谷川岳〜赤谷川源流から、万太郎山〜仙ノ倉谷
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- GPS
- 09:30
- 距離
- 18.0km
- 登り
- 1,264m
- 下り
- 1,978m
コースタイム
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年04月の天気図 |
アクセス |
写真
感想
グレートサミッツ国内編 NO21 日本一エレガントな上越国境(万太郎山)越え
上越稜線を群馬から新潟に越えるのに(その逆も)、過去にどれだけのアイデアや気の利いたルートを探索しただろう。でも計画段階で、このルートに及ぶものはなかったと思う。
谷川岳からオジカ沢の頭まで稜線歩きした後に、群馬側の赤谷川源流を滑り込む。標高1400mまで降りて、そこから穏やかな谷を万太郎山へ登り返す。そして今度は新潟側の毛渡沢から仙ノ倉谷へ合流する。
計画ばかり温めていては、山は年齢とともに遠ざかる。今回の入山はどうだろう。
今年の春は奇妙なことに、天神平の積雪が先週末に420センチでマックスを迎えた。4月に入っても新雪がドンドン積もる。ところがさすがに今週に入って山も春の装いになった。春になると、1週間で1mの積雪が溶ける。データでもこの1週間で90センチ減った。
降雪が無くて雪が溶けることはある意味歓迎される。積雪は半分固いシャーベット状態になって、それは急斜面を滑走を安全にする。だから、今週こそはこの計画が実行できるかと、7時の始発のゴンドラに乗った。早朝にみなかみの町から快晴の山が見えたのだから、あとは風が穏やかであって欲しいと思った。先週末ほどの混雑でもなかったが、今日も数百人が谷川岳に登った。
さてこの時期、早い時間からロングルートを狙う人は、やっぱり相当コアなスキーヤーであることに違いない。けっきょくこのツアーでは、最後の万太郎山に20分差くらいで、6人が結集したのだが、メーリングリストのFさんパーティ、単独のIさん、先週は利尻で滑ったというボーダーのSさん夫婦、そして私になった。いやあ、帰りの列車内では(ルートは土樽に滑り降りて、列車でひと駅土合まで戻るのだ)、完登パーティのような饒舌な6人組になった。山の中の寒村駅の土樽に、こんなメンバーが結集するか。
天神尾根の最上部、先行のFさんパーティが、肩の小屋の下の斜面をトラバースして稜線方面にスキートラックを付けるのを見れば、同じルートを計画しているのかと、少し下からならよく分かる。私もルートの後を追う。
オジカへの稜線は、過去の3月に、雪庇とキノコ雪で、冷やかしに見に来ただけのときに簡単に追い返された経験がある。今日はどうだろう。4月になって、キノコも消滅したようだ。アイゼンはずして最低コルへ下る。またスキーを履く。
オジカは、こちらから見てもけっこう急斜面である。先頭の2人がスキーのままトラバース気味に登って行くのだが、つぼ足でモナカを踏み抜くよりもいいかと、続く。シール登行の限界というわけでもないが、下はオジカ沢が切れているから、少しのプレッシャーがある。登り切るとオジカ沢の頭。ルート取りは先行者に感謝するほど。
頂上直下に、ドラム缶の小さな避難小屋があるが、そこから赤谷川を滑りだす。稜線と川棚に挟まれたこの穏やかな源流は、さながら群馬の黒部源流と言ったところか。南側だから若干ウェットで重いけれど、しかしドンドン下降する。雪割れはないけれど、大きな段差があって、流心に入れないところもある。20分くらい滑って下の方に出るのだが、シャーベットが強くてスキーが止まってしまう。そこがもう登り返しかと勘違いしたのだが、まだ大障子くらいでもっと下らないと万太郎登り返しに出ない。先行のトレースに従う。
ようやく本流の左屈曲部に出て、また登りだす。下りだけだったのに相当疲れて、後続Iさんにも抜かれて最後になる。が、後ろにまだパーティがいた。足もつりそうになる。
登り返しとはいっても、穏やかな斜面で安心感がある。それに昼になっても天気が穏やかで恵まれた。谷から尾根に上がって、あと200mくらいまで来ると、南斜面だから雪解けも早くて、笹っ原斜面になった。笹の上をスキーのまま歩く。
先頭が休んでいたのを抜いて、そのまま最初に万太郎山に出た。南側から小さな雪庇を横切っただけで、そこが頂上だった。
よくぞここまで来られた。と同時に、最後の毛渡沢の滑降だけが残る。
わずかに20分休んだだけで、最初に出た。南側から滑るらしいのだが、最初に北にでて、ブッシュが顔出した万太郎の東斜面を上から観察する。二三度のキックターンでブッシュを避ける。そして東側に回り込む。そこが源流の凹状になっている。
さて元気よくその真ん中を滑って行こう。さっきの沢よりも、こっちの方がまだ乾いたシャーベットで、ちゃんとターンができる。ドンドン下まで行くが、そのまま谷に入るとダメだから、右の台地に滑り上がる。そして向こうに降りていく。
30分ほどで、本流に合流した。仙ノ倉からのシッケイ沢合流の下流だし、スノーシューの散策がこんな奥にまで入っていて、トレースがよく分かる。あとはそれを辿って滑らせればいい。群大ヒュッテ前に、昨秋に鉄橋ができた。もうあの渡渉の心配も無くなった。4月に入って林道除雪も進んで、車道まで40分も歩いた。土樽最終18時11分の列車には、どうにか間に合った。間もなく5人も合流して、スキー人生の中でも記憶に残るロングルートの完登に満足した。
コメント
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先週はどうも、ご一緒したボードの鈴木(嫁のほう)です。
正確なルート取りにハイペースな登りで、道中では追いつくことはできませんでしたが、土樽からの帰り道では疲れも忘れる楽しいお喋りができ、充実の長旅が更に楽しい思い出となりました。
同じ山好きとして、山の話をすると尽きませんね。ありがとうございました。
読んでると思い出しますねー、赤谷川源頭、ホントに素晴らしかった!
また山でお会いしましょう!!
う〜ん、頑張って!お互い。先日Fパーティの中野坂上のお店行きましたが、彼、元気にキッチンで忙しそうで、なんだかスキーのイメージと重なって楽しい。
飛越行きますか?頑張って。明後日の水曜と、週末日曜が晴れで、さて、どうしようか。先日の爺ヶ岳は失敗で。
上越ルートは、相当記憶に残るロングルートで良かったです。今後も気をつけて。
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