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Yamareco

記録ID: 1916278
全員に公開
沢登り
北陸

【荒島岳】鳴ザコ〜荒島岳山頂

2019年07月06日(土) [日帰り]
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GPS
--:--
距離
8.9km
登り
1,164m
下り
1,155m

コースタイム

日帰り
山行
7:00
休憩
0:30
合計
7:30
6:30
50
荒島谷川出合
7:20
220
鳴ザコ出合
11:00
11:30
150
14:00
新下山コース登山口
天候 曇りのち晴れ
過去天気図(気象庁) 2019年07月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
国道158号線から荒島谷川出合い付近の橋を対岸に渡り、路肩に駐車
(ただ、今回のような周回ルートを取る場合は、越前下山駅の駐車場に駐車したほうが帰りが楽だったかもしれない。)
荒島谷川沿いの林道を歩いて鳴ザコまでアクセスするが、当該林道は地形図に記載がないため注意。草が生い茂り落石や路盤崩壊等で林道は荒れているが、歩行には支障はない。1箇所、左岸から右岸に渡渉し、また右岸から左岸に渡渉し返す箇所あり。
コース状況/
危険箇所等
・鳴ザコは、全体的に両岸が雪国特有の急な泥斜面となっており、高巻きに苦労するため、ピンソールやチェーンスパイク等のスベリ止めを携行したほうがいいと思います。
・鳴ザコの注意が必要な箇所は、〆能蕕10m滝(鳴滝)の左岸高巻き、8m位の滝(中段で水が宙に跳ね返っている形をした滝)の左岸高巻き、三俣の15m滝 の3箇所と感じました。
・,量賃譴蓮▲乾襯献綣蠢阿虜鹸潺襯鵐爾ら巻きますが、最初は簡単なものの上部に行くほど斜面が立ってきて足場が悪くなるため、適当なところで上流方向に向かって灌木をつかみながら斜面をトラバースしました(滝を越えてから沢に復帰する箇所もかなり急なので、灌木がつながっているところを選んで、慎重に。)。
・△8m滝は、左岸から巻きましたが、かなり急な泥斜面で、ホールドにできる灌木が途切れる区間があり、神経を使わされました。よく探せばホールドにできる根や岩、わずかに平らな部分などがあるので、それをうまくつなぎながらできるかぎり灌木がある箇所をトラバースしていく感じです。
・の15m滝は、多くの方は滝の右手にある細く水が流れるスラブをロープで確保しながら登られているようですが、この滝は高巻きも可能です。私は細く水が流れるスラブのさらに右手にある浅いルンゼ状を使って高巻きしましたが、多分、三俣で右岸から入ってくる枝沢を少し登ってから右岸沿いにトラバースする方法でも高巻きできそうに感じました(確かめてはいないのですが…)。
・荒島岳山頂への詰めは藪漕ぎになりますが、基本的に笹薮や背の低い灌木が主体で、意外に結構上まで沢形も続いてくれるため、藪漕ぎとしてはましなほうだと思います。ただし、山頂近くでかなり傾斜の強いスラブ(10mほど)が出てきて一時的に灌木頼りの腕力登攀になります(灌木が豊富なので、何とかなります。)。
その他周辺情報 国道158号線沿いのすぐ近くにある「平成の湯」。非常にきれいな施設で、お湯もぬるぬるつるつるした感じで気持ちが良い。大人600円。レストランもあります。
荒島谷川の左岸林道を進んでいく。林道は藪っぽく路盤崩壊等もあるが、歩行には問題ない。荒島谷川には巨大な堰堤がいくつも並んでおり、よくこんなに作ったものだなと感心するというか、何というか。
両岸は沢床からいきなり急傾斜で高度を上げており、荒島岳は急峻な山なのだということを改めて実感する。
2019年07月06日 06:33撮影 by  FinePix XP120 XP121 XP125, FUJIFILM
7/6 6:33
荒島谷川の左岸林道を進んでいく。林道は藪っぽく路盤崩壊等もあるが、歩行には問題ない。荒島谷川には巨大な堰堤がいくつも並んでおり、よくこんなに作ったものだなと感心するというか、何というか。
両岸は沢床からいきなり急傾斜で高度を上げており、荒島岳は急峻な山なのだということを改めて実感する。
途中で七ザコが見える。沢というより、沢全体が一つの滝と言ったほうが合っていそうな凄まじい眺めだ。とても登れなさそうに見えるが、この沢を遡行した人はいるのだろうか?
2019年07月06日 06:51撮影 by  FinePix XP120 XP121 XP125, FUJIFILM
1
7/6 6:51
途中で七ザコが見える。沢というより、沢全体が一つの滝と言ったほうが合っていそうな凄まじい眺めだ。とても登れなさそうに見えるが、この沢を遡行した人はいるのだろうか?
50分ほど林道を歩いて、鳴ザコ出合に到着。林道からいきなり迫力のあるゴルジュとなっており、その奥に鳴滝がどうどうと落ちている。
2019年07月06日 07:23撮影 by  FinePix XP120 XP121 XP125, FUJIFILM
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7/6 7:23
50分ほど林道を歩いて、鳴ザコ出合に到着。林道からいきなり迫力のあるゴルジュとなっており、その奥に鳴滝がどうどうと落ちている。
魚影の走るゴルジュを少しだけ進んで、鳴滝を見学。ゴルジュの奥の滝というのは何となくおそろしい感じがするものだ。
2019年07月06日 07:24撮影 by  FinePix XP120 XP121 XP125, FUJIFILM
1
7/6 7:24
魚影の走るゴルジュを少しだけ進んで、鳴滝を見学。ゴルジュの奥の滝というのは何となくおそろしい感じがするものだ。
ゴルジュの手前に戻り、左岸側のルンゼに取りつく。
途中に古い残置ロープがあった。
最初は容易で、ぐんぐん登っていくが…
2019年07月06日 07:26撮影 by  FinePix XP120 XP121 XP125, FUJIFILM
7/6 7:26
ゴルジュの手前に戻り、左岸側のルンゼに取りつく。
途中に古い残置ロープがあった。
最初は容易で、ぐんぐん登っていくが…
上部に進むにつれて傾斜がどんどん増していき、足場も悪くなって、灌木にぶら下がって進むような状態に。それに、このままルンゼ状を詰めると、高く巻きすぎてしまいそうだ。途中の適当なところから、灌木を頼りに上流方向へ斜面をトラバースしていく。
2019年07月06日 07:29撮影 by  FinePix XP120 XP121 XP125, FUJIFILM
7/6 7:29
上部に進むにつれて傾斜がどんどん増していき、足場も悪くなって、灌木にぶら下がって進むような状態に。それに、このままルンゼ状を詰めると、高く巻きすぎてしまいそうだ。途中の適当なところから、灌木を頼りに上流方向へ斜面をトラバースしていく。
鳴滝の落ち口に降り立った。
高巻きを終えて沢床に復帰する場面でも、かなり急傾斜で、灌木に半ばぶら下がりながら下降した。これも雪国の沢特有だが、斜面には草がびっしりと生い茂っており、足元がどうなっているのか見極めにくいのもつらい。
2019年07月06日 07:39撮影 by  FinePix XP120 XP121 XP125, FUJIFILM
7/6 7:39
鳴滝の落ち口に降り立った。
高巻きを終えて沢床に復帰する場面でも、かなり急傾斜で、灌木に半ばぶら下がりながら下降した。これも雪国の沢特有だが、斜面には草がびっしりと生い茂っており、足元がどうなっているのか見極めにくいのもつらい。
鳴滝の落ち口をのぞき込む。すっぱり切れた見事なゴルジュだ。
2019年07月06日 07:40撮影 by  FinePix XP120 XP121 XP125, FUJIFILM
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7/6 7:40
鳴滝の落ち口をのぞき込む。すっぱり切れた見事なゴルジュだ。
ここから上は、緑の草付きの斜面に挟まれたV字谷の中に急傾斜の沢が延々と続いている。おそらく頭上にかぶる高い木々がないせいか、空が広く見え、明るく開放的な感じがする。2000mにも満たない山なのに、まるで高山の沢を歩いているかのような錯覚を覚える。
2019年07月06日 07:41撮影 by  FinePix XP120 XP121 XP125, FUJIFILM
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7/6 7:41
ここから上は、緑の草付きの斜面に挟まれたV字谷の中に急傾斜の沢が延々と続いている。おそらく頭上にかぶる高い木々がないせいか、空が広く見え、明るく開放的な感じがする。2000mにも満たない山なのに、まるで高山の沢を歩いているかのような錯覚を覚える。
いくつか小滝を越えると、水が中段から勢いよく宙に跳ね返っている面白い形の8m滝が出てくる。この滝の巻きが少しいやらしかった。
左岸の斜面に取りつくが、基本的に泥壁で這い上がるのに苦労する。なるべくぶら下がれる灌木のあるラインを狙って登っていくが、途中、どうしても灌木が途切れる区間が出てきた。一瞬、途方に暮れたが、慎重にあたりを探ってみると、細い木の根や岩、比較的強い根を張っている草など、なんとかホールドにできそうなものが見えてきた。それをつないで次の灌木までじりじりと斜上気味にトラバースしていく。
2019年07月06日 07:49撮影 by  FinePix XP120 XP121 XP125, FUJIFILM
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7/6 7:49
いくつか小滝を越えると、水が中段から勢いよく宙に跳ね返っている面白い形の8m滝が出てくる。この滝の巻きが少しいやらしかった。
左岸の斜面に取りつくが、基本的に泥壁で這い上がるのに苦労する。なるべくぶら下がれる灌木のあるラインを狙って登っていくが、途中、どうしても灌木が途切れる区間が出てきた。一瞬、途方に暮れたが、慎重にあたりを探ってみると、細い木の根や岩、比較的強い根を張っている草など、なんとかホールドにできそうなものが見えてきた。それをつないで次の灌木までじりじりと斜上気味にトラバースしていく。
安全地帯に入ってから撮影。写真で見ると平凡な草の斜面にしか見えないんだよなぁ…
2019年07月06日 08:04撮影 by  FinePix XP120 XP121 XP125, FUJIFILM
7/6 8:04
安全地帯に入ってから撮影。写真で見ると平凡な草の斜面にしか見えないんだよなぁ…
この後も小滝を交えながら遡上していく。
2019年07月06日 08:21撮影 by  FinePix XP120 XP121 XP125, FUJIFILM
7/6 8:21
この後も小滝を交えながら遡上していく。
沢自体の傾斜が終始強いので、普通だったら平流になるような区間も、小さな岩間滝が延々と続いているような感じで、歩いていて飽きない。
2019年07月06日 09:03撮影 by  FinePix XP120 XP121 XP125, FUJIFILM
7/6 9:03
沢自体の傾斜が終始強いので、普通だったら平流になるような区間も、小さな岩間滝が延々と続いているような感じで、歩いていて飽きない。
三俣に到着。直進する谷に問題の滝が見えてきた。
2019年07月06日 09:07撮影 by  FinePix XP120 XP121 XP125, FUJIFILM
7/6 9:07
三俣に到着。直進する谷に問題の滝が見えてきた。
15m滝。多くの記録ではこの滝の通過がこの谷の核心とされている。
事前にチェックした記録では、全て滝の右手にある水の流れるスラブをロープを出して登っている。そのため、それ以外に取り得るルートはないものと考えていた。もし現場でこのスラブを見て単独で安全に登り切れるイメージが湧かなければ、引き返すことも覚悟していたため、この滝が目に入った瞬間からかなり緊張していた。
2019年07月06日 09:11撮影 by  FinePix XP120 XP121 XP125, FUJIFILM
7/6 9:11
15m滝。多くの記録ではこの滝の通過がこの谷の核心とされている。
事前にチェックした記録では、全て滝の右手にある水の流れるスラブをロープを出して登っている。そのため、それ以外に取り得るルートはないものと考えていた。もし現場でこのスラブを見て単独で安全に登り切れるイメージが湧かなければ、引き返すことも覚悟していたため、この滝が目に入った瞬間からかなり緊張していた。
これが問題のスラブ(というか小さな滝?)。中間地点までは容易そうだが、それから上は壁が立っており、ホールドも細かそうだ。しかも、岩の色からしてかなりぬめりが強そう。
登れないことはないだろうが、単独行の身としては巻くことができるのであれば登攀は避けたい、そんな印象であった。
2019年07月06日 09:12撮影 by  FinePix XP120 XP121 XP125, FUJIFILM
7/6 9:12
これが問題のスラブ(というか小さな滝?)。中間地点までは容易そうだが、それから上は壁が立っており、ホールドも細かそうだ。しかも、岩の色からしてかなりぬめりが強そう。
登れないことはないだろうが、単独行の身としては巻くことができるのであれば登攀は避けたい、そんな印象であった。
さて、どうしたものかと周りを観察していると…
あれ?問題のスラブのさらに右手に、なんかルンゼっぽい地形が…(写真の右手の草に覆われた暗い部分)ここ登れるんじゃないか?
2019年07月06日 09:12撮影 by  FinePix XP120 XP121 XP125, FUJIFILM
7/6 9:12
さて、どうしたものかと周りを観察していると…
あれ?問題のスラブのさらに右手に、なんかルンゼっぽい地形が…(写真の右手の草に覆われた暗い部分)ここ登れるんじゃないか?
巻きはできないものと思い込んでいたため、半信半疑だがとりあえず取りついてみる。急傾斜だが何とか登れる。途中、大きな倒木がルンゼに挟まっている箇所が2箇所あり、乗り越しに難儀したが何とか通過。
2019年07月06日 09:14撮影 by  FinePix XP120 XP121 XP125, FUJIFILM
7/6 9:14
巻きはできないものと思い込んでいたため、半信半疑だがとりあえず取りついてみる。急傾斜だが何とか登れる。途中、大きな倒木がルンゼに挟まっている箇所が2箇所あり、乗り越しに難儀したが何とか通過。
巻きの途中から滝を見下ろしているところ。手前にニッコウキスゲと名前のわからないきれいな花。
2019年07月06日 09:15撮影 by  FinePix XP120 XP121 XP125, FUJIFILM
7/6 9:15
巻きの途中から滝を見下ろしているところ。手前にニッコウキスゲと名前のわからないきれいな花。
ルンゼをある程度登ってから斜面を滝頭に向けてトラバースし、結局、割と容易に落ち口に立つことができた。最大の核心と考えていた箇所を巻くことができ、安心したというか、拍子抜けしたというか…。やっぱり現場を見てみないと沢はわからないですね。(もちろん、技術のある方は前述のスラブを登ったほうが絶対楽しめると思います!)
写真は滝上から見下ろしたところ。すでに周りの山々が低くなってきている。だいぶ高度が上がってきたのだ。
2019年07月06日 09:21撮影 by  FinePix XP120 XP121 XP125, FUJIFILM
7/6 9:21
ルンゼをある程度登ってから斜面を滝頭に向けてトラバースし、結局、割と容易に落ち口に立つことができた。最大の核心と考えていた箇所を巻くことができ、安心したというか、拍子抜けしたというか…。やっぱり現場を見てみないと沢はわからないですね。(もちろん、技術のある方は前述のスラブを登ったほうが絶対楽しめると思います!)
写真は滝上から見下ろしたところ。すでに周りの山々が低くなってきている。だいぶ高度が上がってきたのだ。
水量もだいぶ減ってきた。行く手に稜線が見えだす。空が近く、本当に高山に来たかのような風景だ。これで青空だったら更にきれいだっただろうな。
2019年07月06日 09:27撮影 by  FinePix XP120 XP121 XP125, FUJIFILM
7/6 9:27
水量もだいぶ減ってきた。行く手に稜線が見えだす。空が近く、本当に高山に来たかのような風景だ。これで青空だったら更にきれいだっただろうな。
このころから、両岸の草付きに、ニッコウキスゲの鮮やかな橙色が見え始めた。標高が上がるほど数が増えていく。
2019年07月06日 09:36撮影 by  FinePix XP120 XP121 XP125, FUJIFILM
7/6 9:36
このころから、両岸の草付きに、ニッコウキスゲの鮮やかな橙色が見え始めた。標高が上がるほど数が増えていく。
ニッコウキスゲに混じって、薄いピンク色の大きなユリのような花も。花は詳しくないので名前がわからないのが残念。
2019年07月06日 09:38撮影 by  FinePix XP120 XP121 XP125, FUJIFILM
7/6 9:38
ニッコウキスゲに混じって、薄いピンク色の大きなユリのような花も。花は詳しくないので名前がわからないのが残念。
三俣の後の最初の二俣。ここは左に進路を取る。
今日の最大の目標は、荒島岳の山頂にダイレクトに詰め上げること。荒島岳の山頂のわずかに東側に突き上げている沢にうまく入れるよう、慎重に地図を参照しながら進んでいく。
2019年07月06日 09:39撮影 by  FinePix XP120 XP121 XP125, FUJIFILM
7/6 9:39
三俣の後の最初の二俣。ここは左に進路を取る。
今日の最大の目標は、荒島岳の山頂にダイレクトに詰め上げること。荒島岳の山頂のわずかに東側に突き上げている沢にうまく入れるよう、慎重に地図を参照しながら進んでいく。
既にほとんど水は枯れ、沢が狭まってくる。
2019年07月06日 09:42撮影 by  FinePix XP120 XP121 XP125, FUJIFILM
7/6 9:42
既にほとんど水は枯れ、沢が狭まってくる。
かなり稜線が近づいてきた。高度が上がるとともに、気持ちが高ぶってくる。
2019年07月06日 09:58撮影 by  FinePix XP120 XP121 XP125, FUJIFILM
7/6 9:58
かなり稜線が近づいてきた。高度が上がるとともに、気持ちが高ぶってくる。
途中、両岸いちめんにニッコウキスゲが群生している箇所があり、思わず一人で歓声を上げてしまった(写真の黄色い点々がニッコウキスゲ。うまく写ってなくてすみません…)。まるでお花畑のようだ。ニッコウキスゲの他にも、ユリのような花や、鮮やかな紫色のアザミ、ホタルブクロのような形の花も入り混じって咲いている。
2019年07月06日 10:02撮影 by  FinePix XP120 XP121 XP125, FUJIFILM
7/6 10:02
途中、両岸いちめんにニッコウキスゲが群生している箇所があり、思わず一人で歓声を上げてしまった(写真の黄色い点々がニッコウキスゲ。うまく写ってなくてすみません…)。まるでお花畑のようだ。ニッコウキスゲの他にも、ユリのような花や、鮮やかな紫色のアザミ、ホタルブクロのような形の花も入り混じって咲いている。
本当にいい季節に来たなぁ。
写真がきれいに撮れてないのが惜しい。
2019年07月06日 10:06撮影 by  FinePix XP120 XP121 XP125, FUJIFILM
7/6 10:06
本当にいい季節に来たなぁ。
写真がきれいに撮れてないのが惜しい。
ほとんど来る人もいないこんな谷に、こんなにたくさん花が静かに咲いている。私が下山した後も(記録を書いているこの瞬間も)関わりなく咲いている。そう思うと不思議な気持ちになる。
2019年07月06日 10:07撮影 by  FinePix XP120 XP121 XP125, FUJIFILM
7/6 10:07
ほとんど来る人もいないこんな谷に、こんなにたくさん花が静かに咲いている。私が下山した後も(記録を書いているこの瞬間も)関わりなく咲いている。そう思うと不思議な気持ちになる。
次の二俣は右へ。ここからは右へ右へ進路を取れば、目的の沢に進入できるはずだ。
2019年07月06日 10:02撮影 by  FinePix XP120 XP121 XP125, FUJIFILM
7/6 10:02
次の二俣は右へ。ここからは右へ右へ進路を取れば、目的の沢に進入できるはずだ。
いよいよ沢形が斜面に吸収され始める。それとともに藪が視界を狭め始める。
さあ、いよいよ来るか?
2019年07月06日 10:20撮影 by  FinePix XP120 XP121 XP125, FUJIFILM
7/6 10:20
いよいよ沢形が斜面に吸収され始める。それとともに藪が視界を狭め始める。
さあ、いよいよ来るか?
来た!藪に突入。
2019年07月06日 10:29撮影 by  FinePix XP120 XP121 XP125, FUJIFILM
7/6 10:29
来た!藪に突入。
しかし、夏の越美県境稜線の藪に比べたらこんなもの…! と、夏合宿の千本ノックの苦しさを思い起こして九回裏の土壇場を耐え抜こうとする高校球児のようなメンタリティ(なにそれ)でとにかく漕ぎ続ける。
2019年07月06日 10:31撮影 by  FinePix XP120 XP121 XP125, FUJIFILM
7/6 10:31
しかし、夏の越美県境稜線の藪に比べたらこんなもの…! と、夏合宿の千本ノックの苦しさを思い起こして九回裏の土壇場を耐え抜こうとする高校球児のようなメンタリティ(なにそれ)でとにかく漕ぎ続ける。
藪の間から頭を突き出すと、目の前にピークらしきものが。あれ、荒島岳じゃねえか!?と一人色めき立って俄然藪を漕ぐ。
(本当はハズレ。この後、ピークはもう少し右手であることに気づき、少しずつルートを修正していく。山頂付近には地形図に現れない細かい沢状地形があるようで、知らないうちにそのうちの一つに入り込んでしまっていたようだ。)
2019年07月06日 10:32撮影 by  FinePix XP120 XP121 XP125, FUJIFILM
7/6 10:32
藪の間から頭を突き出すと、目の前にピークらしきものが。あれ、荒島岳じゃねえか!?と一人色めき立って俄然藪を漕ぐ。
(本当はハズレ。この後、ピークはもう少し右手であることに気づき、少しずつルートを修正していく。山頂付近には地形図に現れない細かい沢状地形があるようで、知らないうちにそのうちの一つに入り込んでしまっていたようだ。)
さらに、次第に足元の傾斜が強まり、ほとんど岩登り状態になってしまった。藪漕ぎとクライミングの二重苦。実際はほとんど灌木頼りのモンキークライムだが…。このような状態が10mほど続いた。
2019年07月06日 10:34撮影 by  FinePix XP120 XP121 XP125, FUJIFILM
7/6 10:34
さらに、次第に足元の傾斜が強まり、ほとんど岩登り状態になってしまった。藪漕ぎとクライミングの二重苦。実際はほとんど灌木頼りのモンキークライムだが…。このような状態が10mほど続いた。
この岩場を抜けたら山頂の気配!
2019年07月06日 10:44撮影 by  FinePix XP120 XP121 XP125, FUJIFILM
7/6 10:44
この岩場を抜けたら山頂の気配!
と思ったらまた藪…ぐふっ。
しかしもう山頂はすぐそこのはず。枝をつかんで強引に登っていく。
2019年07月06日 10:47撮影 by  FinePix XP120 XP121 XP125, FUJIFILM
7/6 10:47
と思ったらまた藪…ぐふっ。
しかしもう山頂はすぐそこのはず。枝をつかんで強引に登っていく。
ついに山頂のお社の屋根が見えた!
登りついたのは山頂から西側に10mほどのところであった。まあ、ニアピンということで。
2019年07月06日 10:56撮影 by  FinePix XP120 XP121 XP125, FUJIFILM
7/6 10:56
ついに山頂のお社の屋根が見えた!
登りついたのは山頂から西側に10mほどのところであった。まあ、ニアピンということで。
登ってきた鳴ザコを振り返る。
といっても、霧と藪で何も見えないが…。耳を澄ますと、遠くに水音が聞こえる。
2019年07月06日 10:54撮影 by  FinePix XP120 XP121 XP125, FUJIFILM
7/6 10:54
登ってきた鳴ザコを振り返る。
といっても、霧と藪で何も見えないが…。耳を澄ますと、遠くに水音が聞こえる。
荒島岳は何度も登っているが、雪のない時期に登るのは初めてだったため、まるで初めての山に来たかのような不思議な感覚。木柱も雪でほとんど埋まった状態しか見たことがなかったため、「荒」の字より下を見るのは初めてだし、周囲の山の山名盤が設置されているのも全く知らなかった。一等三角点とも初対面で、何度も撫でまわしてしまった。
山頂には登山者の方が既に何人か憩っておられ、あらぬ方向から現れた私を訝りもせず写真を撮ってくださった。ありがとうございました。
2019年07月06日 10:58撮影 by  FinePix XP120 XP121 XP125, FUJIFILM
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7/6 10:58
荒島岳は何度も登っているが、雪のない時期に登るのは初めてだったため、まるで初めての山に来たかのような不思議な感覚。木柱も雪でほとんど埋まった状態しか見たことがなかったため、「荒」の字より下を見るのは初めてだし、周囲の山の山名盤が設置されているのも全く知らなかった。一等三角点とも初対面で、何度も撫でまわしてしまった。
山頂には登山者の方が既に何人か憩っておられ、あらぬ方向から現れた私を訝りもせず写真を撮ってくださった。ありがとうございました。
少しすると雲が切れて日が差し始め、登ってきた谷が望めた。
2019年07月06日 11:01撮影 by  FinePix XP120 XP121 XP125, FUJIFILM
7/6 11:01
少しすると雲が切れて日が差し始め、登ってきた谷が望めた。
白山は残念ながら厚い雲に覆われて拝めず。
山頂には無数のトンボが飛び交い、涼しい風が吹きわたって、のんびりとした時間が流れていた。
2019年07月06日 11:20撮影 by  FinePix XP120 XP121 XP125, FUJIFILM
7/6 11:20
白山は残念ながら厚い雲に覆われて拝めず。
山頂には無数のトンボが飛び交い、涼しい風が吹きわたって、のんびりとした時間が流れていた。
いつまでもゆっくりしていたいような山頂だったが、腰を上げて下山に移る。下山は新下山ルート。
写真は山頂を振り返ったところ。また来ます。今度はどんなルートで来ようかな。
2019年07月06日 11:44撮影 by  FinePix XP120 XP121 XP125, FUJIFILM
7/6 11:44
いつまでもゆっくりしていたいような山頂だったが、腰を上げて下山に移る。下山は新下山ルート。
写真は山頂を振り返ったところ。また来ます。今度はどんなルートで来ようかな。
新下山ルートは、稜線上は360°視界の開けた笹原が続く気持ちの良い道で、樹林帯に入ってからも、登山口近くまで立派なブナの森が続く素晴らしいルートだった。少し藪っぽい区間や急傾斜(フィックスロープがベタ張り)の区間も現れるが、特に問題はない。
2019年07月06日 12:54撮影 by  FinePix XP120 XP121 XP125, FUJIFILM
7/6 12:54
新下山ルートは、稜線上は360°視界の開けた笹原が続く気持ちの良い道で、樹林帯に入ってからも、登山口近くまで立派なブナの森が続く素晴らしいルートだった。少し藪っぽい区間や急傾斜(フィックスロープがベタ張り)の区間も現れるが、特に問題はない。
登山口まで下ってきました。
2019年07月06日 13:59撮影 by  FinePix XP120 XP121 XP125, FUJIFILM
7/6 13:59
登山口まで下ってきました。
車まで戻る道すがら、下ってきた稜線を見上げる。九頭竜川の汀からいきなり急峻に立ち上がったその姿に、やはり荒島岳は標高以上の大きさを感じさせる山だと改めて思った。
2019年07月06日 14:13撮影 by  FinePix XP120 XP121 XP125, FUJIFILM
7/6 14:13
車まで戻る道すがら、下ってきた稜線を見上げる。九頭竜川の汀からいきなり急峻に立ち上がったその姿に、やはり荒島岳は標高以上の大きさを感じさせる山だと改めて思った。

装備

備考 ・雪国特有の急な泥斜面が多いため、ピンソールやチェーンスパイク等のスベリ止めは携行したほうがいいと思います。
・40mロープを携行しましたが、使いませんでした。ただ、登攀はもちろん、高巻きで追い詰められたときなどのために持って行ったほうがいいと思います。
・結構ぬめっている岩が多かったため、沢靴はフェルトのほうが良いように感じました。15m滝の右手スラブも、(登りませんでしたが)けっこうぬめってました。

感想

 荒島岳はこれまで4、5回登ったことがあるが、いずれも積雪期で、荒島岳といえば雪山という印象ばかり勝手に強かった。そんな荒島岳に夏、しかも沢から登ったら面白そうだなと思ったのが今回の山行のきっかけだった。しかも、鳴ザコは荒島岳の山頂にダイレクトに詰め上げることができるのも魅力だ。
 鳴ザコは、緑のV字谷と広い空が延々と続く明るい谷で、まるで高原を歩いているかのような雰囲気の谷だった。小さい谷ながらも、雪崩に磨かれた泥壁の悪い巻きや滝場でのルートファインディング、源頭での藪漕ぎなど、冒険的な要素もあり、面白い谷だったと思う。とりわけ、途中で見た両岸一面に咲くニッコウキスゲの群落には本当に感動した。
 何度も登っている山でも、季節が違うと全く違う山に見えるから面白い。やはりいろんな季節に、いろんなルートから登らないと山は分からないのだなと当然のことながら改めて思った。

※ ちなみに、今回はヒルは全く見ませんでした。魚影は鳴滝の滝つぼでは見ましたが、それより上では見かけませんでした。

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