凡人でも24時間以内で槍ヶ岳・北鎌尾根の日帰り周回は可能か?
- GPS
- --:--
- 距離
- 52.2km
- 登り
- 2,815m
- 下り
- 2,815m
コースタイム
注)ルート上の写真やルートのインプレは8月の山行の方が詳しいです。
2年前の夏、初めて1人で北鎌に挑んだ時は、それまで5年間ほど山に登っていなかったこともあって、命からがら戻ってきた、という感じでした。1日目は天狗の腰掛けでビバーク、2日目はババ平にたどり着くのがやっと・・・ 結局、この時は2日半かかって駐車場まで戻りました。
昨年の夏、前回の課題克服を目的に2回目の北鎌に知人と挑んだ時は、昨年の経験もあって多少心に余裕を持って周回してきましたが、それでも1日目はP12を過ぎたビバークサイトまでしか到達できず、丸2日かかって降りてきました。
今年の盆休み、「これを最後の北鎌にしよう」と単独での3度目の挑戦。北鎌平まで行ければいいなーと思っていたら、どういうワケか初日のうちに槍ヶ岳の頂上へ到達、翌日の午前中には駐車場まで降りることができ、1日半で北鎌を周回しました。
この3回目の時は今回同様に徹夜して21時半ごろに釜トンネルから入り14時半か15時ごろに槍ヶ岳の頂上へ到達、その日は殺生のテン場で1泊したとは言え翌日はテン場から普通に歩いて5時間半で駐車場に戻れたことから、「これを最後の北鎌にしよう」と思っていたのに下山後にはもう「槍ヶ岳山頂から殺生までを足すと1日目と2日目のトータルで24時間かかっているかかかっていないか微妙なところ・・・ これはもしかしたらもう少し頑張れば1日で(24時間以内で)周回できるのではないか?」と思うようになっていました。
以前より私同様に自転車を使って釜トンネル付近から15時間ほどで北鎌を周回した記録や新穂高から同じく15時間で北鎌を周回したブログを見ていました。四捨五入して50歳になるオッサンで、しかも中学時代に1500m走で6分を切ったことがなく体力や持久力に自信のない私には15時間で行って帰ってくるのは200%無理ですが、24時間以内の周回だったら少しは可能性があるのでは?と思ったワケです。
しかしこれを達成するにはかなり体を山に慣れさせておく必要があると感じましたが、チャレンジを来年にするとまた春からトレーニングして体を山に慣れさせるのに時間がかかると思い、今なら体が山に慣れていることもあり、前回のお盆休みからあまり日を置かない9月15日(木)に今季2度目通算4度目の北鎌にチャレンジすることにしました。ま、こんなくだらない発想をして、実際にやってみる物好きはそういないと思っていますが・・・(笑)
*コースタイムは、写真や「感想」を参照下さい。
天候 | 晴れのち時々曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2011年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
・水俣乗越から独標までは、北鎌沢の登りを除き道に迷う心配は少ない。 ・独標〜北鎌平が核心部分であるが、基本稜線通しで間違いはない。 ・北鎌はバリエーションルートなのだから、個人的にはガイド付や経験者と登っても、それはただ北鎌に行ったというだけでバリエーションルートをこなしたことにはならないと思う。異論はあるだろうが、大変だけど単独か未経験者だけで行ってこそ頂上に到達した時の感激も一層大きいと思います。 ・個人的にはバリエーションルートなのに最近赤布やケルンが散見されるのが残念。 |
写真
感想
【写真・山行コメントを受けての総括】
結局、釜トンネルから水俣乗越経由の北鎌を登って釜トンネルへ戻ってくるまで約22時間かかったことになります。私はトレランの趣味はないので”ラン”した区間はありませんが、しかし実際にこの「北鎌日帰り」を体験すると、これより7時間も短い15時間で帰ってくる人って、トレランしたとしても人間ワザではないと感じます・・・ 同じ時刻に出発したとすれば、私が槍ヶ岳の頂上に着くころには既に駐車場に戻っている計算ですから、まさしくエイリアンかモンスターですね・・・
初めて北鎌を目指した時に、ババ平から日帰りするというブログを見て、「とんでもない人たちがいるんだな・・・」と思ったものですが、ババ平を基点とするなら今回も往路が2時前通過、復路が16時半通過でしたから、荷物の軽量化を図ってのババ平発着の1day日帰りは尾根上でルートファインディングが冴えれば徹夜しなくても可能と思います。
今回約22時間弱で北鎌周回をしたわけですが、中学時代の持久走ではいつも後ろから数えたほうが早かった私ですから、標準的な人なら私より持久力があると思うので、長時間山登りをする根性と気合があれば達成可能だと思います。私は別に山岳部や体育会系の部に在籍していたわけでもないし、ごく普通の山好きの40歳代後半のオッサンです。つまるところ、通常のルートである1日目:上高地〜北鎌沢出合、2日目:北鎌沢出合〜槍ヶ岳山荘、3日目:槍ヶ岳山荘〜上高地という3日×各8時間を1日でマトメて歩いただけのことですし、ましてや私より体力のあるはずの若い人なら必ずできると思います。北鎌を1度でも経験した人なら道にもあまり迷わないと思いますから一度チャレンジされてみてはいかがでしょうか。
こうして毎年毎回色々な方法や自分で課した課題のもとで北鎌尾根を歩きましたが、これ以上北鎌において実現可能な課題は見つけられそうにもないため、来年からは北鎌を含めた岩稜登りは控え、年齢相応に静かにのんびりと景色を楽しむ山行をしていくつもりです。
さしづめ、雷鳥沢にテント張っての立山三山か、白馬・八方かなぁ・・・
*ルート上の写真やルートのインプレは8月の山行の方が詳しいです。
【コースタイム】
釜トンネル21:30〜23:36横尾23:46〜0:54槍沢ロッジ1:22〜3:03水俣乗越3:09〜5:07北鎌沢出合5:07〜5:22左右俣分岐5:29〜7:11北鎌のコル7:18〜8:56独標基部8:56〜10:41P1310:45〜12:12北鎌平12:12〜13:04槍ヶ岳山頂13:09〜13:26槍ヶ岳山荘13:45〜16:45槍沢ロッジ16:50〜18:02横尾18:07〜19:25釜トンネル
突然のコメント失礼します。
すごい、憧れます。。おそるべき体力、けっして凡人なんかどはないとおもいます。
いえ、ホントにただの山好きのオッサンにすぎません。
こんな無茶なことはもうできない年齢になってきています。
近隣にお住まいのようですので、どこかの山用品店でお会いするかもしれませんね。
また遊びに来て下さい。
こんにちは、kameと申します。
BIMOTAさんの8月の北鎌の数日前に私達のグループも
歩きましたが、実際に歩いてきただけにそのコースを
22時間で周回してくるという快挙(?)には、ただただ
拍手を送り続けたくなりました。
先日、北鎌から帰ってきてぽっかりと空いた穴を埋め
るべく後立山を歩いてきましたが、途中、遥か彼方に
見える尾根を見てしまった時、2度と来るもんかと思っ
ていた心はどこに行ってしまったのか、またウズウズ
してきてしまいました。
北鎌ってそんな魅力があるのでしょうかね?
私もkameさんの記録は以前より拝読させていただいていました。
おそらく行ったことがある方なら、あのコースを24時間で歩くことのバカらしさはご理解いただけるかと思います(笑)。
私が北鎌に魅了されてきたのは、社会人になってからは山登りは数年に1回、そして2年前に初めて北鎌を目指した時は直前5年間は1度も山登りをしていなかったところへ北鎌へ行ったのですが、あの時に感じた達成感が昨年・今年2年間のマイブームである山登りの原点であるので、北鎌は私にとって特別な存在なのです。
とりあえず今回で一旦北鎌はやめますが、ルートを忘れかけたころにまた行くかもしれません(笑)。
こんにちは。コメント失礼します。
本当に凄いです。自分は東鎌でヒーヒー言ってるのに、一日で北鎌って
おととい北鎌を見ながら憧れだけど、無理だよな〜、カッコイイな〜、なんて思っていたところでした。
ところで自転車は横尾のテント場と道の看板裏に停めてあった物ですか??お見かけしたような
これからもナイスな山行してください
自転車はたぶんそうです(笑)。
もっと人目のつかない場所にとは思ったのですが、真夜中でどこが何だかよくわからず・・・
東鎌は20数年前に行ったきりですが、記録を拝読してまた久しぶりに行きたくなる山行記録でした。
これからもちょくちょく遊びに来てやってください。
BIMOTA様、お疲れ様です。
ID名に違わぬ強心臓ですね!感服いたしました。
強心臓とは体力は勿論、暗闇を撥ね退ける度胸もそうですし、必ず成し遂げる意志です。
私は登坂車線がやっとですが、同年代の誇りですね。
カラダが山に慣れているうちとはごもっともです。
私も八海山と西穂−奥穂が無かったら北鎌は無理だったでしょう。
北方稜線も今なら行けるかも?いやいや勉強何もして無いし、日も短くなりました。
来年も何回か山行をこなしてから臨みたいと思います。
トンデモナイ人って好きですね。それでいて危なげ無いところは流石です。
また立寄らせていただきますね。
同年代の方にそう言っていただけると嬉しいものです。
今回の計画は来年に延ばしていたら達成できなかったかもしれません。
とにかく一番効率的というか、来年より今だと感じ、即実行しました。
白馬や立山は来年でも行けますが、北鎌24時間以内は今やるべきだ、と。
私が北方稜線に挑むにあたってやったことは、とにかく行った人の記録を読み漁りました。
そうすれば核心部分が短いだけに、おぼろげにルートが頭に描けます。
あとはその通りに行ってルートさえ間違わなければ北方稜線は西穂〜奥穂よりラクだと思います。
北鎌もそうですが、北方稜線もルート上の登攀技術より歩いている道や方向が正しいのかどうかの方が不安ですから・・・
これからもお互い、アラフィー世代もまだまだやれることを世間に知らしめましょう!(笑)
BIMOTA様
チャンスに鋭くレスポンス、的確なアクセルワークですね!
その通りです。今でしか行けない場所があります。
私は北鎌・北方稜線のうち半分を達成しました。BIMOTA様は一気に駆け抜けましたね!
来年の挑戦に当たっては十分資料を当たります。もちろんBIMOTA様の記録も先生です。
北鎌のときはHPなどの写真やコメントを編集して資料集を作ったところ、刷ったときには暗記していました。本業もこのくらい頑張れば上司という立場になったかもしれません。
ルートの不安は嫌というほどありました。しかしそれが次の経験になるわけで。不安と引き換えに得るもの・単独行の魅力のひとつでもあります。
47歳で一番な山行を経験しましたので、半世紀後の97歳には徳島の弁天山に登ろうかと思います(存命で脳の機能がまだ有れば)。
なおキャンディーズは解散しましたがソロでも活躍しています。BIMOTA様には解散の危機は無いですし、刺激を受けたカラダは原付では物足りないでしょう。
フツーのおっさんには戻り切れないと思いますので、舞台を移して活躍されることを楽しみにしています。
※キャンディーズが出てくるところなど、同世代っていいものですね!
8月に北鎌へ行くまでは、24時間はおろか、その日のうちに槍ヶ岳山荘へ抜けることすら私にとっては夢でした。
しかし計算上、24時間で周回できる計算が見込めることが下山後にわかると、この「北鎌日帰り」という”北鎌の卒業試験?”の勉強で頭の中はいっぱいで、来年に実行するよりルートの記憶が鮮明で体も山慣れしている今行くべき!と感じました。
私も北鎌ルートマニュアルなる先人の写真やコメントを編集したものを毎度作りましたが、4度目の今回はそれを初めて持参しませんでした。
もう過去の苦労や経験が既に自分の頭の中でマニュアル化されており、実際今回はほぼルートミス&迷いはありませんでした。
今後、また岩稜帯が懐かしく感じてまた挑むこともあるかもしれませんが、山口百恵みたいに完全に引退してしまうこともあるかもしれません(笑)。
BIMOTAさんが凡人だったら、世の中もっと魅力的☆
北鎌とりあえず卒業なんですね〜
おめでとうございます!!!
これからの山を楽しむために卒業されたことと思って、
また今後の山行報告楽しみにしていまーす♪♪
因みにわたしの時は雨が降っていたため、チムニーのところは右側から捲く感じで登りました
チムニー登りたいな☆
とりあえず北鎌はもういいかな、と。
貧乏沢からアプローチしたりとか考えましたが、まあ水俣乗越からとさほど変わらないし、かと言って湯俣からだと沢の経験がないんで無理だし・・・
次は景色のいい場所で、おいしいモノを調理する年齢相応のジジババ山行にします(笑)。
上のチムニーのところは右から行けるんですか?
なんか残置スリングがかかっているところがあったような記憶もありますが・・・
まあ祠の真後ろから上がったとかいう話も聞くので、あそこは色々な登攀ルートがあるんでしょうね。
こんにちは、BIMOTAさん。
「凡人」という意味が良くわかりませんが(笑)、今年
二度目の北鎌おめでとうございます。
色々と参考にさせて頂きました。
何事もなければ、同じコースでこの三連休に行くと
思います。
なるほど、貴方も5・10のアプローチシューズを
愛用なのですね。
最近穂高の岩稜帯ではよく見かける靴です。
私も、文字通りクライミングのアプローチには使って
いるものの、長時間履いたことがなく、今回履こうか、
どうしようか迷ってるところです。
自転車ですが、確か上高地では、BTより奥は走れな
かったかと思います。散策路も林道も・・・
実は自分も過去に横尾まで自転車使おうと思って、
調べた経緯があったので。
皆が真似をしたら、やっぱヤバイでしょ?
余計な事だとは思ったのですが、済みませんでした。
でも、良い山行記録だと思っています。
北鎌にはファイブテンのキャンプフォーとイグザムガイドでしか行ったことがないので、他のメーカーの登山靴との比較はできませんが、防水性はないとはいえ、一度あのグリップ感を体験すると、北鎌のような岩稜帯はファイブテン以外の靴では行く気がなくなりますね。
荷物が軽ければ、ローカットのキャンプフォーでも問題ないと思います。
さて、すみませんと言いつつ何をかを言わんやご指摘いただいた「余計な事」についてですが、経過や状況は小生の方も把握しています。
最初色々と私の認識や見解を長々と当欄に書いていましたが、ココで議論するつもりもないので全て削除させていただきました。
自転車で右岸の遊歩道に入ったり治水林道に歩行者がいるのに猛スピードで駆け抜けたりするのは論外ですが、お上が決めたルールはみな正しいからとその背景や理由を深慮しないで問題意識も持たずに従うほど私は素直ではありませんし、問題意識を持って自転車で来る人が他にいてもいいと思いますけどね。
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