【北アルプス】西穂【ピストン】【雪山】
- GPS
- 11:00
- 距離
- 10.2km
- 登り
- 1,170m
- 下り
- 1,150m
コースタイム
- 山行
- 3:30
- 休憩
- 0:30
- 合計
- 4:00
天候 | 3/17 晴れ 3/18 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
|
コース状況/ 危険箇所等 |
独標以降は岩と雪のミックス地帯であり、滑ったり踏み外したりしないよう細心の注意を。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
日よけ帽子
着替え
靴
ザック
ザックカバー
昼ご飯
行動食
非常食
飲料
地図(地形図)
コンパス
ヘッドランプ
日焼け止め
ロールペーパー
携帯
時計
タオル
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感想
★★★まとめ★★★
冬の西穂高岳から観る北アルプスの山々は荘厳であり、他を寄せ付けないものがありました!
しかしながら、西穂に登るには未熟すぎました。雪山の基本が全然できていないので練習します!
★★★3/17(土)★★★
朝9時に新穂高ロープウェイに到着。去年の夏にも西穂には登ったが、その時はロープウェイは使わず、焼岳からの縦走路を選んだ。それにしても、冬なのに、ロープウェイの行列待ちがすごい。登山客と観光客が混ざっていて、その姿のギャップがおもしろい。
ロープウェイは臨時便が運行しているおかげで、そこまで待つことなく、10時に登山口に到着。晴れてたので展望台からの眺めが素晴らしい。北穂、奥穂、西穂、槍、笠、焼岳、乗鞍、遠くは白山までぐるっと見渡せる。最高かよ!
もうここでいいんじゃないの(笑)とか思いながら、西穂方面を目指して登山開始。西穂山荘までは樹林帯が続き、風がないので雪山ハイクを満喫できる。とか言いながら、出だしに自分のアイゼンで足を引っ掛けてコケて思いっきり雪にダイブしたけど(笑)
11時30分に西穂山荘に到着。焼岳、乗鞍、霞沢岳の眺望が素晴らしい。特に霞沢岳の迫力がすごい。登ってみたくなる。パン食べてちょっと休憩。宿泊受付は13時から。微妙に時間ある。天気もいいし、独標を目指してみる。
丸山まではすぐに着く。左手に笠ヶ岳がずっと見えててニヤニヤしちゃう(笑)ほんと、端正でキレイな山体をしている。去年は笠に登ったけどガスって全然見えなかった。今年こそ晴れた日にまた笠新道から登りに行こう。
丸山から独標までは岩と雪のミックス地帯。アイゼン付けてるから岩場は歩きづらい。バランス崩さないよう慎重に足を運ぶ。
独標直下の急斜面ですれちがい渋滞発生。焦って滑落するより慎重に行った方がいいので気長に待つ。待ってても寒くないくらい天気いいし風ないし。
13時に独標登頂!とりあえず無事に登れて安堵する。相変わらず笠ヶ岳が美しい。そしてピラミッドピークから山頂までの、雪化粧した山々が折り重なる様相、自然の力強さを感じずにはいられない。
今から山頂向かってたら時間的にアウトなので、その鋒を目に焼き付けて、帰り道につく。登りよりも下りの方が怖い。足の運び方とピッケルの使い方がよく分からない。しかもすれちがいで気を遣う。ものすごく慎重に進んで何とか丸山まで着いてまた安堵する。知識と経験が足りないなと痛感する。
山荘に戻って受付済まして、ちょっと時間あるから空身で丸山まで行ってみる。でも15時頃になるとくもが出てきて、あんなに見えてた笠ヶ岳が全然見えない。独標も見えない。しかも風も出てきてクソ寒い。ガッカリしてそそくさと戻って山荘でビール。いやー落ち着く。夏も冬もやること変わらん(笑)
そして雪山登った先の山荘で雪山の基本を本で学ぶ。先に学べよおい、という声が聞こえてきそうだが構わず学ぶ。フラットフッティングね、なるほど。
山荘前を見渡すとテント泊の人も結構いる。荷物重くて大変そうだなとか、寒くないのかなとか、雪のブロックで壁作るの上手だなとか、いろいろ気になる。すごいなーって思う一方で、そのうちオレもやるんだろなって思う。雪山も、一年前はまさかやらないだろそんなの変態だろって思ってたけど、その変態になりつつあるから(笑)
夕食はチキンステーキとカニクリームコロッケ。相変わらず西穂山荘のご飯はおいしい。通年営業ありがたや。
明日は朝イチで独標まで行って、天候と調子が良ければ山頂を目指すか、とか考えながら眠りにつく。ちなみに、この日はけっこう混んでたけど、布団一人一枚で快適に寝られた。
★★★3/18(日)★★★
朝5時にご飯食べて、準備して出発。今日は天気は晴れるが風が出るらしい。まぁ行けるところまで行ってみよう。
昨日と同じく丸山まではすぐに着く。でも左からの横殴りの風がすごい。吹き荒ぶとはこのことだと言わんばかりの強風。モルゲンロートの笠、焼岳、乗鞍、霞沢岳はキレイだが、写真を撮ってる余裕がない。グローブ脱ぐと手が秒速で凍傷になるくらい寒い。でも撮る(笑)
丸山から先はさらに風が強く、ザラメ雪を巻き上げて吹き付けてくるので寒さに加えて痛みを伴う。雪山登山の過酷さを文字通り痛感する。ここが一番ひどいはず、と思いながらゆっくり進む。
風にくじけながらも朝7時に独標到着。すると風がない。稜線と山頂の地形がそうさせるのか分からないが、風がない。ナウシカを思い出す。
さてどうするか。天気はいい。風は少しある。雪はしまってる。体調はいい。よし、行けるところまで行ってみよう。
独標直下がいきなり怖い。夏道でも怖かったことを思い出す。そりゃ冬はもっと怖いに決まってる。なので恐る恐る慎重に進む。
独標からは登ったり下ったり岩を攀じ登ったりピークを巻いたり直登したり。特に岩を攀じ登る箇所は緊張する。アイゼンのすべての爪で岩をつかみながらしっかりと登る。足場は基本的には雪だが、岩と雪のミックスもある。稜線上のトレースも細くて怖い。踏み外したら終わりなので、必死に食らいつくように確実に進む。独標が11峰だから、あと10こくらいピークあるのか、そんなことを考えながら、来たことを後悔しながら進む。
そんなこんなでようやくピラミッドピーク。風は依然として吹いているが、体が慣れたようだ。寒くない。正確には、寒いけど、耐えられない寒さではない。スノーボードでリフト乗ってる時の感覚に似てる。ピラミッドピークは8峰。山頂がやけに遠く見える。もう少しがんばる。
ここからは道が良かったのか、トレース歩きに慣れてきたのか、サクサク進む。5峰越えて、3峰越えて、もう少しで山頂だ。この辺りに来ると岩が露見してるところが多い。ものすごく寒くて当然雪も降るだろうに、なんでだろ?風が強くて岩に雪が凝着しないのかな?
3峰過ぎたあたりの斜面が危ない。ガレ場になってて、雪が積もっているので、足置いたら岩がズレる。なので足運んで力入れて確認して進む。ここ、帰りに通るのいやだなーって思う。
朝8時、最後の直登を登りきり、ついに山頂!笠、抜戸、黒部五郎、薬師、西鎌尾根、槍、大キレット、北穂、奥穂、吊尾根、前穂、岳沢までよく見える!忘れちゃいけない乗鞍と焼岳の師弟コンビも!そして目の前にはジャンダルム!雪の装いで形はよく分からないけど、そこには去年の夏に同じ西穂の山頂から見たジャンダルムがたしかにいた!
いやー、来てしまった。来れると思ってなかった。よく来れた。でも運が良かった。天気が良くなかったり、トレースがなかったり、もっと渋滞してたら多分ムリだった。これは運だ、実力じゃない。だから訓練が必要なんだ。
感慨深く物思いに耽りたかったが、クソ寒いし、山頂狭くてバランス崩すと危ないので、写真撮ってすぐに下山。昨日学んだフラットフッティングで、雪面をつかみながら、ピッケルも使ってバランスとりながら、一歩一歩下りる。例のガレ場も無事に通過。トレースにステップついてるから下りもそれほど大変ではない。一箇所、ガチで岩を攀じ登るところがあって、マジか!と思いながらも、気合と根性で通過。ルート合ってたのかな?
ピラミッドピークまで戻って少し安心。でもまだ気は抜けない。ずっと風は強く、稜線の岐阜県側を歩くので日もあまり当たらない。幸いにも寒くて汗はかいていないので低体温症は大丈夫そうだ。
独標まで戻ってだいぶ安心。独標への直登はいささかきつかったが、もっとやばいところをくぐり抜けてきたから問題ない。そしてやはり独標は風がない。朝9時の独標をひとり占め。落ち着く。独標からピラミッドピークと山頂を眺める。さっきまであそこにいたんだなぁ。しみじみする。
この辺がちょうどいいのかもしれない。山頂は達成感あったけど、それ以上に危険を感じる。楽しみつつ多少のスリルを味わうレベルが適切だと感じた。
独標からは左手に霞沢岳、正面に乗鞍と焼岳を見ながら下りていく。やはり霞沢岳の迫力を感じる。魅力的な山だ。
あえてトレースを外して歩いてみる。雪がキシキシいって足が適度に埋まり気持ちいい。ふりかえると自分の足跡が雪面に刻み込まれているのもいい。途中、座って乗鞍と焼岳を眺めている人達がいた。眺めは最高。気持ちはすごく分かる。でも止まると寒くなるので先を急ぐ。
丸山まで戻ってほぼ安心。丸山だけなら昨日から数えて3往復目(笑)さすがにコースも覚えたし、でも家に帰るまでが登山なので、気を引き締めて歩く。夏に歩いた時は樹林帯だった記憶があるが、冬はその木々の上を歩くようだ。ところどころから松の葉が顔を出している。山岳地帯の降雪量の多さが窺える。
10時前に西穂山荘に到着。いやー、無事に帰ってこれて良かった。結果的に、特に危ないシーンはなかったけど、アイゼンがパンツに引っ掛かることが5、6回あった。場所が場所で、バランス崩してたら大惨事だった。本には両足の間隔を大きくして歩く、と書いてあったけど、道幅狭いトラバースとかだとなかなか難しい。一挙手一投足を慎重に行うしかない。
山荘の雪だるまの脇でパン食べて、ロープウェイのりばまで下りる。ここも多少トレース外して歩いてみる。雪がふかふかで気持ちいい。滑るように下りていける。
登ってくる人もいる。みんな汗かきながらひたすらに登ってくる。この人たちのために天気持つといいなぁと思う。
11時前にロープウェイのりばに到着。荷物整理して、少し時間あるから展望台へ。相変わらず天気良く、山々の連なりが一望できる。まさかあれじゃないよな、あんなに遠くないよな、と思った山が西穂だった。3時間前にはあのピークに立っていたとはにわかに信じ難い。ってか、あのピークからここまで3時間で辿り着けるのも信じ難い。人の力ってすごいな。
ほんと、今回も学ぶことの多い山行でした。やっぱり、ムリしちゃいかん。恐怖心があるうちは行っちゃいかん。焦らずにゆっくりと着実に力をつけていけばいい。山は逃げない。
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