聖岳(便ヶ島から14時間半のピストン、もうヨレヨレ)
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- GPS
- 14:35
- 距離
- 15.7km
- 登り
- 2,374m
- 下り
- 2,367m
コースタイム
05:04 西沢渡 05:17
06:00 1400m地点
06:29 1600m地点
06:43 大木の広場
07:03 1800m地点
07:34 苔平
07:45 2000m地点
09;00 薊畑 09:12
10:43 小聖岳
12:30 聖岳(前聖岳) 12:52
13:54 小聖岳
14:56 薊畑
15:57 苔平 16:04
16:33 大木の広場
17:39 西沢渡 17:58
18:43 便ヶ島駐車場
天候 | 午前中快晴・ピーカン、午後多少雲 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
国道152号-上島トンネル手前南アルプス登山口右折(便ヶ島まで22km)-易老渡-便ヶ島(19:30) 復路(4/30):便ヶ島(05:30)-松川IC-中央自動車道-都内(10:30) |
コース状況/ 危険箇所等 |
※林道赤石線-便ヶ島 通行可能です。 林道崩落箇所の2ヶ所は、川の中に盛り土をして迂回路ができています。 川の中のため、雨天増水時は通行止めのようです。 道路脇の標識には、通行ができないニアンスの案内が数カ所あります。 このため、北沢渡から便ヶ島まで2時間をかけて歩かれた方もいます。(お疲れ様です) 便ヶ島の広場には、28日に4台、29日に2台、聖光小屋のオヤジさんは、ネットで通行止めになっているから客が来ないと ボヤいていました。 薊畑で会った登山者は、易老渡-便ヶ島間はパンクが多いので、易老渡に車を止めていると言っていました。 いずれにしても、随所に落石がありますので、注意して通行してください。 車高の低い車は要注意。 ワンボックスカー(エルグランド)で難なく通過できました。 ※便ヶ島から西沢渡 当初、MTBを持ち込んで、時間短縮を目論んでいましたが、とんでもない林道(遊歩道)です。 林道上に土石が崩れ落ちている箇所数知れず、林道が崩れ落ちて無くなっている箇所が2、3箇所、大木が道を塞いでいる 箇所もあります。 とくに林道が崩れ落ちている箇所のトラバースは気をつけてください。滑ったら谷底まで、、、 今シーズンの崩壊でしょう。トラロープ等は全くありません。 コース中最も危険かもしれません。 西沢渡、雪融けのためか水量多く、徒渉箇所を探しましたが見つかりませんでした。 しかたなくロープウェイ(といっても野猿)を使用します。 対岸にある野猿を引き寄せるだけで大変、思った以上の重労働です。 揺れるゴンドラ、戻るタイミングで引くと重いです。こつを掴めば多少楽かも、、、 ここでの時間ロスは考慮すべきです。 ※西沢渡-大木の広場 崩れて登山道が狭くなっている箇所が何カ所もあります。 トラロープとネットがありますが、あまり頼りにしない方がいいでしょう。 この時期、登山道に積雪による枝が沢山落ちています。浮き石もあります。 バランスを崩さないように注意しましょう。 ※大木の広場から苔平 1800m付近(苔平の少し手前)から登山道に氷が現れます。 ※苔平-薊畑 2000m付近から氷にプラスして雪が増えます。 朝方は前日まで下山者がいなかったようで踏み抜きはありませんでしたが、帰りはズボズボでした。 樹林帯の登りですが、次第に傾斜もきつくなります。 ※薊畑-小聖岳 薊畑から少し登った後、小聖岳のコルまで下ります。 ここの下りがコース中最悪です。 平気で腰まで潜ります。 コルから小聖岳の登りも雪面の急登です。 頂上直下は夏道となります。 ※小聖岳-聖岳(前聖岳) 聖岳の取り付きまでいくつかのやせ尾根を越えていきます。 やせ尾根はナイフリッジになっていますので緊張を強いられます。 聖岳の登りは急登です。 夏道も所々出ていますが、雪面より氷面の方が多いかも、、、 雪解け水が凍っています。 腐れ雪と言うより腐れ氷。 アイゼンの爪やピッケルはほとんど刺さりません。 雪面のトレースは明白ですが、氷面のトレースはほとんど判りません。 ルーファイに注意してください。 下山は雪面(氷面)の急斜面を下りましたが、2度滑落しました。 滑落停止に自信のない人は夏道側を下った方がよいでしょう。 ストックでは止められません。 ガレ場に激突です。 ※前聖岳-奥聖岳 1時間程度で往復できそうでしたが、折り返し時間のリミットが迫っていたので行きませんでした。 トレースを見る限り、奥聖まで行く人はいないようです。 前聖の山頂は一面雪のため休憩には適しませんが、奥聖側へ5分ほど行くと展望も良く休憩に適した場所があります。 |
写真
感想
GW、毎度のことだがギリギリまで予定がたたない。
前半、何とか休めそうな目処がついた。
好天の28日(土)を準備に充て、昨年林道崩壊で実現できなかった南アルプスの登山拠点である
便ヶ島(タヨリガシマ)に車を置いて、聖岳と光岳の2峰ピストンを企てた。
28日はGW初日、中央自動車道の渋滞情報を聞きながら午後2時に便ヶ島に向け都内を出発した。
ところが、ナビが案内する途中の北沢渡の到着時間が19時を過ぎている。
松川ICからR152上島トンネル手前の南アルプス登山口まで思った以上の時間がかかった。
南アルプス登山口から便ヶ島まで、崩壊箇所2箇所の迂回路があるが、路上の落石に気をつければ難なく通れる。
便ヶ島では車中泊。
駐車場は宿泊者用の一般駐車場(無料)とテント・車中泊用の広場の駐車場(500円)がある。
車中泊用の駐車場には先着車が3台、2組の登山者が食事(準備)中。
軽く腹ごしらえをして、クーラーボックスに多量に入れてきた氷でロックをまったりと。
明日の朝は早いので、聖光小屋へ車中泊の料金を支払いに行った。
GWだというのに、宿泊者の車もなく、親爺さんはネットで通行止めとなっている影響だとボヤいていた。
聖岳のピストン、コースタイムでも13時間25分、少しでも早く出ようと3時半には起きて出発の準備をした。
朝食を摂りながら薄明るくなった4時を過ぎた頃駐車場を出発する。
登山口から林道(遊歩道)までは暗かったので直登したようだ。
トンネルを越えた先の林道が完全崩壊していた。
薄暗いのでチョット緊張を強いられる。
西沢渡まで、林道を塞ぐようにに崩れ落ちた土石は数知れず、林道が崩れ落ちている箇所も数カ所。
まだ復興などの手は入っていないのでトラロープ等はなく、薄暗いと慎重に通過する必要がある。
コース中、かなり危険度は高いと思う。
西沢渡では雪解けの水が多く徒渉箇所は見つからなかった。
渡るにはロープウェイを使うことになる。
ロープウェイといっても、人力で動く野猿である。
かなりの時間と労力(腕力)を要する。
苔平と2000m地点付近で下山する2人の登山者と会った。
両登山者に共通のコメントは、聖岳まで行けない。
腰まで潜る、だった。
この時点で多少動揺するが、朝の気力は充実、行けるところまで行こうと樹林帯を登る。
踝くらいまで潜るが、アイゼンは必要ない。
薊畑では、上河内岳から茶臼岳、易老岳、光岳の稜線がド〜ンと広がる。
昨晩、聖平小屋に宿泊した登山者が3名いた。
1人は自信がないので下るといっていた。2名は聖に向けて登り始めた。
ここでアイゼンを付けて2名を追うことにした。
薊畑からは一旦登り、小聖岳のコルに下る。
ここからがコース中の最も難所。
先行した2名は深雪に埋まって難儀をしていた。
危険ではあるが痩せ尾根上にルートを取って、何とか通過した。
それでも腰まで潜る度に戻ろうか迷った。
小聖岳のコルでストックを仕舞いピッケルに帰る。
小聖岳の登りも急登で雪が腐り始め、体力を消耗する。
雪が減り、夏道が出たと思ったら小聖岳の山頂だった。
目の前には大きな前聖岳がそびえ立っている。
小聖岳から前聖岳の取り付き迄は、ナイフリッジの痩せ尾根が続く。
両サイドかなり切れ落ちており緊張を強いられる。
前聖岳の登りは、急登。
最初は腐った雪面、途中からは氷の斜面が多くなる。
雪融けの水が凍ったのだろう。
アイゼンもピッケルも僅かしか刺さらない。
トレースはほとんど残らないのでルーファイに注意。
山頂では360度の展望を独占。
13時近くなので多少雲が出てきた。
山頂標は「聖岳」が読めるだけ頭を出していた。
北側には赤石岳、荒川岳。
南側には上河内岳から光岳へ続く稜線。
来てよかったと思った。
下山時、200mほど下った所で先行していた2名のうちの1人が登ってきた。
もう1人は下山したようだ。
下りは夏道の西側の雪渓を下った。
氷と雪のミックス、2度仰向けに滑落したが体が反応してくれた。
帰りは時間との勝負。
極力最短コースを歩くが、雪は更に腐り、ズボズボ状態。
薊畑まで辿り着いたときは、コースタイムを大幅にオーバーしていた。
最後の心配は、西沢渡から先の林道崩壊、何とか明るい内に通過しようと
ヨレヨレの足を引きずって何とか夕暮れ前に駐車場に帰着。
久々にハードの山行をしてしまった。
当然翌日の光岳は無理!
コメント
この記録に関連する登山ルート
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次はどこかしらと思っていたら、私の地元南ア南部でしたかー。
この時期独特の、南ア南部の腐った雪。やはりワカンが必要でしょうかね。
赤石岳、GW後半で行ってきます。貴重な情報ありがとうございました。
西沢渡までの林道も去年の11月より崩落がひどくなっているようですね
それにしても雪の南南アルプス最高ですね
腐れ雪は腰まで踏み抜いてしまうんですね
荒川・赤石岳周回したいですが今の時期はかなりきつそうですね
hottenさんコンバンワです&お疲れ様です
本当に頑張った、すばらしいぞ
お近くにおじゃまをしていました。
南アの腐れ雪、噂に違わず大変なくせ者です。
樹林帯のコースも多いので、北アや八ツより手強いですネ。
ワカンはどうでしょうか?
ザックにワカンを括り付けていましたが、使いませんでした。
ワカンを履いたまま腰まで潜るとソロでは引き上げられないと思います。
赤石は涎が出るほど魅力的です。
レコ楽しみにしています。
気をつけて行ってきてください。
昨年のMaieさんのレコ、参考にさせていただきました。
腐れ雪は予想以上の時間ロスと体力が消耗します。
余裕を持ったコース設定をしないと大変ですネ。
今回、聖岳と光岳の予定していましたが、とても無理でした。
薊畑でお会いした埼玉の登山者は、前日に聖平小屋に泊まり、翌日聖にアタック後もう一泊してから下山すると言っていました。
荒川・赤石岳周回、魅力的ですネ。
すごいレコ楽しみにしています。
ご訪問ありがとうございます。
予想以上の腐れ雪に苦しめられ、現在も両足がパンパンです
コース設定の甘さを痛感していますが、山頂での展望を思うと、またやってしまいそうです
hottenさん、こんにちは。
この時期に聖ですか!さすが雪男です
軟弱なので、夏季限定で3回ほど登っていますが・・・結構キツイですよ!此処は
とても行く気にはなれません
雪の時期を惜しむようにラストスパートでしょうか?
嗜好が同じドライ
これだけの達成感の後では
hottenさん、こんにちわ。
4/28に下栗の里から聖岳を眺めていました。
私などは行ける場所では無いので
記録を拝見して、感動してしまいました。
ebiさんとどこかで出会っているかしら?
北沢渡から歩いてアプローチした(アホな)者です。
29日は、hottenさんお一人しか頂上へ上がっていないようですね。他の方は、皆さん途中の腐れ雪で敗退されてしまったようです。途中で降りてこられる何人かの方とお話しました。
スゴイです。
自分はもっとヘタレでhottenさんの車で送っていただきましたが・・・。
きつかったですネ
この時期の聖岳、侮れない山です。
途中、何度も心が折れそうになりました。
最後は山頂でのご褒美を楽しみに、ひたすら前に足を出します。
ドライは、私の釣り餌です
4/28は好天の飯田市を、松川ICから秋葉街道を便ヶ島に向けて走っていました。
お近くにいらっしゃったのですネ。
南アルプスの展望素晴らしかったですネ。
写真を拝見して再認識。
車中、白い峰峰に心をときめかせ、中根地区の天空の回廊に感動していました。
ピークだけではなく、こうした回廊をゆっくりと歩いてみたいものです。
脹脛の状態はいかがですか?
お大事にしてください。
私も久々にパンパン状態で、ゆっくり休養しています。
それにしても、北沢渡から2時間かけて便ヶ島、その後、
40分の林道歩きでトップを目指そうとする根性、敬服いたします。
この日、便ヶ島から聖岳に登ったのは一人だと思いますが、
聖平小屋から下山された方もいますが、数人が登られています。
この時期登るこつは、ザックをデポして、空身で登ることですネ。
またお会いしましょう
初めまして、日帰りとは脱帽です。
ご訪問有り難うございます。
ご返事が遅くなり申し訳ありません。
この時期のコース時間の読みが甘く、挙げ句予定した2峰を踏めず、
チョット心残りな山行でしたが、なんとか明るいうちに戻れて、ホットしています。
次回はもう少し慎重な計画を立てようと思っています。
コメント有り難うございました。
この時期、聖岳は大変です。
それを日帰りとは・・・・・。
hottenさんは、心が折れたことってありますか???
親分をお助けいただいたなんて、いくらお礼を言っても。
そして、ワカン。
私の個人的かんじ、ですが、残雪期南アには必要ないものですね。
新雪の可能性がある北アならともかく。
全てが沈むのではなく、局部的に大きく沈むのですから。
おっしゃるように、この時期の聖岳は大変です。
想定以上でした。
予定したコースタイムを1時間以上オーバーするとは思いませんでした。
腰までもぐるたびに、心折れそうになり、何度戻ろうと思ったことか、、、
結局翌日の光岳は断念しました。
岩木、八甲田の2座ゲットはさすがです。
そんな大それたものではありません。
ボッカのお話など、お二人のこともいろいろ聞けて楽しかったです。
ワカン、アイゼン、ピッケルなど、、、
ウエアなども含めて。この時期の装備は難しいですネ。
いつも迷いますが、結局はすべて詰め込んでヒィヒィ云っています。
まぁ備えあれば、、、って感じですかネ。
聖岳、わたし大好きなんです!
お天気の山頂から一人占めした赤石の眺め
いいなあ、じわっと来るんだろうなあ
林道はわたしが歩いた時もとんでもないことになってましたが、蒼い時間では余程でしたでしょう
おつかれさまでした☆
聖岳の山頂から赤石岳の眺め、じわっ〜と、五臓六腑に染み渡りました。
ビールですが、、、
誰もいない山頂で、至福の時間を過ごす、、、私にとって最大のご褒美です。
山頂に立つだけで、それまでの苦行を忘れてしまう程、感慨深い聖岳の山頂でした。
聖岳は私の生まれ育った所から、かろうじて見える南アルプスです。
冬晴れの日に雪を抱いたアルペン的な山容に憧れていますが未だに登っていません。
hottenさんの山行記録を参考に、いつかアタックしようと思います。
どこまでも連なる白い稜線、魅力的ですよネ。
南アルプス、とくに南部はアプローチが大変ですが、登った満足感は大きいです。
是非、好天を選んでトライしてみて下さい。
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