叶山牢口ルンゼ遡下行・二子山ハイク
- GPS
- 06:00
- 距離
- 3.9km
- 登り
- 899m
- 下り
- 521m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
■■■重要■■■<2023年7月追記> 牢口周辺は、秩父太平洋セメント株式会社の叶山鉱山の敷地内であり、以前から入山禁止ではあったが、ある程度黙認されている状況であった。しかし2022年頃より禁止が強化され、警察沙汰となった例もある。捕まりたくなければ、当面の間、牢口への入谷は控えるべきである。 |
写真
感想
叶山牢口ルンゼ遡行・二子山ハイク記録
作成者:丸山
■日程 2019/11/4
■山域 西上州
■天候 晴れ
■メンバー
L丸山(35/OB)、迫野(35/D1)、山本(37/OB)
■総評
牢口は、側壁が100m以上もあるとんでもないゴルジュの中、手応えのあるクライミングを楽しめる、素晴らしい谷だった。ついでに行った二子山も、気軽に岩稜を楽しめる良い山だった。
■ヤマレコ記録
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-2095280.html
■時間
◯牢口
10:02 出発
10:10 ゴルジュ入口
10:30頃 地球儀滝登攀終了
11:00頃 2.5m樋状滝登攀終了
12:08-35 遡行終了点で休憩
14:07 帰着
◯二子山
14:58 出発
15:33 西岳山頂
16:01 帰着
■ルート概況(牢口のみ)
○牢口ルンゼ
※滝の落差等は自作遡行図に基づく。
※絶対ラバーソール推奨。
・白水隧道の右脇に車を置き、適当に斜面を下って、ゴミの多い沢を少し遡ると、沢が左に曲がる所で、急に深いゴルジュとなる。
・最初の2mナメ滝は、ラバーソールなら苦労しない。
・次が核心の地球儀滝。3m程度だが、ツルツルで難しい。水の少ないときはフリーでも上がれるようだが、増水しているため無理で、ボルトの抜けた穴にリングボルトを入れ、アブミでA1して越えた(リングボルト回収済)。
・次の1m滝も水流が強く厳しい。突っ張りで水流を跨いで突破(IV+)。
・その上の2.5m滝もツルツルで、しかも抜け口には邪魔なCSがあって難しい。突っ張りで上がり、上部で左壁に移って突破(VI-)。ロープで確保し、空身で登るべき滝。
・以降はゴルジュの幅が少し広くなり、巨岩ゴーロの迷路状を登る。部分的にIV+程度までの登りがあるが、ロープは不要。岩をくぐる所が多く、面白い。荷揚げが必要な滝もいくつかある。難しい場合は他の所からもっと容易に登れることが多い。
・空が開けてくるとゴルジュは次第に浅くなり、最後は3面張りコンクリートの水路となって遡行価値はなくなる。
・左岸斜面を適当に登ると、現役の石灰鉱山としての叶山の姿を見ることができる。
・下降時、懸垂下降が必要な箇所は2箇所。どちらも残置スリング及びカラビナあり。20m程度降りるので、45m以上のロープか、25m以上のロープ2本ある方が良い。ロープの流れに注意が必要。
○二子山
・西峰の上級ルートの入口はあまり分かりやすくない。III-程度の岩場が続き、ノーロープで快適に登れて楽しい。一方通行ではないが、ここを下山するのはお薦めできない。
■行動記録
・関越が事故渋滞していて、予定より30分以上遅れた。高速代を返してほしい。
○牢口
・滝はすべて丸山がトップで登った。
・地球儀滝に、うっかり雨具を着ないで挑んだらびしょびしょになり、後で寒くなった。
・次の1m樋状は、まずは迫野が挑んだが、激しい水流に負けて敗退。丸山は突っ張り作戦で水流を避けて突破。そのすぐ上の2.5m樋状滝はあまり難しくないだろうと思って荷物を背負ったままフリーソロで登り始めたが、これは失敗。15分の苦心のクライミングで突破し、残置支点にロープをフィックスして、後続はフィックスロープで下の1m樋状滝と共にゴボウで登った。
・巨岩ゴーロ帯ではそれほど水を浴びなかったが、相変わらず寒いままで、ゴルジュを抜けた広場が暖かくて大休止をとった。
・下降中は2回懸垂下降したが、2回ともロープがスタックし、登り返してやり直す羽目になった。
○二子山
・クライマー見物でもしようかと思っていたが、下調べゼロで行ったらゲレンデがどこだかよくわからないうちに周回して下山してしまった。調べたところ、ゲレンデは山の南側らしい。
○下山後
・帰り道、日ノ出町内を走行中にアナグマの新鮮なロードキルを見つけ、迫野が持ち帰った。翌々日に食べたが、脂身が多すぎるものの、癖がなく美味しかった。
■備考
・ボルト穴はあるのでジャンピングを持参する必要はないが、リングボルトは用意した方が良い。
・最近まとまった雨は降っていなかったが、3週間前の台風19号の影響か、かなり増水していた。石灰岩の保水力のなせる業か。
・ものすごく深いゴルジュ。奇勝中の奇勝である。
・牢口では人との遭遇なし。二子山はクライマーらしき人数人と出会った。
・ヤマビルなし。
・鉱山施設附近にあることから、人目や発破の振動による落石を避けるため、平日の入渓は控えた方が良さそう。
■CL感想
・ゴルジュ好きとしては、最高の沢だった。しかも4時間で終わる手軽さが良い。お薦め。
・増水しているとかなり濡れるので、春や秋は寒い。ゴルジュを抜けた所の日当たりがよく、暖まれたのが幸いだった。
・普段は水の少ない沢なのに、増水により迫力があって良かった。
・二子山は駐車場から近い割に、景色の良さとIII-程度のクライミングが楽しめる良い山。
■反省
・ちゃんと打ったと思って全体重をかけたリングボルトが、引き抜く方向に力をかけるといとも簡単に抜けた。リングボルトを打った時は、下方向だけでなく引き抜き方向にも荷重をかけてみて、ちゃんと効いていることを確認すべきである。
・厳しいクライミング(2.5m樋状)を荷物を背負ったままフリーソロでやって、ビビった。
・地球儀滝を目の前にしてつい雨具も着ずに突っ込んで、びしょ濡れになって寒くなった。
■迫野コメント・感想
・丸山カーがバッテリーの故障で遅れた。ツイてない。
・谷がものすごく深くて、遠くから見ても迫力がすごい。
・台風からしばらく経ってたはずなのに水量がすごかった。
・地球儀滝にホースが引っ掛かっていたので、A1後にそれを掴めば楽に登れた。下降時に丸山君が無言で撤去し、やるせない気持ちになった。
・1mと2.5m樋状の滝は、初トライで激シャワーを浴びて敗退したのと待ち時間が長かったのとで無茶苦茶寒くて震えが止まらなかった。風邪引かなかったのが奇跡。
・頭上を見ると細長い隙間から真っ青な空が覗いていて、川を見下ろしているかのようだった。
・現役の石灰鉱山を間近で見れたのは面白かった。
・懸垂下降後にロープが引っ掛かってしまったので丸山君が回収のため地球儀滝に登ったが、その際に抜こうとしているロープにA1してたのはどうかと思った。
・二子山の上級者コースは、看板はおどろおどろしかったが、実際登って見るとガバしかなくて大したことなかった。むしろ四つ足で登れるので楽。
■山本コメント・感想
・日本中探しても他になさそうな奇勝ゴルジュを4時間で楽しめる、極めてコスパのよい沢。二子山もおかわりすると完璧な一日になる。
・もっと人気になるべきだが、ずっと人の寄り付かない秘境であり続けてほしい、不思議な空間だった。
・11月にシャワークライミングをすると風邪を引くことを学んだ。
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