奥秩父縦走(将監峠〜龍喰山〜大常木山〜雲取山)〜その不遇な稜線を行く〜


- GPS
- --:--
- 距離
- 33.3km
- 登り
- 2,599m
- 下り
- 2,597m
コースタイム
07:25 三ノ瀬駐車ポイント発
09:00 将監小屋着(1:35)
09:10 同 発
09:55 竜喰山 着(0:45)
10:05 同 発
11:00 大常木山着(0:55)
11:10 同 発
11:45 大ダワ 通過(0:35)
12:15 飛龍山山腹着(0:30)
12:20 同 発
12:30 禿岩 着(0:10)
12:35 同 発
12:40 飛龍権現通過(0:05)
13:00 飛龍山 着(0:20)
13:05 同 発
13:25 飛龍権現着(0:20)
13:40 同 発
14:15 北天ノタル通過(0:35)
15:20 狼平着(1:05)
15:25 同 発
15:55 三条ダルミ通過(0:30)
16:35 雲取避難小屋通過(0:40)
16:40 雲取山頂上通過(0:05)
17:00 雲取山荘着(0:20) 合計9:10(休憩除く)
<7/16>
04:10 起床
05:00 朝食
05:35 雲取山荘発
08:05 北天ノタル着(2:30)
08:15 同 発
08:45 飛龍権現通過(0:30)
09:45 42/46林班界先の石門着(1:00)
09:55 同 発
10:55 将監小屋着(1:00)
11:25 同 発
12:35 三ノ瀬みはらし着(1:10)
12:45 三ノ瀬駐車ポイント着(0:10) 合計6:20(休憩除く)
天候 | 7/15 曇り〜ガス〜曇り 7/16 晴れ〜少しガス〜晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
[復路] 往路を戻る |
コース状況/ 危険箇所等 |
<コース状況> 〇哀寮ァ曽監小屋 ・林道歩きで特に問題ない。 ・林道から七ッ石尾根にとりつく分岐には以前、指導標があったが今は何もない。黄色のテープがついた棒が立っているのみ。 ・以前指導標のあった「ムジナの巣」の水場も何も表示がない。 ・将監小屋の手前で直接峠にあがる明瞭な道があるがそこにも表示がない。正確に言えば朽ちた指導標が林道の法面に立てかけてあるが何も読めない。 ・将監小屋の水場の水は豊富。 ⊂監峠〜竜喰山 ・将監峠には指導標がある。 ・ここから大ダワ(大常木山・飛龍山鞍部)に向かうトラバース道が始まるが、1〜2分でトラバース道から分かれ細々とした踏み跡が尾根上についておりこれをたどる。鹿柵を右に見ながらの上りとなる。 ・・1883までまっすぐなフミアトを直上する。 ・・1883は樹林がなく岩のこぶとなっており、天気が良ければ富士山や南アルプスの展望が期待できる。 ・右に直角にいったん下り、1940mの肩からゆるやかに登って竜喰山の頂上に導かれる。 ・竜喰山の頂上は樹林に囲まれて展望はない。頂上には二等三角点が置かれており、また大きな山名表示板がある。 N偽山〜大常木山 ・竜喰山からの下りは要注意。ピークから北東に延びる天目尾根に誘い込まれないようよくコンパスを見ること。感覚的には頂上で右に直角に折れて下る。テープ等はない。 ・この稜線は背の低いササが茂っている原始境。奥秩父のホントウの自然はかくやと思わせる感じだ。 ・・1999を越えると次の小コブ(1980m)で右に45度折れて下る。北東に延びる尾根に迷い込まぬよう注意が必要。ここにも特にテープなどはなかった。 ・その先の小コブで右にモリ尾根が派生しているがこれに迷いこまないように左30度に行く。ここにはテープがあり、明瞭なフミアトがあるのでわかりやすい。 ・やがて岩尾根となり2つめのピークが大常木山でKUMOさんの表示板があるのでそれと分かる。 B臂鑢攣魁疎腑瀬 ・大常木山から岩尾根を行くがそのうちに尾根の右斜面をフミアトがトラバースするようになる。このあたり鹿などのけもの道が縦横に走っておりどれが本当のフミアトかが分かりにくい。尾根の右側を進んでいる限り問題がない。 ・いったん小沢を渡りフミアトが薄くなるが沢の向こう側にフミアトは続いている。 ・細かくフミアトを拾えばやがて尾根は広くなりそのまま飛龍山とのコルである大ダワに飛び出す。 ぢ腑瀬襦善声荵 ・一般の縦走路であり明瞭。 ・延々とトラバースが続き、思った以上に時間がかかる。 ・忠実に尾根をたどるフミアトもある。トラバース道は三つ山も巻いてしまう。 ・狼平は気持ちがよい場所。 ・三条ダルミは広いコルでテントも張れる。登山道はオーバーユースで荒れてくる。 ・雲取小屋へのトラバース道は「道が悪いので閉鎖」というよくわからない理由でロープが張られており通行できない。 ケ声荵柿 ・一泊二食7500円(素泊まり5000円・夕食1500円・朝食1000円) ・水場・トイレあり(清潔) ・ビール500円/缶(350ml) ・小屋前はムシが多くたいへんうっとうしい。 http://www1.ocn.ne.jp/~kumotori/ ζ帰り湯 ・のめこい湯(道の駅たばやま) 600円/大人 ・はだかでまどろむことのできる保温室があり、ここで大汗をかきながらの仮眠が最高! http://www.nomekoiyu.com/index2.html |
写真
感想
<7/15(日)>
三連休に北ア・燕岳〜餓鬼岳を夫婦での小屋泊まり縦走しようと考えていた。しかしカミさんから「山小屋二泊で2人で4万円は高すぎっ!これだけあればリゾートで楽しめる」ということで登山前に撤退(笑)。ま、梅雨明け前で北アの天気は今ひとつだし、九州では大雨で大きな被害もでている。無理して行くのもどうかと考え直し、目的地を”物色”していた。
そうだ、奥秩父稜線の未踏地帯だ。---それが将監峠〜雲取山の間だった。これをつなげれば自宅(東伏見)から奥秩父の小川山までが全部つながる。縦走路はどういうわけか山腹を巻いている。どうせ行くのなら”稜線主義”で尾根すじを行きたいと考えた。
実は今年の3月、この尾根にひとりで出かけた。冬山装備は重く体調は最悪。手袋を落とし探しまくるというトホホをやらかし(それは登山口に落ちていた…)、雨が降り出してきたところであえなくの撤退を決意。七ッ石尾根の途中だった。あまりに情けない、あり得ない下山に自分でも呆然。考えてみれば前の晩、三ノ瀬までの林道にでっかい落石が多数あってヘッドライトの中でドカすのに汗したり、太い架線が林道を通せんぼしていて車が通れなかったりで戻って駐車したりと登山を拒絶する山の暗示?(笑)がいくつもあった。帰宅したらカミさんから”山の神様が止めといたらと言っているのよ”と慰められ納得したりしたものだ(苦笑)。
三ノ瀬までのドライブで大変なことに気がついた。地図を家に置いてきてしまったのだ。取りに帰る時間はない。けれど地図がなくして今回はいけない。山のナビなんてもちろんない。どうしよう、稜線を行くのも半分あきらめかと思いつつ運転するうちに、「そうだ!道の駅のパンフに地図が印刷してあるかも知れない」と思い立った。道の駅たばやまにあわてて立ち寄り、観光案内所に行ってみると案内所はしまっていたが一種類のパンフだけ外に置いてあってそこに4万2千分の一の縮尺の地形図が印刷されていた。ありがとう! 今回は山の神様が味方してくれている!
三ノ瀬には2時間半ほどでついた。ガスが出ていて天気はイマイチだが、予報通り確実に良くなるだろう。今日だけガマンと思いつつ将監小屋へと急ぐ。七ッ石尾根の分岐の指導標はなくなっていたし、ムジナの巣の水場の表示もない。将監小屋への道の手前で峠への登山道が分かれるがそこには以前から朽ち果てた指導標が倒れているがまるで字が読めない。これもまた奥秩父の原始性か? 将監小屋はいつ来ても静かだけれどそれがいい。竜喰山を見上げるがガスがうず巻いている。思い切り水を飲んだあと将監峠へと向かう。
峠から右に折れて上るとすぐに縦走路はトラバースが始まる。そこから左斜めに細々とした踏み跡に入っていく。右側には鹿柵が続く。標高があがると風雨が強まる。早くも靴の中はグチョグチョになってしまった。踏み跡は細々と続く。最初のこぶは岩で、天気も良ければ展望もいいのだろうが、今は白の世界だ。こぶから右に折れて下る。踏み跡はしっかりしていてあまり不安がない。もう一段肩をのぼり、さらにひと登りして竜喰山の頂上についた。樹林の中だ。龍は今年の干支。そしてここの標高は2012mすなわち2012年。正月に登ればもっと良かったかも?なんて思った。大きな表示板と三角点が鎮座している。ここで雨具を遅ればせながらつけた。
頂上から直進するが数歩歩いて何かおかしい。地図をみると北東の天目尾根(北東方面)に歩きかけていた。道の駅の地図とコンパスをみると方向が違った。危なかった。戻り、右に直角に曲がる。踏み跡は一段と細くなるが、(将監峠から龍喰山まで往復する人が多いのだろう)しっかりしている。この尾根は原始境だ。草原あり、森あり、岩尾根あり。
鞍部から登り最初のコブで尾根が左斜めに分かれる。ここは、右斜めだ。左の尾根には踏み跡がないからそれと分かるだろう。たまにテープの類が木に巻きつけてあったりするが気まぐれで密度も濃くはない。次のコブは斜め左だが、踏み跡が明瞭であり、先にテープもあるので大丈夫だろう。やがて岩尾根がでてきてそれを越えると2つ目のコブが大常木山だった。
やはりガスで何も見えない。でも本日2つ目の頂上を踏めて満足した。
大常木山からも岩尾根が続き楽しい。2つほど行くうちに右側に尾根の右側をトラバースする明確な踏み跡が出てくる。このあたり鹿のけもの道が縦横に走っていてどれが人間のものなのかは分かりにくい。
しかしながら尾根スジに戻ると大常木山の東から北東に伸びる尾根に迷い込む可能性もあるかもとこのまま尾根の右腹をトラバースすることにした。岩くずの小沢に出るの直前は踏み跡が乱れている。このまま小沢を下れば縦走路だろうとも思えたが、そのまま下れるかどうかも分からず躊躇した。結局、小沢を横切り、細いフミアトを不安をもちながら進むとまたハッキリしてくる。このあたりになると尾根も広くなってきて鞍部近しを思わせる。右下を登山者が歩いているのが見えた。やった!縦走路だ。そのままフミアトをたどりあっけなく縦走路に出た。
大ダワの次のコルでは研究者がカメラを樹木に括りつけていた。「何やってるんですか」「動物の写真を撮ろうと思って」。よくある、動物が通過するとシャッターが落ちるタイプだろうか。飛龍山の禿岩に立つと少しずつ山のガスがあがってくるのが分かる。もう少しで梅雨明けだ! 飛龍山頂上は飛龍権現から意外に時間がかかる。おまけに頂上三角点や飛龍山の表示がある場所は最高点ではない。手前のコブが最高点だ。
飛龍山をやっつけるとあとはひたすら雲取山荘へと急ぐ。北天のコルを経由しトラバース道を三ッ岩〜三ッ山を巻きつつつ進む。三条ダルミは広いコル。道の駅の地図には、ここから雲取山荘へのトラバース道が通れるように記されていたが実際にはロープで通せんぼしてある。がっくり。疲れた体には、雲取の標高差200mがことのほかしんどい。何とか登り切り、夕暮れの山頂を過ぎて心の中でビール、ビールと叫びながら山荘へと向かう20分が非常に長く感じた。山荘で買った500円のビールはあっと言う間に胃袋に収まっていった。
<7/16(月)>
昨夜は夕食後、小屋の前で十二支山ノ会の方々や単独のテント山行者ふたりと楽しく談笑した。それにしても小屋の前はムシが多い。なかには刺す不埒なやつもいる。疲れてすぐに眠ったが目が覚めたらまだ23時。小屋の前に出てみると星はあまりでていないが、下界の東京の夜景がとってもきれいだった。朝は5時から朝食だが、その前にご来光。4時38分。めいめいに楽しむ。カミサンにもご来光をメールした。 朝食後すぐに出発。雲取山頂を過ぎ、すぐに三条ダルミに下る。ソロの山ガールが下っていたが、防虫ネットを顔にかけていた。なかなかいい。女ひとりで山に登ってこわくないんですか?と聞いたら、誰も行ってくれる人がいなくて…と。そんな山好きが世の中にはいっぱいいるんだよなー。
あとは忠実に縦走路をたどり昼過ぎに三之瀬についた。帰りにのめこい湯で至福のときを過ごしたのだった。
これで自宅から奥秩父・小川山までつながった。こうして自宅でパソコンに向かっていても小川山頂上のうっそうとしたシャクナゲ林がソバにあるような気がしてくる。あの時はメガネを自分で踏みつぶして苦労したんだったな。
自己満足なれどちょっとだけウレしい自分がいます。
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