尾瀬(燧ケ岳・尾瀬沼・至仏山)
- GPS
- 80:00
- 距離
- 56.7km
- 登り
- 2,875m
- 下り
- 2,380m
コースタイム
2 日目 午前中停滞 午後、見晴〜牛首〜東電小屋〜温泉小屋〜見晴(泊)
3 日目 見晴〜燧ケ岳〜沼尻〜長蔵小屋〜沼尻〜見晴〜山の鼻(泊)
4 日目 山の鼻〜至仏山〜鳩待峠〜山の鼻〜鳩待峠
天候 | 7月12日:曇り 7月13日:雨 7月14日:雨のち晴れ 7月15日:曇り時々晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2004年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
鳩待峠からバスで沼田駅 |
コース状況/ 危険箇所等 |
燧ケ岳ナッデクボ登山道は雨が降ると沢化。急なので足にはつらい。 大雨が降ると尾瀬ヶ原の木道は水没することもある |
写真
感想
7月12日
集合地の八王子駅は晴れ。気持ちの良い朝でした。
全員揃ったところで改札へ向かい、18切符に判を押してもらって八高線に乗車。
ここで“鉄”の方は気付くかもしれませんが、18切符が使用できるのは20日からです。今日は12日。不思議ですねえ。面白いですねえ。
ま、ともかく電車に揺られること3時間30分。尾瀬の玄関口、沼田に到着。
途中、鉄道警察隊というナゾものを見つけたり、清掃前の車両に乗り込んでしまい、怒られたりしました。
しかし事前に言ってくれなきゃ、初めて乗るヤツにはわからないと思うのですが。
話を戻しましょう。バスの乗り換え時間は数分、走ります。
が・しかし。改札で引っかかりました。なんと18切符の使用日は20日からだったのです。
そのアクシデント処理に手間取り、とりあえずバスを5分ほど待たせて出発しました。
そのバス途中、降りるヒトも乗るヒトもいないバス停で突然停車します。
理由はメンバーのザックがバス停車ボタンにぶつかったため。
バスを待たせた上、更にイタズラをするとわ、バスから見れば最悪の集団ですウチら。
無事戸倉に到着。
ここで、バスを待ってもいいのですが、面倒くさいので富士見下まで歩くことになりました。
その時バスで尾瀬戸倉スキー場まで送ってくれるという方が現れました。
前回の道志同様、運のいい我ら。富士見下までの距離は半分ほどになりました。
しかしそこからが意外にキツイ。バスが通れる車道なので、実際そんなたいした傾斜じゃないのですが、久々の泊まりなんで疲れていたのでしょう。
途中コムラサキやヒメシジミ、アサギマダラなど美麗なチョウを観察しながら 13時ごろ富士見下到着。暑い暑い。
みんな沢水で涼み、メシを喰ってると殆どバスに乗ったのと同じくらいになってしまいました。
13個35分頃出発。富士見峠まではリンドウ(林道)なのですが、どうも調子が上がらず、且つ微妙なダラダラ登りに苦しめられ意外に疲れました。
途中の森は綺麗で、下草ではゴゼンタチバナ、カニコウモリ、ヤマオダマキ、ヤグルマソウ、ヤマブキショウマ、
ツクバネソウ、エンレイソウsp(実)、ゴヨウイチゴ、タカネニガナなどを観察しました。
だらだら登り続け、ハクサンチドリやキソチドリ(?)などが見られるようになると、富士見峠到着。
さっきまで青空だったのに少し雨が降ってきて、全員雨具装着。
忘れたヤツもいたようですが。小休止のち出発。
富士見下から見晴への道はとてもキツイ道で尾瀬をなめきっていた我らは大被害。疲労、悪天候、日暮れ間近という三点が揃って、士気はがくんと落ちました。
なんとか見晴着。ついたときはもう7時で、辺りは殆ど真っ暗。
燧小屋の管理人に挨拶して、メシ(夕食)準備とテント設営。
しかしさすが尾瀬。便所は綺麗だしデカイし、休憩所と給水所があります。
こんなテント場は今日は我々だけ。完全に我々のものと化しました。
メシネタ(メニュー)は懐かしの焼きそば。寝る頃は10時くらいだったか。
寝たものの、雨が激しくふってきて、中々眠れませんでした。
7月13日
朝3時30分起床の予定でしたが、昨日の疲れから一時間ほど遅れて起床。
天候は本降りの雨。さすがにこんな雨の中強行するバカはいません。
前述したとおり、辺り一帯の施設は完全に 私物化しています。
テントの設営場所が悪かったため、テントが浸水。
場所を移動させた後、早朝から、一人(テントで寝てた)S氏を除いて休憩所テラスにてトランプ開始。
休憩所の中が開放されると、そこでトランプするもの、寝袋引っ張り出して寝るもの、寝袋で跳ね回るもの、
寝袋に入ったまま椅子から転げ落ちるものなどみな思い思いに過ごしました。
午後になり、天候が少し回復したので、尾瀬が原に出かけました。
今年は6月に遅霜にやられたそうで、花は本当に少なかったです。
途中雨もパラつく中、広大な湿原を歩きました。
尾瀬ヶ原は水かさが上がっていて、哀れ水流に飲み込まれた植物がたくさん見られました。
また増水して、木道が半水没しているところもありました。
半水没は水没よりタチが悪いんです。
見た目は普通の木道なんですが、上に乗ると一気に沈むという罠的な木道。コイツに苦しめられながらも、牛首でターンして、東電小屋をとおり、無事見晴に帰ってきました。
見られた植物はニッコウキスゲ、ナガバモウセンゴケ、オゼノサワトンボ、オゼタイゲキ、ヒメシャクナゲ、キンコウカ、
ヒツジグサ、オニノヤガラ、ショウキラン, トキソウ、サワラン、クロバナロウゲなど数え切れないほど。
中でもコアニチドリは写真こそ失敗したものの、野生品は初めて見ました。
今晩のメシネタはカレー。上手くいきました。明日の天候回復を祈りながら就寝。
7月14日
起床。相変わらず悪天候でしたが、少し良くなっている気がしました。朝飯はリゾット。
メシを喰い終わってみたところ、天候は曇時々小雨。
しばらくの協議ののち、昨日中止した燧ケ岳登山を決行することにしました。
ルートは見晴新道から。
見晴新道は勿論見晴から伸びている新道なのでその名があるのでしょうが、一見、見晴の良い道のように思えます。
しかし、実態は樹林の中の単調な道。「これ知らないヒトが登ったらどうみてもサギだよなあ。」と思いつつ登ります。
というわけで見晴新道はあまり面白い道ではなく、また虫が多いし、湿気もヒドイので、あまり休まず突破。
稜線に出るとガス。ただ雨ではなかったので、まだましといったところでしょうか。
燧ケ岳にわ二つピークがあり、まず高いほうの柴安瑤鬚気辰気抜挈遏
これでクマは東北最高峰、東北第二の高峰を落としたことになりました。
ガスがひどく、寒いので記念撮影をして早々に退散。
ただ下り始めたところで。ちょっと道が怪しかったので、一度退却。山頂に戻りました。
しかし結局道は正しかったことが判明。
20分ほどロス。
やがて鞍部の平坦地を抜け一登りで二つ目のピークもあっけなく陥落。
山頂の雰囲気では、二つ目のピークの方がよかった感じがしました。ここからは尾瀬沼に向けて下山開始。
しばらく下って、道が平坦になったあたりが今回燧ケ岳で最も色々な花が見られたところで、
キヌガサソウなんかは間近で見たのは初めてでした。
やがて分岐着。燧ケ岳から尾瀬沼に下るのは長英新道とナデッ窪の道の二つがあります。 その分岐です。
今回は後者を選択。しかし後に誤った選択であると後悔することになりました。
それというのも、このナデッ窪、道じゃないんです。もはや沢。
いや急坂だから、半分滝というべきか。
ともかく完全に沢で、滑ったり転んだりしながら下って大変でした。。
途中小滝みたいのまであるんですよ。ありゃ道じゃない。あんな沢初めてでした。次行く時は絶対、長英新道から下るつもりでおります。
急坂がようやく終りを告げて、平坦になってくると、沼尻まであと少し。
やっとのことで、沼尻着。沼尻には多くの登山者で溢れ返っていました。
そして、なんと尾瀬沼は晴れていたんです。
尾瀬ヶ原から山一つ越えるとこんな違うもんなんでしょうか。
それにしても悔しいのは、一眼レフをどうせ雨だろうと思い、テン場に置いてきたこと。
今日この日のためにあるといっても過言ではなかったのに・・・!
とりあえず便所に行くと ミズバショウ君が出迎えてくれました。
次に昼食。今後のことが話し合われます。
というのも尾瀬沼を一周するには時間がなく、また疲れていた人もそこそこいたからです。
結果、隊を分裂させ、第一分隊は尾瀬沼一周、疲れている第二分隊は尾瀬ヶ原に戻り、先にテントを撤収して、
今日のテント場である山の鼻に移動し、先にテントを張っておくというものです。
というわけで第一分隊に導入された管理人クマは尾瀬沼一周に出発。
尾瀬沼は、単なる草原のような尾瀬ヶ原と違い、なんか沼と湿原と森の取り合わせが最高でした。
本当にのどか〜な場所で気持ちよかったです。
というか尾瀬の本領発揮といった感じでした。
途中カウチポテトネタで盛り上がって歩いていたら、大分早く沼尻まで一周してこれました。
沼尻から見晴へは結構な距離があったのですが、今度は巨神兵ネタで盛り上がる第一分隊。
恐るべき虚心兵。なんとコースタイムの半分で見晴まで戻ってくるという快挙を成し遂げました。
途中珍しいらしいコブヤハズカミキリも発見できて、運は我々に向いてきたか、といった感じです。
見晴に戻ってきたのは4時ごろ。第二分隊は上手くやってくれたようで、テントなどは既になく、荷物達のみ残されていました。
あとは山の鼻まで移動するのみ。
4時30分頃移動開始。今まで山道を計20キロほど歩いてきたので、第一分隊も疲れ気味。
何か話をして疲れを忘れるため先ほどの巨神兵ネタに見習い、今度はナウシカの話で無理に盛り上げます。
途中修学旅行生らしいグループも沢山いました。
ナウシカの話がやはり功を奏したようで、あまり疲れを感じないまま山の鼻着。
第二分隊も色々面白いことがあったようで、途中アナグマに遭遇したとのこと。
山の鼻はバス道から一時間程度でつく場所なので、建造物が大量に立ち並んでいました。そこで久々の風呂にもありつけました。
風呂から上がり、すっきりしたところでメシの準備をしているうちと真っ暗になってしまいました。
今日のメニューはマーボー丼豆腐抜き。まあ豆腐がなくともなんとかはなりました。
そして今夜は素晴らしいことがおきました。テントで盛り上がっていたら、なんとホタルを見つけたのです。
「尾瀬ヶ原に出ればもっとホタルが見れるかも」そう考えた我々は夜間尾瀬ヶ原散歩を敢行しました。
尾瀬ヶ原夜間散歩は実はメンバーの中で今回最も楽しかったことにあげられるほど楽しい散歩となりました。
真っ暗な尾瀬ヶ原に出てみて、ヘッドランプを消すと、シカの声とともに回りには沢山のホタルの群舞が。
川まで行ってしばらくホタル鑑賞をします。そして帰りしな、上をふと見上げれば満天の星空。
みなプラネタリウムのようだと言っていましたが目の悪い管理人にはせいぜい星座早見くらいにしか見えませんでした。残念。
そして最後には流れ星のおまけ付きで、最高の夜間散歩となったのです。
とても雰囲気があって、詩の能力がある人がいたら、一個できそうな感じでした。
帰りにみんなで連れションをし、その辺りから話が盛り上がり始めた我々はその後、怪談話も敢行。
S氏、シカ弐号機、仔々Pandaは恐怖に打ち震えておりました。 10時過ぎに就寝。怪談話自体は知っているネタだったので、僕は怖くありませんでしたが、
あとになって自分の知っている怖いネタを思い出し、一人恐怖しました。
というわけで今まで過ごした山の夜の中でも今回の夜は超一級に位置づけられる面白さとなったのでした。
7月15日
前日楽しい夜を過ごした疲れからか起床は大分遅れてしまいました。
朝飯は今回初登場のスパゲティ。中々美味かった。
予定より大分遅れて7時過ぎに出発となりました。
至仏への登りはたいしたことはなかったのですが、朝に午後ティをがぶ飲みしたせいで、砂糖バテしました。
それと同時に至仏の豊かな植物達を観察していたので、前方集団と大分差が開いてしまいました。
ただsamoaと一緒だったので、まあ特にあせることもなく登ります。
至仏は本当に初めて見る植物が多く、久々に植物観察が楽しめました。
ムシトリスミレの花は初めて見れました。また尾瀬ヶ原の展望のよさも最高。
何度も後の景色を堪能しながらの登山でした。
特に高天ヶ原あたりからお花畑がとても綺麗で、気付くと沢山の写真を撮っていたりしました。
僕とたこさんが山頂についた時は、他のメンバーも全員到着していました。
うちらが遅れたといってもコースタイムより40分くらい早いタイムでついたのです。
山岳会も昔より大分レベルが上がったなと思いました。
山頂で写真を撮り、9時20分くらいに出発だったと思います。
途中タカネバラやジョウエツキバナノコマノツメ、マルバイワシモツケやホソバヒナウスユキソウ、オゼソウ
などを観察しつつ稜線慢歩。
最後に通った湿原は山上の湿原と言った感じで、ワタスゲの群落とともに、タテヤマリンドウが綺麗でした。
アズマシャクナゲが咲く道を下り始めるころから、だんだんうちらも走り出すようになってきました。
最後は小走りな感じになって11時40分くらいに鳩待峠着。
計画書に乗っている計画ではここで終りなのですが、うちらは山の鼻にテントがおきっぱなしなので、それを回収しないといけません。
昨日荷物がおいてある山の鼻の炊事場に「盗難があっても責任はとらない」みたいな貼り紙があったのを思い出したのと、
またなるたけ早いバスに乗りたいが為に、山の鼻まで走ることにしました。
走る山岳会のメンバー。あとで少し噂になっていたらしい。
しかも途中僕は転んだりもして、少し恥ずかしい思いもしたが、20分くらいで到着。
荷物は・・・・、無事でした。盗難されていない。とりあえず一安心。
山の鼻ビジターセンターを見学したあと、最終目的地鳩待峠へ向け出発。
途中雨に降られたりもしましたが、やはりコースタイムより早く、到着。
あとはバスを待つのみ・・・でしたが、タクシーがバスと同じ値段で下まで運んでくれるという。しかもバスより早く。
これに乗らない手はありません。勿論乗車。
帰りしな、ようやく携帯が通じるところに来て驚きました。
親からのメールに、「先日の豪雨で行方不明者死者多数」とあったのです。
所謂新潟豪雨(亡くなった方々の冥福祈ります)の真っ只中にうちらは尾瀬に向かったのでした。
そういう内容のメールを見ていたらなぜか車酔いしてきたので、強引に寝てしまいました。
で、タクシーの運転手さんの言う通り、バスより半分くらいの時間で、出発地沼田駅に戻ってきました。3時30頃。
そこで解散・・・、の前にウチら昼飯を喰っていなかったので、食堂を探します。
一軒目に入ったうどん屋には「ネタが尽きた。材料がない。」いわれちょっと驚いたものの、
その店のおばさんが指定してくれた「山彦 という食堂に腰を落ち着けました。
そこの店主さんは元山男だった人で、本当に爽やかなおじさんでした。
写真を撮っておけば良かったと今ちょっと後悔。
注文はトンカツ定食に御飯は「ワンゲル盛り」なるものを注文。
これを食わなきゃ山岳会の名がすたる。
店内には尾瀬の沢山の写真とともに、80年代くらいからの「山と渓谷」のバックナンバーが。
色々雑誌を見ているうちに、定食が出てきました。
さすがワンゲル盛り。とても多い量で、普段なら喰えない量でしたが、昼飯を食っていないうちらは全部平らげることに成功。
ご馳走様でした。あんないい店は初めてでした。
その後5時11分の高崎行きの電車乗車。高崎にて解散。
今回は3日、4日が最高にいい山行となりました。
特に登山の面だけでなく、自然の風景や人柄、あと夜の散歩とかが特に印象に残りました。
さすが天下の尾瀬・尾瀬最高!
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