光岳
- GPS
- 51:41
- 距離
- 24.3km
- 登り
- 2,439m
- 下り
- 2,439m
コースタイム
- 山行
- 10:12
- 休憩
- 0:15
- 合計
- 10:27
天候 | 2019/2/10(日)晴れ 2019/2/11(月・祝)小雪 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
芝沢ゲート~易老渡 崩壊箇所が複数あり。危険な場所には巻き道あり 国道152号線からは林道は雪はほとんどないが落石注意 |
その他周辺情報 | ドコモ電波は芝沢ゲートから車で20分ほど下りた所からあります |
写真
感想
三連休に西穂高西尾根を予定していたが、中日の天候が良くない予報。
強風下での稜線通過は避けたかった為、いっそ風の影響を余り受けない光岳に転進することにした。
結果として日曜の天候は良くなったのだが、アクセスが良くなく(車で5時間半(苦笑))、通常の土日では来にくい・・・中々渋いtoomyちゃんセレクト。
2019/2/10(日)
●芝沢ゲート〜易老渡登山口
5kmの林道歩き。
崩落箇所前には、ポール(柵)があり、その手前に巻き道が付けられている。
崩落が進んでいるのか、巻き道の入口はいくつかあり、どんどん手前(ゲート側)になっているよう。
林道は、スケートリンクに薄っすら雪が乗っている状態。
●易老渡〜面平
「さて、ここから登ります」と言わんばかりの斜面を正面に見据えて登り出す。
出だしはつづら折り。雪は足首程度。
急ではあるが、爺ヶ岳東尾根の登り始め程ではない。
「易老渡:1〜面平:10」の看板があり、カウントアップされていく。
このあたりまでは順調で、本日中に小屋まで行けるかなぁと思っていた(甘かった)。
●面平〜易老岳
この辺りから雪が多くなり、踏み出すと膝上程度になる。
好天は嬉しいが、陽に照らされて雪が緩み始め、踏み込む深さが深くなってきた。
原則尾根上を行くが、ピンクテープは乏しく、木々の間を選んで縫うように進む。
カウントアップの看板が「間違っていない」ことを示してくれる。
易老岳手前の2254mピーク当たりで、3m程急斜面を降りる場面があった。
(急な傾斜の下がナイフリッジになっている)
懸垂しないまでも補助ロープでクライムダウンがベストな場面で、
あろうことか、ロープをザックの下の方に入れてしまっていた。
「どうせロープなんて使わないだろう」という、CLにあるまじき行為。
・・・ごめんなさい。大きく反省。
面平から易老岳への登りに思いの他時間がかかった。
そして・・・実はその後が更に厳しかった。
午後の雪は、太ももまで埋まり、一歩一歩が重い。
踏み抜いて腰まで埋まり、都度脱出する羽目になる。
幕営予定地まで傾斜はないが、尾根が良いのかトラバースが良いのかルーファイに気を使い、心身ともに疲弊し、ようやく幕営予定地(2228mピーク下)に着いた。
ピークには木があり、また夜間(&翌日のデポ時)の風が心配だった為、ピーク下の斜面を整地し、幕営。
若干木の上だったが、それ以上動く気力がなく、正直「落ちなければ良い」という心境だった。
●幕営&作戦会議
toomyちゃんは「軽量化」を厳守し、お酒も持って来ていなかった。偉い!
自身はこっそりお酒と肴を持参。
多少かさばるものの、最近は「シャウエッセン」がお気に入り。
少しのお湯で温めるだけでとても美味しいし、栄養取れるし、お湯はスープになる。
そして、実は温めなくても食べられるので、行動食にもなる。
さて、明日の作戦会議。
どの記録を見ても三吉平から先は谷筋を登っているが、この降雪の中、谷筋を行くのは正直怖かった。
toomyちゃんからは、「尾根上は木があり進めないかも」という意見。
稜線まで150m程の谷底、右岸の等高線が詰まっている部分は距離にして300mくらい。
雪の状態、斜面の状態、木の生え具合、左岸の状況・・・、結局は行って現地を見て判断することとした。
また、幕営地周辺の状況から、木々の間を縫って歩くことが予想され、暗いうちに行動するのが難しいと思われたので、出発時間を30分遅らせることにした。
2019/2/11(月・祝)
●幕営地〜光小屋
朝、小雪が舞い月あかりは見えなかったが、気温はさほど低くなかった。
出発を遅らせ、ヘッデンで周囲が確認出来るくらいの明かりの中、出発。
夜中に気温が下がらなかったのか、雪は思っていた程にはしまっておらず、
踏み抜きつつ進む為、三吉平まで予定していたより時間がかかってしまった。
三吉平は樹林の中だが、尾根と谷筋の分岐は比較的分かりやすかった。
toomyちゃんの予想どおり、尾根上には樹木あり。
地形を観察し、一部嫌らしく見える部分もあったが、谷筋を行くことにした。
なるべく木々の間を歩くが、下手すると踏み抜く。ルート取りに神経を使う。
地形図的には「谷を稜線までつめる」のだが、傾斜がなくなった稜線近くは白い雪原のよう。
イザルガ岳との分岐は、沢筋を詰め切れず、小高い所に登ってしまったりした。
ガスっており方向感覚が怪しくなりそうになるも、ようやく沢筋(おそらく無雪期は木道)の道標を発見することが出来、稜線を避け、そちらで休憩。
ここまで予想以上にかかってしまい、正直なところ今日登頂出来るかは半々だと思い、撤退時間を相談する。
toomyちゃんの意見を採用し、12時に往路撤退することを決めた。
「沢筋をつめる」ことが、かなり難しく(下山時確認したが、やはり開けた北の沢筋に入ってしまいそうになる。左手側の木々の間の先に目指す沢筋は続く。)右往左往しつつ、目の前のルンゼの先に小屋の屋根が見えた時はほっとした。
県営光小屋の影で休憩。時間は9時過ぎ。
ここからは平坦、たとえラッセルでも3時間はかからないだろう。
ここで、わかんを付けた。
●光小屋〜光岳山頂
ここから山頂までは平坦なはず。
小屋前には「登山道→」の道標があるも、、、甘かった。
期待はしていなかったが、、、平坦で雪深い為、どこが登山道だか分からない。
方角を頼りに、「ここから先は1番高いところが山頂だから」という感覚で西へ進む。
木が生えていて通過が困難そうな尾根を巻きながら進むと、眼前が下り坂になった。
「下ったら、まずいでしょ」と、toomyちゃんが尾根に駆け上がり、
「yachimayuさん、嬉しいものが見えます!」の声。
急いで駆け上がった尾根上に「光岳」の道標が埋まり、そのほんの先っぽが見えていた。
「来れたーーーーーっ!」
toomyちゃんと握手し、その場に座り込んだ。
あいにくの天気で眺望は得られなかったが(もともと無雪期も眺望はないらしい)、
昨日綺麗な南アルプスを見られたし、今となっては気温が上がらないでくれるほうがありがたかった。
●下山〜幕営地まで
山頂で十分休憩し、自分たちの付けたトレースを追って下山。
多少右往左往した部分もあるが、雪質や状況を吟味し自分たちが付けたトレースは信頼出来、トレースがあるというだけで精神的な疲れが全く違った。
わかんですべり降りるように下山出来たので、光小屋〜幕営地まではあっという間だった。
予定どおりにテントを撤収し、あとは下山だけ・・・だが、そう簡単にはいかなかった。
下山はわかん+アイゼンを付けて行くことにした。
●下山〜易老岳、面平、易老渡
まず、雪が深く昨日程ではないが午後に緩んできた為、易老岳まで予想以上に時間がかかった。
2254mピーク下では、数mのクライムダウン〜ナイフリッジ〜急傾斜の登りがあり、そこで1度ロープを出した。
一部風と降雪でトレースが消えている部分もあったが、おおむね自分たちのトレースを追い下山出来る・・・はずだったが、1度道をロスする。
「面平13」の標識後、広い尾根を下るのだが、下れる部分を選び木々の間を下るうち北方向に降りてしまった。
「面平12」以降の看板が見当たらないことでルートを外したことに気付き、200mほどトラバースして元の登山道に戻った。
ピンクテープが乏しいこともあるが、広い尾根の下山に注意は読図の基本なのに・・・と、反省した。
暗くなる前に登山口に着きたくて、少々無理をしてしまった。
凍結が怖くて、多少土が出ていてもアイゼン装着のまま下山したが、きつかったと思う。
18時前に易老渡にたどり着き、19時過ぎに駐車場に着いた。
<感想>
アクセスが容易ではない為、人はいないだろうと思っていたが、全く人には会わず。
ロープは使わないし、登攀もない、アックスやガチャも不要だけれども、
誰もいない山に入り、自ら考えトレースを引く難しさを経験出来た。
女子2人、初見で誰もいない雪山。
今までで1番充実した雪山山行だった。
toomyちゃん、本当にありがとう!
余談。
幕営地手前で一瞬人のトレースっぽいものがあった気がしたが(あれはどこからどこへ?)、それ以外トレースは無いに等しい。
が! 獣のトレースが見事に登山道を追っていて驚いた。
どこでも行けそうな部分も、獣トレースを追うと雪がしまっていて沈まなかったりする。
獣には「ピンク」が見えているのだろうか?
そして1m以上下の登山道が足裏感覚で分かるのだろうか?
<装備>
・わかん(アイゼン併用)
・ピッケル(1本)+ストック(ダブルアックスは不要)
・補助ロープ 30m
風強いので西穂西尾根の代替で光岳へ。
幕営地手前に変なところにトレースがありましたが、結局誰にも会わず。
稜線の樹林帯に出てからはピンクテープを見失いやすく、なぜか登山道を見失わない動物の足跡に助けられました。
易老岳〜三吉平のラッセルが非常にきつく、さらさらで踏み固めにくい雪でした。ワカン持っていてよかったです。
易老岳手前のナイフリッジは登山道はトラバースだけど結構怖いので直登し、行き帰り補助的にロープを出してもらいました。
反省点は諸々。
・体力が計画に見合ってない
・忘れ物(スコップ、雪袋)
・
久しぶりの冬山で行動時間も長かったのでとても辛かったですが、
ラッセルの先に光岳の山頂につき当った時は嬉しかったです。
yachimayuさんには頼りっぱなしで申し訳なかったです。本当に助かりました。
またお願いします!
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