雨とガスの笠ヶ岳*苦行の初テン泊
- GPS
- 32:00
- 距離
- 19.6km
- 登り
- 1,949m
- 下り
- 1,930m
コースタイム
2日目 7:11テント場(4:53-5:13笠ヶ岳山頂)-8:08杓子平分岐-8:57杓子平9:14-11:40笠新道登山口-12:20林道ゲート
天候 | 15日 雨のち曇りのち雨 16日 曇りのち晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
天気いまいちだったので駐車場は実は空いてたかも? |
コース状況/ 危険箇所等 |
●林道ゲートに登山ポストあり ●水場 笠新道登山口の水場は出ていなかった それより少し手前の水場かその先のわさび平小屋の水場で補給を、それ以降は小屋までまともな水場はなし。 杓子平には融雪の川があちこちにありいざとなればここで補給も可能かも。テン場の水場も似たようなものだし。 雨のせいか雪融けのせいか杓子平あたりの登山道は川でした。 ●残雪状況 杓子平手前のルート上に数mほどの雪渓2カ所あり、特に問題無し。 杓子平から稜線までは10~50mほどの雪渓トラバースが3カ所あり。雪は緩んでいて滑落の危険はない。 踏み抜きの跡ありそれだけ注意。 稜線上はルート上に残雪なし テント場から小屋まで20〜30mほどの雪渓トラバースあり。 これから急速に融雪が進むでしょうから1週後には状況はがらりと変わってるでしょう。 ●テント場 雪渓の左岸(?)に10〜20張ぐらいのキャパ。 1~2張分のスベースごとに区画されその周囲は石が積まれていてテントごとに適度な距離が保たれていて比較的プライベート空間を確保できる。ほぼ平坦に整地されていて水はけも良かった。初めてのテント泊にはやりやすく感じた。難点は小屋まで5分それなりの傾斜を登り、雪渓を横切らなければならず、サンダルでは厳しい。水場は雪渓下部の雪融けの流水。テン場から2〜3分。事前情報ではパイプと大きな桶が設置されてたはずだがこの時はなかった。水場は崖っぷちにあり夜間と濃霧時は危険。小屋の外の蛇口でも無料で水が汲める。 水場とトイレの不便さ以外は快適なテン場。晴れていれば眺望もよかったはずだが.... ●下山後の温泉&食事 いつもの平湯の森へ。500円はお得。施設内のレストランは連休のせいか長蛇の列。ここから徒歩3分のバスターミナル横にあるよし本へ。山菜冷やしそばと苦行のご褒美に飛騨牛陶板焼き(2000円)を奮発。まあまあです。 |
写真
感想
数年前山を再開したころに心に誓ってたことが2つ。
①雪山は行かない、死ぬから。
②テント泊はしない、しんどいから。
どこをどう間違ったのかついに2つともふらふらと手を出してしまった。
恐るべし山の魔力。まさか冬テントまではしないとは思ふけど...
とにかく今年はテントをやるぞっていつの間にか決めていたのでした。
問題は、初テントをどこでやるか?
最初は笠取とか雲取とか八ヶ岳とか考えてましたが、
もたもたしてるいうちに暑い季節に。虫もイヤだ。
高い所がいい。できれば眺めのいいところ...
今年行っておきたい山の上位リストに笠ヶ岳がありました。
そして夏休みのテン泊縦走の前に1泊お試しテン泊をしなくてはなりませんでした。
単細胞の私は深く考えずにそれをくっつけてしまいました。
そうだ、笠ヶ岳へ行こう!
ところが1週間前の情報では杓子平から稜線まではまだ残雪多くピッケル、アイゼン必須とのことだったので、さすがにやめとこうと思い馴染みある常念蝶縦走にいったんは変更しました。
しかし、未練がましく笠ヶ岳山荘に前日問い合わせると最近降った大雨で一気に雪が融け夏道が出て残雪わずかでアイゼンピッケル不要というので、これ幸いとよせばいいのに笠に再変更。
無謀でした。
初テン泊に笠ヶ岳は。
テン泊山行を、笠新道を甘くみてました。
さらに予報が外れて雨ときたもんだ。
ただでさえきつい笠新道で20kg弱の重荷を初めて背負い雨まで降られては、苦行以外の何ものでもない。
正直黒戸尾根よりきつかったです。
テン泊を普通にこなしているみなさんを心底尊敬しましたよ。
夏休みの縦走を考えあえて軽量化をせずにお試しにといろいろ詰めたのも裏目に出ました。
笠新道を雨の中登りながら引き返す言い訳と登るモチベーションを闘わせながらうじうじと登っていると杓子平手前から雨が止んでしまい引き返す言い訳がなくなり、しかたなく明日の好天を信じて腹をくくります。
でもテン場に着いて雨だったら小屋に泊まろうと心に決めていました。
もう雨の中設営しようという気力は微塵も残っちゃおりません。
雨、ガスの山行で心を癒してくれるといえばお花と雷鳥さん。
花はたくさん見られてよかったのですが、雷鳥さんは姿を見せず。
そういえば最近お目にかかってないな〜。
稜線近くで雷鳥の調査をしている林野庁の若い職員に会い、「あそこにオスとメスがいますよ」と教えてくれたのですが、ガスと遠すぎでわからず。結局その後も見ることはなかった。
こんな時に君がそばにいて欲しいのに...ばか...。
ポキポキに心が折れながらもなんとか山荘に着くと幸か不幸か雨は降っていませんでした。
心のどこかで小屋に泊まることを期待してたのは否めません。この日は空いてそうだったし。
しかし、こんなとこまでわざわざ担ぎ上げてきたのだから使わなきゃそれこそ無駄骨というもの。
自宅で何度も張ったその成果を見せずして何とする。
で、疲れきった心と身体を奮い立たせなんとか設営。
濡れた服を着替えて雪渓を通って小屋まで行き支払いとビールを購入、テントに戻ってやっと一息つく。
あ〜この閉鎖的な空間がたまりません。標高2700mの別荘です。
景色がよければ最高だったのに。
この日のテントは10張ぐらいか?ガスが濃くてカウントできません。
レトルト&フリーズドライの山メシなるものを食すと睡魔に襲われそのまま寝落ち。
雨音と尿意で目を覚ますと20時でした。
雨と濃霧の中小屋のトイレまでの5分が今回一番危険を感じた場面でした。
テントに戻ると担ぎ上げたとっておきのクライヌリッシュを煽って、あきらめモードながら明日の好天を願ってシュラフに潜る。
雨風がテントを叩く音を聞きながら寝入ります。
そして、運命の翌朝。
テントを開けると見事なガス。真っ白。私の頭も真っ白。
テンションだだ下がりの中とりあえず義務的に山頂までいきます。
帰路はクリヤ谷を行くつもりでしたが、この天気で長くて危ないルートを選択するほど私はドエムじゃないので笠新道をすごすごと戻ることにしました。
雨と湿気で重くなったテントや装備一式は確実に昨日より重みを増しており身体だけではなく心にも負荷をかけてきます。
杓子平にさしかかったころ、ようやく陽がさしてガスがとれてきましたがスカッとは晴れず笠のお姿は最後まで見ることはできませんでした。
杓子平から先は穂高は見えないのに無駄に暑い日差しに照らされてこれならガスってたほうがマシだとお天道様を呪いながらふらふら下りました。
林道ゲートに着いたときは精魂尽き果ててました。
きつさばかりが感じられて決して楽しいとは言えない残念なテン泊デビューになりました。
せめて晴れていればもっと印象が違ったと思いますが。
実際にやってみると思った以上に身体への負担が大きく、この荷物を背負って3,4日縦走は今のままではちょっと無理かも。もっと身体を鍛えるか、軽量化を目指すかしないと。
ただ経験値は確実にあがったとは思いますし、心と身体の鍛錬になったことは収穫かな。
今心に強く決めていることは、次の山行は楽なところにしようということと、晴天のときに笠ヶ岳をリベンジするということ、ただし日帰りで。
kanosukeさん、こんにちは。
笠新道、初テン泊、大変お疲れさまでした。
予定通り、飛騨の名峰に行かれたのですね。
しかし、こ、これは、完全なるM。じゃなくて、相当な苦行
昨年、日帰り装備でも、急登っぷりにヒィヒィ言いながら登った、笠新道。
テント背負って登ったら、やっぱり大変なんですね。。
何度も、引き返そうかと思う気持ち、とても良く分かる気がします。
(笠新道も、天気が良いと、かなり景観良いんですが。。)
でも、悪条件の中、最後までやりきったkanosukeさんはさすがです
修行(苦行?)により、確実に悟りの境地に近づいたものと思います
晴天の笠ヶ岳リベンジ、お待ちしております
私も、今年、また笠ヶ岳に再訪したくなってきました。
初テン泊で笠ヶ岳はキツイだろうなーとは思っていましたが、天気にも恵まれなかったとは。やはり日頃の行いに問題が…
いやはや、何はともあれお疲れさまでした。
ところでお試しとはいえ一泊で20kgって、いったい何が入っていたのでしょう。酒?
私は縦走するときは小屋泊まり!と心に決めております(笑)。
kanoさんは歩荷トレーニングして、頑張ってくださいね!
cirrusさんコメントありがとうございます
みなさんのレコを拝見すると海の日三連休の北アはどこも悲惨だったみたいで撤退の文字が目立ちます ね
cirrusさんの行かれた南アとはえらい違いです
行く前にcirrusさんの去年のレコの写真を見させてもらって素晴らしい眺望を夢想していたのですが、残念極まりないです
ご指摘の通りがっつり修行させていただき、いろんなことを悟らせていただきました。
自分の限界も痛いほど思い知らされましたし、今後の山行にいかされるでしょう...たぶん...
次はクリヤ谷を歩きたいですね〜
もちろん日帰り装備で
geraさんの忠告におとなしく従っていればよかった〜
>日頃の行いに問題が…
...否定できない自分が悲しい
20kgの装備の中身で余計なものというと、
ウィスキー500ml(おっと、これは必需品でした)、つまみもろもろ、文庫本、衣類多め、食材多め、予備カメラ、シュラフシーツ、クレイジークリークのリクライニングチェアーなどなど。
南ア南部3泊4日の装備重量を想定して、そしてテン場での快適ライフを送るためにあえていろいろ持っていってみました。
実際に背負ってみるとこの重量での行動能力がなんとなくわかったので、そういう意味では無駄ではありませんでしたよ〜だ (半分負け惜しみ)
geraさんもテン泊だったんですね〜、状況がだいぶ違いますけど。
そっちはずいぶん楽しそうですね、別にうらやましくなんてないですけどね
次のコラボはテン泊にして2人仲良く修行しましょう!
せっかくテントあるのに使わなきゃもったいないですよ
kanosukeさん、こんにちは、初テント泊お疲れ様でした。
苦行レコ、すっかり楽しませてもらいました
初テント泊で笠新道ピストンなんて、めちゃめちゃMっ気
丸出しではないですか
普通の人は笠新道は日帰り装備でも、しんどくて登る気にはなれませんし、
初テント泊はもっとソフトなところから始めますよ
ちなみに私の初テント泊は上高地の小梨平でした。
バスターミナルから徒歩5分、お風呂、食堂、生ビール付き・・・
夏休みにはテン泊縦走を予定してるようで、Mレコが楽しみですね。
おそらくドエムなルートを考えているんでしょうから
ronさん、あたたかいコメントをありがとうございます
私の場合Mなのではなくてアホなんですよ。
職場ではドSで通ってるんですけどね〜
疲労度の計算:軽荷で日帰り=重荷で1泊2日
などというおばかな方程式をこしらえてたのです。
「=」ではなく「<」でした
厳密にいうと私の初テン泊も小梨平でした。10才のときです。
家族で穂高の帰りに信大の山岳部のテントに父親がOB風吹かせて
強引に泊まらせてもらったのです。
そのとき見た天の川の美しさは今でも覚えています。
ronさんの行かれた白馬方面はけっこう良かったんですね。
同じ来たアでも北部と南部でずいぶん違うんですね。
私もそっちにしときゃ良かったですよ
夏休みの縦走はご指摘の通りドエムなルートを考えていましたが
ソフト路線に変更です
kanosukeさん、初めまして。
楽しくレコを拝見させて頂きました。
私の20年振りのテント泊はたった2時間のゆる〜い登りでしたので楽勝でしたが、それでも久々に担いだ70Lザックの重さに、これは先が思いやられるなあ。。。という印象でした
kanosukeさん同様に踏み込んではいけない苦行の世界に来てしまったようです。全く山の魔力は凄いもので、山レコおたくにもなってしまった今日この頃
多分、初志貫徹されると思いますので、どMレコを楽しみにお待ちしております
いつも私のしょうもないレコを見てくださってありがとうございます
ほんとうに山の魔力は恐ろしいです。
ついつい自分の能力以上のことをやってしまいそうになりますが、
安全を意識して楽しい山行を心がけたいと思います
>多分、初志貫徹されると思いますので、どMレコを楽しみにお待ちしております
いや〜、そう言われましても御期待にそえるかどうか....
ただいま疲労が抜けきらない状態で思案中であります
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