎます。
赤いロープが最近垂れ下がった岩壁。両手両足を総動員しないと登れない天狗の腰掛までの登りは一番イヤな区間ですが、徹夜明けのカラダにムチ打ち頑張ります。
2011年09月15日 08:01撮影 by  Canon IXY DIGITAL 910 IS, Canon
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9/15 8:01
赤いロープが最近垂れ下がった岩壁。両手両足を総動員しないと登れない天狗の腰掛までの登りは一番イヤな区間ですが、徹夜明けのカラダにムチ打ち頑張ります。
8時24分、2年前のビバーク地である天狗の腰掛着。
2011年09月15日 08:24撮影 by  Canon IXY DIGITAL 910 IS, Canon
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9/15 8:24
8時24分、2年前のビバーク地である天狗の腰掛着。
8時56分、独標基部着。1ヶ月前に来たばかりですし4度目の北鎌ともなると、ルートの記憶が鮮明であり、最短で抜けられるルートかどうかは別にして、分岐に遭遇しても選択にあまり迷わないので時間のロスが防げます。まあそうなると既にバリエーションルートではなくなってしまっていますが・・・(笑)
2011年09月15日 08:56撮影 by  Canon IXY DIGITAL 910 IS, Canon
9/15 8:56
8時56分、独標基部着。1ヶ月前に来たばかりですし4度目の北鎌ともなると、ルートの記憶が鮮明であり、最短で抜けられるルートかどうかは別にして、分岐に遭遇しても選択にあまり迷わないので時間のロスが防げます。まあそうなると既にバリエーションルートではなくなってしまっていますが・・・(笑)
独標トラバース入口を振り返った写真。緑のロープがかかっており、岩に抱きつくように渡る。
2011年09月15日 09:08撮影 by  Canon IXY DIGITAL 910 IS, Canon
9/15 9:08
独標トラバース入口を振り返った写真。緑のロープがかかっており、岩に抱きつくように渡る。
お約束の逆コの字。
2011年09月15日 09:16撮影 by  Canon IXY DIGITAL 910 IS, Canon
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9/15 9:16
お約束の逆コの字。
大槍が姿を現す・・・!
2011年09月15日 09:37撮影 by  Canon IXY DIGITAL 910 IS, Canon
9/15 9:37
大槍が姿を現す・・・!
いやー、カッチョいい!
2011年09月15日 09:54撮影 by  Canon IXY DIGITAL 910 IS, Canon
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9/15 9:54
いやー、カッチョいい!
アップ!
2011年09月15日 09:54撮影 by  Canon IXY DIGITAL 910 IS, Canon
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9/15 9:54
アップ!
この子槍の存在感は北鎌側から見ないとわからないと思う。
2011年09月15日 10:04撮影 by  Canon IXY DIGITAL 910 IS, Canon
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9/15 10:04
この子槍の存在感は北鎌側から見ないとわからないと思う。
大砲岩に向かって登る。この岩陰、絶好の休憩ポイントです。風が吹けば超スズシ〜イ!
2011年09月16日 11:43撮影 by  Canon IXY DIGITAL 910 IS, Canon
9/16 11:43
大砲岩に向かって登る。この岩陰、絶好の休憩ポイントです。風が吹けば超スズシ〜イ!
P13。前回ココは大渋滞だったが今回は誰もいない。ちなみに今回は北鎌沢で2人組を抜いた以降、北鎌のコル〜槍ヶ岳頂上まで1人の人間も見なかった(サルが2匹いただけ)。
2011年09月16日 11:43撮影 by  Canon IXY DIGITAL 910 IS, Canon
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9/16 11:43
P13。前回ココは大渋滞だったが今回は誰もいない。ちなみに今回は北鎌沢で2人組を抜いた以降、北鎌のコル〜槍ヶ岳頂上まで1人の人間も見なかった(サルが2匹いただけ)。
前回より1時間半以上早い10時41分、P13直下に到達。
2011年09月15日 10:41撮影 by  Canon IXY DIGITAL 910 IS, Canon
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9/15 10:41
前回より1時間半以上早い10時41分、P13直下に到達。
上から見たところ。
2011年09月15日 10:45撮影 by  Canon IXY DIGITAL 910 IS, Canon
9/15 10:45
上から見たところ。
振り返りの写真。どこをどう来たのか・・・ 核心中の核心部分ですかね。ルートをミスると懸垂下降を強いられます。
2011年09月15日 10:45撮影 by  Canon IXY DIGITAL 910 IS, Canon
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9/15 10:45
振り返りの写真。どこをどう来たのか・・・ 核心中の核心部分ですかね。ルートをミスると懸垂下降を強いられます。
こ、この子槍の存在感・・・ たまりません! 個人的には一番お気に入りの写真。
2011年09月15日 11:37撮影 by  Canon IXY DIGITAL 910 IS, Canon
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9/15 11:37
こ、この子槍の存在感・・・ たまりません! 個人的には一番お気に入りの写真。
今回適当なところから遡上したら初めてドンピシャで北鎌平に出た。12時12分。
2011年09月15日 12:12撮影 by  Canon IXY DIGITAL 910 IS, Canon
9/15 12:12
今回適当なところから遡上したら初めてドンピシャで北鎌平に出た。12時12分。
上のチムニー。比較するものが写ってないからわかりにくいが、写真から受け取る感覚より結構高さはある。
2011年09月15日 12:53撮影 by  Canon IXY DIGITAL 910 IS, Canon
9/15 12:53
上のチムニー。比較するものが写ってないからわかりにくいが、写真から受け取る感覚より結構高さはある。
あまり見かけないので、チムニーの詳細写真。これは足元。
2011年09月15日 12:54撮影 by  Canon IXY DIGITAL 910 IS, Canon
1
9/15 12:54
あまり見かけないので、チムニーの詳細写真。これは足元。
中ほど。岩登りの経験がないと、初めて来た時の私のように登るのに苦労すると思います。けどココまで来て撤退はあり得ないし、「最後の難関」にふさわしい箇所かと思います。
2011年09月15日 12:54撮影 by  Canon IXY DIGITAL 910 IS, Canon
1
9/15 12:54
中ほど。岩登りの経験がないと、初めて来た時の私のように登るのに苦労すると思います。けどココまで来て撤退はあり得ないし、「最後の難関」にふさわしい箇所かと思います。
上部。どう登るのかは現地で考えてみて下さい(笑)。
2011年09月15日 12:55撮影 by  Canon IXY DIGITAL 910 IS, Canon
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9/15 12:55
上部。どう登るのかは現地で考えてみて下さい(笑)。
上から見たところ。落ちるとケガすることは避けられない。
2011年09月15日 12:58撮影 by  Canon IXY DIGITAL 910 IS, Canon
9/15 12:58
上から見たところ。落ちるとケガすることは避けられない。
1つ前の写真の場所でヒョイと右を向くと見える木の杭。杭まで登って右を見れば頂上は目の前。
2011年09月15日 12:58撮影 by  Canon IXY DIGITAL 910 IS, Canon
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9/15 12:58
1つ前の写真の場所でヒョイと右を向くと見える木の杭。杭まで登って右を見れば頂上は目の前。
木の杭の場所にて。ありがとう、北鎌尾根。またルートを忘れたころに来るね(笑)。
2011年09月15日 13:00撮影 by  Canon IXY DIGITAL 910 IS, Canon
1
9/15 13:00
木の杭の場所にて。ありがとう、北鎌尾根。またルートを忘れたころに来るね(笑)。
13時4分、頂上到達。「こっちからも頂上に来れるんですか?」と聞いてきたあんちゃんに撮ってもらった。
2011年09月15日 13:04撮影 by  Canon IXY DIGITAL 910 IS, Canon
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9/15 13:04
13時4分、頂上到達。「こっちからも頂上に来れるんですか?」と聞いてきたあんちゃんに撮ってもらった。
頂上から。
2011年09月15日 13:07撮影 by  Canon IXY DIGITAL 910 IS, Canon
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9/15 13:07
頂上から。
頂上から◆
2011年09月15日 13:07撮影 by  Canon IXY DIGITAL 910 IS, Canon
9/15 13:07
頂上から◆
頂上から。
2011年09月15日 13:07撮影 by  Canon IXY DIGITAL 910 IS, Canon
9/15 13:07
頂上から。
13時26分、多少下り渋滞に巻き込まれながらも槍ヶ岳山荘へ。ここまで来れば滑落の危険性はなくなる。24時間のタイムリミットまであと8時間。
2011年09月15日 13:26撮影 by  Canon IXY DIGITAL 910 IS, Canon
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9/15 13:26
13時26分、多少下り渋滞に巻き込まれながらも槍ヶ岳山荘へ。ここまで来れば滑落の危険性はなくなる。24時間のタイムリミットまであと8時間。
パワー補給に山荘でカレーを食べ、13時45分に下降開始。槍よ、さらばじゃ・・・!
2011年09月15日 13:45撮影 by  Canon IXY DIGITAL 910 IS, Canon
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9/15 13:45
パワー補給に山荘でカレーを食べ、13時45分に下降開始。槍よ、さらばじゃ・・・!
15時54分、かなりヒザにキテいるが、なんとか大曲まで戻る。
2011年09月15日 15:54撮影 by  Canon IXY DIGITAL 910 IS, Canon
9/15 15:54
15時54分、かなりヒザにキテいるが、なんとか大曲まで戻る。
16時15分、ババ平。みんなメシ作ったりしてくつろぎモード。羨ましい・・・
2011年09月15日 16:15撮影 by  Canon IXY DIGITAL 910 IS, Canon
9/15 16:15
16時15分、ババ平。みんなメシ作ったりしてくつろぎモード。羨ましい・・・
16時45分、槍沢ロッジ。みんなテラスでビール飲んでる・・・ まだ行動しているのは私だけ??
2011年09月15日 16:50撮影 by  Canon IXY DIGITAL 910 IS, Canon
9/15 16:50
16時45分、槍沢ロッジ。みんなテラスでビール飲んでる・・・ まだ行動しているのは私だけ??
横尾、18時2分。こりゃ帰りの自転車も要ヘッドランプですね・・・
2011年09月15日 18:02撮影 by  DSC-HX5V, SONY
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9/15 18:02
横尾、18時2分。こりゃ帰りの自転車も要ヘッドランプですね・・・
「絶対今回で真っ暗なこの道を自転車で走るのは最後にしよう」と思いながら(笑)、ひたすら漆黒の闇夜の中をヘッドランプの灯りだけを頼りに自転車を漕ぎ続け、ついに19時25分、釜トンネルへ・・・! 約22時間弱の北鎌尾根周回でした! 帰りは最初のSAである梓川SAにて21時ごろから車の中で寝ましたが、車の中が暑くなって自然に目が覚める7時ごろまで爆睡しました!
2011年09月15日 19:25撮影 by  Canon IXY DIGITAL 910 IS, Canon
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9/15 19:25
「絶対今回で真っ暗なこの道を自転車で走るのは最後にしよう」と思いながら(笑)、ひたすら漆黒の闇夜の中をヘッドランプの灯りだけを頼りに自転車を漕ぎ続け、ついに19時25分、釜トンネルへ・・・! 約22時間弱の北鎌尾根周回でした! 帰りは最初のSAである梓川SAにて21時ごろから車の中で寝ましたが、車の中が暑くなって自然に目が覚める7時ごろまで爆睡しました!

感想


【写真・山行コメントを受けての総括】


 結局、釜トンネルから水俣乗越経由の北鎌を登って釜トンネルへ戻ってくるまで約22時間かかったことになります。私はトレランの趣味はないので”ラン”した区間はありませんが、しかし実際にこの「北鎌日帰り」を体験すると、これより7時間も短い15時間で帰ってくる人って、トレランしたとしても人間ワザではないと感じます・・・ 同じ時刻に出発したとすれば、私が槍ヶ岳の頂上に着くころには既に駐車場に戻っている計算ですから、まさしくエイリアンかモンスターですね・・・

 初めて北鎌を目指した時に、ババ平から日帰りするというブログを見て、「とんでもない人たちがいるんだな・・・」と思ったものですが、ババ平を基点とするなら今回も往路が2時前通過、復路が16時半通過でしたから、荷物の軽量化を図ってのババ平発着の1day日帰りは尾根上でルートファインディングが冴えれば徹夜しなくても可能と思います。

 今回約22時間弱で北鎌周回をしたわけですが、中学時代の持久走ではいつも後ろから数えたほうが早かった私ですから、標準的な人なら私より持久力があると思うので、長時間山登りをする根性と気合があれば達成可能だと思います。私は別に山岳部や体育会系の部に在籍していたわけでもないし、ごく普通の山好きの40歳代後半のオッサンです。つまるところ、通常のルートである1日目:上高地〜北鎌沢出合、2日目:北鎌沢出合〜槍ヶ岳山荘、3日目:槍ヶ岳山荘〜上高地という3日×各8時間を1日でマトメて歩いただけのことですし、ましてや私より体力のあるはずの若い人なら必ずできると思います。北鎌を1度でも経験した人なら道にもあまり迷わないと思いますから一度チャレンジされてみてはいかがでしょうか。

 こうして毎年毎回色々な方法や自分で課した課題のもとで北鎌尾根を歩きましたが、これ以上北鎌において実現可能な課題は見つけられそうにもないため、来年からは北鎌を含めた岩稜登りは控え、年齢相応に静かにのんびりと景色を楽しむ山行をしていくつもりです。
 さしづめ、雷鳥沢にテント張っての立山三山か、白馬・八方かなぁ・・・


*ルート上の写真やルートのインプレは8月の山行の方が詳しいです。


【コースタイム】

釜トンネル21:30〜23:36横尾23:46〜0:54槍沢ロッジ1:22〜3:03水俣乗越3:09〜5:07北鎌沢出合5:07〜5:22左右俣分岐5:29〜7:11北鎌のコル7:18〜8:56独標基部8:56〜10:41P1310:45〜12:12北鎌平12:12〜13:04槍ヶ岳山頂13:09〜13:26槍ヶ岳山荘13:45〜16:45槍沢ロッジ16:50〜18:02横尾18:07〜19:25釜トンネル



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コメント

あこがれます。
突然のコメント失礼します。
すごい、憧れます。。おそるべき体力、けっして凡人なんかどはないとおもいます。
2011/9/16 15:26
vader3さん
いえ、ホントにただの山好きのオッサンにすぎません。
こんな無茶なことはもうできない年齢になってきています。
近隣にお住まいのようですので、どこかの山用品店でお会いするかもしれませんね。
また遊びに来て下さい。
2011/9/16 15:44
ただ、すごいの一言です
 こんにちは、kameと申します。

 BIMOTAさんの8月の北鎌の数日前に私達のグループも
歩きましたが、実際に歩いてきただけにそのコースを
22時間で周回してくるという快挙(?)には、ただただ
拍手を送り続けたくなりました。

 先日、北鎌から帰ってきてぽっかりと空いた穴を埋め
るべく後立山を歩いてきましたが、途中、遥か彼方に
見える尾根を見てしまった時、2度と来るもんかと思っ
ていた心はどこに行ってしまったのか、またウズウズ
してきてしまいました。

 北鎌ってそんな魅力があるのでしょうかね?
2011/9/16 17:34
kameさん
 私もkameさんの記録は以前より拝読させていただいていました。

 おそらく行ったことがある方なら、あのコースを24時間で歩くことのバカらしさはご理解いただけるかと思います(笑)。

 私が北鎌に魅了されてきたのは、社会人になってからは山登りは数年に1回、そして2年前に初めて北鎌を目指した時は直前5年間は1度も山登りをしていなかったところへ北鎌へ行ったのですが、あの時に感じた達成感が昨年・今年2年間のマイブームである山登りの原点であるので、北鎌は私にとって特別な存在なのです。

 とりあえず今回で一旦北鎌はやめますが、ルートを忘れかけたころにまた行くかもしれません(笑)。
2011/9/16 18:00
半端ないです!!
こんにちは。コメント失礼します。

本当に凄いです。自分は東鎌でヒーヒー言ってるのに、一日で北鎌って
おととい北鎌を見ながら憧れだけど、無理だよな〜、カッコイイな〜、なんて思っていたところでした。

ところで自転車は横尾のテント場と道の看板裏に停めてあった物ですか??お見かけしたような


これからもナイスな山行してください
2011/9/16 20:09
krkdxさん
自転車はたぶんそうです(笑)。
もっと人目のつかない場所にとは思ったのですが、真夜中でどこが何だかよくわからず・・・

東鎌は20数年前に行ったきりですが、記録を拝読してまた久しぶりに行きたくなる山行記録でした。

これからもちょくちょく遊びに来てやってください。
2011/9/16 20:21
ただならぬ実行力
BIMOTA様、お疲れ様です。
ID名に違わぬ強心臓ですね!感服いたしました。
強心臓とは体力は勿論、暗闇を撥ね退ける度胸もそうですし、必ず成し遂げる意志です。
私は登坂車線がやっとですが、同年代の誇りですね。
カラダが山に慣れているうちとはごもっともです。
私も八海山と西穂−奥穂が無かったら北鎌は無理だったでしょう。
北方稜線も今なら行けるかも?いやいや勉強何もして無いし、日も短くなりました。
来年も何回か山行をこなしてから臨みたいと思います。
トンデモナイ人って好きですね。それでいて危なげ無いところは流石です。
また立寄らせていただきますね。
2011/9/16 22:09
JA11Vさん
同年代の方にそう言っていただけると嬉しいものです。
今回の計画は来年に延ばしていたら達成できなかったかもしれません。
とにかく一番効率的というか、来年より今だと感じ、即実行しました。
白馬や立山は来年でも行けますが、北鎌24時間以内は今やるべきだ、と。

私が北方稜線に挑むにあたってやったことは、とにかく行った人の記録を読み漁りました。
そうすれば核心部分が短いだけに、おぼろげにルートが頭に描けます。
あとはその通りに行ってルートさえ間違わなければ北方稜線は西穂〜奥穂よりラクだと思います。
北鎌もそうですが、北方稜線もルート上の登攀技術より歩いている道や方向が正しいのかどうかの方が不安ですから・・・

これからもお互い、アラフィー世代もまだまだやれることを世間に知らしめましょう!(笑)
2011/9/16 22:25
最終目標は
BIMOTA様
チャンスに鋭くレスポンス、的確なアクセルワークですね!
その通りです。今でしか行けない場所があります。
私は北鎌・北方稜線のうち半分を達成しました。BIMOTA様は一気に駆け抜けましたね!
来年の挑戦に当たっては十分資料を当たります。もちろんBIMOTA様の記録も先生です。
北鎌のときはHPなどの写真やコメントを編集して資料集を作ったところ、刷ったときには暗記していました。本業もこのくらい頑張れば上司という立場になったかもしれません。
ルートの不安は嫌というほどありました。しかしそれが次の経験になるわけで。不安と引き換えに得るもの・単独行の魅力のひとつでもあります。
47歳で一番な山行を経験しましたので、半世紀後の97歳には徳島の弁天山に登ろうかと思います(存命で脳の機能がまだ有れば)。
なおキャンディーズは解散しましたがソロでも活躍しています。BIMOTA様には解散の危機は無いですし、刺激を受けたカラダは原付では物足りないでしょう。
フツーのおっさんには戻り切れないと思いますので、舞台を移して活躍されることを楽しみにしています。
※キャンディーズが出てくるところなど、同世代っていいものですね!
2011/9/17 20:08
JA11Vさん。
8月に北鎌へ行くまでは、24時間はおろか、その日のうちに槍ヶ岳山荘へ抜けることすら私にとっては夢でした。
しかし計算上、24時間で周回できる計算が見込めることが下山後にわかると、この「北鎌日帰り」という”北鎌の卒業試験?”の勉強で頭の中はいっぱいで、来年に実行するよりルートの記憶が鮮明で体も山慣れしている今行くべき!と感じました。

私も北鎌ルートマニュアルなる先人の写真やコメントを編集したものを毎度作りましたが、4度目の今回はそれを初めて持参しませんでした。
もう過去の苦労や経験が既に自分の頭の中でマニュアル化されており、実際今回はほぼルートミス&迷いはありませんでした。

今後、また岩稜帯が懐かしく感じてまた挑むこともあるかもしれませんが、山口百恵みたいに完全に引退してしまうこともあるかもしれません(笑)。
2011/9/17 21:23
サイコー!!!
BIMOTAさんが凡人だったら、世の中もっと魅力的☆

北鎌とりあえず卒業なんですね〜
おめでとうございます!!!

これからの山を楽しむために卒業されたことと思って、
また今後の山行報告楽しみにしていまーす♪♪

因みにわたしの時は雨が降っていたため、チムニーのところは右側から捲く感じで登りました
チムニー登りたいな☆
2011/9/17 21:41
hirappeさん
とりあえず北鎌はもういいかな、と。
貧乏沢からアプローチしたりとか考えましたが、まあ水俣乗越からとさほど変わらないし、かと言って湯俣からだと沢の経験がないんで無理だし・・・
次は景色のいい場所で、おいしいモノを調理する年齢相応のジジババ山行にします(笑)。

上のチムニーのところは右から行けるんですか?
なんか残置スリングがかかっているところがあったような記憶もありますが・・・
まあ祠の真後ろから上がったとかいう話も聞くので、あそこは色々な登攀ルートがあるんでしょうね。
2011/9/17 22:05
日帰り北鎌すごいですね
こんにちは、BIMOTAさん。

「凡人」という意味が良くわかりませんが(笑)、今年
二度目の北鎌おめでとうございます。
色々と参考にさせて頂きました。
何事もなければ、同じコースでこの三連休に行くと
思います。
なるほど、貴方も5・10のアプローチシューズを
愛用なのですね。
最近穂高の岩稜帯ではよく見かける靴です。
私も、文字通りクライミングのアプローチには使って
いるものの、長時間履いたことがなく、今回履こうか、
どうしようか迷ってるところです。

自転車ですが、確か上高地では、BTより奥は走れな
かったかと思います。散策路も林道も・・・
実は自分も過去に横尾まで自転車使おうと思って、
調べた経緯があったので。
皆が真似をしたら、やっぱヤバイでしょ?
余計な事だとは思ったのですが、済みませんでした。


でも、良い山行記録だと思っています。
2011/9/21 17:22
onsenさん
北鎌にはファイブテンのキャンプフォーとイグザムガイドでしか行ったことがないので、他のメーカーの登山靴との比較はできませんが、防水性はないとはいえ、一度あのグリップ感を体験すると、北鎌のような岩稜帯はファイブテン以外の靴では行く気がなくなりますね。
荷物が軽ければ、ローカットのキャンプフォーでも問題ないと思います。

さて、すみませんと言いつつ何をかを言わんやご指摘いただいた「余計な事」についてですが、経過や状況は小生の方も把握しています。
最初色々と私の認識や見解を長々と当欄に書いていましたが、ココで議論するつもりもないので全て削除させていただきました。
自転車で右岸の遊歩道に入ったり治水林道に歩行者がいるのに猛スピードで駆け抜けたりするのは論外ですが、お上が決めたルールはみな正しいからとその背景や理由を深慮しないで問題意識も持たずに従うほど私は素直ではありませんし、問題意識を持って自転車で来る人が他にいてもいいと思いますけどね。
2011/9/21 21:30
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無雪期ピークハント/縦走 槍・穂高・乗鞍 [3日]
槍ヶ岳北鎌尾根/上高地・水俣乗越ルート
利用交通機関: 車・バイク、 電車・バス、 タクシー
技術レベル
5/5
体力レベル
5/5

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