脱水と雷鳴の天狗岳、大展望と虫刺されの北八ヶ岳・中山
- GPS
- 26:00
- 距離
- 17.1km
- 登り
- 1,651m
- 下り
- 1,395m
コースタイム
- 山行
- 4:40
- 休憩
- 1:45
- 合計
- 6:25
天候 | 1日目:晴のち雷雨、2日目:晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
八王子07:29(JR中央本線「スーパーあずさ1号」) 茅野09:08 茅野駅BS09:25(アルピコ交通)¥1150 渋の湯BS10:16 復路: 白駒の池BS12:53(アルピコ交通)¥1450 茅野駅BS14:02 茅野15:22(JR中央本線) 小淵沢15:44/16:17(JR中央本線「ビューやまなし号」) 高尾18:10 |
写真
感想
高山に登ったことのない友人を含めて山へ行こうということになり、当然山小屋も初めてのはずなのでどこがいいか考え、思い浮かんだのが昨年行った北八ヶ岳の本沢温泉だ。
ここなら個室も+1000円だし、なにより温泉に入れるので初めての山小屋としては敷居が低いだろう。
本沢温泉はそもそも山小屋と旅館の中間的な位置付けだと思う。
本沢温泉に泊まると桜平まで送迎してくれるので、昨年はそれを利用して桜平から根石岳、天狗岳を経て本沢温泉に行ったのだが、送迎人数は4人までとのこと。
今回は5人なので送迎は使えないので渋の湯までバスで行き、天狗岳を経て本沢温泉に行くことにした。
帰りは八ヶ岳のピークの中で行ったことのない中山に行きたい。
海の日の3連休の中日の出発なので行きのスーパーあずさ1号は指定席を取っていたのだが、自由席車両から指定席車両に人が溢れてくるほどの混雑ぶりだった。
降り立った茅野駅前のバス停もバスの切符を買うだけで20分近く並ぶほどに劇混みだった。
バスで座れるかちょっと心配になったが、思っていたとおりさすがに渋の湯行きは一番マイナーな路線で、それでもバス1台がちょうど満席になるくらいの混み方だった。
渋の湯からは以前、黒百合ヒュッテを経て天狗岳を往復したことがあるのだが、今回は唐沢鉱泉を経て西天狗岳、東天狗岳の順で行くことにした。
これなら西天狗岳を往復する必要もなく両方のピークを踏むことができる。
渋の湯を出発して唐沢鉱泉までは軽いアップダウンがあるのみですぐに到着。
ただ唐沢鉱泉からの登りがひたすら長い。
第一展望台に着いてから昼食にしようかと思っていたのだが、途中でもう食べてしまおうかというほど長く感じる。
シラビソの亜高山針葉樹林帯で陽射しはないがやたらと汗をかく。
寝不足で体調が悪いせいかなどとも思ったのだが、全員そう感じていたそうなのでやはり暑さのせいだったのかもしれない。
ようやく第一展望台に到着すると南八ヶ岳方面への展望が開け気分が良くなる。
ただやたらと暑いので木陰を探して昼食にすることにした。
昼食を終え見晴らしのよい第二展望台を通過し、いよいよ眼前に迫る西天狗岳へ登っていく。
普段なら森林限界を超えて展望の良い場所に出ると気分が高揚して身体も軽くなった感じになるのだが、今日はなぜか足が重い。
上げたつもりの足が上がり切っていなかったりする。
以前天狗岳は日帰りで往復したくらいなので、楽な山と思っていたのにこんなにきつかったかなあと思いつつ登る。
この頃から高山初心者の友人も遅れがちになり、最初の高山としてはきつ過ぎたのかなあと思っていたのが、後から思うと自分も含めて脱水気味だったのかもしれない。
西天狗岳山頂に到着すると雷鳴が聞こえて、左手の蓼科山の方から低い雲が流れてきた。
せっかくの山頂だが久しぶりの稜線での雷鳴遭遇で、落雷が怖いので先を急ぐことにする。
ただ、次のピークである東天狗岳の方が尖っているのでさらに怖い。
稲光が始まったらハイマツの中に屈みこむしかないなあとびくびくしつつ、東天狗岳山頂の山頂標はさらに落雷しやすそうなので遠巻きにしてさっさと通り過ぎる。
去年は雨の中歩いた稜線だが、今回は雷鳴に急かされるように通過しなければならないのがもったいない。
高山初心者の友人には稜線歩きの気持ちよさを味わってほしかったのだが、雷鳴のわりには周囲の景色も見えていたし、高山の稜線の楽しさを感じ取ってもらえただろうか。
東天狗岳と根石岳の鞍部に到着し、ここから樹林帯に入るのでなんとか一安心だなと思ってると、雨が本格的に降り始めた。
今回はレインウェアを使うことはないかなと思っていたのだが、だんだん本格的な降りになってきた。
今日は甲府盆地は38℃になっているそうだし、湧き上がる熱気が尋常ではないのだろう。
レインウェアを着て蒸し暑くなったからか高山初心者の友人が体調がさらに悪くなり、だんだん遅れがちになっていたようだ。
ただ自分はその友人の前を歩いていたので、他の友人にそれを指摘されるまで気が付かなかった。
もしかしたら自分も脱水気味で、精一杯だったのかもしれない。
体調の良い友人2人が、高山初心者の友人の荷物を持ち先に本沢温泉へ。
自分ともう一人で体調の悪い友人とゆっくりと下りることにした。
やはりこういう時は人数が多い方が山歩きは安心だなと思う。
去年と同様に雨の中本沢温泉に到着する。
ただここは乾燥室も広いし、なにより温泉があるのでほっとする。
去年は台風接近中の日曜日に泊まったので野天風呂も空いていたが、今回は連休の中日なので野天風呂も大行列だったので入るのは諦めた。
ただ、炭酸水素塩泉の内湯はゆっくりと楽しめた。
翌日は高山初心者の友人の体調次第で稲子湯に抜ける選択肢も残して、予定していた中山と稲子湯方面へいくミドリ池の分岐に到着。
体調の悪かった友人も回復したようなので予定どおり中山へ行くことにした。
中山から麦草峠に抜ける場合、中山峠まで登ってしまえばあとはそんなにきつくないので、その登りは心配だったのだが、稲子岳の迫力のある岩壁を眺めながら問題なく中山峠へ到着。
これで一安心だ。
そこで東天狗岳方面への展望が開けたが、午前中なのにすでに下から雲がどんどん湧き上がってくる。
やはり下界の暑さが尋常ではないからだろう。
と、ここで休憩中に額を虫に刺された。
刺されたときにかなり痛みを感じ、その後痺れも感じるくらいだったからブヨではなくアブかなんかだろうか。
中山は展望がよくないと聞いていたのだが、中山山頂から少し先の展望台までいくと、中央アルプス〜御嶽山〜乗鞍岳〜穂高岳、槍ヶ岳までの大展望が広がった。
昨日の天狗岳の山頂では黒雲が流れてきて遠くの景色は楽しめなかったので、ここは今回の山行で一番の展望の場所だった。
体調が悪かった高山初心者の友人とこの場所に来られてよかったなあと思った。
来週は表銀座を槍ヶ岳まで縦走の予定なのだが、天狗岳で脱水になるくらいの暑さなのでどうしようかなと思いつつ、まだ残雪の多い穂高岳〜槍ヶ岳の稜線を眺める。
額を虫に刺されたのも、何かの天啓なのかもしれない。
高見石は、17年前大学生の時に友人と旅行の時に立ち寄った思い出の場所だ。
まだ高山に登り始めたばかりだったので、この景観がすごく印象深かった。
当時は旅行の途中だったのでスニーカーで歩いたかと思うのだが、高見石小屋から高見石の上まではこんなに岩場だったかなという感じの岩場だった。
でも周囲を見るとこの辺りはやはり旅行途中で立ち寄る場所なのかスニーカーの人もちらほらと見かける。
高見石から見る白駒池、17年位では自然は何も変わっていないように見える。
白駒池バス停からバスに乗り到着した茅野駅前は八ヶ岳から溢れ出た特急列車に乗る人々で大混雑で、臨時のあずさもたくさん出ているようだ。
我々は鈍行なので1時間ほど余裕があったため、茅野駅東口駅前の「ひな」という蕎麦屋でゆっくりとすることにする。
店舗内には登山帰りの巨大ザックの大学生のグループがいた。
その中の上級生らしいリーダーが我々にこの蕎麦屋のクーポンがありますよと教えてくれる。
見知らぬ我々に対し、なんとも親切なことではないか。
若き登山者たちに幸あれ。
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