茶臼岳〜上河内岳〜聖岳(畑薙大吊橋から往復)
- GPS
- 85:15
- 距離
- 41.9km
- 登り
- 4,191m
- 下り
- 4,195m
コースタイム
6:05畑薙第一ダム発電所入口駐車場→6:25畑薙第一ダム→6:50沼平→7:30畑薙大吊橋→8:00ヤレヤレ峠8:10→9:20ウソッコ沢小屋9:35→11:20横窪沢小屋11:50→17:05ハイジの丘手前
●4月29日(日)
7:45ハイジの丘手前→横窪沢分岐点→8:10茶臼岳8:20→横窪沢分岐点→10:50上河内岳の肩11:10→11:25上河内岳11:→11;上河内岳の肩12:00→12:40南岳13:00→15:10聖平小屋
●4月30日(月)
6:00聖平小屋→6:30薊畑分岐→7:40小聖岳7:45→8:50聖岳9:25→10:00小聖岳10:05→10:40薊畑分岐→11:00聖平小屋→16:30滝見台付近
●5月1日(火)
6:35滝見台付近→9:45南岳→10:45上河内岳の肩→11:55ハイジの丘→14:25横窪沢小屋15:05→16:05ウソッコ沢小屋16:15→17:15ヤレヤレ峠17:25→17:45畑薙大吊橋→18:25沼平18:40→19:00畑薙第一ダム→19:20畑薙第一ダム発電所入口駐車場
天候 | 4月28日 : 晴れ 4月29日 : 晴れ 4月30日 : 曇り 5月 1日 : 曇り、雨 |
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過去天気図(気象庁) | 2012年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
トイレが有ると看板に書いてあったが、見た限りなかった。 この駐車場と第一ダムの間に長期工事中の箇所があり、第一ダムまで車では入れなかった。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
登山ポストは畑薙第一ダム発電所入口駐車場、沼平、畑薙大吊橋にあった。 畑薙大吊橋〜横窪沢小屋間はザレたトラバース道が多い。主観だが、横窪峠から横窪沢へトラバース気味に下りる道が狭くて最も怖かった。死ぬことはないと思うが、少しバランスを崩すと滑落する。 積雪状況 ・横窪沢から樺段へ続く尾根で、だいたい標高2000m以上のところが雪に覆われていた。この尾根はテープもまずまずあった。 ・竹内門付近〜上河内岳の肩までは夏道が出ていた。 ・南岳をいくらか下ったところから聖平の間は樹林帯で進みにくい。聖平の小屋で聞いた話では、2383mピークで向きが西へ変わるところをそのまま北へ間違えて下りる人が多いらしい。僕は10mほど進んで間違いに気付いた。 ・薊畑分岐から2478mピーク、そこから小聖岳間との鞍部の辺りが痩せ尾根の樹林帯なので歩き難い。 ・聖平小屋〜聖沢沿いの道 初めの右岸では、いくつかテープが見えていたが、途中で夏道がどこを通っているか分からなった。 左岸ではまずまずの道幅と、テープが充分な間隔であったので進み易かった。 だが、再度右岸に渡る箇所の橋(聖岳と小聖岳間から下りてくる沢との合流点近く)が落ちていた。(2012年夏現在は代替の橋が架けられているようだ。) そこから先は尾根を読み間違えたのもあるが、トラバース気味に登ったり下りたりする区間が多く、夏道が頭に入っていないと難しいと思った。このルートはなかなか標高を下げられないので雪の範囲が長く、樹林帯なのでなかなか進むことができない。 |
写真
感想
●1日目(4月28日(土))
[畑薙第一ダム発電所入口駐車場→畑薙大吊橋→ハイジの丘手前]
長距離運転を頑張って6時過ぎに行動開始できたが、林道歩きが長い。天気が良過ぎて暑い。9日分の食糧や装備が重い。尾根を越えて沢に降りて、また尾根を越えて沢に降りて、と肉体的にも精神的にも辛い。雪が出てくると歩き難いし踏み抜くし、脚が攣って辛い。
と、さまざまな理由でなかなか進めなかった。
樺段の尾根を登っていると左上のほうに茶臼小屋が見えていたが、そのまま尾根を真っ直ぐ登っていると茶臼小屋が視界から消え、時間も押していて小屋への道を探す体力と気力が無くなっていたので、稜線へ出る手前の樹林帯でテントを張って寝た。
●2日目(4月29日(日))
[ハイジの丘手前→茶臼岳→上河内岳→聖平小屋]
まずは昨夏にあまり展望が得られなかった茶臼岳での360°の展望。上河内岳、東岳、赤石岳、聖岳、兎岳、下栗の里、池口岳、光岳、信濃俣、大無間山、富士山、白峰南嶺の山々など、思ったより沢山のものが見えた。
鞍部に戻って上河内岳へはハイジの丘から山稜部をそのまま北へ。夏道はトラバースだが、稜線にはトレースもあって地形も分かり易い。
竹内門付近から上河内岳の肩までは夏道が出ていたのでアイゼンとワカンを外して歩き、肩からはそれらを付けて上河内岳へ登った。
ここも昨夏展望を逃しただけに思い入れが強く、山頂での時間は素晴らしいひと時だった。
南岳から聖平までは樹林帯のズボズボ地獄にはまったが、同じ方向に歩いていた別パーティがいくらかトレースを付けてくれたので何とか進むことができた。このときは、腰骨とウエストベルトに挟まれた何らかの筋の痛みに耐えられなくなり、肩でザックを背負っていて疲労が溜まっていたので、非常に助かった。
僕も大半の距離で先にワカンでトレースを付けていたからお互い様だけど。
聖平の冬季小屋は僕を含め、4パーティの宿泊だった。
●3日目(4月30日(月))
[聖平小屋→聖岳→聖平小屋→滝見台付近]
腰骨の上の筋の痛みが酷いのと、翌日から天気は下り坂。という理由で下山する意思をだいたい固めていたが、この日起きてみると空は曇りでも視界は悪くなかったので、軽荷で聖岳を往復することにした。
前日登ったパーティはズボズボ地獄で山頂まで5時間かかったらしいが、この日は太陽が出ず雪が融けにくかったため、3時間弱で聖岳山頂に着いた。
上は曇りだが中央アルプスの奥に御嶽山まで見えるし、反対側には富士山も見える。当然自分が居る南アルプスは目にはっきりと映る。北側の山並みはほとんどが赤石岳に隠れて見えないが、左奥に出ていた仙丈ヶ岳の存在感は圧巻だった。
聖平小屋に戻り、荷支度をして聖沢沿いの道を下り始める。トレース無し、テープも途切れ途切れの道で激しい藪漕ぎをしながら進み、橋が落ちていたところではストックを使って何とか渡る。そのまま正面の急な尾根を越えて、右手から来る沢の縁まで下り、沢を巻いて本流沿いの尾根をトラバース気味に登り、少し登り返して東北東へ延びる尾根を進む。
この辺りで歩いてきた尾根の向きや聖岳との位置関係が少しおかしいと思い始めたが、とりあえず道があるはずの東北東方向へ尾根を下る。しかし尾根がだんだん細くなって夏道がありそうな樹間も無く、この先に道と橋があるという確信が持てなかったので、諦めて少し引き返して適当なところでビバーク。テントと大量の食糧は最大の強みだ。
後で地形図を良く見ると、渡渉後の急な尾根と巻いた沢を見落としていて、これが勘違いの原因だった。巻いた沢はけっこうな流れがあったが、地形図では着色無しの沢だった。
●4日目(5月1日(火))
[滝見台付近→南岳→ハイジの丘→畑薙大吊橋→畑薙第一ダム発電所入口駐車場]
聖平の小屋まで戻ると聖平〜南岳間のズボズボ地獄も含めてかなり時間がかかるので、南岳へ続く尾根を無理矢理登って縦走路に戻ることにする。計画書に書いていないコースを行くのはタブーだが、天気が崩れる前に縦走路を離れたかった。
2486mピークまでは樹高の低いモミの木がひしめいていて、ズボズボ埋まってなかなか進めなかったが、そこを過ぎると樹が無くなって歩き易くなった。緩い尾根から急な尾根を登ると強風ガスに包まれ始めたが、2日前に付けた南岳直下のトレースに復帰することができた。
風雨の中、南岳の近くで2組のパーティとすれ違い、ハイジの丘へと歩いて来た道を戻る。樺段へ下る途中で雨が止んで精神的に楽になったが、雪の範囲を抜けるまでが長く感じた。
終日肩に掛かるザックの重みに苦しめられたが、日没前に大吊橋を渡って林道まで出ることができた。登りのときも思ったのだが、このルート特有のザレたトラバース道や損傷したハシゴ、階段の通過は雪稜よりも怖かった。
楽しいときと苦しいときがすごく対照的な登山になったが、とりあえずチャレンジして良かった。
今回の登山のために多大なエネルギーを注いで備えてきたつもりだったが、課題が出たし、もっと勉強して確実な登山ができるようにしたいと思った。
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