雨乞岳
- GPS
- --:--
- 距離
- 22.7km
- 登り
- 1,945m
- 下り
- 1,936m
コースタイム
- 山行
- 10:39
- 休憩
- 1:34
- 合計
- 12:13
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2009年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
8時の待ち合わせにあわせ6時半に木津川を出て巨椋から京滋バイパス、名神と乗り継ぎ八日市のマックスバリュー駐車場でM氏とおちあい鈴鹿に向けて出発。
鈴鹿スカイラインは崩落のため通行止めとなっており三重県側にまわり湯の山温泉の通行止めゲート付近に駐車。
ゲート前はこれでもかと言うほどの駐車車両で埋め尽くされている。
計画では武平駐車で登り始める予定が仕方なく着替えを済ませスカイラインを登り始める(アクシデント)。
途中、崩落の現場を通りその光景に自然の恐ろしさを感じる。
武平峠到着後、入山口を確認しようやく山道へ。
30分ほど歩いたところで左スネを木に強打…激痛で気持ちが萎えそうになるも前を行くM氏のあとを追う。
クラ谷の登りで道を間違い(アクシデント)、急登でM氏もヒザ負傷。
登り詰めた先は東雨乞岳に続く稜線手前の笹トンネルで少し登ると景色が開け広々とした東雨乞岳山頂に到着。
雨乞岳の山頂よりこちらのほうが見晴らしがよいとの事で強風を避け笹ヤブに隠れての昼食休憩。
約1時間の休憩の後、目的地である雨乞岳への登りは稜線伝いの気持ちのよい道。
山頂では写真を撮り地図の確認をしてすぐに下山にかかる。
山頂付近は笹に覆われコースが不明瞭だが笹トンネルを抜けると開けた稜線歩きとなり杉峠までは問題なく進む。
ここからが地獄の始まり…コクイ谷出合の道標を見落とし(アクシデント)行けども行けども沢登りが続くが赤テープだけを目印に登り詰めること約2時間。
次のポイント「クラ谷分岐」までの標準タイムが1時間に対し2時間???標高も1,070mまで来てしまっている…。
ここでようやく道を間違えていることを認識し(後に確認してみると、どうやらコクイ谷出合から上水晶谷を登り国見峠への道に入り込んでいたことが判明)今ならまだ間に合うと来た道を引き返すことに…。
この時点でかなりの疲労と焦燥感が出るが歩かないことには帰れない。
約1時間かけてコクイ谷出合まで戻り道標の見落としに気づく。この時で時刻は17時をまわり太陽も少し傾いてきている…急がねば。
沢沿いの道を黙々と歩き続け大きな滝に出会うもガイドブックによると「滝を巻いて少し登ると往路で通ったクラ谷分岐に出る」の言葉を信じて、とても一般登山道とは思えないような崖をよじ登り(ここでも赤テープが…)巨大岩が目につきだした沢をひたすら進むも終わりの見える気配すら感じなくなる。
どうやらまた道を間違えたようだ…。(アクシデント)
とうとうこのあたりで日も暮れだし焦りだけでなく遭難を覚悟する。
リーダーに引き返しを進言するがM氏の答えは「ここまで来たら、登り切ろう」。滝を巻いて微かに異変を感じてからここまで心のどこかに戻ることを考えながら進んでいた自分の気持ちに踏ん切りのついた一言だったと今でも思い出す。
とにかく少しでも陽のあるうちに開けた山頂に出て今居る場所だけでも確認しなければと抑えぎみだった足の運びにエンジンがかかった。
道なき急斜面を木につかまりながら体を押し上げ、ようやく出た山頂はいかにも不明山のそれだった…。
しかも風が鳴くほどの強風で寒さが寂しさをさらに増幅させる。
この時点で失望と疲労から動くのをあきらめ翌朝までビバークするつもりでザックからヘッドランプだけ準備して靴ヒモを解いた。
少し遅れて上がってきたM氏は辺りの様子をうかがいライトを手に取ると踏み跡を探し、それを辿ってさらに稜線を進む。
仕方なく後に続くと、なんと!御在所岳山頂の建物が目の前にあらわれた。(後に調べてみるとコクイ谷沿いから沢谷に入るべきところを黒谷の沢に迷い込み、そのまま御在所岳すぐ下の稜線まで登っていた)
ひとまず死ぬ可能性はなくなり二人とも元気が回復し、とりあえずロープウェイがまだ営業していることを願いながら乗場まで急ぐが期待も虚しく人影はまったくなし…。
太陽は完全に沈み辺りは真っ暗だがひとつしかないライトだけを頼りに下山することを決め表道の下山口へと向かう。
この道は登山者も多くよく踏まれているので迷うことはないがライトの灯りだけでの下山は神経を使う。
前を行くM氏の足元を照らしながら二人とも疲労と体中の痛みに耐えて黙々と高度を落としていく。
約1時間かかってスカイラインが見えた時には二人して道路の真ん中に倒れこみ、しばらく横になったまま動けずにいた。
最後の力をふりしぼり1時間かけて駐車場所までスカイラインを下る。
無事に帰れたのはM氏の的確な判断のおかげ、やはり心強いパートナーだと改めて感じた。
車に着いてからは痛い足腰をかばいながら着替えを済ませコンビニで食べ物と飲み物を買い、朝に待ち合わせたスーパーの駐車場に着いたのは深夜0時前…。
木津川到着は1時45分。
長い一日が終わった。
今回の山行は体力的にも精神的にも苦しいものとなったが、その中で得るものも非常に多くあったと感じる。
思いつくままに書き上げておき今後の教訓(参考)にしたい。
・動き出したら、どうしても歩き詰めとなるが時間経過と高度をこまめに確認し現在地を把握しながら進むべき
・赤テープのみを信じずコース確認をすべき
・ガイドブック(地図)のポイントポイントで必ず止まって確認するくらいの慎重さが必要
・日帰りの場合でも確実に下山するまで予備食(行動食)と飲料は残すべき
・山域に入ったら携帯電話の電源は切っておく
・沢を離れる前には水筒を満タンにしておく
・ライトや防寒具は万一に備え必ず携帯すべき(万一の事態はいつ発生するかわからないが、持っていないと生死にかかわる)
・山に行く時は家族に言っておくべき(万一の場合、捜索が遅れる)家族はいないが…(笑)
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