記録ID: 1832445
全員に公開
積雪期ピークハント/縦走
甲信越
飛越新道〜水晶岳〜ブナ立尾根
2019年04月27日(土) ~
2019年05月03日(金)
- GPS
- 152:00
- 距離
- 47.9km
- 登り
- 4,313m
- 下り
- 4,037m
コースタイム
27日(雪) 515和佐府橋→1115寺地山→1240北ノ俣避難小屋
28日 (晴) 430北ノ俣避難小屋→725北ノ俣岳→1125黒部五郎岳→1335黒部五郎小舎
29日(曇後雪) 400黒部五郎小舎→625三俣蓮華岳→705三俣山荘→900鷲羽岳→1055ワリモ乗越→1145水晶小屋→1215-1235水晶岳岩峰群手前引き返し→1315ワリモ乗越
30日(霧時々雨) 停滞 除雪1回と雪壁再作成
1日(雨) 停滞
2日(霧後晴) 雪壁再作成→1015ワリモ乗越→1105水晶小屋→1110-1235 fix1p35m→1310水晶岳→1345-1430WR1p35m→1500ワリモ乗越
3日(晴) 430ワリモ乗越→455水晶小屋→605東沢乗越→800野口五郎岳→1100烏帽子小屋→1540高瀬ダム
(27日)
タクシーは高山駅から和佐府橋までで30560円だった。登路では雪が降りしきる。気温も低く寒い。令和の夜明けというより平成の日暮れといったほうがいい雰囲気の中、黙々と歩みを進める。北ノ俣では優しいソロのおじさんが食糧を分けてくれた。明日は天気がいいので行けるところまで行く予定。
(28日)
去年一昨年と同じ地点から同じ時期に入山して人と会わなかったので、人を見ることはないかなと思ったが、意外にスキーヤーがいる。北ノ俣小屋では5ptくらいいた。縦走の人は全くいない。今日は川村がすげえバテていた。明日の晴天で水晶にいけたらいいが川村の調子によるだろう。今日本当は三俣山荘まで行こうと思っていたが、三俣から明日水晶アタックとなると皆だめそうなので、黒五で休養をしっかり取ることにした。一昨年より雪が少なく黒部五郎のくだりが思ったよりだるかったが、想定していたより雪庇が付いていなかった。
風速は5m/s強くらい。
(29日)
三俣の下降は視界がないと難しいと思う。滑りやすい部分はシリセードで下った。たーのしー! しかし水晶への外出は降雪と無視界にやられて途中で引き返しとなった、残念。
ワリモ乗越付近で何ptかを見かけ、やはり結構人は入っているのだなと思った。
風速は10m/sくらい。
(30日)
視界がない。雨でボロボロになった壁を夕方作り直した。平成最後の日はラジオを聴いて、特に感傷も何もないまま明日の西高東低を気にかけて終わることとなった。
今日はGW初日から連敗続きだったドラゴンズが勝利し、興奮した野尻が夕飯の支度中にテント内で暴れてコメ入りの鍋を倒し大惨事となった(というネタがテント内で横行した)。
(1日)
視界がない。平成最後のメシはシチューだったが、令和最初となる今日の夕飯もシチューだった。でもビーフシチューなのでOK。実際被っててもうまいからいいけどね。昨日今日は改元についてのラジオばかりで日常の話題や普通のニュースがあまりやってないし、自分らもじっとテントで沈澱しているだけで、人生で一度あるかもわからない改元は非常にしょっぱいものとなってしまった。
(2日)
朝から出発の機会を常にうかがい続けた。さすがに3日連続沈澱は心・体ともにクるものがある。そのため雨でぼろくなった雪壁を再作成しながら暇を潰し体を動かした。そして10時ごろやっと完全なる晴れ間がやってきて速攻で出発。当然風もそれなりにあったが、事前の想定に忠実に着実に歩を進め、13時、水晶岳の頂に立つ。令和初登頂の横断幕を掲げ、皆破顔の様子であった。
風速は10〜15m/s。
(3日)
東沢乗越までの道中が要注意であることは常にptに刷り込んできた。朝イチの固い雪にアイゼンを確実に食い込ませて進む。ここは昼ごろのズボ雪では地獄だろう。というか結構危ないと思う。野五からはアイゼンを外して快適に稜線を歩く。烏帽子にいたる斜面にシリセード最適ともいえる最高の斜面があり皆で楽しくすべった。しかしCL太田は途中でバランスを崩し大転倒。くちびるをきった。
ブナ立尾根は雪庇にトレースがあったりそもそもトレースが邪魔でズボズボであったりといらいらしたが、ここがこの山行最後の完成させるべき場所であることは間違いない。ここで誰かがこけてしまってはここまでの道中意味がなくなってしまう、という気持ちで最後まで全員下りきった。よかった。
高瀬ダムにはタクシーを呼べる公衆電話があることは知っていたが呼んでもいないのになぜかタクシーが一台ダムに空車で待っていた。えっ? まあとにかくタクシーがいるのなら当然それに乗る。そして我々は七倉山荘までの長い道中を歩くことなく山行を終えることができた。
ちなみに小仏トンネルの渋滞にはまって帰りのバスは到着時刻を大幅に遅れ、全員家への終電に乗ることができなかった。あるものはタクシーで帰り、あるものは公園で野宿し、あるものは徒歩で帰り、あるものは24時間営業の銭湯でサウナを満喫することを余儀なくされたようだった。
28日 (晴) 430北ノ俣避難小屋→725北ノ俣岳→1125黒部五郎岳→1335黒部五郎小舎
29日(曇後雪) 400黒部五郎小舎→625三俣蓮華岳→705三俣山荘→900鷲羽岳→1055ワリモ乗越→1145水晶小屋→1215-1235水晶岳岩峰群手前引き返し→1315ワリモ乗越
30日(霧時々雨) 停滞 除雪1回と雪壁再作成
1日(雨) 停滞
2日(霧後晴) 雪壁再作成→1015ワリモ乗越→1105水晶小屋→1110-1235 fix1p35m→1310水晶岳→1345-1430WR1p35m→1500ワリモ乗越
3日(晴) 430ワリモ乗越→455水晶小屋→605東沢乗越→800野口五郎岳→1100烏帽子小屋→1540高瀬ダム
(27日)
タクシーは高山駅から和佐府橋までで30560円だった。登路では雪が降りしきる。気温も低く寒い。令和の夜明けというより平成の日暮れといったほうがいい雰囲気の中、黙々と歩みを進める。北ノ俣では優しいソロのおじさんが食糧を分けてくれた。明日は天気がいいので行けるところまで行く予定。
(28日)
去年一昨年と同じ地点から同じ時期に入山して人と会わなかったので、人を見ることはないかなと思ったが、意外にスキーヤーがいる。北ノ俣小屋では5ptくらいいた。縦走の人は全くいない。今日は川村がすげえバテていた。明日の晴天で水晶にいけたらいいが川村の調子によるだろう。今日本当は三俣山荘まで行こうと思っていたが、三俣から明日水晶アタックとなると皆だめそうなので、黒五で休養をしっかり取ることにした。一昨年より雪が少なく黒部五郎のくだりが思ったよりだるかったが、想定していたより雪庇が付いていなかった。
風速は5m/s強くらい。
(29日)
三俣の下降は視界がないと難しいと思う。滑りやすい部分はシリセードで下った。たーのしー! しかし水晶への外出は降雪と無視界にやられて途中で引き返しとなった、残念。
ワリモ乗越付近で何ptかを見かけ、やはり結構人は入っているのだなと思った。
風速は10m/sくらい。
(30日)
視界がない。雨でボロボロになった壁を夕方作り直した。平成最後の日はラジオを聴いて、特に感傷も何もないまま明日の西高東低を気にかけて終わることとなった。
今日はGW初日から連敗続きだったドラゴンズが勝利し、興奮した野尻が夕飯の支度中にテント内で暴れてコメ入りの鍋を倒し大惨事となった(というネタがテント内で横行した)。
(1日)
視界がない。平成最後のメシはシチューだったが、令和最初となる今日の夕飯もシチューだった。でもビーフシチューなのでOK。実際被っててもうまいからいいけどね。昨日今日は改元についてのラジオばかりで日常の話題や普通のニュースがあまりやってないし、自分らもじっとテントで沈澱しているだけで、人生で一度あるかもわからない改元は非常にしょっぱいものとなってしまった。
(2日)
朝から出発の機会を常にうかがい続けた。さすがに3日連続沈澱は心・体ともにクるものがある。そのため雨でぼろくなった雪壁を再作成しながら暇を潰し体を動かした。そして10時ごろやっと完全なる晴れ間がやってきて速攻で出発。当然風もそれなりにあったが、事前の想定に忠実に着実に歩を進め、13時、水晶岳の頂に立つ。令和初登頂の横断幕を掲げ、皆破顔の様子であった。
風速は10〜15m/s。
(3日)
東沢乗越までの道中が要注意であることは常にptに刷り込んできた。朝イチの固い雪にアイゼンを確実に食い込ませて進む。ここは昼ごろのズボ雪では地獄だろう。というか結構危ないと思う。野五からはアイゼンを外して快適に稜線を歩く。烏帽子にいたる斜面にシリセード最適ともいえる最高の斜面があり皆で楽しくすべった。しかしCL太田は途中でバランスを崩し大転倒。くちびるをきった。
ブナ立尾根は雪庇にトレースがあったりそもそもトレースが邪魔でズボズボであったりといらいらしたが、ここがこの山行最後の完成させるべき場所であることは間違いない。ここで誰かがこけてしまってはここまでの道中意味がなくなってしまう、という気持ちで最後まで全員下りきった。よかった。
高瀬ダムにはタクシーを呼べる公衆電話があることは知っていたが呼んでもいないのになぜかタクシーが一台ダムに空車で待っていた。えっ? まあとにかくタクシーがいるのなら当然それに乗る。そして我々は七倉山荘までの長い道中を歩くことなく山行を終えることができた。
ちなみに小仏トンネルの渋滞にはまって帰りのバスは到着時刻を大幅に遅れ、全員家への終電に乗ることができなかった。あるものはタクシーで帰り、あるものは公園で野宿し、あるものは徒歩で帰り、あるものは24時間営業の銭湯でサウナを満喫することを余儀なくされたようだった。
天候 | 27日雪、28日晴、29日曇後雪、30日霧時々雨、1日雨、2日霧後晴、3日晴。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス タクシー
帰り:高瀬ダム〜信濃大町駅(タクシー7800円・8200円)信濃大町駅〜バスタ新宿(高速バス4300円) |
コース状況/ 危険箇所等 |
積雪状況:おととしよりは雪が少なく、去年よりは雪が多い。ただしGW期間中に降雨があり雪量は目減りした。今年の感じとしては野口五郎小屋〜烏帽子小屋の稜線ではアイゼンは必要なかった。 幕営地:小屋付近のほかワリモ乗越の二重山稜にて幕営を行った。水晶小屋は確かに通過した際一見張れそうに見えたものの、地形や過去記録から吹き上げが集中することは明白であり、悪天時の対処が比較的天候の落ち着くGWでさえ難しいと考え、TS候補から外したという経緯がある。 要注意箇所:三俣蓮華〜三俣山荘の下りは視界がないときはかなりの注意が必要であるので有視界のときに行動できるように計画したほうが良い。 ワリモ岳直下には雪壁と残置ロープがある箇所あり。残置がある箇所は足場が逆層っぽいが手ホールドが豊富なので簡単。雪壁はptの技量と雪のコンディションによってはザイルが要るかもしれない。 水晶岳の岩峰群、一番手前のものの登りは夏道でははしごがかかっており積雪時は要ザイルと思われる。我々は登りでfix1p下りは懸垂下降を行った(WRの支点は這い松)。 東沢乗越への下降は積雪量のある冬季に岩峰をまくことを余儀なくされるときはわからないが、おそらく夏道の上をいけるほどの積雪量である今回のGWではザイルを出すのは難しく、ここを集中して歩行しきる技量がないのであればこのルートを行くには安全といいがたいと思う。 ブナ立尾根はズボ雪に悩まされイライラが募った。雪庇上にトレースがある箇所もあり、だまされないことが肝要である。 |
その他周辺情報 | 信濃大町の旅館、七倉荘さんのお風呂を貸していただいた。(500円) |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
長袖インナー
ハードシェル
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
アウター手袋
予備手袋
防寒着
ゲイター
マフラー
ネックウォーマー
バラクラバ
毛帽子
着替え
靴
予備靴ひも
ザック
アイゼン
ピッケル
ビーコン
スコップ
ゾンデ
行動食
非常食
調味料
水筒(保温性)
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
食器
調理器具
ライター
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
筆記用具
ファーストエイドキット
針金
常備薬
日焼け止め
ロールペーパー
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ツェルト
ナイフ
カメラ
ポール
テント
テントマット
シェラフ
ヘルメット
|
---|---|
備考 | 帽子は日焼け対策にいい。日焼け止めを持っていったが塗るのをめんどくさがった人間の顔は赤らで皮膚がはがれまくっていたので、しっかり塗ろう。 |
感想
GWに水晶をやることを目標にがんばってきて、1年を連れてミスなくルートを完遂できたことに非常に満足している。皆よくやったと思うが、去年の秋入部ながらこの北アの縦走に向けステップを一緒に踏んできた小松は特によくがんばったと思う。
この合宿で一度区切りとしつつ、この成功から今年度の良い流れを作っていきたい。
令和にかけての沈澱が気持ち的につらかったが、CBCのまどかアナウンサーの明るい話題にテント内の空気がとてもよくなったのでラジオもいいものだなと思った。
お気に入りした人
人
拍手で応援
拍手した人
拍手
訪問者数:1588人
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
レコ拝見しました。実は27日から単独3日間の予定で、ブナ立→双六岳経由→新穂高を計画していながら、天気と雪の状況から断念した者です。
来年こそはと思っているので、記録が大変参考になりました。よろしければ全体的なコースの注意箇所と、水晶直下の雪壁の様子など、詳しく伺えますでしょうか。よろしくお願いします。
ありがとうございます。
ブナ立はトレースがあってもルートは自分で見極めたほうが安全です。我々が行ったときは雪庇上にトレースありました。ズボ雪避けや時間的な関係で夜間行動になるかもですが、今年みたいに降雪があるとラッセルもあり、登りなら想定時間に幅を持たせるべき尾根と思いました。
私たちは12日分の食糧を担いで行動することを想定していたのでmocoさんの条件とは若干異なりますが、ブナ立〜双六〜新穂高だと、岩っぽさの上で確実にアイゼン歩行を求められる注意ポイントは東沢乗越〜水晶小屋、水晶岳、ワリモ岳〜三俣山荘くらいと思います。
東沢乗越からは登りの方が簡単なので朝イチに通過すればいいです。ルートファインディングが重要です。
水晶の雪壁は大ザックを背負っていたのでザイルを使いましたが、空身やアタックザックならダガーポジションでいけそうだし、実際に行ってる人もいました。が、停滞前に水晶へ進んだときは膝上ラッセルで夏道も埋まっていて、停滞中の雨で夏道が出たようでした。雨の前に雪壁の様子は見ていないので、雪量によっては面倒になるかもしれません。
あとルートどりについては現地の雪のコンディションや雪量で決めるのがいいと思いますね。今年は真ん中は結構立っていましたが、左の這い松沿いや右の岩沿いにもルートを取れました。
帰りは荷物が軽ければクライムダウンでもいけると思います。ただ行きに下りられるかを考えるのが重要ですね。私たちは大ザックだったので這い松に捨て縄をつけて懸垂下降しました。雪量が多すぎたら掘り出さないといけないかもしれません。
あと雪壁下ではチョックストンのある岩がありそこでアンカーを取ることができました。
ワリモ岳直下は注意は必要なものの、水晶にアタックできる技量があるなら大丈夫だと思います。荷物が重いならむしろ鷲羽からの下りでアイゼンをミスらない方が重要だと思われました。
あと自分は一昨年GWに三俣蓮華岳から双六経由で新穂高に下りましたが、双六小屋から樅沢岳下と小池新道の雪崩は気をつけてください。私たちは弓折の稜線方向を注意することのみならず、小池新道ではなく鏡平から南に伸びる尾根を使って下降しました。
以上、完全に私見ですが参考になれば幸いです。記録をご覧いただいてありがとうございました。
太田
水晶の雪壁は、全荷かなーくらいに考えていましたが、アドバイスから考えると荷物はデポした方が良さそうですね。
また、水晶直下の雪壁は気にしていましたが、鷲羽からの下りは、全荷という事もあるので余計注意が必要ですか。ありがとうございます。
まだ先ですが、来年はチャレンジしたいと思います!
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する