火打山、三田原山
- GPS
- 32:30
- 距離
- 17.2km
- 登り
- 1,612m
- 下り
- 1,613m
コースタイム
07:50涸沢P
11:20P1976
13:30P2347
14:30三田原山〜滑降
14:50/15:25黒沢湿原
15:50茶臼岳コル
16:30高谷池ヒュッテ
4月30日
07:00高谷池ヒュッテ
09:20/09:50火打山(P2460)〜滑降
10:20/10:40天狗の庭
11:00/11:30高谷池ヒュッテ
12:00茶臼岳コル〜滑降
12:20/13:00黒沢湿原(ランチ)
14:40/P1965直下を通過
15:30/P1700涸沢との合流〜林道滑降
16:30涸沢P
天候 | 4月29日晴れ 4月30日曇り時々晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
本ルートにデブリなどの個所は認められなかった。 涸沢は融雪の具合で下部に滝の露出が2〜3個所あり。 下山後は黒姫温泉旅館あすなろへ。 妙高の展望を楽しみたいのならアスティ黒姫がよいと思われるが日帰り入浴は17時まで。 |
写真
感想
山スキー板を買って2年。
今年は本格的にバックカントリーに身を投じたけれども、この火打山がフィールドの広大さ、また行程の長さ、尾根や沢の読図技術などあらゆる面で総合の実力が求められる山行だった。
4月28日21時。
奈良市にて野伏でもご一緒したY、Mの両名と合流。
交代で運転を繰り返しながら3時近くに妙高山の麓のロッジ周辺でテントを張り仮眠。
4月29日
天候は快晴。朝6時なのに一眼レフを片手にもったトレッカーが妙高山と麓の植生観察で散歩をされている。
今日の最高地点である妙高山の外輪山、三田原山が綺麗に見えている。
火打、妙高は去年の7月にgauchoさんと黒沢池ヒュッテ横に幕営して2山を攻めた。
今回は、木道は完全に雪で埋没し、黒沢湿原を滑走できるとのこと。あの広大なフィールドを滑れるだけでわくわくしてくる。
涸沢という北アルプスの其れと同じ名前の付いた沢の傍らに車をとめ、シールを装着して三田原山に向けて約1000mの標高をハイクアップする。高谷池の小屋泊とはいえ、基本的には冬山の重装備だから結局15キロは超えているように思う。重量と格闘しながら結局昼ごろまでかかってしまった。
三田原山付近からは日帰りで滑走するパーティと何組か出会った。面白いことに妙高の内輪である本山は岩が露出して、手に取るように近い距離に頂上がみえる。が、ここは雪庇の発達する箇所でもある。
Yさんからあまり稜線の際を歩かないように!と注意が飛ぶが、こればかりはどの程度の雪庇なのか皆目見当がつかない。
一部藪漕ぎの箇所をクリアして、無事 三田原山に到着。ここからは火打山、手前の茶臼岳や黒沢岳、そしてさらに手前に広がる黒沢湿原の大フィールドが手に取るように見える。
さあ、シールを外して滑走開始だ。春山の雪質は基本的にストップスノーだから、そんなにスピードが出ない、そしてこける心配があまりない。スキー技術が大したことない私でも湿原までの滑走を十二分に楽しむことが出来ました。
湿原でお茶タイムをして、(私は翌日もこの湿原でココアを注文。なぜかココアボーイとMさんから評される)リラックスのひととき。
茶臼岳のコルからは複数名が滑走され、富士見平方向へ下山していった。また黒沢池ヒュッテには何パーティかが集団でテントを設営していた。なかなかこの広大さは奥美濃では得ることが出来ない。
茶臼岳のコルまでシールで上り詰めた後は、高谷池ヒュッテまでそれほど標高差がないため、装着のままで向かう。16時過ぎ、本日の行程を終えヒュッテで歓談のひととき。
宿泊は30名程度か。宿の主人曰く、ここは素泊まりで食材を用意される方が多いとのこと。食器類を小屋で貸し出しをしていただけるそうだ。食事つきの宿泊者の食事が終わると(晩はカレーとハヤシライス、朝は中華丼)、ベニヤ板が下に敷かれ、素泊まりチームの食事タイムとなる。もちろん宿泊者はスキーやボーダーが8割以上を占めているが、それに近い比率で素泊まり天国でもある。
疲れを癒すために早々に就寝。
4月30日
朝食を終え(1泊2日朝晩付の小屋泊なんて久しぶりだ!)、7時には火打山に向けて出発する。いくらか荷物をデポさせてもらって軽量化する。
雪質は良好。まずは天狗の庭を目指す。夏ならハクサンコザクラで満開になる場所だが、ここも完全に雪に埋もれている。北海道のトムラウシもそうだと聞くが、豪雪の地帯ほどその厳しい冬に耐えた植物たちは夏季に見事な花を百花繚乱のごとく咲かせる。
そのギャップを楽しみながら、夏道ではない稜線下をトラバースしながら火打山直下のコルまでシールで登った。スキー天国と評される山だけれども、その名の通り火打のピークから描かれるシュプールは見事なもの。
焼岳の方面、あるいは笹ヶ峰の方面など四方に向かってシュプールは続いている。積雪期ならではのバリエーションだ。
火打頂上は雪が途切れていた。焼山が際だって見える。北面台地はいつか滑ってみたい場所。笹倉温泉方面から攻めるとアマナ台地あたりでテントを張って焼山を取りに行くことができる。これはまたの機会。
帰りは天狗の庭まで稜線づたいに滑走。列をなして登ってくるスキーヤーや登山者を横目にあっというまに滑走完了。野伏ではずいぶんと中央ルンゼでこけたけれども、今回はいまのところゼロミス。自分の技術が上がったのか、雪質に助けられたのか。
高谷池ヒュッテでデポした荷物をパッキングしなおして、下山にむけて帰路をとる。
茶臼岳のコルを越え、湿原を横切るまでは昨日と同じだ。
今回の山の核心はここからと言ってよい。
忠実に涸沢を目指して滑走しようということになり、笹ヶ峰への沢筋ではなくトラバースで涸沢に向かって樹林帯を斜滑降することになった。
問題は途中にいくつか沢筋が存在することである。ここを巻くなどしなければシールを履かないままで標高を稼がなければならない。いったんシールを外してしまうと、容易には登りがたい。これがスキー板での滑走の弱点といえるだろう。実際、板を担いで沢筋をいくらか登る場面もあった。スキーブーツで20キロはちょっとこたえた。
Yさんも私も反省だったのは、今回はもう少しトラバース地点を上部にとれば下降に苦労せずにすんだかもしれない。GPSをみていただければわかるように、今回は等高線の狭い崖のそばまで下りてしまっていた。
おまけにブナ林が雪解けで木を周辺にあちこちピットホールをつくって待ち構えており、私も体力的に疲れていたこともあり、ズボッと板ごとはまってしまった。脱出に難儀しました。Mさん曰く、自分のトレースするべき方向しか見ない。穴の方向をみると落ちてしまう。とアドバスを頂きましたがその通りだと思う。
スキー板の操作面ではまだ未熟なところが反省点。斜面に対して90度の板の角度を保つことで滑落は停止できる。頭では理解できていても後半戦はなかなか体が追い付いていなかった。
P1965あたりを超えると、明るいシラカバの樹林帯へ抜ける。ようやくツリーランらしい滑降ができるようになる。
往路の涸沢の地点まで合流したら、あとは樹林帯を縫ってターンを決めながら沢筋沿いに滑降するのみ。
上の動画くらいしか記録が残っていないけれどもこんな感じでした。
涸沢本体を滑走する案もありましたが、下部は雪が解けて滝が露出している箇所も2〜3点あった。
16時30分。トラバースで時間をとってしまい、慎重に下りたこともあったけれどもこの2日間は充実したバックカントリーだった。
Mさんとは3日後に山形で合流することを誓って、黒姫高原でいったん別れ。
Yさんと私は黒姫温泉で疲れをとってから、再び交代で奈良へ車を走らせました。
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