黒部五郎岳(神岡町-新穂高1Day縦走)
- GPS
- 16:35
- 距離
- 37.9km
- 登り
- 3,012m
- 下り
- 2,865m
コースタイム
- 山行
- 14:14
- 休憩
- 2:16
- 合計
- 16:30
天候 | 快晴 稜線は強風 |
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過去天気図(気象庁) | 2018年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
別の車に乗り合わせて入山口の神岡町和佐府に向かう。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
飛越トンネルまでの林道と新穂高左俣林道にはデブリ多数。 林道は雪切れ箇所もあるので板脱ぎあり |
その他周辺情報 | 荒神の湯 |
写真
装備
個人装備 |
Seven sumits
TLT mountain5
アイゼン
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感想
北アルプスの北ノ俣岳から三俣蓮華岳を経て新穂高に降りるオートルートの一部を親子2人で縦走してきました。自分はこのルートは3年連続。父ちゃんもほぼ毎年行っている。ただ3月でこれをやるのは初めてで未知。山スキーの機動力を存分に発揮できる縦走ルートだが、どうか。
自分と父ちゃんの車2台別々に出発し、新穂高にまず自分の車をデポ。父ちゃんの車に乗り込み入山口の神岡和佐府を目指す。このルートをやるには車のデポの手間がいる。これがとてもメンドくさいがそれでもやる価値のあるルートです。前日の土曜の21:30に自宅をでた。2時間だけ睡眠時間を確保できた。
入山は日が回った1:00。神岡和佐府からまずは飛越トンネルまでの林道を行く。
入山口に車があったのでどうやら先行者がいるようだ。林道は雪が切れている箇所もあるので賞味期限は短そうだ。デブリもところどころある。前日が快晴だったので雪は硬くスピードが上がる。僕はpon2oonから細板に変えてきたので足取りは軽い。去年は確か雪がズボズボで苦労した記憶がある。父ちゃんもスーパーライト級の板を用意してきたようだ。ただ二人とも細板を選択したことが、のちに試練に変わります。約1時間半で林道終点の飛越トンネルに到着。順調。
まず寺地山を目指します。寺地山まではほぼ夏道通りだが細かなアップダウンがあるので無駄のないルートを伸ばす。雪はまだ硬い。いつでもクトーをつけれるようにあらかじめザックにぶら下げておいたが、今回は一度も使うことはなかった。寺地山までもう眠気がヤバかった。過ぎたコルくらいで徐々に明るくなってきた。今日は快晴予報だ。雪質はカチカチから新雪モナカに変わった。3~4日前の下界の雨は標高2,000mより上の山では雪だったようだ。これは想定外で早くも北ノ俣岳の登りで新雪10cmのラッセルを強いられる。稜線まで来ると隠れていた太陽が姿を現しサンサーン眩しい。雲ひとつないが稜線は終始強風でした。北ノ俣岳までに股関節が痛み出したので鎮痛剤を服用した。
北ノ俣岳まで上がればスキーの機動力の見せ所だ。赤木岳をパスして中俣乗越まで滑る。しかし稜線の東側は風下で雪が吹きだまって手漕ぎを交えてなかなかスムーズにはいかない。細板なのでずんずん沈む。スキーが進まなければこのルートは辛い。この先も思いやられる。
1回目の登り返し黒部五郎岳。
登る尾根はいつも固く必ずクトーをつけていたが今回は新雪モナカで不要だった。カチカチよりもラッセルがあったほうが登りやすいがそんなことを言ってられるのも序盤だけ。黒部五郎のピークで槍、穂高、笠の大展望で素晴らしい。黒部五郎のカールスキーはこの山行のハイライトだが、やはりモナカで滑りくい。父ちゃんはモナカに板を取られ苦戦している。僕の板はまだ太さがあるので数ターン刻み楽しめた。黒部五郎小屋までは標高差で余裕があったのでスムーズにトラバースできた。
2回目の登り返し三俣蓮華岳。
ここは日当たりがいいので雪が重くなってラッセルがしんどい。加えて傾斜も緩いので距離が長くこの山行で一番しんどい行程だった。山頂で父ちゃんを待つ間にシールを剥がし滑走準備を完璧にしておく。父ちゃんこの先は新雪があるとトラバースはできないからシールで先の・2854まで行くと言う。自分はもう滑る準備をしていたのでまたシールを貼るのも手間だし、去年もスキーでいけたはずだからそのまま行くと我を通し別行動してしまう。しかしこれが失敗で行く手には岩と新雪でスキーが滑らず難儀した。このまま標高を落として滑ると大変なことになるので早々に諦めトラバースの途中で再度シールを貼りポコに登り返した。途中、シールの粘着性がなくなりツボにした。稜線上に復帰すると父ちゃんのトレースがあったのでどうやら先に進んでいるようだ。急いで追いかけて双六小屋で合流することができた。別行動はしてはいけないと再確認。リーダーの言うことはよく聞きましょう。
4回目の登り返し大ノマ乗越。(選択を誤らなければ3回目だった)
最後の最後までラッセルですか。交代で回して最後の登りなので頑張る。乗越では出発時は遠くに見えていた槍、穂高が正面で迎えてくれた。
あとは滑るだけ。小池新道大斜面はいつもならばフルコースのデザート的な行程だが、上層はバリバリ、下層はモフモフのバリズボでターンごとに板を取られ何度も転んだ。それでもスキーを楽しむ姿勢は見せたので良しとする。1900mあたりからバリズボはなくなり快適スキーとなった。父ちゃんは慎重になって遅れてきたので自分は先に行かせてもらう。デブリはあったが無事にこなしてカーデポに到着。父ちゃんを待つ間に片付けを完璧にしておく。しばらくしてストックを折った父ちゃんも無事帰還。
長いクネクネ道を神岡の入山口まで戻り車を回収して24時間後に家に帰りました。もう山と車の回収でクタクタです。
コメント
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はじめまして。
冬の黒部五郎なんて、行けるんですね。素敵です。
雪山二人占め、うらやましいです!
いつか行ってみたいと思いました。
ありがとうございます
黒部五郎はやはり夏のカールが最高です。綺麗な水が滔々と流れるあのカールでそうめんやかき氷を頂けばまさに生きててよかったとなります。この時期は雪で一面真っ白でただ通過するだけとなります。
避難小屋に泊まっていたものです。あの登り難い雪質と強風の中、縦走されるとは驚きですね。また掌サイズのモンベルの小袋を落とされませんでしたか?北ノ俣岳の中腹で拾いました(笑)
そりを引いて単独でラッセルご苦労さまでした。自分も山を始めた時はそんな感じで冬山を歩いていました。スキーを覚えてから山行スタイルが180度変わりました。まだお若いようでしたから来年はスキーで挑戦してみて下さい。山行中は急いでおりましてご挨拶もできず失礼しました。またどこかでお会いしましたらひと声かけて下さい。小袋は使えるようならお使い下さい。
投稿記事の中で「pon2oonから細板に変えてきたので足取りは軽い」と書かれていましたがその細板のメーカーと長さを差し支えなければ教えて頂けたら幸いです。幅広の山スキー板は持っているのですが、細い山スキー板は持ち合わせていないので、今後の山スキーする上で参考/勉強にしたく、よろしくお願い致します。
細板でしたらDynafit の7サミッツ辺りが軽くて太さもそこそこあり無難だと思います。オールラウンドの良い板です。
アドバイス、ありがとうございます。
早速、調べてみます。
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