藤原岳 聖宝寺道→孫太尾根 〜春の妖精 百花繚乱〜
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- GPS
- 09:05
- 距離
- 14.9km
- 登り
- 1,215m
- 下り
- 1,272m
コースタイム
- 山行
- 7:11
- 休憩
- 1:48
- 合計
- 8:59
天候 | 晴れ 初夏のような陽気 黄砂のためか遠景は利かず |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 自家用車
孫太尾根登山口に下山後、伊勢治田駅まで歩いて西藤原までは三岐鉄道利用 運賃200円 |
コース状況/ 危険箇所等 |
≪登山道の状況≫ 〜聖宝寺道(裏道)〜 ・よく整備されていてコースは明瞭 ・砂防ダムを越えてから3合目で杉の植林地に取付くまでは沢を高巻きするトラバース道 沢の方は切れ落ちているので転落・転倒すると危険 ・2合目〜3合目までは枯れた沢の中を登る区間のため、雨天後は危険になると思われる ・8合目で大貝戸道(表道)と合流するが、フクジュソウ撮影のためか踏み跡が入り乱れる。植生保護のためにも登山道を外れないように心掛けたいもの 〜藤原山荘ー天狗岩〜 ・踏み跡は明瞭で危険個所無し 〜孫太尾根〜 ・バリエーションルートという扱いだが、年々登山者が増加して踏み跡は年を追うごとに明瞭になっている。コースを示すテープも増え、少しずつ整備が進んでいるようだ。 ・崩壊地上を横切る区間があるので転落・転倒に注意 ・上野集落の墓地から入山すると、丸山への登り、多志田山への登り、藤原岳山頂への登りが急登。特に藤原岳山頂への登りが険しく上部はガレた岩場なので転倒・浮石を踏んでの落石には十分注意されたい。丸山への登りも狭いトラバース道を登っていくので、スリップすると滑落の危険がある。雨天後は特に注意されたい。 ≪危険動物情報≫ ・ヘビ:遭遇せず。 ・クマ:遭遇せず。鈴鹿山地にも棲息しているので単独行はクマ鈴を用意されたい。 ・ヤマビル:暖かい日だったが遭遇せず。 ≪トイレ≫ ・大貝戸登山口、聖宝寺道登山口、藤原山荘正面に公衆トイレあり。大貝戸登山口トイレは水洗でペーパー完備だが登山者が殺到するとペーパー切れの事もあろうかと思われるので持参するのが望ましい。藤原山荘前のトイレはペーパー無し。 ・孫太尾根方面はコース中にトイレ無し。孫太尾根登山口付近にも公衆トイレは無いので事前に済ませてから来られたし。 ≪商店・自販機≫ ・大貝戸登山口、孫太尾根登山口共に商店・自販機無し。 ・大貝戸は西藤原の集落内に自販機有り。孫太尾根方面は伊勢治田駅周辺まで自販機は見なかった。 |
写真
感想
昨年秋に三ノ峰と刈込池を訪れてから久しぶりの山歩きになってしまいました。
春、芽吹き前の森に咲くスプリングエフェメラルの花たち。
その儚くも美しい春の花を求めて、花の宝庫である藤原岳に登ってきました。
この時期、花を見ることが目的なら孫太尾根往復が一番いいコース。
でも去年の5月に聖宝寺道を登った時に6合目付近で花後のセリバオウレンやミスミソウを見て孫太尾根と似たような環境であることを知ったり、その他にもイチリンソウやハナネコノメ、トウゴクサバノオなど聖宝寺道・大貝戸道でこそ見れた花もあったので、今日は登りに聖宝寺道を選択。
下りは午後の日差したっぷりの頃合いを狙って孫太尾根を下ることで、いろいろな花を観察できるようにプランニングしてみました。
今回会いたい花は
1、ミスミソウ 2、セリバオウレン 3、セツブンソウ 4、ミノコバイモ 5、フクジュソウ
そしてできればキクザキイチゲ、イチリンソウ、ハナネコノメ、トウゴクサバノオにも会いたい!
さて、いくつ会えるだろうか。
大貝戸登山口に7時前に到着するとすでに駐車場はほぼ満車。
出発準備をしている間にも続々と車がやってくる。
大貝戸登山口に駐車したければ、フクジュソウの時期の土日は早朝の到着が必須です。
ここからしばし大貝戸の集落を歩き、聖宝寺裏から砂防ダムを越えれば藤原岳登山のはじまりはじまり。
久しぶりの登山になり、脚力の低下も顕著でしたが、久しぶりに自然の中に飛び込む感覚がうれしくて、あまり疲れも覚えずにどんどん進みました。
序盤は沢の上部をトラバースする区間で、沢側は底知れぬほど切れ落ちているので滑落しないよう一歩一歩慎重に進みます。
昨年5月は斜面のあちこちでイチリンソウを見たのですが、今日はほとんど花は無し。
初夏の陽気ではありますが、イチリンソウ・ニリンソウの遅咲きのスプリングエフェメラルたちに会うにはまだ早かったようです。
杉の植林地の急登を登り切ると芽吹き前の明るい自然林の区間に。
花探しはここからが本番で宝探しのような感覚で、小さな花も見逃すまいと目を皿のようにして歩きました。
その結果、6合目付近で会いたかったミスミソウ、
7合目〜8合目でセリバオウレンに会えました。
セリバオウレンはとても小さな花ですが、マクロ撮影で拡大してみると心惹かれる造形美の花。
神様は最高の芸術家だと思わせてくれる美しさです。
下りの孫太尾根ではセリバオウレンはほとんど終わっていて、みずみずしい花は皆無だったので聖宝寺道を登って良かったです。
ミスミソウの方は6合目にわずかに咲く程度で、こちらは孫太尾根の方がたくさん観察できました。
8合目で大貝戸道と合流すると、藤原山荘までの区間はフクジュソウ祭り。
斜面の至る所に黄色の大輪が咲き競っていて、いい時に登れました。
ただ、フクジュソウ撮影のためかコースを外れる登山者も多く、踏み跡で森が蹂躙されている感がありました。
登山道からもみずみずしい花を観察できるのであまりコースから外れないようにして、フクジュソウ自生地を大切にしたいものです。
フクジュソウに交じって小さな白花のキクザキイチゲにも会えたのが幸いでした。
藤原山荘から天狗岩を往復して花探し。
カレンフェルトの中を行く区間は昨年5月はニリンソウが咲き乱れていたのに、今日は花はほとんどなし。
天狗岩付近の森も芽吹き前でとても明るいのですが、こちらもほとんど花は無し。
同じ山でも花の多いところと少ないところがあるのは不思議ですね。
天狗岩で鈴鹿山地南部の山の展望を楽しんでから、急いで藤原山荘に戻りました。
天狗岩を出発してから30分少々で藤原岳展望台に到達。
春の花を求めてやってきたハイカー諸兄で平日にも関わらず賑わっていました。
足元を見ると、セツブンソウがちらほら。
名前の通り雪解け後に真っ先に咲く花なのでもう遅いかと思っていましたが、何とかみずみずしい花に会えてなによりでした。
陽も西に傾きはじめた13時前。
孫太尾根へ向かって山頂を後にしました。
藤原岳山頂〜多志田山までが孫太尾根の核心部で道なき斜面を登降する厳しい区間。久々の山行ということもあり気を引き締めて下りました。
明瞭な道は無いものと思っていましたが、よく見ると鮮明な踏み跡と木にはテープによるマーキングがあり、険しいながらもコースは定まっていることが確認できました。
この斜面、大貝戸道9合目付近のようにフクジュソウが咲き乱れるのですが、無理をして踏み込むと道なき急斜面で進退窮まったり、貴重なフクジュソウ自生地を踏み荒らしてしまうことになります。
コース脇にも立派に咲くフクジュソウがあるので、コースから外れないように観察したいものです。
多志田山からの下りと丸山からの下りも急斜面になるので慎重な足運びが求められますが、丸山を下るまで天然林の中を行く気持ち良いコースなので、花を探して楽しく歩けるのが孫太尾根の良いところです。
一番会いたかったミスミソウにも草木と丸山の北側斜面でたくさん会えました。
北陸のミスミソウはピンク、紫、青なと色鮮やかで大群落を形成しますが、鈴鹿のものは白花がほとんどで群落を形成することも無く、岩の間からひっそり咲くものが多いです。
鈴鹿のミスミソウはこの慎ましやかなところがとても好ましいです。
注意していないと素通りしてしまいそうですが、近寄って観察すると心惹かれる美しさ。
時々、雌しべや咢片がピンク色のものもあり、きれいな株を見つけられるとうれしくなります。
丸山にはきれいなピンク色のものがあったのに、夕方になったためかもう花を閉じようとしていました。
天狗岩へ行かなければきれいに開いているものを撮影できたかもしれないと思うとちょっと悔しい。
でも楽しみはまた来年にとっておきたいと思います。
絶滅危惧種のミノコバイモも注意して探すとたくさん見つけることができました。
本日の花探し
会いたかったものにはすべて会えましたが、番外編はキクザキイチゲ→〇 イチリンソウ・ハナネコノメ・トウゴクサバノオ→×という結果でした。
でも久々に山を歩けて、美しいスプリングエフェメラルにたくさんあえて楽しい山旅になりました。
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