吹雪のち晴れ、の常念岳
- GPS
- 50:40
- 距離
- 12.5km
- 登り
- 1,674m
- 下り
- 1,679m
コースタイム
5/4 雪のため小屋に停滞
5/5 6:20常念小屋発-7:30-50常念岳山頂-8:20-50常念小屋-10:40王滝-12:20一の谷登山口
天候 | 5/3 晴れのち曇り、夕方より雪 5/4 暴風雪、のち晴れ間 5/5 晴れ |
---|---|
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
(帰りも同じ。走行距離、片道730km) |
コース状況/ 危険箇所等 |
一の沢登山道は、王滝付近より雪道となった。雪は割と締っていた。 常念小屋から常念岳山頂までは、一部、石が露出しているが、朝方は雪がクラストしていた。アイゼン使用。 |
写真
感想
【山行No 175】
※ゴールデンウイークだが、前半はだらだら過ごしてしまい、
後半になってようやく山に行く気が出てきた。
以前よりひそかに考えていた、マイカーで信州まで行って山登りする、という計画を実行に移す。
5月2日(土)
・朝8時に四国(新居浜)を出発。瀬戸大橋、中国道、名神道、中央道を通り、松本市内に着いたのは、19時前。
少し渋滞もあったので、結局10時間以上かかったが、なんとか到着。走行距離は710km。
駅前のビジネスホテルに泊まる。
5月3日(日)
7:50 松本市発
・マイカーで北アルプスの登山口に向かう、というのは、なんだか妙な感じだ。
今日は朝から良く晴れていて、松本市内からも、北アルプスの白い姿が堂々と見えており、ようやく山へ向かう気力が湧いてきた。
・常念岳への登山口のある、一の沢へと林道を進む。
林道はずいぶん奥まで伸びている、周辺はカラマツ林がちょうど新緑の芽吹き時。所々の伐採跡が、物悲しい雰囲気だ。
9:10-40 冷沢小屋(駐車場)(標高=約1200m)
・表示ではここが最終の駐車場になっている。ここで車を停め、さっそく山男に変身する。
・林道はさらに奥まで伸びており、林道をぶらぶらと歩き始める。
ルリビタキ、ウグイスなどの声が聞こえ、春らしい。
10:00 林道終点(標高=約1300m)
・ここから本格的な山道となる。
10:20-30 山の神(気温=10℃)
・大きな栃ノ木と、鳥居があった。ここからいよいよ山の世界ということか。
11:50-12:00 王滝(標高=約1500m)
・この付近より道沿いに残雪が増えてきて、北アルプスの春山らしくなってきた。
鳥の声も、ルリビタキ、ミソサザイ、ウソ、シジュウカラ、ヒガラなど
樹相は針葉樹林で、コメツガ、シラビソなどの森となっている。
13:10 笠原沢出合(標高=約1900m)
・ここから谷は急斜面の登りに変わってきた。雪は固く締まっていて歩きやすい。
・標高=2100m付近の二股を過ぎると道は一層急になってきた。
胸突き八丁の急坂を、ゼイゼイ言いながら一歩ずつ登る。
天気も、午前中はあんなに青空が広がっていたのに、
いつのまにか上空は雲が増えてきており、小雪さえ舞ってきた。
15:20 常念小屋着(標高=2450m、気温=+3℃)
・さすがにゴールデンウイーク後半の連休だ、小屋の中は超満員になっている(約180人)。
部屋は12畳の部屋に15名。まあ昨年の涸沢よりは少し楽か? というところ。
・今回、用心してシュラフまで担いできたが、夜は、外は雪が降っているのに、シュラフ+布団ではちょっと暑いくらいだった。
5月4日(月)
・今日は、常念岳に登頂してそのまま下山する予定にしていたが、
朝起きると、外は吹雪模様になっている。
天気予報も冬型になっており、宿泊した大方の人は、常念頂上には行かず、そのまま下山する様子。
下山するにも、一の沢最上部の急斜面は、新雪によるナダレの危険性があるということで、
小屋の人数名が、ルート工作にでる状況だ。
なんだか春山というより冬山のような緊迫感のある状況だ。
・自分もそのまま下山しようかな、とも考え、思案に暮れていたが、
明日午前中に登頂して、そのまま下山し、さらに車で四国まで帰ることも、
無理ではないかな? と思い、とりあえず小屋に停滞することに決めた。
・下山する人たちが出払った後は、同じく停滞を決めた人30人ばかりが残る小屋で、のんびりと過ごす。
外は相変わらず吹雪になっており、すさまじい感じだが、小屋の中は至って快適で、
コーヒーなどを飲みながら、小屋に置いてある山の本をのんびり読んで過ごし、
なんだか贅沢な時間を過ごした感じだった。
16:00-17:10 周辺散策(気温=-7℃)
・夕方近くになってようやく雪も止み、晴れ間が見えてきたので、ちょっと外に出てみることにした。
風は恐ろしく強い西風が吹きすさんでいるが、上空は青空が戻ってきており、なかなかいい感じだ。
常念岳方面も、横通岳方面も新雪が風に飛ばされて雪煙があがっており、冬山のような景色だ。
空身でぶらぶらと横通岳方面へと登ってみた。
しかし、風速は20〜30m/sはありそうで、立っていると体が吹き飛ばされそう。
途中より這いつくばって登るが、途中であきらめ、再び這いつくばりながら下る。
こんな強風に合うのは初めてで、さすがにちょっと怖かった。
・今日は登ってくる人もなく、宿泊客は30名程度。
昨日と打って変わってのんびりした夕食タイム、寝るのもゆったりできて快適だった。
5月5日(月)
・朝起きると、風も弱まり、待ちに待った好天の朝だ。
6:20 常念小屋 発
・不要な荷物を小屋に置き、サブザックで常念山頂を目指す。
外はまだ少し風があり、ゴアの上下を着て、手もミトン、足はアイゼン+スパッツ、と完全武装して出かける。
・常念岳の北面は、昨日の雪と強風でクラストした斜面になっているが、
そこにアイゼンがグサグサ刺さる音が心地よい。
所々には露岩が出ているので、慎重に登る。西風はまだ吹いているが、飛ばされるほどではなかった。
7:30-50 常念岳山頂(標高=2857m、気温=-2℃)
・北アルプス全域が、新雪でまばゆいばかりに輝いている。
遠く、浅間山、妙高、雨飾山、御嶽、白山など、遠くの山も良く見えている。
この山頂にくるのは6年ぶりか... 寒い山頂ではあるがのんびりした。
・下りは登りと同じ道を、こけないように慎重に下る。
8:20-50 常念小屋
・小屋に戻ると、中はがやがやしている。
聞くともなく話を聞いていると、昨日の暴風雪で、周辺で遭難者が多数出ているらしい。
大天井岳で凍死者とか、西岳付近で滑落者あり、とか、いろいろ聞こえてきた。
(※ この日の遭難は非常に多く、下山後、ニュースで確認したところ、
国内全域で、計85件の遭難、死者は35名というすごい規模で、びっくりした)
・常念乗越からさっそく下山にかかる。
ここの胸突き八丁の雪の急斜面は、なんだか滑落しそうな感じで、慎重に下る。
しかし、下半分は傾斜も緩くなり、シリセード混じりで快調に下った。
10:40-11:00 王滝
・雪も少なくなってきたので、ここでアイゼンを外す。
12:20-30 冷沢小屋(登山口)着
・ようやく春の世界に戻ってきた。
昨日一日、小屋で辛抱した甲斐があり、晴天の元、輝く雪の山に登れて、満足感のある山だった。
・ここからマイカーで帰路に着く。
中央道はあまり混んでいなかったが、名神道に入ると、大津のだいぶ手前からのろのろ運転となった。時間ばかりが経ち、焦る。
19時過ぎにようやく大阪を抜けた。後は、中国道、瀬戸大橋も混んでいなかったが、
休みもあまりとらず車を走らせ、ようやく自宅に着いたのは、午前0時ちょうど。
山登りに加えての700kmあまりの車の運転で、さすがに疲れた一日だった。
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