熊野古道 中辺路 平成から令和へ 熊野三山(滝尻王子~那智)とお伊勢さん参り
- GPS
- 30:58
- 距離
- 72.7km
- 登り
- 5,037m
- 下り
- 4,934m
コースタイム
- 山行
- 5:06
- 休憩
- 0:26
- 合計
- 5:32
- 山行
- 8:51
- 休憩
- 0:16
- 合計
- 9:07
- 山行
- 8:47
- 休憩
- 0:02
- 合計
- 8:49
- 山行
- 6:29
- 休憩
- 2:36
- 合計
- 9:05
- 山行
- 2:29
- 休憩
- 3:23
- 合計
- 5:52
天候 | 4/27,28:晴 29:曇 30:雨 5/1:曇後雨 |
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過去天気図(気象庁) | 2019年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
4/27 大阪6:24-(JR3020円)-9:55紀伊田辺10:15-(明光バス960円)-10:53滝尻BS 移動: 4/28 本宮大社BS16:58-(バス,約300円)-17:17渡瀬温泉BS 4/29 渡瀬温泉BS7:01-(バス,約300円)-7:11下地橋BS 4/30 那智の滝前BS11:05-(バス,630円)-11:30紀伊勝浦駅(ランチ休憩)12:00-(バス,630円)-12:36新宮駅15:31-(JR410円)-16:13大泊 5/1 大泊5:06-(JR2270円)-8:03伊勢市、外宮9:30-(シャトルバス430円)-10:00内宮、五十鈴川14:07-(近鉄160円)-14:11伊勢市 復路: 5/1 伊勢市14:23-(近鉄1800円)-16:43鶴橋16:47-(JR410円)-17:04大阪 |
コース状況/ 危険箇所等 |
○コース状況 全域、よく整備された登山道です。 |
その他周辺情報 | ○地図 熊野古道めぐり地図帳: 熊野古道を歩くなら、是非持参下さい。これがあれば、安心して 歩くことができます。観光案内所でもらえます。 山と高原地図「高野山・熊野古道」: スマホにダウンロードしておくことをお薦めします。 ○キャンプ場 渡瀬温泉キャンプ場 ・料金620円、お風呂(温泉)約500円 ※めっちゃ広いのでGWでも、安心して張れます。お薦めです。 ○下山後のランチ お食事処 大和 ・紀伊勝浦駅前すぐ ・絶品特製大和丼 1800円 ・営業時間11:00〜17:30(日曜営業) |
写真
感想
今日は、熊野古道の中辺路を歩きます。
去る平成、来る令和の節目にあたり、熊野三山とお伊勢さん参りで気持ちよく迎えたいと思います。以下、道中記録です。
◆1日目 滝尻王子~継桜王子(テン泊)
神戸から電車を乗り継ぎ、紀伊田辺まで移動。バスは大勢の人で混雑しており、予想外の展開にびっくり。中辺路は熊野古道の中でも歩き易く、人気が高いのですね。私の様なテン泊装備の人は少数派で、ほとんどの人は日帰りの様でした。
滝尻王子バス停に到着。まずは滝尻王子に参拝してから歩き始めた。今日は天気もよく気持ち良い。デカザックを置いて、胎内くぐりを済ませて、先へと進む。
途中、霧の里無料休憩所に立ち寄る。丁度、お昼時で、ご飯を食べている方が多かったです。私はここで草餅を購入して、食べながら進む。つきたてのお餅は柔らかくて美味しかったです。
箸折峠の牛馬童子を経て、近露集落へ下りる。ここでランチ休憩。広々とした芝生の公園でパンとコーヒーを頂きました。その脇になかへじ美術館があり、今日は時間もあるので、閲覧させて頂く。テキスタイルとファイバーアートを楽しみました。
道端に咲くお花を楽しみながら進み、継桜王子に到着。ここでテン泊適地を探す。茶屋のおばちゃんに相談すると、「駐車場なら明日朝まで使って良いよ。トイレも水道も使って大丈夫」とのことで、ありがたく使わせて頂く。
ちょうど、そこにやってきた中国人ハイカーの代松濤(タイショウドン、以降タイさんと呼ぶ)さんも、テン場を探しており、一緒にテン泊することになった。野中の清水で水を汲み、テントで休んだ。(タイさんとは、この後、伊勢までずっとご一緒させて頂くことになった)
◆2日目 継桜王子~熊野本宮大社~(バス)~渡瀬温泉キャンプ場(テン泊)
2日目の朝。タイさんと共に朝食を取り、テントを撤収して出発。継桜王子では、宿の送迎バスから多くの外国人ハイカーさんが降りてきて、出発の準備をされているところでした。
タイさんは、英語がお上手。聞けば母親が英語の先生だとのこと。なるほど、お母さん仕込みの英語だったのか。多く出会う外国人ハイカーとの会話には、私は会話についていけないほど、流暢にしゃべる。でも、日本語は片言しかしゃべれない。
私も中国語は片言だ。(以前に中国の大連に1ヶ月ほど出張していたことがあり、それに向けて中国語検定4級は取ったが、タイさんの日本語と大差ないレベルしか話せない)。日本語・中国語・英語を、駆使してタイさんとのコミュニケーションに努めた。
彼は、四川省出身の39才。空港の税関で働いている。今回は、15日間の休みを利用して、日本に旅行に来た。5/6に中国に帰る予定だそうだ。山が好きで中国でも山を良く歩いているそうだ。今回は成田から入り、まずは上高地に行ってテント泊(タイさんのテントはメッシュの3シーズン。ちょっと寒かったんじゃないでしょうか)。あいにくの雨で、山はよく見えなかったらしい。(タイさんには、「晴れたら穂高連峰が間近に眺められて、絶景だよ」と、私のヤマレコの過去の記録の写真を見せてあげた)。翌日は、松本浅間温泉の宿に泊まり温泉を楽しんだそうだ。その後、紀伊田辺に移動して、中辺路を歩く道中で、私と出会った。
家族は、嫁さんと、中学生になる嫁さんの息子さんと3人と暮らしていて、自分の子供はまだいない、とのこと。(後に訪れる、那智大社や速玉大社では、子供を授けてもらうお守りを探していましたが、そこにはありませんでした)。嫁さんと香港を旅行した時の写真も見せてもらいましたが、とっても綺麗な人でした。
「嫁さんとも、山に行くのか?」と聞けば、「行かない。山より買い物が好き」とのことで、私の嫁も同じだと二人で笑った。
話を聞いていると、準備が間に合わなかったとのことで、食料を持ち合わせていないことが分かった。「本宮にはスーパーがあるか?」と尋ねられ「まともなのは1件だけしか知らない」と答える。小辺路を歩いたとき、確か、角にACOOPがあるのを見た。そこ以外は私は知らない。結局、ACOOPに買い出しに行くことにした。
九鬼ケ口の関所で、ザックをデポして、ACOOPに向かう。お店は、道の駅の中に移転していた。中を覗くと、使えそうなものがあった。カレーメシ・カップヌードルぶっこみ飯・チキンラーメンぶっこみ飯・カップヌードルカレー味、パン等の食材を買い込み、準備は完了。ビールも2本ばかし買い込んだ。(彼はアルコールはほとんど飲めないのに、私のために買ってくれたことを、後で知る。どうもありがとう)。
寄り道したので、バスまでの時間がない。本宮大社にダッシュで移動し、お詣りを済ませると、バスの時間まで10分足らず。御朱印も欲しかったが、今日は行列が長い。諦めてバス停へと急いだ。(大斎原も今年は立ち寄る時間無し)。
バスで渡瀬温泉に移動し、キャンプ場でテントを設営。ここは広いしGWでも気軽に利用できる最高のテン場だと思う。
テント設営後、二人でお風呂に入りに行く。温泉のお風呂は最高だった。その後、ビールで祝杯を挙げ、夜遅くまでテントサイトのテーブルで話し、テントに戻った。
◆3日目 下地橋BS〜小口~地蔵茶屋跡(テン泊)
朝一のバスで、下地橋に移動。そこで準備を整え歩き始めた。ちょうどツアーのバスが到着したところで、スゲガサを被った先達さんに連れられて、多くの方が歩いていました。大雲取越・小雲取越も人気のコースですね。
百間ぐらで、コーヒーブレイク。ここは眺望抜群。眺めを楽しんだ後、先に進む。桜茶屋でも一休み。この後、小口まで下りて、アイスクリームを食べた。
そこから大雲取越へ。まずは円座石にて小休止。更に進んで、胴切坂に取り付く。ここは長〜い心臓破りの坂が延々と続く。私の方が進むペースが早いので、タイさんをところどころで待った。中辺路最大の難所を突破して越前峠で一休み。そこから、地蔵峠へと下りた。お地蔵さんにお参りした後、ここでテントを張った。水・トイレが利用できるありがたい場所だ。夜からの雨が振り始めた。
◆4日目 地蔵茶屋跡~熊野那智大社~(バス)~紀伊勝浦駅(ランチ)~(バス)~新宮駅~ごとびき岩~熊野速玉大社~(JR)~大泊駅~大泊ビーチ(テン泊)
雨の中、撤収して出発。那智までは距離はないが、バスの時間に間に合うように下りる必要がある。雨の中、カッパ・テムレスの装備で進む。レインパンツを持たないタイさんには、傘を貸してあげた。途中、船見茶屋跡の東屋で休憩。ただし、あいにくのお天気のため、玄界灘は見えなかった。
那智高原公園を抜けて、那智大社に到着。青岸東寺・那智大社にお詣りする。タイさんは、御神木の樟の木の胎内めぐりも楽しんでいた。その後、那智の滝に移動。
盃で長寿の水も頂いた。久々の那智の滝は、前日降った雨のせいか、水量が多くてかっこよかった。
バスで、那智勝浦駅に移動して、駅前の「大和」さんにて、絶品マグロ丼を頂く。ラッキーなことに開店と同時に入れたので、待たずに済んだ。新鮮なマグロはとても柔らかく、めちゃめちゃ美味かった。(タイさんも気に入ってくれて良かった)。
昼食後、新宮駅にバスにて移動。ごとびき岩・那智速玉大社に参拝し、熊野三山の多くの神様に、祈りを捧げることができて良かった。
新宮駅に戻り、JRで大泊駅に移動。大泊ビーチでテン泊した。ビーチには大きな波が打ち寄せており、多くのサーファで賑わっていた。
◆5日目 大泊駅~(JR)~伊勢市駅~外宮~(バス)~おかげ横丁(ランチ)~内宮~五十鈴川駅~(近鉄)~伊勢市駅~(近鉄)~鶴橋駅~自宅
5時過ぎの大泊駅発のJRに乗り、伊勢市駅に移動。駅にザックをデポして、お伊勢さん参りに出かける。まずは、外宮へ。今日は5月1日で令和初日ということもあり、ものすごい数の参拝者が、朝から列を成していた。
伊勢神宮の外宮(豊受大神宮)、多賀宮、土宮、風宮と順にお詣りした。
バスで内宮に移動し、おかげ横丁へ。ここも、ものすごい人だかりでした。人混みをかき分け、手ごね寿しの「すし久」さんへ。開店と同時に受付したが、すでに受付用紙は3枚目。人気のお店なんですね。それでも、30分ほど待てば、中に入ることができた。タイさんと私は、お目当ての手ごね寿司(竹セット)を注文。私はお腹がぺこぺこで、大盛りにした。
お店は長屋造りで趣があって良かった。料理もとても美味しかった。タイさんにも気に入ってもらえたようで良かった。
内宮(皇大神宮)をお詣り。ここの人混みはすごかった。鳥居の手前で大渋滞が発生し、お詣りだけでも時間がかかった。今日は特別な日。神様に詣でるのも楽ではないですね。無事、参詣を終え、帰路に就く。
長大な列を見て、バスに乗るのを諦め、最寄り駅(近鉄五十鈴川駅)まで30分ほど歩くことにした。雨が降っており、2人で肩を寄せて、傘に入って歩いた。
長い旅も、もうじき終わる。伊勢市駅に戻り、ザックを回収してそこでタイさんとはお別れ。タイさんは、名古屋経由で浜松へ。私は、近鉄で大阪へ。タイさんは、そこから東京に向かい、もう少し日本を楽しむそうです。
タイさんは、中国での生活に疑問を感じ、日本に住みたいと職を探しにやってきた。今年の1月末(中国は旧暦なので、年末)に、彼のお母さんが自転車に乗っていて事故に合い、足の骨を折り、顔にも大怪我を負って、2ヶ月も入院していたそうです。中国では、年始の休みは医者もお休みするらしく、十分な治療が受けられなかったそうです。日本に職を見つけて、家族も皆、連れて来たいと考えているようでした。
途中出会った、デボラさん(英国人、以前に京都で英語を教えていた)とクリスティさん(オーストラリア人、現在、日本で働いている)を頼って、まずは日本の会社の面接を受けて、上手く行けば日本で働けることになるそうです。前途多難にも拘らず、前を向いて、新しい日本での生活の第一歩を踏み出した彼に、祓え給え、清め給え、幸え給え。
今日も良い山でした。
(1日の消費量 水1.0L、燃料80ml(夜30ml+朝30ml+昼20ml)
荷重16kg、アルファ米 8/10食、パン 3/4食、行動食 500ml×0.3本)
コメント
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またゆっくり拝見させていただきますが、私も辿ってみたくなりました。
人との触れ合いもあり、素晴らしいです。
旅は道連れ、世は情け。今回は、たまたま初日のテン場で一緒になった中国人のタイさんと、最後まで歩くことになりました。
彼は行く先々で、スマホでビデオレターを撮影して旅の記録を残していました。その日の出来事や旅先で感じたことを、タイさんが英語で話す動画を撮影した後、「ネット配信するのか?」と聞けば、「家族や友人に送るのだ」とのこと。コミュニケーションの方法もいろいろで面白いと思いました。
日本の郷土料理、紀伊勝浦駅前で食べた絶品マグロ丼や、おかげ横丁の手ごね寿司を、タイさんにも気に入ってもらえたようで、良かったです。
世界遺産の熊野古道は、ワールドワイド。様々な国の人が歩いています。身振り手振りでなんとかなりますが、細かいニュアンスがまだまだ伝えられない。英語をコミュニケーションの道具として使いこなすことができれば、もっと面白くなるなぁと、今回歩いて感じました。
ますます、歩いてみたくなりました。ありがとうございます。
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