馬ノ神山/津軽半島脊梁横断 梵珠山まで
- GPS
- 07:54
- 距離
- 14.9km
- 登り
- 726m
- 下り
- 584m
コースタイム
天候 | 高曇り時々雪 気温0度前後 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
弘南バス:合浦公園6:26→五所川原駅7:50 1190圓 津軽鉄道:8:15→五農高前8:21 200圓 帰り) タクシー:梵珠山ふれあいセンター→たらポッキ温泉2710圓 弘南バス:鶴ケ坂田川(たらポッキ温泉前)18:09→合浦公園前19:00 750圓 |
コース状況/ 危険箇所等 |
雪は十分 ラッセル疲れで時間切れ。予定のたらポッキ温泉直接滑降ルートを断念し、梵珠山下降に変更する。 |
写真
感想
ラッセール急げーや、おーシーハイルーの五所川原農林高校から馬ノ神山に登るダイレクト西尾根を登り、反対側たらポッキ温泉の裏尾根滑降という完璧なルートを計画したが、思いのほかラッセル疲れなどで、下降路を変更し、梵珠山に。ぎりぎり明るいうちに降りられた。孤独にラッセル、駆け引きと緊張の良い山行だった。
うちから15分の国道4号線合浦公園停車場に、五所川原行きの一本バスを暗いうちからスキー持って待つ。青森→五所川原は鉄道ではとても面倒。直行があって助かる。五所川原駅で降りると、昭和中期オンボロ骨董鉄道の駅舎は隣り。テツオやテツコが支えるのでやはり多い。わずか二駅めで降りるが、早くも周囲は津軽平野的雪原。丸刈り農高生数人と降り立ち、学校の真ん中をシートラで行く。突き当たりの除雪終点でスキーを履き、農場をひたすら東へ。車道をまたいでも更に田んぼをスキーで延々直進、尾根末端の最終集落へ。この集落のいり口には、津軽名物の着物きたお地蔵さんがあった。ちょっと怖いけど神妙に手を合わせて通過。津軽名物、カクマキ巻いたおばさんも歩いている。
雪かきしているおじさんに会釈すると、「スキッコさ履いてどごさ行ぐだ?」と問われ、「馬ノ神山」と応じると、「道もないし雪も深いし、行けるわけが無い。一本南の尾根から車で行った方がいい」という意味のクリーミイな津軽弁で言ったようだが、ニコニコして通過。山スキーを知らなければそう思うのも仕方が無い。
貯水池の堤を渡ったところが尾根末端。立派な杉の植林斜面を登り、しばらく行くと林業作業道か、道幅軽トラくらいの道が現れ、結局最後まで続いていた。地図にある破線はこれのようだが、ヤブが無いので助かる。でもスネくらいのラッセルが続いた。樹相は杉、松の植林にくわえ、結構立派なヒバ、ミズナラなど多種多様。山頂近くになり、ようやくブナ純林になる。標高320で少しだけ重なる立派な林道ではスノーモービルのトレースあり。
延々ラッセルしていると、ひとつ南の尾根に乗っている牧場兼スキー場が見える。この辺りは、戦国時代に津軽為信が支配始める以前の室町時代、おそらく民族的には半分蝦夷人の安東氏が治めていた。津軽は追い落とした安東の時代の歴史を抹殺したとかで、このボンジュ、馬ノ神山脈が馬産地だったことや、修験道の聖地として山稜にはたくさんの御堂が建てられていたことなどの史料が少ない。修験道というのは、宗教家というより、アルピニストだったのではないだろうか、などと考えが浮かぶ。ボンジュ、大釈迦、摩の岳などという地名にのみ残っている。隣りの尾根の牧場も案外古い歴史が由来かもしれない。
山頂には強引な電波塔乱立。この山は西の津軽平野と、東の陸奥湾岸青森平野を分かつ山脈南半の最高峰だから、昭和40年代に、全TV局の中継電波塔が立てられた。津軽スカイツリーという感じ。その脇の高まりに登頂し、青森平野と陸奥湾を眺む。丁度日差しもある。ここまでの時間が押しているので判断に焦る。かなり複雑に尾根を辿るたらポッキルートをとれば今は日が短いから後半暗くなりそうだ。尾根は登りよりも下りの方が地図読みが難しい。分岐して行くから。計画変更し、ボンジュ山まで行ってマンガンルートを降りる事にする。ボンジュまで2時間、下降に1時間か。
馬ノ神から南のコルまで、スノシューのトレースがあった。これは、天神沢左岸にある牧場兼スキー場方向に降りていた。このスキー場、放送の音は聞こえて来たが、スキーヤーはいないようだった。このスキー場から登れば、馬ノ神山は楽だろう。でもそれでは僕には意味が無い。
ボンジュまでのブナの広い尾根はラッセルあり滑りありの良いルートだが、できればもっと時間を気にせず歩きたかった。当初予定していた、たらポッキルート分岐の・447北西コルから、東にスノシューのトレースがあり、驚いた。ここからトレースはボンジュ山頂まで続いていた。梵珠山では津軽平野に沈む太陽と、斜陽を浴びる青森の町が両側に見えた。「夕陽は〜あかあ〜か、シュプール染める〜」だ。
ボンジュの下りは完全に踏み固められた登山道。まるで正月の八ヶ岳。下に滑りおりてふれあいセンターのマヤマさんに聞いたら、おとつい、初登山イベントで60人が往復したそうな。ボブスレーコースみたいなので、その脇の新雪をシールはずして滑り降りた。先月より雪も深く、楽しい滑降30分で下山。五農高で履いたスキー、ここで初めて脱ぐ。今回は130センチ、ジルブレッタ300だった。これで十分。
センターのマヤマさんに、行程の道の事情やカモシカの近況などを聞く。例の分岐のトレースは旧浪岡青森市境の郡境尾根と言って、梵珠山周遊コースとしてセンター裏あたりは結構使っているとのこと。きょうも何人も雪山ハイクがいたそうだ。そうこうするうち山頂で携帯で呼んでおいたタクシーが来て、予定のたらポッキ温泉まで。この分予算外だが、しょうがない。
たらポッキは源泉掛け流しの無色透明ぬるぬるしょっぱい系のお湯。ここ鶴ケ坂は、青森から津軽平野に抜ける山中の街道の集落。伝統的な温泉湯治場だったがさびれて、今はたらポッキ温泉一軒のみ。朝乗った、青森〜五所川原便のバスがこの温泉前で停まるのである。15分遅れたけど暗闇の中、向こうからバスが来るって本当にありがたい。家の晩御飯に間に合った。
コメント
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中山山地の山々写真と「青森県山岳風土記」山田耕一郎さん著書と照らし合わせながら見させてもらっております。有難うございます。
ジョバンさん感想ありがとうございます。金木のご出身なんですね。「青森県山岳風土記」、1970年代の古本ですが、昔のことなどたくさん書いてあり、良い本ですね。ああいう郷土研究的な地方の山ガイド本、今はあまり世に出ないですね。でもそういうことを知ったり思い浮かべ乍ら山登りすると、何倍も楽しめると思います。
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