前穂高岳北尾根〜奥明神沢
- GPS
- 23:12
- 距離
- 25.3km
- 登り
- 1,958m
- 下り
- 1,956m
コースタイム
- 山行
- 5:37
- 休憩
- 1:10
- 合計
- 6:47
- 山行
- 14:39
- 休憩
- 1:41
- 合計
- 16:20
天候 | 雨のち晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年05月の天気図 |
アクセス |
写真
感想
時間やログはヤマレコが正確です。感想などはYAMAPに詳しく書きました。
https://yamap.com/users/678428?tab=followers
以前から強い憧れのあったクラシックルート。相棒が体調を崩して離脱。後輩2人と自分の3人で行くことになった。
朝の上高地は土砂降りで梓川は濁流と化していた。次第に天気が回復する予報なので、焦らずゆっくり出発。横尾を過ぎると予報通り雨は上がった。
涸沢についてテントを設営。大雨の平日に登る物好きもいないらしく、涸沢テント場は貸切だった。
日付が変わった0:00に起床。準備開始。食事とテントを撤収等を済ませて予定通り2:00に出発。長い1日が始まった。
満月ではないものの月齢はよく、ヘッドライトがなくてもなんとか歩けるほど明るい。迷うことなく56のコルに着いた。
5峰を登り始めるとだんだん夜が明けて、5峰ピークでご来光。最高の景色だった。
4峰はルートファインディングが難しいとの話も聞くが、特に迷うこともなく進むことができた。終盤で2ヶ所ほど悪い場所があったので、肩がらみで後続を確保した。
いよいよ核心の3峰。テント泊装備で、わざわざ難しいルートを行く必要もないのでⅢ級ラインを選択。残置ハーケンは多いがあまり信用できない。カムをところどころ決めながら進んだ。事前にルートを調べてはいたが、どこでも登れそう。ロープの流れを見ながら、適当な箇所でピッチを切った。実力があれば後半はロープなしでも行けるらしいが、念のため最後まで確保した。今回のパーティーだとそれが正解だった。
3峰のピークから2峰を見渡す。ここは確保なしで大丈夫そう。どんどん登って懸垂点に到着。その前が少し悪かったので、懸垂点から後続2人にロープを投げて確保。その後、迷わず懸垂下降した。
最後は簡単な岩と雪を登り、雪に覆われた山頂に着いた。前穂北尾根を登った感動よりも、後輩2人を無事に連れて来られた安堵の方が大きかった。
登頂で喜んではいられない。今回の山行の核心は下山だ。明神沢のコルに向かって進む。慣れていれば1時間もかからずに歩けるのだろうが、ルートファインディングに手間取り時間がかかった。途中ルートが分からず行き詰まり、ハーケンを打って懸垂した箇所もあった。結局、明神沢のコルまで2時間ほどかかった。
いよいよ、ラスボスの奥明神沢。自分にとっては難しい下りでないが、後輩2人にとっては違う。
多少、過保護だとは思ったが、念のため連結したロープで100m降ろして様子を見た。
2人とも確保無しでも大丈夫とのことだったので、以降はフリーで降りたが、恐ろしく時間がかかった。
このままだと、18時30分の最終タクシーに間に合わない。
歩みの遅いメンバーのザックも担ぐことにした。
自分で担げると拒まれたが、この状況で最も早く下山する方法がそれだったので
強引に2人分のザックを担ぎ、ダッシュで上高地へ下った。
途中で連結したザックがずれてきたが、それを直す余裕もなく、ひたすら歩く。
18:16にタクシー乗り場に到着。
ハーネスを外し、最低限の整理をしてタクシーに乗り込んだのは18:25。
最後に歩荷トレのおまけまで付いたガッツリ山行になった。
結果としては、下山が予定より2時間ほど遅くなっただけで済んだわけだが、反省すべき点は多い。
特にメンバーの力量を正しく把握できていなかった自分の責任は大きい。
たまたま無事に下山することができたが、パーティーの力量としては、異なる日程、行程にすべきだった。
この1年、SNSで直接繋がりのある方が2人遭難死した。
登山家ではない一般の登山者だ。
ソロで滑落して重傷を負った方もいる。
初級のバリエーションルートと言えども、最難一般道の何十倍も難しい。
1つのミスが命につながる世界だ。
リスクを恐れてばかりいてはいけないが、甘く見てはいけない。
山で死なないように、仲間を失わないように
急がず、焦らず、一歩一歩レベルアップしていきたい。
前穂高岳、今回は未熟な私たちを登らせてくれてありがとう。
こんにちは!前穂高北尾根登攀お疲れさまです。私は60代半ばの登山が好きな男性です。約40年前の3月、慶応尾根から北尾根の単独登山したこともあるので懐かしくなりました。山頂〜明神沢コル間はけっこう悪場なんですね。遠い昔の記憶には印象がなかったので再認識いたしました。この時期、山頂から岳沢まで通称ダイレクトルンゼを下るパーティも多いようです。機会があったら利用してみたいです。
登頂の喜びに浸るばかりなく、常に反省することも重要だと思います。最後の、山に感謝する謙虚な言葉は素敵でした。taneku様も良い登山を続けてくださいませ!
alpsommetさん
コメントありがとうございます。
山頂〜明神沢コルまでは、実際にはそこまで難しくないと思います。今回は私たちの実力がなく時間がかかっただけです。
冬季の慶応尾根、憧れますね。もちろんソロなんて無理ですが…
まずは、冬季の周辺ルートを段階的に登って、慶応尾根に呼ばれた時には挑戦したいと思います。
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