バイクで星降る鹿島槍ヶ岳と爺ヶ岳へ
- GPS
- 14:09
- 距離
- 27.3km
- 登り
- 2,742m
- 下り
- 2,734m
コースタイム
10月9日 冷池山荘6:10-7:19爺ヶ岳7:34-8:15種池山荘8:19-8:49石ベンチ-9:49ケルン-10:35柏原新道登山口
天候 | 10月8日快晴のち曇り 10月9日快晴 |
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過去天気図(気象庁) | 2011年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
自動車こられる方は扇沢駅駐車場へどうぞ。路上駐車した人は山荘で呼び出されて鍵を没収(預かる)されていました。バスが通れなくなりますので路上駐車はしないようにしましょう。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
柏原新道は登山道がきちんと整備されているのでガレ場を除けば、安全で歩き易かったです。ガレ場も木道が整備されていますので見た目は怖いですが、歩くのは簡単でした。 但し、先日雪が降りましたので、爺ヶ岳より先では一部登山道に雪が残っていたり、凍っていたので滑りやすいところがありましたので注意が必要です。 また、鹿島槍から五竜岳へは凍結しているので安易な進入はしないように注意書きがありました。 |
写真
感想
10/8(土)
5:50 柏原新道登山口到着。案の定駐車場は満杯。橋を渡った上流側に駐車場の脇にバイクを駐車して、装備を整える。
5:55 登山口脇に案内所が開設されていたので、そこであらかじめ作成しておいた登山届を提出し登りはじめる。左手には砂防堰堤が2箇所ありその脇の道を進んでいくと右手に曲がったところで登山道には階段が整備されておりしばらくは急坂が続く。私の前には何人かの登山者がいた。男女6名ほどのパーティーと同じくらいのペースで登っていたが、しばらくすると体が熱くなってきたようで止まって上着を脱いだりしだしたのでその脇を通過。日本人かと思っていたが、中国語らしき言葉を交わしていたので中国人のようだ。
6:51 ケルン通過。登山道入口から1.7km、種池までは4km、2時間半と書かれているのでまだ先は長い。ケルンを過ぎると扇沢駅とその向こうに針ノ木岳らしき山々が見えるようになってきた。
7:59 石ベンチ通過。なかなか休む場所がないのだがここはその名のとおり石のベンチが置いてあり、休むことができるがこのままがんばってそのまま通過する。
8:01 道の脇にわずかではあるが雪が残っていた。
8:11 ガラ場通過。柏原新道で一番の危険箇所らしい。通過するのに5分ほどかかったが、道自体は整備されて通りやすいが、沢を通過するので石が落ちてきそうだった。鎖も整備されていたが特に使うことはなかったです。
8:40 種池山荘到着。山荘からのパノラマはそこそこ楽しめます。山の名前がわからないので説明できませんが、遠くは八ヶ岳、南アルプスも見えるようです。種池山荘はすでに休業中かと思いましたがまだ営業していました。
8:53 種池山荘出発。日差しは暖かいのですが稜線上に出たので時折吹く風が冷たくなってきました。
9:35 爺ヶ岳南峰到着。地図をよく確認しなかったので南峰に登ってしまいました。最高峰は中峰(2,669.8m)らしいのだが、登るのが面倒なのでここで我慢することにした。
9:58 前の登山客が妙な動きをしています。よく見てみると雷鳥が数羽、登山道近くにいるようです。よく見ると3羽いました。そのうちの1羽は警戒心が薄いようで、すぐ目と鼻の先を歩いていきました。こんなに間近で雷鳥を見たのは十数年前に立山室堂で見かけて以来です。かわいらしい鳴き声も聞こえましたがあまり脅かしてもいけないので写真と動画撮影をして次に向かうことにしました。
10:30 鹿島槍ヶ岳が良く見える尾根が張り出していた、3人の登山者がくつろいでいましたが写真を撮るためにお邪魔しました。
10:39 冷乗越到着。
10:50 冷池山荘到着。予約をしていなかったので、とりあえず宿泊の手続きをする。1泊2食だが、翌朝の朝食は5時からなので4時に受け取りのできるお弁当をお願いしました。予定より早めに到着できたので、今日中に鹿島槍ヶ岳に登頂することにしました。荷物は余計な服だけをおいていきました。ここでお昼に食べる予定のおにぎり3個を家に置いてきてしまったことに気がつきました。仕方ないので明日の昼食用のパンを2個持ってきたのでそちらを食べることにしました。
11:15 冷池山荘を出発、鹿島槍ヶ岳を目指します。テント場の脇を通って、とりあえず布引岳を目指します。
12:14 ようやく布引岳頂上(標高2,683m)到着。ここでお昼にすることにした。チョコチップメロンパンとホワイトデニッシュショコラの2個です。2つとも大好きなチョコが入っているので食べると元気が回復してきました。
12:35 昼食も食べて元気が出てきたので鹿島槍ヶ岳目指して出発します。。
12:40 さっきまで雲ひとつない鹿島槍ヶ岳でしたが、風が強くなってきたせいか東側に雲が出てきました。
13:07 すぐ近くに山頂が見えるのですがなかなかたどり着きません。
13:22 ようやく鹿島槍ヶ岳山頂(南峰2,889.1m)に到着しました。布引岳山頂から約50分コースタイムどおりの登頂となりました。山頂は先ほどまでは雲がほとんどなかったのですが、急に雲が多くなり眺めが良くなくなってしまいました。その代わりといっては何ですが、一瞬、ブロッケン現象を見ることができました。その後雲が厚くなってしまい、十分な光が得られなかったので、ブロッケン現象も2回ほど見えたきりで終わってしまいました。その後北峰(片道25分)を目指す人たちも何人かいましたが、雲で視界がさえぎられ北峰が見えないこともありましたし、雪も残っているので今回は行くのをやめにしました。視界が回復するのを待ちましたが、雲は増えるばかりで減る気配がないので山荘に戻ることにしました。
13:57 名残惜しいですが、山荘に向かって下山します。
14:30 布引岳通過。これから山頂に向かう人たちとすれ違いながら、下山しますが振り返ると既に鹿島槍の姿は雲の中に隠れてしまいました。
15:15 冷池テント場通過。行きには数個テントしかありませんでしたが、テン場がほぼ埋まるくらいのテントが立てられており、かなりの人出があるようです。
15:18 冷池山荘到着。
16:37 山荘の周りはすっかり雲に覆われ、全く何も見えません。
17:00 夕食開始です。食堂前で待っていましたので、5,6番目に入ることが出来ました。夕食はヒレカツ、シュウマイ、煮魚、巾着等でした。いただきま〜す。お味噌汁を一口、ご飯を一口。何か違和感が。ご飯少な!よく見るとお茶碗が大きいのにご飯がものすごく小盛でした。スタッフお代わりどうぞとも言っていないので、男性客の中は、お代わりが欲しくてたまらない人がたくさんいるようで、みんな迷っていました。意を決した1人がお代わりお願いできますかと声を出して、OKが出るとみんな次々とお代わりを頼んでいきます。私もその1人ですが・・・・真っ先に食べ終わって食堂を後にしました。そろそろ日没のはずですが、相変わらず山荘の周りは雲の中です。夕焼けも期待できないので部屋に戻って寝るだけです。しかし、部屋の位置が1階の喫煙室の前なので、周りが騒がしくなかなか眠れません。結局眠れそうに無いので、フロントでビールを頼みました。あいにく生ビールは好評につき売り切れとのこと。その代わり缶ビールが100円引きとのことでしたので、350ml缶(450円)を買いました。早速ホールでぷしゅっと一本いただきました。アルコールさえ体に入ってしまえばあっという間に睡魔がやってきます。が、部屋での位置が悪かった。入口側の壁から2番目、両脇とも互い違いに寝られてしまったので頭が扉側になり、誰かがトイレに行けば必ず目が覚め、(30分から1時間おきぐらい)あっという間に起床時刻の3時になってしまいました。それでも夕方から体を休めることが出来たので不思議と眠くありません。
10/9(日)
3:00 早速外に出てみます。星が輝いています。晴れているようです。10月のこの時間帯ですから、目の前に広がる星座は冬の星座ばかり。北にはおおぐま、こぐま、カシオペア、南にはオリオン、おおいぬ、こいぬ等主な星座がわかります。北西から南にかけての頭上にはミルキーウエイが横たわっています。今日こんな時間から起きて星を見る理由は、今夜はりゅう座流星群(旧ジャコビニ流星群)の極大日なのです。しかも13年ぶりの大出現が予想されていますので見ない手はありません。極大を迎える時間は2時と5時ですが、明るい月が出ていますので月没後を狙って3時起きにしましたが、こんなに天気がいいならもっと早くから起きていればよかったかもしれません。2人の先客は星景を撮影していたようで、今シーズンも槍ヶ岳、唐松岳で撮影に出かけたそうです。(奇しくも私が両方とも今年登った山だった)流星を特に多く見たとの話は無かったので大出現は無かったようですが、日が昇るまでの間に少なくとも10個以上流星を観望することが出来たのでいつもの年よりは出現頻度が高かったのではないでしょうか。りゅう座流星群は暗い流星がゆっくりと流れることが多いので、視野の中心でないとなかなかわからないと思います。放射点を中心に眺めていましたが、確かに暗くてゆっくりとした流星が多かったように感じました。残念ながらカメラでは2つの流星しか写りませんでしたが、流星電波観測国際プロジェクトによる観測速報によると4時から7時にかけて電波観測によるエコー数が飛躍的に増加したそうなので、日本より西側ではもっと多くの流星が観測できたのかもしれません。もともとこの流星群の出現頻度は1時間に1個程度だそうですので、1時間ちょっとの観望10個以上の流星が見られたのでかなり多くの流星が見られたことになります。カメラは主に鹿島槍方面とりゅう座方面に向けましたが、南の空もにぎやかなのでオリオン方面にも向けてみました。そうこうしているうちに4時近くなり山荘の明かりが点ってしまったそちらにはカメラを向けることができませんでした。(よく考えたら西側の空が一番暗いと思われる)また、山荘から星空を見に出てこられる人が多くなりました。皆さんヘッドライトを点灯させてくるので、写真撮影中ですので消灯をお願いしました。星空観察にヘッドライトは厳禁、点けても赤色灯でないと暗闇になれた目にはよくありません。星空撮影はバルブ撮影で1分から5分程度シャッターを開放しますので、他の光が少しでも入るとだめになってしまいます。今回は比較明合成をしようと思い、1分開放の画像を何枚も撮影しました。そのうちの1画像でも失敗すると合成できません。あまりの撮影対象の多さに長時間の撮影は出来ませんでしたが、皆様の協力により比較的いい画像が撮れたと思いますので後で合成したいと思います。
4:08 お弁当が4時から引渡しになるので急いでフロントに行き、受け取ってすぐに食べました。中身はデンブ、ひじき、錦糸卵、かんぴょうが敷き詰められていました。見た目はあれですが、なかなかおいしかったです。そのうち地平線も少しずつ明るくなってきました。今度は星景写真を撮るために鹿島槍方面にカメラを向けました。長時間露光すると山肌がわずかな光によって浮かび上がってきます。テーブル上に三脚を置いて撮影していましたが、あまりの寒さに電池がみるみる消耗していきます。(撮影するたびに再生して確認しているせいもありますが)予備の電池と交換をしてさらに撮影を続けていきます。爺ヶ岳方面も撮影してみました。だんだん空が明るくなってくるので、撮影のたびに画像が変わっていきます。しばらくは星と山を写すことができましたが、だんだんと空が明るくなり、星は空に溶け込んでいき、その数を徐々に減らしていきます。その代わり鹿島槍の山肌は赤く色づいてきました。日の出は5時50分位ですので、ご来光を見るためにかなりの人が山荘から出てきました。人が多くなると小さな三脚では場所取りが出来ません。テーブルの上において撮影をしていましたが、人が多くなるとご来光の撮影はできますが、鹿島槍は人が邪魔で撮影できません。しばらくは我慢していましたが、明るくなってきたので手振れ覚悟で手持ち撮影に切り替えました。空には雲はありませんが、下界には雲海が広がっています。遠くには雲海からゆらぐ噴煙と山頂が見える浅間山と四阿山、八ヶ岳がはるかかなたに望むことができました。刻一刻と色が変わる景色を私は言葉で表現することはできません。マイナス1度の寒空の中みんな固唾を呑んでその瞬間を待ちわびます。日の出の時間を迎えました。シャッター音が鳴り響きます。眼視の人からは喚起の声が上がります。私も夢中でシャッターを切りました。いいもの見させていただきました。早起きしてよかったです。5時45分から朝食2回目の人もご来光を見に来てしまっているようで山荘の人が食事にくるように一生懸命呼んでいました。
6:10 冷池山荘出発。
6:22 冷乗越到着。目の前には爺ヶ岳、後ろには鹿島槍がよく見えます。ここからは昨日、雷鳥を見ることができたので期待しながら登っていきます。体力的に十分とはいえませんが爺ヶ岳中峰を登ることはできそうなので寄り道していくことにしました。
7:19 爺ヶ岳中峰登頂。鹿島槍山頂では望めなかった大パノラマを楽しむことができました。非常食としてチョコレートを持ってきましたのでここで食します。何人かの登山者がいましたのでおすそ分けしました。お礼に黒飴をいただいてしまいました。どうもご馳走様でした。
7:34 爺ヶ岳出発。ここからはほとんど下りだけですが、登山道の一部は凍っていますので慎重に下っていきます。残念ながら今日は雷鳥に出会うことはできませんでした。好天に恵まれたことから、多くの人たちが鹿島槍方面に登るためにすれ違います。種池山荘周辺は紅葉が楽しめるようですが、残念ながら今年はあまり良くないようです。ここまでくると日向は凍っていた登山道が解け始め、ドロドロになってきたので少々歩きにくくなった。
8:15 種池山荘到着。ここでも数人の登山者がいましたのでチョコレートを配ります。たぶん最後になるであろう、パノラマ写真を撮影した。爺ヶ岳周辺では見えていた槍ヶ岳はここではもう見えなくなってしまった。残念。
8:35 ガレ場通過。ガレ場の木の橋が霜で凍っていて少し滑った。幅が広い木橋なので落ちる危険は無かったがちょっとビビッてしまった。気を引き締めなければ。
8:57 水平道通過。柏原新道は眺めは良くないのでもくもくと下り続ける。多くの登山者とすれ違ったが、2歳くらいの子どもを背負った(キッドキャリーで)母親に話しかけると、南峰(たぶん鹿島槍だと思う)を日帰りするとのこと。一瞬ふーん、と思ってしまったが、この時間帯から鹿島槍日帰りするとたぶん日が暮れてしまうと思うのだが、大丈夫だっただろうか。登ってきた足の速さからするとかなりの経験者と思われたが、すごいことをする人もいるものだと思いました。
9:49 ケルン到着。ここまでくれば下まであと少しだ。
10:05 八ツ見ベンチ通過。
10:31 最後の下り坂です。
10:33 登山口の表示発見、もうすぐ駐車場です。
10:35 登山道入り口に戻ってきました。昨日あった登山届けの提出場所のテントは無くなっていました。
10:36 静岡からバイクで登山に来ていた人がいました。これから美麻村でカレーを食べに行き、美ヶ原方面へ行くそうです。忙しそうでしたのでお名前等はお聞きしませんでしたが、またどこかでお会いできるといいですね。
10:41 駐車場に戻ってきました。バイクは無事のようです。
バイクで初めて登山に行きました。車より積載量が少ないので不自由ですが駐車スペースが少なくて済むので混雑する登山口駐車場への駐車は楽でした。私以外に数名バイクで登山に来ている人がいたのでちょっとうれしかったです。
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