大船山 - 紅葉状況は最高なるも天候が...
- GPS
- 09:26
- 距離
- 11.6km
- 登り
- 1,047m
- 下り
- 1,042m
コースタイム
- 山行
- 7:28
- 休憩
- 1:54
- 合計
- 9:22
天候 | 曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年10月の天気図 |
アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
『大戸越』から『北大船山』経由で『段原』ならびに、 『段原』から『風穴』へ向かう『米窪』の縁に伸びる登山道は道幅が狭い上に、 ミヤマキリシマ、ノリウツギの枝の張り出しが酷く、服や装備品に引っ掛かるわ、肌を傷付けるわで非常に歩き難いです。 カメラのレンズキャップや首に掛けたタオル、後付けポーチ等も気付いたら無くなってたということに。 |
その他周辺情報 | 男池登山口からの山行の場合は、男池から約15分のところにある『馬子草温泉きづな』を良く利用します。 立ち寄りで500円。 泉質は炭酸水素塩・硫酸塩泉。 黄色く濁ったお湯で皮膚病、火傷、関節痛などに効果があるとのこと。 晴れていれば露天風呂から三俣山や硫黄山から立ち上る白煙(水蒸気?)が望めます。 |
写真
感想
【今回は非常に長文です】
当初は男池から『天狗岩』へ登り、その後、風穴から米窪外縁へ上がり、段原経由で『大船山』、そして下山は『北大船山』と大戸越を経由して男池へという計画だった。
しかし、前日になり予報が「雨の降り出しが早まる?」ということで計画変更。
とりあえず、既に紅葉のピークを迎えている大船山を最優先に、山頂から見る『黒岳』方面の状況と時間をみて天狗岩へ登るかどうか決めることに。
そんなこんなで明日の天気にやきもきしながら男池で車中泊準備をしてる際に、すぐ傍の車に戻ってきた女性(2人組)に声を掛け、大船山の様子を伺うと「とても綺麗でした」とのこと。
ただ祝日だけあって人がとても多かったそうですが、それでも「素敵だった」という✨
これなら明日もきっと最高の紅葉が待ってるぞ!
20時半就寝、4時起床、5時過ぎ行動開始。
もちろん真っ暗闇。
駐車場には、おそらくテン泊してる人の車1台、それと深夜のうちに到着したであろう車、そして私の車の3台。
昨日到着した時は、たくさんの車でごった返してたのにな。
暗闇の中、ライトの灯りだけを頼りに独り歩く。
1時間後にはこの深い森の中にも薄光が降ってくるだろう。
それまで少しの辛抱だと言い聞かせつつ『かくし水』を通過する。
時間的にはいいペース。
それにしても有刺鉄線のゲートって、まだ必要なのかな?
”これより先は牛の放牧中”って書かれてるけど、牛見たことないよ?
放牧してないなら有刺鉄線は撤去したほうがイイ気もするけど。
あれもひとつの景色ってことなのかな?
そんなことを考えながら、ふと見上げると空と樹冠の境目が薄っすら見えてきた。
『ソババッケ』へ着くと空は明らかに白く、ライトはまだ必要なものの足元は肉眼でも見える程度となった。
そして、ソババッケは最近の雨と大勢のハイカーの影響で広大な泥濘と化していた。
ソババッケ先の分岐を『大戸越』へと進み、束の間の平坦路は終了、再び登りへ。
徐々に森にも陽の光が満ちてきた。
牡鹿が鋭く「ピィィィィィヤァァァァ」と鳴いている。
雌鹿が突然「キャンッ!」と鳴き、近くから跳ねて逃げていく。
お尻の白い毛を逆立たせて、距離を取ってこちらを振り返る。
そしてまた跳ねて行った。
大戸越が近くなると、岩から黒土へと足元が変化する。
同時に勾配が緩やかになり、植生も変わる。
そして、鼻を突く独特の臭いに「んっ!!」となる。
大戸越には07:10着。
男池出発が05:10だったので、丁度2時間が経過。
暗闇の中を歩いてきたことを考えると、なかなかのペース。
むしろオーバーペースか。
ここで長袖シャツを脱ぎ、苦手な『北大船山』への登りに備えて半袖一枚となる。
暑がりなので、これくらいが丁度よい。
人がちらほら見えるようになったら、上着を羽織ろう。
北大船山への登り途中、標高1,600m付近で休憩がてら朝食のおむすびを頬張る。
さぁ出発という時、突如後方に人が現れた。
ちょうど良かった。
この先、道幅は狭くなり道をゆずる箇所も限られる。
「どうぞ」と道をゆずり、軽快に登っていく男性を見送った。
年齢は50〜53歳といった感じだが、荷物も少ないせいかスイスイと登っていく。
それ以上に驚いたのは、夜露。
狭い登山道に両側からミヤマキリシマの枝やら、ススキ等の葉が張り出しているが、その先には夜露が付いている。
なるべく濡れないように露払いしつつ歩くのだが、それでも濡れる。
なのに、その男性が通った後、葉先にしっかり夜露が残っているのだ。
露払いしてもらえてラッキーかも!と思っていたが、予想外の結果に「もしかしてあの人は天狗か!?私の見てない所で、ぴょーん!ぴょーん!と草木を避けて飛ぶように歩いてるんじゃ?」「それとも枝葉を避けるようにクネクネ歩く軟体生物なのでは!?」と、どうでも良いことを考えていた。
が、登りきって稜線に出ると約200m先を普通に歩いている男性が見えた。
一方、私の方はミヤマキリシマの枝にザックを引っ掛けながら、前進するのに往生こいていた...
このルート伐採、剪定作業って計画あるのかな?
さて、北大船山は標識撮影を忘れるくらいにささっと通過し、相変わらず枝に全身を阻止されつつ『段原』へ08:21到着。
この時点で標準タイム?を10分オーバー。
タイムを気にしてるわけじゃないけど、やはり張り出す枝の影響が大きいのだということが判る(笑
さて、段原から大船山を見ると...
全く見えません!
真っ白けです(涙
昨夕のカワイイお姉さんの顔が浮かびます。
「紅葉とても綺麗でした!」
昨日はあんなに晴れてたのに...(涙
この悔しさを慰めてくれるのは、もはやあのお姉さんの微笑みしかありません。
この現実から逃避するため、脳裏には暫くそのお姉さんが浮かびました。
それはイイとして。
避難小屋が完成してました。
立派な小屋です。
ガラス窓も付いてるし、奥部分には6畳程度の板間がありました。
感謝感謝。
さて、大船山への最後の急登を息絶え絶えに登りきるも、ドキドキして顔をすぐに上げることが出来ません。
ガスで目も当てられない状況だったら...そんなことを考える刹那。
まずはそぉーっと山頂標識に目を向け、写真を適当に一枚。
そして、ようやく『御池』のほうへ目を向けます。
「おおーっ!」
声は出していませんが、心の中で感嘆の声を発していました。
ガスってはいますが、心配していたほど真っ白けではなく、山頂からしっかり池も周囲の紅葉も確認できます。
ヨカッタ!
昨夕の女神に感謝ですっ!
(女性→カワイイお姉さん→女神に昇格)
さて、池に降りてみますが、僅かにさざ波があります。
この程度ならなんとかなる感じです。
ただ、太陽の光がもっと欲しいところ。
50分ほど池の畔に居ましたが、そろそろタイムリミット。
山頂へ戻ります。
山頂では朝食part2のカレーパン。
後ろ髪を引かれつつ、10:10山頂を後にする。
この頃には、多くのハイカーも登って来て、それぞれに感嘆の声を上げていた。
段原へ降りると、今回が初となる『黒岳・風穴』方面へのルートへ向かう。
友人であり山の先輩である『ocelot7さん』からは、当初の天狗岩登頂後、風穴から段原へ登る計画を立ててた時に「これを登りたくないな...と思いながら下りたよ」と聞いていた。
幸い、計画変更に伴い登ることは無くなったが、そう思わせるほどの下りということには変わりはないハズ。
膝に痛みが出ても困るので慎重に下りようと心掛けた。
で、段原からは20分ほど『米窪』の縁を進むが、やはりここも枝の張り出しが酷い。
どっちを向いて進んでも引っ掛かるし、腕も痛い。
枝に注意していると、向う脛に激痛が走る。
地面近くの枝を切ったものがヒットしたようだ。
幸い歩行に支障が出るほどのものではなく、下山後に確認したらちょっと血が滲んだ程度のケガでした。
ホント、チェーンソーか斬鉄剣を振り回しながら歩きたくなる酷さです。
話が戻るが、米窪は直径500mほどの大火口(スコリア丘※)とのこと。
※マグマによる噴火活動により地表面にスコリア(岩滓。 マグマが吹き上げられて飛散冷却してできる岩塊、噴石)が放出され、火口の周りに積もって崖錐斜面をつくり、円錐台形の山を成したものを指す。
Wikipediaより一部抜粋。
なるほど、元々の山に突如大穴が出来たのではなく、ドカーン!ドカーン!とマグマを噴出してるうちに周りに降り積もったということか。
で、米窪を挟んだ反対側には大船山の頂があり、人影が沢山見えた。
「きゃー!すごーい!」「わーっ!」といった感嘆の声もかなりはっきりと頻繁に聞こえてくる。
そうこうしながら、火口縁をから徐々に離れ高度を30mほど下げたであろう頃、これからのルートの確認をするため地形図を取り出し、ロガーアプリを開こうとスマホポーチに手をやった瞬間...
「はっ!!!!!!!!!!」
スマホが無いっ!!!!!!!!
ザックのショルダーハーネスに取り付けていたポーチごとスマホが無くなっている...
簡単には外れないハズなのに何故っ!?
って、あの枝の張り出ししか理由は浮かばなかった。
ただ、いつ落としたかだけが気になった。
段原からすぐの場所だとすると、現在地から20分以上は戻る必要がある。
火口縁までの登り返しもキツイ。
この時点で11:05
場合によっては段原から大戸越へと戻るルートに再度計画変更する必要も出てくる。
スマホが見つからなければ、画像データや今回のログも無くなってしまう。
悲壮感を漂わせながら、目を皿のようにして探しながら来た道を戻る。
15分後、落ちていたスマホを無事に回収できた。
安堵が広がる。
段原まで戻るより、予定のルートを進むことを選択した。
実は距離や所要時間の問題よりも大事な理由があった。
スマホの紛失に気付いて戻り返す際、スマホを発見する直前に今度はレンズキャップを紛失していることに気付いたからだ。
つまり、スマホを見つけてもレンズキャップを回収するために再びルートを戻る必要まで出たということだ。
なんともついていない。
結果、レンズキャップも無事に回収出来たので、風穴へ向け下る。
この件で約30分のタイムロス。
”慎重に下りよう”といってた端から、向う脛をぶつけたり、装備品を紛失したり。
幸い、登山道の状況は勾配こそ急であるが、張り出す枝はなくなったので物を落とすといった心配はほぼなくなった。
少しではあるが、このルートを登る羽目になり、そのキツさを実感することとなった。
そんな時、そのルートを登って来た4人組パーティに出会う。
男性1名女性3名。
その中のおひとりから「私たちはまだこの上りを登るのでしょうか?」と尋ねられた。
愚痴っぽさはなく、爽やかな感じであった。
失礼ながら心の中で「ふふっ面白い人だなぁ」って思いながら、エールを込めて「あと10分ほど登ったら、勾配が緩やかになりますから頑張って下さい」と答えた。
それから30分ほど経った頃、12:10にようやく下りが終了。
少し北上すれば風穴、黒岳への分岐がある。
天狗岩の紅葉も見たかったが、大船山からもガスに覆われて黒岳の紅葉状況は全く確認できなかった。
また、予報では14時頃には雨が降り出してもおかしくない状況だったので、今回というか今年はこれで終わらざるを得なかった。
風穴からソババッケまでの道のりは約1時間。
大した登りはないが、折り重なるようにして転がる岩との闘いである。
足を置く場所を間違えると滑るし、歩幅も一定せず小刻みに変化させる必要が生じる。
風景としては美しく、九重連山の中でも最深部といった趣があるが、バランスを取るのに体幹を酷使する。
苔生した世界、巨木の世界を堪能しながら『奥ゼリ』の分岐を過ぎ、ソババッケまで間もなくというところで、今回ようやくトリカブトの花を発見。
ここまで既に散って実を付けたトリカブトはいくつもあったが、花が残ってて良かった。
ソババッケを通過直後、久しぶりの急登(笑
すぐに登りきるけど。
そして再びトリカブトの花を発見。
同級生にLINEで「この花はなんでしょう?」とクイズを出題。
その他にもたくさんのキノコ、ツチアケビ、ツリフネソウも見れて満足して男池に到着。
美しいブルーに癒されたらもうひと頑張り。
車まで残り約400m。
すると、ザックや帽子にパラパラと落ちるものが。
「雨だっ!」
なんとか間に合ったが、粒が大きいところから急にザっと降ることが予想された。
帰り支度の際に濡れるのもイヤだと思い急いで湧水群入口に向かうと降ってくるものがなくなった。
どうやら樹から落ちてくる小さな実だったようだ。
安堵の中、男池湧水群入口でおばちゃんに「朝早くて払えなかったので」と清掃協力金100円をお支払い。
無事に下山しました。
その後、帰り支度を整えていると、北大船山への登りで道をゆずった方に声を掛けられました。
御池でも少しお話をしたので顔を覚えていたようです。
「出来たら日曜日に再チャレンジしたいけど、紅葉は残っているかなぁ」という話でした。
車で出発したら15分ほど走って『馬子草温泉』で汗を流しました。
いいお湯です。
続いて向かうは玖珠の『竹やぶ』
鶏刺身、肝刺身などを買って帰るのが常。
この日も帰宅ルートを一旦外れて余計に7分ほど走って店へ。
車から降りて入口で異変に気付く。
店内が暗い。
入口のガラス戸に『定休日』の文字が...(涙
ホント、色々とついてなかった(笑
コメント
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綺麗な紅葉でしたね。ベストなタイミングを狙える嗅覚(?)がさすがです。
それにしてもスマホのロストは焦りますね・・・いろんな情報もあるし。
悪戯な女神がHansさんを帰らせたくなかったのかも知れません(笑)
見つかってよかった!!
風穴への下降は地形図で見ても大変ですよね。
もう何年も前ですけど下ったことがあります。下り終えて振り返りながら「これは登りたくないな」っと
九重連山もまだ未踏のルートがあるので、それを目指して登りたいです。
そんな女神さまの悪戯なら許しちゃいます(笑
私も今回初めてあのルートを下って、ocelot7さんの言ってた通りだぁ...
ここを登るのはイヤだぁと思いました。
すれ違ったパーティの方の言葉にもその辺の心情が表れてました。
私は今年は無理かもしれないですが、黒岳縦走(周回)してみたいですね。
かなり過酷なコースだと聞いてますが...
それにしてもここ数年、晴れ男POWERがめっきり低下してるので、晴れを司る神様を祀った神社にお詣りしたいところです。
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