駐車場から道路を少し戻ったところにある大白水橋の右岸側から踏み跡を辿り,堰堤を越したところから入渓。写真ではものすごい藪に見えるが,ちゃんと踏み跡があります。
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8/31 6:15
駐車場から道路を少し戻ったところにある大白水橋の右岸側から踏み跡を辿り,堰堤を越したところから入渓。写真ではものすごい藪に見えるが,ちゃんと踏み跡があります。
白い岩と青い水,周囲の樹林も豊かな素晴らしい渓相で,初見から心を奪われる。心配していた水量はそれほどでもなく,渡渉は容易。ただ,さすが白山,たくさんの雪渓に育まれた水は冷たく,足が痛いほどに冷えていく。
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8/31 6:28
白い岩と青い水,周囲の樹林も豊かな素晴らしい渓相で,初見から心を奪われる。心配していた水量はそれほどでもなく,渡渉は容易。ただ,さすが白山,たくさんの雪渓に育まれた水は冷たく,足が痛いほどに冷えていく。
転法輪谷出合いまでは爽快な平流が続き,空が開けて明るい谷の中を悠々と遡っていける。ゆったりとした幕開けで,今日一日の沢旅への期待が高まる。
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8/31 6:47
転法輪谷出合いまでは爽快な平流が続き,空が開けて明るい谷の中を悠々と遡っていける。ゆったりとした幕開けで,今日一日の沢旅への期待が高まる。
転法輪谷の出合いは水流2:1くらいで大白水谷のほうが大きく,入る谷を間違えることはないと思う。
転法輪谷を過ぎると谷が狭まり,最初の関門である3m滝,8m滝,20m滝が連続して現れる。
最初の3m滝(写真)は,瀑水を激しく浴びながら左手から登っていく。
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8/31 7:26
転法輪谷の出合いは水流2:1くらいで大白水谷のほうが大きく,入る谷を間違えることはないと思う。
転法輪谷を過ぎると谷が狭まり,最初の関門である3m滝,8m滝,20m滝が連続して現れる。
最初の3m滝(写真)は,瀑水を激しく浴びながら左手から登っていく。
次の8m滝。右手の壁際が登れる。階段状でホールドは豊富なので,ごく簡単である(2級くらい)。
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8/31 7:29
次の8m滝。右手の壁際が登れる。階段状でホールドは豊富なので,ごく簡単である(2級くらい)。
次の20m滝。今日は少し水量が多いようでなかなかの迫力だ。
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8/31 7:32
次の20m滝。今日は少し水量が多いようでなかなかの迫力だ。
滝の左手の壁が登れる。3級程度の登りで,ホールドは豊富にあり,決して難しくないが,高度感があるので少し緊張する。また,浮石も多いので,ホールドを使うときには安定しているか確認が必要。滝からあまり離れないラインを登ったほうがホールドが多くて登りやすい気がした。
(ちなみに,この滝は無理に直登しなくても,左右どちらからでも高巻きが可能なように見えた。実際には確かめていないので難易度は不明ですが…)
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8/31 7:33
滝の左手の壁が登れる。3級程度の登りで,ホールドは豊富にあり,決して難しくないが,高度感があるので少し緊張する。また,浮石も多いので,ホールドを使うときには安定しているか確認が必要。滝からあまり離れないラインを登ったほうがホールドが多くて登りやすい気がした。
(ちなみに,この滝は無理に直登しなくても,左右どちらからでも高巻きが可能なように見えた。実際には確かめていないので難易度は不明ですが…)
途中のテラスにて。(セルフビレイしたうえで撮影しています。)
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8/31 7:37
途中のテラスにて。(セルフビレイしたうえで撮影しています。)
20m滝を通過後,すぐに写真の8mほどの滝が現れる。水を太くまっすぐに落とした美しい滝だ。
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8/31 7:43
20m滝を通過後,すぐに写真の8mほどの滝が現れる。水を太くまっすぐに落とした美しい滝だ。
この滝を直登する場合,右手の壁をトライする記録が多いが,左手からのほうが難易度は低く登りやすい。最後の一手が少しだけ思い切りが要るが,ホールドはちゃんとあり,それほど難しくない(3級程度)。
(なお,この滝も右手の斜面から簡単に巻けそうでした。)
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8/31 7:45
この滝を直登する場合,右手の壁をトライする記録が多いが,左手からのほうが難易度は低く登りやすい。最後の一手が少しだけ思い切りが要るが,ホールドはちゃんとあり,それほど難しくない(3級程度)。
(なお,この滝も右手の斜面から簡単に巻けそうでした。)
この後も小滝が続くが,通過には問題ない。
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8/31 7:50
この後も小滝が続くが,通過には問題ない。
登れる小滝が続き,とても楽しい。
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8/31 7:56
登れる小滝が続き,とても楽しい。
両岸の壁が迫っているにもかかわらず空が開けており,水も岩も木々も光に溢れていて,遡っていて本当に気持ちがいい。
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8/31 7:59
両岸の壁が迫っているにもかかわらず空が開けており,水も岩も木々も光に溢れていて,遡っていて本当に気持ちがいい。
しばらくして3m滝と15m滝がセットで現れる。前衛の3m滝がちょっとした核心であった。
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8/31 8:02
しばらくして3m滝と15m滝がセットで現れる。前衛の3m滝がちょっとした核心であった。
記録では3m滝の右手の壁を空身で越えている方もいらっしゃるが,ちょっと難しそうだったため,滝の手前右側のこのガレた斜面を這い上がることにした。取りついてみるとかなり不安定で,一歩ごとに岩がボロボロに崩れていき,安定したスタンスがない。試行錯誤の末,最後は覚悟を決めて一気に安全地帯まで這い上がった。
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8/31 8:03
記録では3m滝の右手の壁を空身で越えている方もいらっしゃるが,ちょっと難しそうだったため,滝の手前右側のこのガレた斜面を這い上がることにした。取りついてみるとかなり不安定で,一歩ごとに岩がボロボロに崩れていき,安定したスタンスがない。試行錯誤の末,最後は覚悟を決めて一気に安全地帯まで這い上がった。
冷や汗をかかされた3m滝のすぐ上にある15m滝。直瀑でなかなか立派である。右手に階段状の岩があり,簡単に越えることができる。
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8/31 8:24
冷や汗をかかされた3m滝のすぐ上にある15m滝。直瀑でなかなか立派である。右手に階段状の岩があり,簡単に越えることができる。
この後も断続的に小滝が続く。斜滝で水線沿いに登れるものが多く,飽きさせない。
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8/31 8:30
この後も断続的に小滝が続く。斜滝で水線沿いに登れるものが多く,飽きさせない。
面白いのは,このあたりの滝は写真のように温泉成分?が付着して白くなっているものが多いこと。この温泉成分のせいかどうかわからないが,確かにこの沢は,沢独特の生臭いにおい(いわゆる「沢臭」)が全くしない。魚影も全くない。水をすくって飲んでみると,心なしか少しケミカルな後味がするような気がする。
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8/31 8:31
面白いのは,このあたりの滝は写真のように温泉成分?が付着して白くなっているものが多いこと。この温泉成分のせいかどうかわからないが,確かにこの沢は,沢独特の生臭いにおい(いわゆる「沢臭」)が全くしない。魚影も全くない。水をすくって飲んでみると,心なしか少しケミカルな後味がするような気がする。
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8/31 8:32
青空の下,美しい小滝がにぎやかに続く。
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8/31 8:46
青空の下,美しい小滝がにぎやかに続く。
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8/31 8:53
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8/31 8:56
8mほどの滝。左手が登れそうだったが,安全第一で右手の樹林帯から簡単に高巻いた。
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8/31 9:01
8mほどの滝。左手が登れそうだったが,安全第一で右手の樹林帯から簡単に高巻いた。
次第に両岸の壁が低くなり,谷が開け始めた。
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8/31 9:12
次第に両岸の壁が低くなり,谷が開け始めた。
谷が開けた。さきほどの8m滝を最後に核心部を越えたようだ。
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8/31 9:27
谷が開けた。さきほどの8m滝を最後に核心部を越えたようだ。
水がケミカルな青みを帯びて美しい。
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8/31 9:35
水がケミカルな青みを帯びて美しい。
二俣に到着。通常,日帰りの場合は左俣に進路を取って大倉山避難小屋付近に詰めあがることが多いが,現時点で9:30。時間は十分ある。せっかくなので右俣の本谷に入り,稜線まで詰め上げることにした。
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8/31 9:36
二俣に到着。通常,日帰りの場合は左俣に進路を取って大倉山避難小屋付近に詰めあがることが多いが,現時点で9:30。時間は十分ある。せっかくなので右俣の本谷に入り,稜線まで詰め上げることにした。
右俣は概ね平流であるが,断続的に小滝が出てくる。簡単に登れるものばかりで楽しい。通過は全く問題ない。
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8/31 9:41
右俣は概ね平流であるが,断続的に小滝が出てくる。簡単に登れるものばかりで楽しい。通過は全く問題ない。
標高を上げるにつれ,空がどんどん開けてきて,谷は高山の雰囲気に満ち始める。
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8/31 10:04
標高を上げるにつれ,空がどんどん開けてきて,谷は高山の雰囲気に満ち始める。
光り輝く小滝を何度も越えていく。
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8/31 10:13
光り輝く小滝を何度も越えていく。
空に向かって登っていくかのような。
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8/31 10:15
空に向かって登っていくかのような。
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8/31 10:20
と,爽快な雰囲気から一転して急に両岸が険しくなり,奥に滝の気配が…緊張が走る。
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8/31 10:32
と,爽快な雰囲気から一転して急に両岸が険しくなり,奥に滝の気配が…緊張が走る。
回り込むと,ごく穏やかな斜滝が一本あるだけだった。ほっとしながら直登。
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8/31 10:34
回り込むと,ごく穏やかな斜滝が一本あるだけだった。ほっとしながら直登。
しばらくして,水流が数条に分かれた美しい滝が出てきた。左手を直登。これが最後の滝であった。
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8/31 10:48
しばらくして,水流が数条に分かれた美しい滝が出てきた。左手を直登。これが最後の滝であった。
最後の滝を越えると,谷はいよいよ源頭の雰囲気となった。
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8/31 10:58
最後の滝を越えると,谷はいよいよ源頭の雰囲気となった。
あたりは草原となり,風が吹くたびに谷一面に銀色の波が渡っていく。
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8/31 11:01
あたりは草原となり,風が吹くたびに谷一面に銀色の波が渡っていく。
途中,斜面から盛んに水が湧きだしているところがあった。白山の大量の雪解け水は山の中に蓄えられて,こうして方々で湧き出しているのだろう。
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8/31 11:02
途中,斜面から盛んに水が湧きだしているところがあった。白山の大量の雪解け水は山の中に蓄えられて,こうして方々で湧き出しているのだろう。
青空の下に気持ちのいい草原が広がり,その中に延びる白い散歩道のような沢を歩いていく。ここは本当にいいところだ。「いいところだなー」と,一人なのに何度もつぶやいてしまった。
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8/31 11:12
青空の下に気持ちのいい草原が広がり,その中に延びる白い散歩道のような沢を歩いていく。ここは本当にいいところだ。「いいところだなー」と,一人なのに何度もつぶやいてしまった。
高原植物もそこかしこに見られるようになった。
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8/31 11:35
高原植物もそこかしこに見られるようになった。
そしてついに,大白水谷の最後の一滴。
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8/31 11:14
そしてついに,大白水谷の最後の一滴。
本当に天国のようなところなのだが,歩いても歩いても,なかなか稜線が近づかない…。天国的な長さ…。
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8/31 11:16
本当に天国のようなところなのだが,歩いても歩いても,なかなか稜線が近づかない…。天国的な長さ…。
振り返ると,緑の大空間。いつの間にか周囲の山々ははるか低くなっていた。
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8/31 11:22
振り返ると,緑の大空間。いつの間にか周囲の山々ははるか低くなっていた。
結局,雪渓は全て溶けてしまったようで,一つの残骸も見当たらなかった。
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8/31 11:25
結局,雪渓は全て溶けてしまったようで,一つの残骸も見当たらなかった。
とうとう右手に御前峰が見えた!
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8/31 11:36
とうとう右手に御前峰が見えた!
と,ついに沢形は斜面に吸収され,行く手にハイマツの藪が現れた。ここで思案。このままハイマツの藪漕ぎに突入し,御前峰の山頂まで道なき道を直登するのが沢登りのフィナーレとしては最も正統的で美しい。しかし登山道からは丸見え…。結局,近くを通っているはずの平瀬道に合流して,正規の登山道経由で御前峰を目指すことにした。
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8/31 11:46
と,ついに沢形は斜面に吸収され,行く手にハイマツの藪が現れた。ここで思案。このままハイマツの藪漕ぎに突入し,御前峰の山頂まで道なき道を直登するのが沢登りのフィナーレとしては最も正統的で美しい。しかし登山道からは丸見え…。結局,近くを通っているはずの平瀬道に合流して,正規の登山道経由で御前峰を目指すことにした。
谷から離脱する直前,遡ってきた大白水谷を振り返った。本当にいい谷だった。ありがとうございました。
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8/31 11:47
谷から離脱する直前,遡ってきた大白水谷を振り返った。本当にいい谷だった。ありがとうございました。
地形図で平瀬道が通っているであろう方角に当たりをつけ,頭より高いハイマツの藪漕ぎに突入。枝に乗っかり宙を進むハイマツ独特の藪漕ぎで進んでいく。
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8/31 11:52
地形図で平瀬道が通っているであろう方角に当たりをつけ,頭より高いハイマツの藪漕ぎに突入。枝に乗っかり宙を進むハイマツ独特の藪漕ぎで進んでいく。
10分もしないうちにぽっかりと平瀬道に合流。ハーネスなどの沢装備を解除。室堂に向かう。
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8/31 11:58
10分もしないうちにぽっかりと平瀬道に合流。ハーネスなどの沢装備を解除。室堂に向かう。
室堂にザックをデポし,御前峰に向かう。
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8/31 12:28
室堂にザックをデポし,御前峰に向かう。
室堂方面を振り返る。
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8/31 12:37
室堂方面を振り返る。
御前峰に着。5月に山スキーで登って以来。
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8/31 12:40
御前峰に着。5月に山スキーで登って以来。
大汝方面。
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8/31 12:41
大汝方面。
東面台地方面。谷筋も雪渓は跡形もない。やはり今年は雪が少なかったのだろうか。
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8/31 12:51
東面台地方面。谷筋も雪渓は跡形もない。やはり今年は雪が少なかったのだろうか。
御前峰で眺めを楽しみ,お社で下山までのご加護をお祈りした後,平瀬道を下山。途中,大白水谷を眺められるポイントが何か所かあった。遡ってきた谷を眺めると何か感慨深い。
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8/31 13:28
御前峰で眺めを楽しみ,お社で下山までのご加護をお祈りした後,平瀬道を下山。途中,大白水谷を眺められるポイントが何か所かあった。遡ってきた谷を眺めると何か感慨深い。
真ん中の尾根が平瀬道の通っている尾根。その左手の白くうねっている谷が大白水谷。
実は平瀬道を使うのは今回が初めてだったが,ブナやシラカバの大木がびっくりするほど林立しており,お気に入りの白山の道の一つとなった。
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8/31 13:52
真ん中の尾根が平瀬道の通っている尾根。その左手の白くうねっている谷が大白水谷。
実は平瀬道を使うのは今回が初めてだったが,ブナやシラカバの大木がびっくりするほど林立しており,お気に入りの白山の道の一つとなった。
御前峰と剣ヶ峰を振り返る。また来ます。
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8/31 14:11
御前峰と剣ヶ峰を振り返る。また来ます。
歩きやすい平瀬道を無事下山。大白水の露天風呂で汗を流し,帰路に就いた。
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8/31 15:15
歩きやすい平瀬道を無事下山。大白水の露天風呂で汗を流し,帰路に就いた。
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