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Yamareco

記録ID: 2099715
全員に公開
沢登り
東海

【奥美濃】千回沢山(イチン谷から)

2019年11月09日(土) [日帰り]
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GPS
--:--
距離
10.0km
登り
883m
下り
870m

コースタイム

日帰り
山行
11:00
休憩
0:00
合計
11:00
6:10
30
駐車地
6:40
180
イチン谷・赤谷出合
9:40
180
684m二俣
12:40
250
千回沢山
16:50
20
イチン谷・赤谷出合
17:10
駐車地
天候 晴れ
過去天気図(気象庁) 2019年11月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
赤谷と才ノ谷の出合のダム管理道ゲート前に駐車(詰めれば2台程度駐車可能)
コース状況/
危険箇所等
徳山ダムの湛水により,奥美濃で最も登りにくい山の一つになってしまった千回沢山(せんがさわやま)。奥美濃らしい深い藪に包まれ,登山道はなく,沢詰めか、積雪期に登られることが多い。今回は北側の赤谷の支流であるイチン谷をルートに選んだ。

・ロングルートかつ下山も沢下降のため,本来は日の長い時期に実施したほうが良いと思います。
・イチン谷の下部は滝が散発的にしか出てこず,平流が続くため,のんびりムードになりがちですが,687m二俣を過ぎて終盤に入ってから急に滝の連打が始まり(しかも巻きも悪い),思わぬ時間をとられるため,時間配分に注意が必要。
・稜線は濃い藪であり,詰める支沢を間違えると強烈な藪漕ぎを強いられるため,源頭部でのルートファインディング注意。うまく詰めれば,短時間の藪漕ぎだけでほぼ直接山頂に上がれます。一番最後に地図にはっきり表れていない二俣が出てきて戸惑うと思いますが,山頂へは右です(コンパスで方角を確認すれば何となく分かるはず)。
・多雪地帯特有の急斜面+泥壁のV字谷が続くため,滝を高巻く際は注意が必要です。低く巻こうとすると手掛かりになる灌木が乏しく斜面も不安定で恐ろしい目に遭うことが多いため,安全を優先するなら,ある程度高いところまで登ってから巻いたほうが,灌木も豊富で斜面も安定しており巻きやすいと思います。
・沢下降時に滝を巻き下る際は,獣道を探して辿るようにすると,比較的安全かつまとめて滝を巻くことができ,時間短縮になります(今回,結局ロープは出しませんでした)。
・赤谷流域で全般的に言えることですが,赤谷もイチン谷も,非常にぬめりが強いです(これまで遡行した沢では最強レベル)。沢靴はフェルト推奨。
才ノ谷と赤谷(アカン谷)の出合から赤谷に入渓(舗装道路側から直接沢に降りる踏み跡があり,そこから入渓)。赤谷は昨年の同じ時期に1泊2日で本流を遡行して以来。懐かしい眺めだ。
2019年11月09日 06:15撮影 by  FinePix XP140 XP141 XP145, FUJIFILM
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11/9 6:15
才ノ谷と赤谷(アカン谷)の出合から赤谷に入渓(舗装道路側から直接沢に降りる踏み跡があり,そこから入渓)。赤谷は昨年の同じ時期に1泊2日で本流を遡行して以来。懐かしい眺めだ。
奥美濃らしいしっとりとした深い緑の中を,美しい流れがゆったりとくねりながら続く。連日の秋晴れで減水しており渡渉は膝下程度。昨年に比べると,今年はちょっと紅葉の進みが遅いかもしれない。
2019年11月09日 06:23撮影 by  FinePix XP140 XP141 XP145, FUJIFILM
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11/9 6:23
奥美濃らしいしっとりとした深い緑の中を,美しい流れがゆったりとくねりながら続く。連日の秋晴れで減水しており渡渉は膝下程度。昨年に比べると,今年はちょっと紅葉の進みが遅いかもしれない。
やっぱり赤谷はいいなぁ。イチン谷出合いまでの赤谷本流には滝は全くないのだが,美しい瀬と淵が続き,歩いているだけで陶然とした心持になる。
2019年11月09日 06:34撮影 by  FinePix XP140 XP141 XP145, FUJIFILM
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11/9 6:34
やっぱり赤谷はいいなぁ。イチン谷出合いまでの赤谷本流には滝は全くないのだが,美しい瀬と淵が続き,歩いているだけで陶然とした心持になる。
30分ほどでイチン谷出合に到着。イチン谷(写真の正面の流れ)に入る。
2019年11月09日 06:41撮影 by  FinePix XP140 XP141 XP145, FUJIFILM
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11/9 6:41
30分ほどでイチン谷出合に到着。イチン谷(写真の正面の流れ)に入る。
谷底から見える稜線は紅葉に燃えている。
2019年11月09日 06:44撮影 by  FinePix XP140 XP141 XP145, FUJIFILM
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11/9 6:44
谷底から見える稜線は紅葉に燃えている。
イチン谷に入ってからもしばらく平流歩きが続く。
この辺りはクマの気配が濃く,大きな足跡や大きな糞をところどころで見かけたため,エイト環を熊鈴がわりにジャラジャラ鳴らしながら歩いていく。
2019年11月09日 06:54撮影 by  FinePix XP140 XP141 XP145, FUJIFILM
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11/9 6:54
イチン谷に入ってからもしばらく平流歩きが続く。
この辺りはクマの気配が濃く,大きな足跡や大きな糞をところどころで見かけたため,エイト環を熊鈴がわりにジャラジャラ鳴らしながら歩いていく。
しかし,平流といっても,両岸は意外に険しく,支流は全て滝となって出合っている。
2019年11月09日 07:04撮影 by  FinePix XP140 XP141 XP145, FUJIFILM
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11/9 7:04
しかし,平流といっても,両岸は意外に険しく,支流は全て滝となって出合っている。
一瞬だけゴルジュっぽくなるが,中には何もなく,無事通過。
2019年11月09日 07:07撮影 by  FinePix XP140 XP141 XP145, FUJIFILM
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11/9 7:07
一瞬だけゴルジュっぽくなるが,中には何もなく,無事通過。
途中,不思議な光景を見た。40cm以上はありそうな大イワナが2匹,寄り添うようにして静かに淀みの底におり,1匹は底石にお腹を擦り付けるような動作を繰り返していた。多分,産卵をしているのではないだろうか。周辺には大型のイワナが他にも多数おり,赤谷本流で育ったイワナが,この時期になると産卵のために支流に入ってくるのかもしれない。
2019年11月09日 07:31撮影 by  FinePix XP140 XP141 XP145, FUJIFILM
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11/9 7:31
途中,不思議な光景を見た。40cm以上はありそうな大イワナが2匹,寄り添うようにして静かに淀みの底におり,1匹は底石にお腹を擦り付けるような動作を繰り返していた。多分,産卵をしているのではないだろうか。周辺には大型のイワナが他にも多数おり,赤谷本流で育ったイワナが,この時期になると産卵のために支流に入ってくるのかもしれない。
谷が南から西に方向を変えるあたりで,最初の滝にぶつかる。8m位だが見事な直瀑で美しい。左右は壁が立っており高巻きは難しそう。滝の左手の壁に残置ロープがあったため,そこを登った。滑りやすく少し緊張する。
2019年11月09日 07:35撮影 by  FinePix XP140 XP141 XP145, FUJIFILM
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11/9 7:35
谷が南から西に方向を変えるあたりで,最初の滝にぶつかる。8m位だが見事な直瀑で美しい。左右は壁が立っており高巻きは難しそう。滝の左手の壁に残置ロープがあったため,そこを登った。滑りやすく少し緊張する。
標高510m付近で大白木山(1234.5mの有名なほうではなく,千回沢山の隣にある1082.2mのマイナーなほう。点名・滝谷。)に突き上げる支沢と出合う。支沢は写真の3段20m位の滝となって出合っており,壮観である。
2019年11月09日 07:57撮影 by  FinePix XP140 XP141 XP145, FUJIFILM
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11/9 7:57
標高510m付近で大白木山(1234.5mの有名なほうではなく,千回沢山の隣にある1082.2mのマイナーなほう。点名・滝谷。)に突き上げる支沢と出合う。支沢は写真の3段20m位の滝となって出合っており,壮観である。
まっすぐな沢の両側に大きな木が並び,プロムナードのよう。このあたりの雰囲気は,同じ奥美濃の金ヶ丸谷に似ている。
2019年11月09日 08:13撮影 by  FinePix XP140 XP141 XP145, FUJIFILM
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11/9 8:13
まっすぐな沢の両側に大きな木が並び,プロムナードのよう。このあたりの雰囲気は,同じ奥美濃の金ヶ丸谷に似ている。
再びゴルジュとなるが,腰まで水に浸かって通過。さすがにこの時期となると水が冷たい。
2019年11月09日 08:25撮影 by  FinePix XP140 XP141 XP145, FUJIFILM
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11/9 8:25
再びゴルジュとなるが,腰まで水に浸かって通過。さすがにこの時期となると水が冷たい。
3mほどの滝。右手を直登。
2019年11月09日 08:32撮影 by  FinePix XP140 XP141 XP145, FUJIFILM
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11/9 8:32
3mほどの滝。右手を直登。
この滝は側壁がつるつるで通過がむずかしそうなため,左岸から高巻いた。急傾斜のため,泥につま先を突っ込み灌木にぶら下がりながら上り下りするような,少し神経を使う高巻き。
2019年11月09日 08:37撮影 by  FinePix XP140 XP141 XP145, FUJIFILM
11/9 8:37
この滝は側壁がつるつるで通過がむずかしそうなため,左岸から高巻いた。急傾斜のため,泥につま先を突っ込み灌木にぶら下がりながら上り下りするような,少し神経を使う高巻き。
下りた先もまだゴルジュが続いている。この滝は倒木の平均台渡りで通過。
2019年11月09日 08:52撮影 by  FinePix XP140 XP141 XP145, FUJIFILM
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11/9 8:52
下りた先もまだゴルジュが続いている。この滝は倒木の平均台渡りで通過。
620m付近二俣。左へ入る。
2019年11月09日 08:59撮影 by  FinePix XP140 XP141 XP145, FUJIFILM
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11/9 8:59
620m付近二俣。左へ入る。
するとすぐに高い側壁と深い淵を持った滝となっており,少し戻って右岸側から巻いていく。
2019年11月09日 09:00撮影 by  FinePix XP140 XP141 XP145, FUJIFILM
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11/9 9:00
するとすぐに高い側壁と深い淵を持った滝となっており,少し戻って右岸側から巻いていく。
この後はしばらく穏やかな平流歩きが続く。
2019年11月09日 09:20撮影 by  FinePix XP140 XP141 XP145, FUJIFILM
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11/9 9:20
この後はしばらく穏やかな平流歩きが続く。
両岸の黄葉が美しい。
この時期に来て本当に良かった。
2019年11月09日 09:20撮影 by  FinePix XP140 XP141 XP145, FUJIFILM
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11/9 9:20
両岸の黄葉が美しい。
この時期に来て本当に良かった。
時折見える稜線の紅葉が青空に映える。
2019年11月09日 09:28撮影 by  FinePix XP140 XP141 XP145, FUJIFILM
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11/9 9:28
時折見える稜線の紅葉が青空に映える。
684m二俣。ここは右に入る。水量は左俣のほうがわずかに多い。
2019年11月09日 09:42撮影 by  FinePix XP140 XP141 XP145, FUJIFILM
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11/9 9:42
684m二俣。ここは右に入る。水量は左俣のほうがわずかに多い。
美しい紅葉の谷が続く。
2019年11月09日 10:04撮影 by  FinePix XP140 XP141 XP145, FUJIFILM
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11/9 10:04
美しい紅葉の谷が続く。
ナメコの群落。いくつか収穫させていただいた。ナメコを含め,キノコは至る所で見かけた。豊かな森だ。
2019年11月09日 10:14撮影 by  FinePix XP140 XP141 XP145, FUJIFILM
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11/9 10:14
ナメコの群落。いくつか収穫させていただいた。ナメコを含め,キノコは至る所で見かけた。豊かな森だ。
ここまで穏やかな流れが続き,谷も水量が少なくなって源頭の雰囲気となってくるため,すっかり楽勝ムードになっていたのだが,684m二俣から2つほど二俣を越えたあたりから,急に渓相が厳しくなって連瀑帯となり,慌てさせられる。写真は7mほどの滝。左手のルンゼから斜面を巻いていくが,御多分に漏れず滑りやすい泥の急傾斜で,気を使わされる。
2019年11月09日 10:29撮影 by  FinePix XP140 XP141 XP145, FUJIFILM
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11/9 10:29
ここまで穏やかな流れが続き,谷も水量が少なくなって源頭の雰囲気となってくるため,すっかり楽勝ムードになっていたのだが,684m二俣から2つほど二俣を越えたあたりから,急に渓相が厳しくなって連瀑帯となり,慌てさせられる。写真は7mほどの滝。左手のルンゼから斜面を巻いていくが,御多分に漏れず滑りやすい泥の急傾斜で,気を使わされる。
登るほど紅葉が濃くなり素晴らしい眺めだが,目下連瀑帯と格闘中なので,ゆったり自然観照というわけにもいかない。
2019年11月09日 10:40撮影 by  FinePix XP140 XP141 XP145, FUJIFILM
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11/9 10:40
登るほど紅葉が濃くなり素晴らしい眺めだが,目下連瀑帯と格闘中なので,ゆったり自然観照というわけにもいかない。
険しいV字谷が続く。
2019年11月09日 10:51撮影 by  FinePix XP140 XP141 XP145, FUJIFILM
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11/9 10:51
険しいV字谷が続く。
ひっきりなしに滝が出現。大きな滝はないのだが,急斜面+泥壁+激藪の3重苦の高巻きで,通過に思わぬ時間がかかる。
2019年11月09日 10:52撮影 by  FinePix XP140 XP141 XP145, FUJIFILM
11/9 10:52
ひっきりなしに滝が出現。大きな滝はないのだが,急斜面+泥壁+激藪の3重苦の高巻きで,通過に思わぬ時間がかかる。
斜面に入るとこんな感じ。
2019年11月09日 11:03撮影 by  FinePix XP140 XP141 XP145, FUJIFILM
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11/9 11:03
斜面に入るとこんな感じ。
中央に大岩のある900m付近二俣。ここは左に入る。
2019年11月09日 11:09撮影 by  FinePix XP140 XP141 XP145, FUJIFILM
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11/9 11:09
中央に大岩のある900m付近二俣。ここは左に入る。
滝はまだまだ続く。
2019年11月09日 11:12撮影 by  FinePix XP140 XP141 XP145, FUJIFILM
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11/9 11:12
滝はまだまだ続く。
この滝は直登。他にも直登できそうな滝はいくつかあったが,さすがに晩秋にシャワークライミングする気になれず,ほとんど高巻いてしまった。
2019年11月09日 11:15撮影 by  FinePix XP140 XP141 XP145, FUJIFILM
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11/9 11:15
この滝は直登。他にも直登できそうな滝はいくつかあったが,さすがに晩秋にシャワークライミングする気になれず,ほとんど高巻いてしまった。
振り返ると,大きな岩壁を擁した冠山。手前はイチン谷左岸の862m無名峰。見渡せる峰はことごとく紅葉に燃えている。
2019年11月09日 11:35撮影 by  FinePix XP140 XP141 XP145, FUJIFILM
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11/9 11:35
振り返ると,大きな岩壁を擁した冠山。手前はイチン谷左岸の862m無名峰。見渡せる峰はことごとく紅葉に燃えている。
8mほどの滝。イチン谷の下部でのんびりしてしまったせいで時間が押しており,もう滝はいいよ…という気分になってくる。
2019年11月09日 11:39撮影 by  FinePix XP140 XP141 XP145, FUJIFILM
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11/9 11:39
8mほどの滝。イチン谷の下部でのんびりしてしまったせいで時間が押しており,もう滝はいいよ…という気分になってくる。
右岸から巻いていくが,その奥にもいくつか滝が続いており,まとめて巻いてしまう。
2019年11月09日 11:47撮影 by  FinePix XP140 XP141 XP145, FUJIFILM
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11/9 11:47
右岸から巻いていくが,その奥にもいくつか滝が続いており,まとめて巻いてしまう。
やっと水が切れたと思ったら,とどめの枯滝。右手から藪をこいで乗り越える。
2019年11月09日 12:07撮影 by  FinePix XP140 XP141 XP145, FUJIFILM
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11/9 12:07
やっと水が切れたと思ったら,とどめの枯滝。右手から藪をこいで乗り越える。
やっと源頭の雰囲気。しかし,地形図の読み以上に山頂が遠い気がする…。
2019年11月09日 12:19撮影 by  FinePix XP140 XP141 XP145, FUJIFILM
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11/9 12:19
やっと源頭の雰囲気。しかし,地形図の読み以上に山頂が遠い気がする…。
谷形が斜面に吸収され,藪に突入。ずるずる滑る急斜面を足を踏ん張ってこらえつつ灌木をつかんで喘登していく。
2019年11月09日 12:29撮影 by  FinePix XP140 XP141 XP145, FUJIFILM
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11/9 12:29
谷形が斜面に吸収され,藪に突入。ずるずる滑る急斜面を足を踏ん張ってこらえつつ灌木をつかんで喘登していく。
この時期だからまだましだが,盛夏だったらもっとすごい藪漕ぎだろう。詰めで入る支沢を間違えると藪漕ぎの区間が長くなり時間を空費することになるため,ルートファインディング要注意。
2019年11月09日 12:38撮影 by  FinePix XP140 XP141 XP145, FUJIFILM
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11/9 12:38
この時期だからまだましだが,盛夏だったらもっとすごい藪漕ぎだろう。詰めで入る支沢を間違えると藪漕ぎの区間が長くなり時間を空費することになるため,ルートファインディング要注意。
高みを目指していくと,突然ぽっかりと小さな切り開きに出た。その中央に紛うかたなき三角点。千回沢山の山頂にほぼダイレクトに出ることができた。
2019年11月09日 12:40撮影 by  FinePix XP140 XP141 XP145, FUJIFILM
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11/9 12:40
高みを目指していくと,突然ぽっかりと小さな切り開きに出た。その中央に紛うかたなき三角点。千回沢山の山頂にほぼダイレクトに出ることができた。
山頂にあったのはこのプレートのみ。もうすぐ雪が来れば,このプレートも含めすべてが雪に埋まってしまうのだろう。
2019年11月09日 12:41撮影 by  FinePix XP140 XP141 XP145, FUJIFILM
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11/9 12:41
山頂にあったのはこのプレートのみ。もうすぐ雪が来れば,このプレートも含めすべてが雪に埋まってしまうのだろう。
ヤブヤブだと予想していた山頂だが,意外に南方面の眺めが素晴らしい。遠く見えるのは蕎麦粒山だろうか。
2019年11月09日 12:41撮影 by  FinePix XP140 XP141 XP145, FUJIFILM
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11/9 12:41
ヤブヤブだと予想していた山頂だが,意外に南方面の眺めが素晴らしい。遠く見えるのは蕎麦粒山だろうか。
南西方面。三周ヶ岳とか高丸が見えるはずだが,山が多すぎてどれがどれだか…。
2019年11月09日 12:42撮影 by  FinePix XP140 XP141 XP145, FUJIFILM
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11/9 12:42
南西方面。三周ヶ岳とか高丸が見えるはずだが,山が多すぎてどれがどれだか…。
東方面。能郷白山とイソクラかな,と思う。
2019年11月09日 12:48撮影 by  FinePix XP140 XP141 XP145, FUJIFILM
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11/9 12:48
東方面。能郷白山とイソクラかな,と思う。
三角点のとなりにこんなプレートが。国土地理院の名前で,「このやぐらは測量用であって展望台ではないので,登るな」というような趣旨のことが書いてある。こんな藪山に,昔は測量用のやぐらが設置されていたのだろうか。まさに今昔の感がある。
2019年11月09日 12:47撮影 by  FinePix XP140 XP141 XP145, FUJIFILM
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11/9 12:47
三角点のとなりにこんなプレートが。国土地理院の名前で,「このやぐらは測量用であって展望台ではないので,登るな」というような趣旨のことが書いてある。こんな藪山に,昔は測量用のやぐらが設置されていたのだろうか。まさに今昔の感がある。
山頂でゆっくりしたかったのだが,17時くらいには日没となってしまうため,あまり余裕がない。名残惜しく三角点に手を置いてから,再び藪に突入し,登ってきた沢を駆け下りていく。
2019年11月09日 13:14撮影 by  FinePix XP140 XP141 XP145, FUJIFILM
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11/9 13:14
山頂でゆっくりしたかったのだが,17時くらいには日没となってしまうため,あまり余裕がない。名残惜しく三角点に手を置いてから,再び藪に突入し,登ってきた沢を駆け下りていく。
連瀑帯の滝を一つ一つ懸垂下降したり巻き下ったりしていては本当に日が暮れてしまうので,まとめて巻いてしまうことにした。この時助けられたのは,急斜面にかすかに走っている獣道。やはりどんな場所でも,道を聞くべきは地元民(=獣たち)である。
2019年11月09日 14:10撮影 by  FinePix XP140 XP141 XP145, FUJIFILM
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11/9 14:10
連瀑帯の滝を一つ一つ懸垂下降したり巻き下ったりしていては本当に日が暮れてしまうので,まとめて巻いてしまうことにした。この時助けられたのは,急斜面にかすかに走っている獣道。やはりどんな場所でも,道を聞くべきは地元民(=獣たち)である。
滝を2,3つまとめて巻いてから,様子見で沢に降り立ち,また連瀑が現れたらまとめて巻き,というのを繰り返す。
2019年11月09日 14:16撮影 by  FinePix XP140 XP141 XP145, FUJIFILM
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11/9 14:16
滝を2,3つまとめて巻いてから,様子見で沢に降り立ち,また連瀑が現れたらまとめて巻き,というのを繰り返す。
ようやく連瀑帯が終わったため,沢通しに下っていく。結局,懸垂下降なしで連瀑をかわすことができた。かなりの時間短縮になったはずだ。
2019年11月09日 14:24撮影 by  FinePix XP140 XP141 XP145, FUJIFILM
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11/9 14:24
ようやく連瀑帯が終わったため,沢通しに下っていく。結局,懸垂下降なしで連瀑をかわすことができた。かなりの時間短縮になったはずだ。
最後の難関である8m直瀑も,登りと同じく左手の壁をクライムダウン。あとは歩くだけだ。
2019年11月09日 16:15撮影 by  FinePix XP140 XP141 XP145, FUJIFILM
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11/9 16:15
最後の難関である8m直瀑も,登りと同じく左手の壁をクライムダウン。あとは歩くだけだ。
赤谷との出合に戻ってきた。何とか日のあるうちに安全地帯に帰ってくることができた。緊張感が一気に抜けていく。
2019年11月09日 16:53撮影 by  FinePix XP140 XP141 XP145, FUJIFILM
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11/9 16:53
赤谷との出合に戻ってきた。何とか日のあるうちに安全地帯に帰ってくることができた。緊張感が一気に抜けていく。
暮れ行く赤谷本流をゆっくりと歩く。やはり赤谷の流れは美しい。帰りたくない気持ちでいっぱいだが,夕闇が迫っている。何度も振り返りつつ,駐車地に向かって下っていった。
2019年11月09日 16:57撮影 by  FinePix XP140 XP141 XP145, FUJIFILM
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11/9 16:57
暮れ行く赤谷本流をゆっくりと歩く。やはり赤谷の流れは美しい。帰りたくない気持ちでいっぱいだが,夕闇が迫っている。何度も振り返りつつ,駐車地に向かって下っていった。

装備

備考 ・40mロープを携行しましたが,使いませんでした(ただし,必携と思います)。水線沿いの沢下降にこだわる場合は,捨て縄を多めに持ち(支点になる灌木が軒並み斜め下を向いているため),ハーケンも数枚持っていたほうがいいと思います。

感想

 晩秋になるとなぜか奥美濃に行きたくなる。それも,赤谷や金ヶ丸谷の周辺など,できるだけ穏やかな,奥地の谷がいい。今回は,赤谷の支流であるイチン谷を詰めて,奥美濃の秘境の一つとも言うべき千回沢山に登ってみることにした。
 この日はよく冷え込んでいて,徳山ダムあたりの気温は車の温度計で2度を示していた。吐く息も白く,渡渉の際にしみこんでくる水も声を上げてしまうほど冷たい。しかし,透き通るような秋晴れの下,ぱりっとよく冷えた山の水と空気の中を遡行していくのは,なかなか爽快で良かった。
 イチン谷は,穏やかさと険しさが同居した不思議な谷だった。美林の平流が続くかと思えば急に壁が立って滝に阻まれたり,高巻きも意外な渋さがある。特に,源頭に入ってからの連瀑帯は,一つ一つの滝は小粒とはいえ,地形図からは予想できない厳しさであり,もう後は詰めだけと思って安心し切っている頃に急に現れるため,結構予定を狂わされる。
 たどり着いた千回沢山は,完全な藪山で,三角点の周囲3平方メートルあまりの切り開き以外は,濃密な藪の海に包囲されている。どんな人跡からも隔絶された場所にいる,逃げ場がない,そんな切ない思いにさせる圧迫感を奥美濃の藪は持っている。山を困難な隔離された場所にするのは,標高や岩壁だけではないのだと改めて気づかされる。(しかし,南方向の眺めは開けていて,本当に素晴らしいです。)
 また,途中で見かけた大イワナの産卵風景は感動した。最初の8m直瀑の直前で大型のイワナを多く見かけたため,この時期になると,赤谷本流で育ったイワナが産卵のため支流に集まってくるのではないだろうか。漁期を過ぎたイワナたちの隠れた営みを垣間見た気がした。
 当然,紅葉も美しく,宝石のように光るナメコも方々で顔を出し,秋の豊かさに満ち溢れた谷であった。赤谷流域は本当に良いところだ。地味な流域だが,帰りたくない気分にさせられる。いつかまとまった日程を確保して,赤谷や西谷源流の支流を継続遡下降しながら,まだ見ぬ藪山をたくさん登ってみたい。そんな夢を抱いている。

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