茶臼岳
- GPS
- 77:05
- 距離
- 23.5km
- 登り
- 2,873m
- 下り
- 2,875m
コースタイム
- 山行
- 6:09
- 休憩
- 0:07
- 合計
- 6:16
- 山行
- 6:50
- 休憩
- 0:44
- 合計
- 7:34
- 山行
- 5:25
- 休憩
- 0:09
- 合計
- 5:34
12/30(2日目)横窪沢小屋⇔茶臼岳
12/31(3日目)横窪沢小屋で停滞
1/1(4日目)横窪沢小屋→沼平
天候 | 2017/12/29(金) 晴 2017/12/30(土) 晴 2017/12/31(日) 曇→小雪 2018/01/01(月) 晴 |
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過去天気図(気象庁) | 2017年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
12/29(金)早朝到着時は近い側エリアがほぼいっぱい、1/1(月)下山時は遠い側にも数台駐車、の状態。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
積雪量は例年より少なめで、茶臼岳方面には登山届から12/29までに3PT入山とのことで、最初からトレースが期待できる状況であった。 ●畑薙大吊橋〜横窪沢小屋 積雪足首程度だが太いトレースあり。 1号橋手前の水場のみ太く出ている。ウソッコ沢小屋手前の鉄階段下のトラバース道が4〜5歩のみ氷に覆われておりアイゼン装着推奨。横窪峠〜沢の間は夏道沿いにトレースが着いていて通過できた。横窪沢小屋手前の沢で水が取れる。 ●横窪沢小屋〜茶臼小屋 小屋からひとのぼりしたあたりから完全雪道となる。2350付近からトラバース夏道を右手の尾根方向へ逸れたトレースが続き、茶臼小屋と同じ高さ付近で小屋対面の斜面に出る。稜線までは適当に出て、山頂までは夏道通し。 |
その他周辺情報 | 赤石温泉白樺荘は年末年始も宿泊営業。 |
写真
感想
ここのところ計画を頓挫する山行ばかり続き、目標が身の丈に合っていないことを反省して比較的難易度の低い計画を立てた。目を覆うばかりの酷い忘れ物をしたものの、好天と先行者トレースと余裕の日程に恵まれ、無事に晴天の茶臼岳山頂に立つことができた。
【2017/12/29(金):1日目】
仕事納め後に急いで準備して、午前1時自宅出発。幸い高速道路も渋滞なしに通過し、新東名新静岡ICで降りる。いつもの山道を走らせながら、何かテントポールをザックにつけた記憶がないなぁと気分が滅入ってくる。積雪・凍結もほとんどなく沼平到着。嫌な予感がしつつ後席を覗くと、まさか!ピッケルとワカンを積み忘れて自宅駐車場に取り残して来たことに気付く。あーあーやってしまった…12/31の降雪は多くはない予報、畑薙大吊橋から茶臼岳は必ず誰か入るはず。茶臼岳ならば余程の強風でないかぎりピッケルも使わないだろうし、強風ならば稜線に出なければいいか。ツェルトとショベルはあるので雪洞は掘れるし、野営にならないよう気を付けよう。忘れ物を自宅に取りに戻っても日程的には大丈夫だが、とりあえず指導所で先行PTが居るかどうかきいてみてから、どうするか決めることにする。
登山指導所には3名の静岡県警山岳遭難救助隊がおられ、計画書を提出。実は忘れ物がありまして…と申告して協議(内容は自主規制)、提出された計画書を見るかぎり3PTが入山しているとのこと。とにかく無理はしませんと約束して入山することに。重い積雪期装備がないザックも軽やかに出発。冷え冷えとした東俣林道を歩き畑薙大吊橋を渡り、畑薙山の尾根に取付く。ヤレヤレ峠を過ぎて雪が出てくる。たしか2年前の秋にここを通過したときは登山道を横切る大木があったはずだが、取り除かれていた。ウソッコ沢へ降り、沢沿いの登山道を進む。1号橋手前の水場は太く出ており、パイプ自体が積雪に覆われないかぎり水は取れそうだ。左岸、右岸、左岸と渡りながら登山道を進むと、沢からグイっと上がった鉄階段手前のところが、斜面〜登山道〜斜面の全面にわたり氷に覆われている。登山道は狭いところで幅30cmほどで、ツルっと滑ると20〜30m下の沢の手前まで結構な勢いで滑落しそうで、死にはしないが恐らくここで登山終了となることは確実。こういう場面であまり深く考えず進んでしまうところが自分の悪いところで、1手目木の枝、2手目氷の穴があったものの、3手目のホールドがなく気休めに1mmほどの枯草2本掴んで3歩目、4歩目をこなして結局ノーアイゼンで通過。もう二度とこのようなことはしてはいけないと無事帰宅した今は強く決意している。
鉄階段を上って進むとウソッコ沢小屋。単独の男性が休んでおられたのでこんにちはーと声をかけると急いで下山していった。もしかしたら自分の先行2名PTから、自分が入山方向に歩いていることをきかされ、離合が難しい区間で鉢合わせしないよう待っておられたのかもしれない。長時間お待たせしてご迷惑をおかけしました>12/29の午前中に下山された単独男性の方。
ウソッコ沢小屋を過ぎると急登がはじまる。時間的にも余裕があるのでゆっくり上る。太陽が後方から強烈に照らすので暑い。徐々に登山道は積雪に覆われていくが、きれいに踏まれたばっちりトレースが続くのでノーアイゼンで進む。徐々に標高を上げると隣の鳥小屋尾根も並んで高くなっていく。横窪峠の手前のところで前方から単独女性が現れる。この女性は昨日入山してノートレースの中、茶臼小屋までワカンラッセルトレースをつけてくださったそうだ。「トレースはバッチリよ!!!」と力強くいわれ、感謝感激の言葉とともに拝んでおく。横窪峠に到着すると前方に懐かしの小屋が見える。峠から小屋までは夏道沿いにトレースがあり、ラクラク降りる。鉄橋を渡ると左手に足跡がありここで水を取っているようだ。ここへまた戻ってくるのも面倒なので水を汲んでいく。横窪沢小屋へ到着。冬季入口は指導所で教わったとおり、正面右手側に出入り口がある。
小屋に入ると先行2名PTがテントを張って休んでおられた。この方々は光岳までピストンの予定とおっしゃっていたが、無事行ってこられただろうか?この日は自分+2名PTとテント1張り、の計4名であった。
【2017/12/30(土):2日目】
もともとの予定ではこの日に茶臼小屋まで上がり、茶臼小屋2泊としていたが、テントがなく2400mの小屋で極寒で耐えられない可能性、水の取れる横窪沢小屋の快適さに負けて、行程中いちばんの好天の本日、横窪沢小屋から茶臼岳ピストンにすることにする。明るくなりかけた頃にアイゼン装着して出発。キンと冴えた空気の中、雪道を踏む自分の足音だけが続く。積雪期の山の美しさは格別だ。急登もバッチリトレースに助けられ、楽しく標高を上げていく。2350付近から夏道は沢の源頭へ向かうようなトラバースとなるが、尾根寄りへ登るトレースがあり辿る。無理なく続くトレースは結局、茶臼小屋から沢を挟んだ対面あたりに出た。素晴らしいトレースだ。ラッセル姉さんに大感謝。
眼前の茶臼小屋ではテン場に1張り設営中。昨日横窪沢小屋で張っていた男性のようだ。樹林帯を出るまえにグローブ・フェイスマスク・帽子とフード等の装備を整え、茶臼岳方面へ向かう。先行トレースは沢の源頭を辿る夏道から外れ茶臼岳寄りに続いている。たまに踏み抜くと膝上くらいだが、うっすらトレースが見えているので特に問題はない。稜線上は雪が飛ばされて夏道が出ているが、今日はそれほど風も強くなく、山頂方向へ進む。ザレ斜面を抜け鳥小屋尾根との合流地点まで来ると風も止み、絶好の好天の下、茶臼岳山頂へ。山頂は風もほとんどなく暖かく、360度の大展望がひろがる最高のコンディション。周囲をぐるりと見回し、過去通った尾根や谷を懐かしく思い起こし、この大好きな山々が見せてくれた白く美しい姿に感激しながら茶臼岳山頂を味わい尽くした。
充分満足したので下山開始。茶臼小屋には寄らず、バッチリトレースを極力崩さないよう慎重に降る。途中でお隣の畑薙山山頂付近がよく見え、いつか行くときのために写真を撮っておく。順調に降って横窪沢小屋へ戻る。
大晦日前の横窪沢小屋には大勢入山しているかと思って扉を開けたらなんと無人。結局誰も来ず、独り静かに過ごした。
【2017/12/31(日):3日目】
無事茶臼岳にも行ってきたし、今日は午後から降雪の予報のため、横窪沢小屋で1日ゆっくり過ごす。
この日の横窪沢小屋は、公共交通機関で入山した親子PT、地元の単独男性の4名。親子PTは久しぶりの親子登山だそうで、父親のほうはもう20年以上、毎年この時期にここへ入山されているそうで、この日はテン場にテントで寝ていた。小屋に残った息子に最高の親孝行だねと話す。ちなみに12/30に横沢から自主運行バスに乗ってきたらしく、よく話す運転手とずっとしゃべっていたと言うので、もしかしたらNさんという運転手では?と訊くとどうもそのようだったので笑ってしまった。twitterをやってるから検索してみてと宣伝しておきました。地元の単独男性は久しぶりの重荷でヘトヘトだと話し、箱根駅伝が気になるので翌日下山しようかどうしようかと悩んでいた。この方は山岳会へ所属せずスキルアップするために色々と試行錯誤されているらしく、それでも雪払い用のブラシを携帯して土間でちゃんと雪を落としていたのは相当緻密にスキルアップを図っておられるのだろうと思った。ウソッコ沢小屋手前のツルツル斜面では迷わずアイゼンを着けたとおっしゃっていた。深く考えず丸腰で通過した自分が恥ずかしく大いに反省させられた。
ラジオで紅白歌合戦を観戦していたが、白組赤組どちらが勝ったのか知らないうちに寝入っていた。
【2018/1/1(月):4日目】
あけましておめでとうございます。横窪沢小屋の2PTのうち、親子は本日茶臼小屋まで、単独男性は茶臼小屋登頂後に下山の予定だそうだ。ここからピストンなのにフル装備で出ていったのは流石。
自分も下山する。快適に3泊もさせていただいた横窪沢小屋、どうもありがとうございました。この夏は管理人さんがおられるときに一度来てみたいと思った。横窪峠に到着する頃、上河内岳方面がモルゲンロートに燃えていた。茶臼小屋で初日の出を見るチャンスだったかもしれないが、今の自分はこれで十分満足だ。
一昨日〜昨日は結構気温も上がったので、積雪も多少緩んだらしく、早朝は凍っているので下山時はアイゼンで降りる。ウソッコ沢小屋の手前で激しい階段下りがあるのでこの手前で大休止がてらアイゼンを外す。ウソッコ沢小屋を通過し、再び鉄階段を降りると例の核心部だ。階段から延びるロープを使おうかと思ったが、ロープの下がる位置までの移動が若干いやらしく、再度アイゼンを装着して核心部を通過する。自分は森林限界上の厳しい凍結岩場に敢えていくことはほとんど無いので、一度もアイゼンを研いだことがなく、鈍ったアイゼンであんなツルツル氷を通過できるのか心配だったが、まったくの杞憂であった。
順調に降り、畑薙大吊橋を渡ればもうすぐ。沼平では指導所の方に無事下山を告げ、山行終了した。
この日は白樺荘に宿泊予約しており、温泉でのんびりした。晩御飯では黒豆・なます・紅白かまぼこ等、朝食には雑煮が出され、ありがたく正月気分を味わった。
山行中お世話になった皆様、静岡県警山岳遭難救助隊の皆様、白樺荘スタッフの方、皆様どうもありがとうございました!
こんにちは、ebiさん。
ちょっと遅くなりましたがあけましておめでとうございます。
あれ?茶臼岳?ebiさんにしては珍しい山域にいるな〜と勘違いしました。那須じゃなくって南アだったんですね。そりゃそうか。
綺麗に晴れて周りの山もバッチリ見えて幸先の良い山行だったみたいですね。
ただ…。
前にもテントポールを忘れたレコを読んだような ?
ちゃんとツェルトを持っているのはさすがですけどね〜
ともあれ今年もよろしくお願いします。と言っても私は登山は開店休業状態ですが
こんにちは、muscatさん。
あけましておめでとうございます。
コメントどうもありがとうございます。
そうですよね〜ここらへんで「茶臼岳」っていうと那須ですよね。
google先生に茶臼岳と尋ねると、やはりまず最初に栃木県の茶臼岳という返答でした。
那須のほうは近いので「そのうち…」と言いつつ未踏、一方で南アの茶臼岳は5回目でした。
テントポールはご指摘のとおり前科一犯です、よくご存知で
muscatさんの『登山靴よしっ!』が脳味噌にこびりついていて、登山靴を忘れたことは一度もないのですが、なぜかテントポール忘れるんですよね。もう車に積みっぱなしにしようかと本気で考えています。
自分も登山回数・日数が下降傾向なんですが、細々と続けたいなぁと思っています。久しぶりに超ユルいところでコラボでもできるといいですね
本年もどうぞよろしくお願いします
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