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Yamareco

記録ID: 198271
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
剱・立山

水晶岳・鷲羽岳・黒部五郎岳・薬師岳【日本百名山完登】

2009年07月28日(火) ~ 2009年07月31日(金)
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GPS
80:00
距離
46.7km
登り
4,119m
下り
4,009m

コースタイム

 《水晶岳・鷲羽岳・黒部五郎岳・薬師岳》
◆7月28日(火)
高瀬ダム10:39-14:24烏帽子小屋
◆7月29日(水)
烏帽子小屋4:17-8:52水晶小屋9:08-9:33水晶岳9:33-9:57水晶小屋10:17-11:27鷲羽岳11:27-12:11三俣山荘
◆7月30日(木)
三俣山荘4:29-5:19三俣蓮華岳5:19-6:30黒部五郎小舎6:46-8:43黒部五郎岳8:54-13:06太郎平小屋
◆7月31日(金)
太郎平小屋5:20-7:17薬師岳7:33-9:07太郎平小屋9:34-11:58折立
天候 ◆2009年7月28日(火) 曇り→雨
◆2009年7月29日(水) 暴風雨
◆2009年7月30日(木) 雨→曇り→晴れ
◆2009年7月31日(金) 曇り→晴れ
過去天気図(気象庁) 2009年07月の天気図
アクセス
利用交通機関:
電車 バス タクシー
《往 路》 2009年7月28日(火)
東京-(新幹線)-長野-(特急バス)-信濃大町-(タクシー)-高瀬ダム
・タクシー 信濃大町→高瀬ダム 所要=45分 \8,100

《復 路》 2009年7月31日(金)
折立-(バス)-富山-(JR特急)-越後湯沢-(新幹線)-東京
・バス(富山地鉄) 折立12:30→14:20富山(平日なので予約不要) \3,400 
コース状況/
危険箇所等
◆登山道は全体的に整備されていて、霧のなかでも迷うようなことはありません。
 水晶小屋〜鷲羽岳〜三俣山荘に関して暴風雨のときは鷲羽岳は回避して迂回路を
 通る方が安全です。
 薬師岳の山頂は霧がかかっていると薬師岳小屋側の祠(避難小屋)を山頂と勘違い
 するかもしれません。
信濃大町からタクシーで高瀬ダムまで来ました。ここからスタートです。このあたりは観光客の方がいらっしゃいます。
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信濃大町からタクシーで高瀬ダムまで来ました。ここからスタートです。このあたりは観光客の方がいらっしゃいます。
ブナ立尾根の急登を登ります。途中3回休憩を入れ烏帽子小屋に着きました。まだ、雨は降っていません。
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ブナ立尾根の急登を登ります。途中3回休憩を入れ烏帽子小屋に着きました。まだ、雨は降っていません。
烏帽子小屋まで来ると谷をはさんで赤牛岳がなんとかギリギリ見えています。今日はこれが見えただけでもOKです。
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烏帽子小屋まで来ると谷をはさんで赤牛岳がなんとかギリギリ見えています。今日はこれが見えただけでもOKです。
烏帽子小屋に着きました。休憩込みで3時間45分でした。夕食まで時間があるので小屋でビールを買い単独の男性と情報交換をしました。
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烏帽子小屋に着きました。休憩込みで3時間45分でした。夕食まで時間があるので小屋でビールを買い単独の男性と情報交換をしました。
烏帽子小屋の夕食。
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烏帽子小屋の夕食。
二日目は暴風雨。烏帽子小屋→水晶岳→鷲羽岳とずーっと暴風雨でした。これは水晶小屋で休憩中の写真。
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二日目は暴風雨。烏帽子小屋→水晶岳→鷲羽岳とずーっと暴風雨でした。これは水晶小屋で休憩中の写真。
降り止まぬ雨の中、三俣山荘まで来ました。今日はここまで。
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降り止まぬ雨の中、三俣山荘まで来ました。今日はここまで。
三俣山荘の夕食。オーナーの伊藤正一さんがいらっしゃいました。
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三俣山荘の夕食。オーナーの伊藤正一さんがいらっしゃいました。
雨に濡れ綺麗な花です。
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雨に濡れ綺麗な花です。
三日目、黒部五郎小舎まで来ましたがガスガスです。
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三日目、黒部五郎小舎まで来ましたがガスガスです。
黒部五郎岳に向かってカールの底を歩いています。晴れの日に再訪したいものです。
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黒部五郎岳に向かってカールの底を歩いています。晴れの日に再訪したいものです。
大雨でカールの底はいたるところ沢ができていました。視界不良ですが、ペンキを頼りに歩いています。
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大雨でカールの底はいたるところ沢ができていました。視界不良ですが、ペンキを頼りに歩いています。
分岐にザックをデポし、黒部五郎岳の頂上を目指します。
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分岐にザックをデポし、黒部五郎岳の頂上を目指します。
黒部五郎岳山頂。百名山、99座目になりました。
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黒部五郎岳山頂。百名山、99座目になりました。
黒部五郎岳から降りているとき、西の空がパーっと晴れてきました。
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黒部五郎岳から降りているとき、西の空がパーっと晴れてきました。
ザックをデポしたところまで戻ってきました。さぁ、太郎平を目指します。
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ザックをデポしたところまで戻ってきました。さぁ、太郎平を目指します。
素晴らしい稜線
素晴らしい稜線
昨日は暴風雨だった水晶岳が見えてきました。
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昨日は暴風雨だった水晶岳が見えてきました。
雷鳥もいました。
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雷鳥もいました。
太郎平小屋です。
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太郎平小屋です。
13:00過ぎに三日目の宿、太郎平小屋で昼食にラーメンを食べました。かなり本格的です。
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13:00過ぎに三日目の宿、太郎平小屋で昼食にラーメンを食べました。かなり本格的です。
小屋の前からは薬師岳が顔を出してくれました。
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小屋の前からは薬師岳が顔を出してくれました。
この日、NHKの取材で内多アナウンサーと田部井さんがいらっしゃいました。田部井さんは大人気でした。
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この日、NHKの取材で内多アナウンサーと田部井さんがいらっしゃいました。田部井さんは大人気でした。
四日目、百名山100座目を目指し、薬師岳小屋まで来ました。薬師岳小屋は建て替えする前です。
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四日目、百名山100座目を目指し、薬師岳小屋まで来ました。薬師岳小屋は建て替えする前です。
山頂近くに雷鳥がいました。ガスガスです。
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山頂近くに雷鳥がいました。ガスガスです。
ついに百名山100座目薬師岳の山頂に立つことができました。
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ついに百名山100座目薬師岳の山頂に立つことができました。
太郎平小屋に戻りザックを拾い折立まで降りてきました。無事、終了です。
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太郎平小屋に戻りザックを拾い折立まで降りてきました。無事、終了です。

感想

◆7月28日(火) 高瀬ダム→烏帽子小屋
登山を始めたのが2003年10月28日、丹沢の大山から。深田久弥の『日本百名山』はこの年2003年12月15日の宮之浦岳が1座目。2008年10月、剱岳・立山に登頂し96座。残り四座を翌年2009年夏に残す。残った四座は水晶岳・鷲羽岳・黒部五郎岳・薬師岳。この四座を縦走して一応の目標である『日本百名山』達成を計画する。

その三泊四日の初日はなんとか天気がもってくれて烏帽子小屋まで無事に辿りつくことができた。

◆7月29日(水) 烏帽子小屋→水晶岳→鷲羽岳→三俣山荘
この日は出発前から暴風雨。ほとんど休憩を取ることもなく水晶小屋に到着。ここに荷物を置かせてもらい、貴重品だけもって水晶岳をピストンする。写真を撮る余裕はまったくなくカメラもザックに入れたままデポさせてもらった。水晶小屋に戻り鷲羽岳を目指す。鷲羽岳から下ってきた方に状況を確認する。なんとかなるだろう、ここで迂回したら次、いつ来れるか分からない(2ヶ月後に読売新道で来てしまったが)。という7ことで強行突破。山頂は素通り。今度は三俣山荘から登って来られる方に状況を聞かれる。自分も不安であった。こんな天気では誰でも不安である。そしてこんなときに会話ができたことはありがたく心を落ち着けて歩くことができた。

※三俣山荘で伊藤正一さんをお見かけする
三俣山荘には伝説の伊藤正一さんがいらっしゃいました。昼ごろに着いた三俣山荘では雨が降り続いたままで時間を持て余していました。その時間で談話室にあった山荘オーナーの伊藤正一さんに関する書籍を読み耽りました。その後、展望喫茶室に行ってみると、そこには書籍に書かれている伊藤正一さんご本人がいらっしゃいました。展望喫茶室の片隅で静かにコーヒーを啜られていたその表情は柔和で慈愛に満ち、飾り気のない優しさに溢れていました。

◆7月30日(木) 三俣山荘→黒部五郎岳→太郎平小屋
やはり雨はやまず、諦めて出発。三俣蓮華岳も晴れていれば眺望最高とのこと。ほとんど通り過ぎるだけ。濃霧の中、黒部五郎小舎で休憩。濃霧のときは稜線ルートの方が安全ということだったが道が分からずそのままカール内を突き進む。ペンキが要所に付けられており迷うことなく黒部五郎岳山頂に到着。このころから西の空は青空になってきた。太郎平小屋までは快適な稜線漫歩と思いきや、疲労でかなりペースダウン。しかし雷鳥にも会うことができたし、水晶岳や明日登る薬師岳の姿も目にすることができた。

この日、太郎平小屋には『夏の北アルプス あぁ絶景! 雲上のアドベンチャー』の撮影をされていたNHKの内多アナウンサーと田部井淳子さんがいらっしゃいました。内多アナウンサーはTVで見る印象そのままの方でした。田部井さんはTVで見る以上に実際にお会いしたときの方がきさくな方でした。酔っぱらった中高年の団体の方の登山話しも耳を傾けられさらに元気づけられていました。

◆7月31日(金) 太郎平小屋→薬師岳→折立
この日ついに100座すべてに足を運べるのだと思うと少々感慨深いものがありました。足かけ5年7ヶ月にして北アルプス薬師岳をもって百名山完登。しかし天気は曇天。特に問題もなく進むが相変わらず濃霧が晴れることはない。登り切ると小さな祠のようなものがあったのでこれが山頂かと思ったが、山頂標識がない。「う〜ん おかしいな」と思い、もう少し先に行くと本当の山頂がありました。無事故で『日本百名山』完登という一つの区切りをつけられたことに感謝しました。後続の団体さんが来られたころガスがかなり薄くなり一部青空も出てきました。薬師岳山荘まで戻ったころ完全にガスは取れました。


この『日本百名山』山行には賛否両論があるものの、個人レベルで山歩きを趣味として始めた素人の私にとって、そのころは今ほど情報も多くはありませんでした。どこの山に行こうか、それを決めるうえで『日本百名山』やそれに付随するガイドブックは大きな判断材料になりました。そして各地の山でのそれぞれの個性に触れることによりこれまで知らなかった多くのことを学ぶことができたと実感しています。また、そこでの一期一会の出会いは山の先輩方からたくさんの情報やアドバイスをいただく良い機会になり、また視野を広げることができたと思っています。感謝の念は尽きるものではありません。

『日本百名山』を目指した山行はそのプロセスで入院・手術や独立・開業など人生の節目を刻む出来事とともに自分自身を成長させてくれるきっかけを確実に与えてくれたと思っています。私においての『日本百名山』を巡る山旅は百の山をそれぞれ一回だけ歩いてそれが百座積み上がり、それで「百座達成!」ではなくこれでやっと山とお付き合いを始めるスタート地点に立つことができたと考えています。これを次へのステップとしてまた山と関わっていくことができればと願っています。


(2012年6月)




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