伯耆大山・南北縦断ちょいバリルート


- GPS
- 06:50
- 距離
- 9.5km
- 登り
- 976m
- 下り
- 1,172m
コースタイム
- 山行
- 5:09
- 休憩
- 1:40
- 合計
- 6:49
天候 | 晴れのち高曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
テカポ車(山口県山口市より)大山Pに駐車 - |
コース状況/ 危険箇所等 |
●文殊堂駐車場(960m) 〜 三ノ沢・最終堰堤(1220m) はじめは三ノ沢左側(右岸)ぞいの林道を登る。堰堤工事により登山路がややこしくなっているが、適宜、登山路のルート表示がある。工事現場を過ぎた後は、ずっと三ノ沢右側(左岸)を登っていくが、最終堰堤だけは左側から乗り越す(というのを知っていたのに少しアルバイトをしてしまった)。 ●三ノ沢・最終堰堤 〜 三ノ峰(1692m) 最終堰堤を乗り越したあとは、踏み跡を辿りながら沢央を登っていく。標高1400mを過ぎたあたりから進路はやや東寄りになっていく。このあたりの取り付きはだだっ広くて分かりにくいが、標高が上がるにしたがってしっかりした登山路になっていく感じがした。ジグザグにほぼ北東方向に登って、今回は南北の稜線直前の分岐を右にとって稜線に乗り上げた。ガレガレの不安定な稜線なので左にとったほうがいい。槍ヶ峰を巻いて、そのあとすぐに三ノ峰に着く。国土地理院の地図には1692とだけ表示されている。 ●三ノ峰 〜 天狗ヶ峰(1711m) ⇔ 剣ヶ峰(1729m) 三ノ峰からは北西方向に天狗ヶ峰へ延びる稜線を進む。砂岩のリッジであちこち崩れていて、ナイフリッジ気味な部分もあるが、バランスを崩さないように注意して進めば問題ない。天狗ヶ峰1711mには山名と標高を書かれた転石があるはずだが、見つけられなかった。ユートピア小屋方面への分岐にもなっていてジャンクションピークだ。したがって、今回は、天狗ヶ峰から剣ヶ峰のあいだだけはピストンすることになる。この区間にもナイフリッジ気味な部分があるので、バランスを崩さないように最大限注意して進めば、なんとか行ける。剣ヶ峰ピークには、大きな山頂碑(慰霊碑)があり方角案内板がついている。山頂からの下りは、登りよりも注意して降りることが肝要だ。ガレガレだが、絶対に滑ってはならない場所がたくさんある。 ●天狗ヶ峰 〜 象ヶ鼻 〜 三鈷峰 今回、この区間(天狗ヶ峰〜象ヶ鼻)が最も危なかった。短い区間だがザレザレのナイフリッジは、お尻をつけて下った部分もあった。浸食が進んで、去年よりもかなり酷くなっている気がした。バランス感覚のしっかりしたクライマー経験者以外にはお勧めできない。なお、剣ヶ峰〜弥山の区間は、この区間よりもさらに崩れ方が酷いらしいが、弥山へ(から)の縦走が禁止されているのも頷ける部分だ。稜線を象ケ鼻まで行ってユートピア小屋のよこを通って三鈷峰に登った。三鈷峰山頂にはたくさんの登山者が居た。 ●宝珠尾根 〜 中の原スキー場 〜 大山駐車場 一般ルートであり、多くの方のレポートがあるので、そちらを参照してほしい。上宝珠越えの通行禁止に続いて、中宝珠越えも通行禁止になって久しいが、選択肢は下宝珠越え、もしくは中の原スキー場経由で下山するしかない。この宝珠尾根は一般ルートだが、いつも崩れかけているので、宝珠尾根ルートそのものが、いずれ通行禁止になりそうだ。今回は、展望の素敵な”中の原スキー場”へ下ったが、こちらのルートを歩く登山者は少ないらしくて、下宝珠越えの分岐以降、整備がほとんどされておらず、かろうじて登山路が見えるといった部分も少なくなかった。 大山駐車場から文珠堂駐車場へクルマを回収に戻る - |
その他周辺情報 | ●温泉 豪円湯院をおススメします。 金〜日・祝前日:11時〜21時(最終受付20:30) 入浴料◎大人なんと390円 http://www.goenyuin.com/ ●夕食 豪円湯院内のお食事処「神の湯亭」ここもおススメ! おぼろ豆腐が食べ放題のメニューもある。 平日・土・日祝:11時〜18時(LO 17:30) - |
写真
感想
梅雨前のこの時期、個人的に恒例となりつつあった伯耆大山・南北縦断ですが、今回はIMP西日本活動として、テカポさんをお招きして行ってきました。現在、長期出張中の山口市から遠路400kmをお越しいただくには、それなりに登り応えのある山やコース取りでなくてはなりませんが、今回はちょっと行き過ぎました。去年も同じコースを歩いていたのですが、かなり浸食や崩壊が進んで、一部分でしたが、スリリングなガレガレのナイフリッジ通過となってしまいました。一瞬、ロープを出すことも考えましたが、支点となるピナクル自体も崩壊しそうであきらめました。しかし、心臓がバクバクしたと仰ってましたが、下から見ていて安心感のあるバランスで、一歩一歩、ガレを崩さない様にそっと出すフットワークにも間違いの無さが感じられましたよ。
この危ない部分を除いて、伯耆大山を堪能できる変化のあるルートで、高山の雰囲気やダイナミックな南北両面の景観を楽しんでいただけたと思っています。ぜひまたご一緒できることを楽しみにしています。
クマ
石川ミリオンピークスのkumaさんからお誘いを受けて、
今日は4か月振りの大山へやってきた。
車2台を利用して南北縦断をやろうというのだ。
6:30三ノ沢取り付きの文殊堂にはすでに多くの駐車車両、
10台以上はあっただろうか。
三ノ沢から剣ヶ峰までは一般登山道ではないが、
地元の方たちには良く知られたルートのようだ。
堰堤をいくつも越え、次第に南壁が覆い被さるかのように
目の前に迫ってくる。
まるで穂高連峰の涸沢のようだ。
ガレた斜面を何度か登り、稜線に出た。
まずは三鈷峰へ。
稜線の両側はひどく痩せ、この山が山体崩壊をしているのが
良くわかるのであった。
三ノ峰から剣ヶ峰へもさらに崩壊が進んだ稜線を行く。
この辺りは今も急速に崩壊が進み、
次に来た時にはさらに違った景色となっていることだろう。
剣ヶ峰からの景色はほんと素晴らしかった。
周囲を雲海に囲まれ、そこはまるでアルプスにでも登ったかのように
錯覚させられてしまう。
ガレガレの急登で疲れた脚を休息させるためにも
これから控える難所に備えるためにも
いつもより長めの休憩をとった。
さあ、天狗ヶ峰から象ヶ鼻への難所へとやってきた。
そこは崩壊が進む稜線がひと雨ごとにその姿を変え、
手にするもの、足場となる場所すべてが崩れていくという状態。
岩ではなく、ガレた砂利が堆積しているという状態だ。
一歩踏み出すごとにガラガラと両側の谷へ落下していく足元の岩。
通常のクライミングの理屈、動作が通用しない・・・
あまりの緊張にこの数年間経験したことのない心臓の激しい鼓動。
「落ち着け!!」
自分に言い聞かせ、脈の落ち着くのを待って
次の一歩を慎重に出す。
時には馬乗りになって崩れる稜線を進んでいく。
無事に通過した。
もう喉がカラカラだ。
ユートピア小屋で休憩を取り緊張を解き放つ。
宝珠尾根を下っていく。
美しいブナの森に癒されながら、
さらに緊張が解け、足取りも軽くなっていた。
kumaさん、今日は本当にありがとうございました。
ここ最近のゆるゆる系山行にカンフル剤を注入された一日でした。
コメント
この記録に関連する登山ルート
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kuma-sanお久しぶり ヤマレコ八つが岳以来
tekapoさん初めまして
kuma-san、自分は今は岡山に単身赴任中で
大山南北横断レコにびっくり
相変わらずすごいですね
大山もホームタウンになりつつありますが
危険な稜線へ行ったことはありません
なかなかドキどきのレコを見させていただきました
今度はユートピアへオダマキ見に行こうかなと思ってるこの頃
またどこかでお会いできるといいですね
ウエハルさん、ごぶさたしています。
そーですか、岡山にいらっしゃるんですね。
米子道ですぐに大山に行けますね。
うらやましいかぎりです。
ユートピアに行くのであれば、
このルートはいかがですか?
今回ほど厳しいルートではありません。
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-742955.html
クマ
ueharuさん、初めまして〜
私も山口出張となって、伯耆大山を初めて登り、この日が2回目でした。
独立峰の美しい姿、崩壊激しい荒々しい姿と
登るごとに楽しませてくれる山ですね。
今回はあまりにも刺激的過ぎましたが
お花も高山植物がたくさん咲き始めていて、
また季節を変えて登ってみたいもんですね。
クマさんこんばにわん。
テカポさんはじめまして。
大山もクマさん定番の山のひとつですね。
山を知り尽くしたクマさんが毎年訪れるってことだけで素晴らしい山だというのはきまってますが、写真を拝見するとそれがよくわかります。
今回は
しかし慣れた南北縦走も今回は様子が違ったようで。
これからどんどん崩壊が進んでますます危なくなって、立ち入り禁止区間が広がるなんてことになると自己責任でちょろっとだけ通過ってわけにもいかなくなるかも?
早く行っとかないとな〜
カノスケどん、まいどです。
伯耆大山には『一木一石運動』というのがあって、大山から崩落した石を、登山者に一人ひとつずつ持って山頂に登ってもらい、その石で浸食溝を埋めたり、植物の苗を植えたりして、浸食や崩落を防ごうとする運動です。
そもそもなぜこんなにガレガレの山になってしまったのか?ということに対して、人間(登山者)が踏み荒らしたからだと言われていますが、それだけではここまでひどい状態にならないのは他の山を考えたら判ります。最大の原因は、この地方の先祖の方が、生活などのために植物(木)を抜きまくってきたからだと考えます。地学的に古い地層であることがこれに拍車をかけています。自然というのはいったん狂いだすと、手のつけられようのない状態になることが、つくづく思いやられます。
この自然がいつまで続くか・・・全面立入禁止になる日も、そう遠くはないと思いますよ。
クマ
kanosukeさん、初めまして〜
この日は雲海が素晴らしく、壮大な滝雲が流れ落ちる光景を楽しめたりもしました。
きっと動画やタイムラプスならその迫力がお伝えできたんですが。
それにしても山の崩壊は激しく、このコースも来年はさらに姿を変え、
きっとより困難な状況となっているかもしれません。
このルートが通れなくなるということは南北縦走が出来なくなり、
それは残念なことです。
でも、だれでもこのルートは行けるということでもないし、
自己責任では済まないことにもなりそうですね。
関東からは遠いので何かの機会やきっかけがなければ行かないだろうな、と常々思っているところにkumaさんからのお誘いの告知が。土曜日に新幹線等で移動してお誘いに乗ろうかどうか迷ったんですけど(1日くらいw)結局パスしてしまいました。でもいつかは登りたい山です。
写真の「ん−と?」はヤマボウシではないでしょうか?
レッズさん、まいどです。
関西には吉野山とか比叡山、高野山など、日本人としての精神世界が深い場所があります。多くは山岳信仰や自然崇拝によって極められたものですが、やはり歴史的な理由で京都や奈良にある場合が多いです。より深く山に分け入ったら、より深まるだろうと思ったら大間違いで、いまの時代、それはおうおうにして観光地のなかにひっそりと埋もれている場合が多い・・・これは以前の吉野山でのボクのレコの感想ですが、レッズさんも再訪したいと仰ってました。
ちょっと計画や日程調整がめんどくさいですが、これらの古刹をからめていったら面白いんじゃないでしょうか。
ヤマボウシですよね。最近、判っているのに、違うように見えて仕方がないのです。なにか精神が分裂気味なんですかね?
クマ
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