【鎮西作戦・第二日目】烏帽子岳〜五勇山〜国見岳【丙32.5】
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- GPS
- 07:56
- 距離
- 19.9km
- 登り
- 1,167m
- 下り
- 1,160m
コースタイム
- 山行
- 6:24
- 休憩
- 1:32
- 合計
- 7:56
天候 | 晴れ(明け方曇り) |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
登り始めが標高1500m超で最高地点が国見岳なので、昇降はさほど辛くない。 新椎葉越〜五勇山:背丈ほどの高さの藪に挟まれた道を行く。ハードではないが、蜘蛛の糸が大量に引っかかる。烏帽子岳分岐、五勇山付近は藪濃いめ。 五勇山〜国見岳:道の状態がかなり良くなる。小国見岳を通る道は踏み跡薄い。 標識に「〇〇分」と所要時間が書いてあるが、結構きつめ。 |
写真
感想
国見岳は熊本県の最高峰であり、平家の落人が麓に集落を築いたような辺境の地にある。そのような山へは登山口へのアプローチさえも難儀すると思われたが、案の定、ヤマケイオンラインで登山口情報を見てみると、いずれの登山口も「難路なので運転には要注意」と紹介されている。さらにインターネットで検索すると、「離合困難」、「落石」、「崩壊」、「通行止め」といった単語が並ぶ。
世の中には登山口へ向かう段階から心を折れさせるような悪路がある。東北山行ではデコボコの砂利道に何度諦めて引き返そうと思ったことか。
そこで、宮崎空港から帰ることを考えて、新椎葉越からの山行とし、道の状況がわかるほどに明るく、かつ、対向車が減って離合の可能性が下がると思われた日没直前の薄暮時に登山口へ肉薄することとした。
【登山口へ】
暗くなると不安なので、祖母山から降りた後、そそくさと椎葉村へ向かう。離合困難なのは林道だけだと思っていたら、その前の国道の時点から道幅は狭く、擦れ違いに注意を要する。村内に入ってからも18時過ぎにもかかわらずポツポツと対向車がやってきて、後退等してやり過ごす場面がある。結構標高が高い所まで民家等があるのだ。物凄い所へ来てしまった。だが、案ずるより産むが易し。思ったよりも道の状況は酷くなかった。登山口には5,6台が駐車。その一端に車を停めて翌日に備える。
【新椎葉越〜烏帽子岳・五勇山】
この日も猛暑が予想される。涼しいうちに稜線を歩ききって宮崎神宮に参拝したい。
そうしたことから長丁場の稜線歩きは夜明け前から。
緩やかな稜線歩きは最初こそチラチラ展望が得られたが、その後延々と左右を藪が囲む道を淡々と歩くことになる。道中、蜘蛛の糸が何度も何度も顔にかかっていい加減嫌な気持にもなる。時折巨岩や大木の出現にオッと気分転換をしていかないとなかなか精神的にきついものがある。
長い蜘蛛の糸潜りを経て烏帽子岳〜五勇山の稜線に乗る。分岐の辺りで藪が濃かったので大丈夫かと思う瞬間もあったが、藪との長い格闘はさすがに無かった。
烏帽子岳から五勇山に向かう頃には影がはっきりしてきて、帰路の展望を確信。実際、その通りとなった。
【国見岳】
五勇山〜国見岳の稜線は、それまで歩いてきた区間よりも歩きやすく、展望もある。烏帽子〜五勇の稜線に乗ってからが佳境と言うべきか、進むにつれて雲も晴れゆき、青の占める割合が広がってくる。それに伴い、山の碧もまた輝き始める。そして、何といっても蜘蛛の糸が引っかからなくなったのが良い。
国見岳に着く頃には完全に上空は晴れた。風はやや強いが、いやな風ではない。もっと吹いてもいいよと言いたくなるような爽快な風だ。
周囲はほぼ360度の展望。この真夏日だ何だという時期によくぞ晴れてくれた。
山頂の祠にて歓待を感謝するとともに、熊本、九州の天地、波風よ安穏なれと祈りを捧げる。
朝早いこともあり、道中2名ほどとすれ違ったが山頂には他に誰もおらず。後から単独女性1名訪れるのみ。女性も早朝に他の山行者がいることを意外に思ったようだったが、これもまた御縁、若干歓談する。どれがどの山だかよくわからないので教えてもらおうと思ったが、女性もビジターだったので残念。
朝早くに山頂に到達するとは同じく車中泊だろう。一人で遠方から登りに来るとはよほど山が好きなんだな、って、それは自分のことか。
山頂は長閑で心地よく、もう少し腰を落ち着けていたい気持ちもあったが、女性にも山頂を一人で占める時間があった方が良かろうと山頂を辞する。後で宮崎空港に帰還したのが19時過ぎであったことを考えると、結果としてグッドタイミングでの折り返しとなった。
【晴れ渡った稜線】
帰路は完全に晴れた空、そよぐ風だ。小国見岳でも五勇山でも展望岩でも烏帽子岳でも目にするのは空の青と山の緑。空には濃い青と薄い水色があって、そこに雲が薄く棚引いていろいろな形になっているのが面白い。山にはこれまた深緑とキラキラした緑があって、ぎらついた陽光をマイルドにして目に優しい。
この稜線歩きは、最後の最後までアップダウンは小さくとも、気持ちの面では最後まで右肩上がりといった感じで、大いなる歓喜と盛り上がりの内に幕を閉じることができた。
【総括】
今回、無事に宮崎及び熊本での山行を厳修、完踏することができた。まことにありがたし。
九州の鎮めを祈るという目的が主だったことから、山行後に宮崎神宮を参拝した他は、旅程のほぼ9割方が山行と移動時間で、温泉も宿泊も無しということになり、そういった点では無念が残る。
この旅路において九州及び九州の山々の良さを改めて認識したところであるので、次回訪れる際には、必ずやそれなりの宿に泊まって、あくせくすることなくまったりと神の国、火の国を堪能満喫することとしたい。
〜鎮西作戦・完〜
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