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Yamareco

記録ID: 2110494
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沢登り
東海

【奥美濃】不動山(ロボット尾根〜励谷・ゴヨクラ谷遡下降)

2019年11月16日(土) [日帰り]
情報量の目安: S
都道府県 福井県 岐阜県
 - 拍手
GPS
--:--
距離
14.4km
登り
1,852m
下り
1,841m

コースタイム

日帰り
山行
14:30
休憩
0:00
合計
14:30
4:10
180
大河内川林道の駐車地
7:10
190
10:20
90
ゴヨクラ谷出合
11:50
50
12:40
220
ゴヨクラ谷出合
16:20
140
18:40
大河内川林道の駐車地
天候 小雨(時々晴れ間)
過去天気図(気象庁) 2019年11月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
広野ダムの奥の大河内川に沿う林道に駐車。林道は途中からダートとなり,落石や路面陥没等があるので注意(一応,普通の乗用車でも奥まで入れる)。駐車地は道路脇の空き地で,2〜3台程度駐車可。
コース状況/
危険箇所等
奥美濃の秘境として千回沢山と並び称される不動山。例によって登山道のない藪山で,無雪期の場合,通常はホハレ峠を越えて門入から沢詰めか,赤谷側からタンド谷を詰めることが多く,どちらも2日以上を要する(残雪期には尾根沿いに日帰りが可能なようだ)。今回は,福井県側からロボット尾根を辿って越美国境稜線を越え,西谷の支流である励(はげん)谷・ゴヨクラ谷(ゴヨグラ谷とも)を遡下降して日帰りでの不動山訪問を試みた。

<ロボット尾根〜ロボットピーク>
 ロボット尾根は大河内川から標高点722mを経由してロボットピーク(Ca1290m)に至る尾根。枝打ちなど手入れされた形跡があり,薄い踏み跡が途切れがちながらロボットピークまで続いている。1050mまでは,藪はほどんどなく,高い頻度で白いビニールテープのマーキングがしてあるので,普通に歩ける。しかし,1050mを越えたあたりから背丈くらいの笹薮や灌木の藪に覆われ,踏み跡を見失いがちになるので注意。特に1050mのあたりの笹薮はすごいが,笹の下には比較的しっかりした踏み跡がつづいており,それを外さなければ体力の消耗を最小限にできる(踏み跡を外すと,かなり激しい藪漕ぎを強いられる)。時折ピンクや白色のテープがついているが,途切れ途切れなのであまり頼りにはできない。

<ロボットピーク〜励(はげん)谷下降>
 ロボットピークから北側の夏小屋丸(1294m)との間の鞍部まで降り,そこから励谷に下降する。ロボットピークから鞍部までは,尾根の東側は笹薮が薄くはっきりした獣道もあるので,歩きやすい。
 励谷は,1000mくらいまで険しいV字谷の中に滝がいくつか現れ,意外に下降に手こずる。大きい滝はないが,つるつるの滝が多くクライムダウンが難しいうえ,灌木が高い位置にしかないV字谷のため,懸垂支点を取るにも,高巻きするにも苦労する。今回は時間的な余裕がなかったため,大部分を高巻いた。1000mより下部は,谷の傾斜も緩み,1つ2つ高巻きさせられる滝がある以外は,楽に下降できる。
 なお,この谷の高巻きは,もれなく急斜面+泥壁+激藪で結構大変。

<ゴヨクラ谷遡行〜不動山>
 ゴヨクラ谷は760mあたりで励谷から別れ不動山に突き上げている支流。簡単に直登できる小滝が3つほど出てくるくらいで,難しい箇所はない。
 不動山までの詰めは,山頂の直前50mほどが背丈くらいの笹薮となっており,藪漕ぎになる。山頂には薄い踏み跡(おそらく獣道)があり,三角点の周囲はわずかに刈払いがされている。

<復路>
 往路を戻るが,励谷は直登が難しい滝がいくつかあるため,往路で高巻きした箇所を覚えておいたほうが,帰りにスムーズ。
4:10に歩き出す。この時期なのでまだ真っ暗で,ヘッデンスタート。
駐車地から少し上流側に歩いたところに,「白谷山」「ササガミネ」と手書きで書かれた木製の看板があり,そこに角材を2本渡した橋が架かっている。それを渡ってロボット尾根に取りつく。
2019年11月16日 04:18撮影 by  FinePix XP140 XP141 XP145, FUJIFILM
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11/16 4:18
4:10に歩き出す。この時期なのでまだ真っ暗で,ヘッデンスタート。
駐車地から少し上流側に歩いたところに,「白谷山」「ササガミネ」と手書きで書かれた木製の看板があり,そこに角材を2本渡した橋が架かっている。それを渡ってロボット尾根に取りつく。
ロボット尾根の途中で夜が明けた。1050mを越えて尾根が広くなってからは背丈を越える笹薮や灌木の藪が続く。しかし,足元には踏み跡が続いており,思ったより良いペースで登っていくことができる。この界隈に無雪期も歩ける尾根があったなんて,意外な思いだ。
2019年11月16日 07:07撮影 by  FinePix XP140 XP141 XP145, FUJIFILM
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11/16 7:07
ロボット尾根の途中で夜が明けた。1050mを越えて尾根が広くなってからは背丈を越える笹薮や灌木の藪が続く。しかし,足元には踏み跡が続いており,思ったより良いペースで登っていくことができる。この界隈に無雪期も歩ける尾根があったなんて,意外な思いだ。
ロボットピークに到着。腰丈くらいの笹に覆われている。今日は残念ながら小雨混じりの霧に覆われ,越美国境の山稜を眺めることはできない。
2019年11月16日 07:11撮影 by  FinePix XP140 XP141 XP145, FUJIFILM
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11/16 7:11
ロボットピークに到着。腰丈くらいの笹に覆われている。今日は残念ながら小雨混じりの霧に覆われ,越美国境の山稜を眺めることはできない。
ピークの片隅に,何やら正体不明の木材や鉄材の残骸が散らばっていた。これが昔,このピークに設置されていたという(そしてこのピークの通称の由来となった)ロボット雨量計の残骸だろうか。
2019年11月16日 07:18撮影 by  FinePix XP140 XP141 XP145, FUJIFILM
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11/16 7:18
ピークの片隅に,何やら正体不明の木材や鉄材の残骸が散らばっていた。これが昔,このピークに設置されていたという(そしてこのピークの通称の由来となった)ロボット雨量計の残骸だろうか。
ロボットピークから北東に稜線を辿り,夏小屋丸(1294m)との鞍部を目指す。稜線の東側は藪がなく,明瞭な獣道が続いていて,問題なく歩ける。無雪期の越美国境稜線は例外なく藪が続くと思っていたので,あまりの快適さに驚いてしまった。もしかして,無雪期にも縦走できたりして…(多分,この区間の藪がたまたま薄いだけ,というのが実際だろうが。)
2019年11月16日 07:28撮影 by  FinePix XP140 XP141 XP145, FUJIFILM
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11/16 7:28
ロボットピークから北東に稜線を辿り,夏小屋丸(1294m)との鞍部を目指す。稜線の東側は藪がなく,明瞭な獣道が続いていて,問題なく歩ける。無雪期の越美国境稜線は例外なく藪が続くと思っていたので,あまりの快適さに驚いてしまった。もしかして,無雪期にも縦走できたりして…(多分,この区間の藪がたまたま薄いだけ,というのが実際だろうが。)
鞍部から藪をかき分けて励谷に降り立ち,下降していく。
励谷の源頭部は険しいV字谷となって急峻に落ち込んでおり,地形図で予想していたよりも険悪な様相に緊張が走る。
2019年11月16日 07:59撮影 by  FinePix XP140 XP141 XP145, FUJIFILM
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11/16 7:59
鞍部から藪をかき分けて励谷に降り立ち,下降していく。
励谷の源頭部は険しいV字谷となって急峻に落ち込んでおり,地形図で予想していたよりも険悪な様相に緊張が走る。
しばらくすると滝が連続し始める。大きな滝はないのだが,微妙にハングしていたり,つるつるだったりして,クライムダウンが難しい。今日はロングルートのためいちいち懸垂下降している時間的余裕がなく,高巻くことにした。
2019年11月16日 07:43撮影 by  FinePix XP140 XP141 XP145, FUJIFILM
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11/16 7:43
しばらくすると滝が連続し始める。大きな滝はないのだが,微妙にハングしていたり,つるつるだったりして,クライムダウンが難しい。今日はロングルートのためいちいち懸垂下降している時間的余裕がなく,高巻くことにした。
何回目かの高巻きで左岸側を高巻き中,励谷流域を見下ろせる位置まで来たとき,素晴らしいタイミングで晴れ間が。正面に不動山まで見える(写真の中央の山)。奥美濃の最奥の山にふさわしく,たたなづく黒い山並みの奥に,どっしりとした山容を構えている。
2019年11月16日 08:29撮影 by  FinePix XP140 XP141 XP145, FUJIFILM
11/16 8:29
何回目かの高巻きで左岸側を高巻き中,励谷流域を見下ろせる位置まで来たとき,素晴らしいタイミングで晴れ間が。正面に不動山まで見える(写真の中央の山)。奥美濃の最奥の山にふさわしく,たたなづく黒い山並みの奥に,どっしりとした山容を構えている。
見下ろす励谷も美しい。稜線の木々は落葉してしまっていたが,谷は紅葉に彩られている。
2019年11月16日 08:35撮影 by  FinePix XP140 XP141 XP145, FUJIFILM
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11/16 8:35
見下ろす励谷も美しい。稜線の木々は落葉してしまっていたが,谷は紅葉に彩られている。
高巻きを終えて谷底に降り立つと,10mほどの滝が落ちていた。
2019年11月16日 08:43撮影 by  FinePix XP140 XP141 XP145, FUJIFILM
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11/16 8:43
高巻きを終えて谷底に降り立つと,10mほどの滝が落ちていた。
ここからは谷は穏やかになる。左右の紅葉を眺めながら谷を下っていく。
2019年11月16日 09:10撮影 by  FinePix XP140 XP141 XP145, FUJIFILM
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11/16 9:10
ここからは谷は穏やかになる。左右の紅葉を眺めながら谷を下っていく。
滝はいくつか出てくるが,クライムダウン又は高巻きで,それほど苦労せず通過できる。
2019年11月16日 09:16撮影 by  FinePix XP140 XP141 XP145, FUJIFILM
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11/16 9:16
滝はいくつか出てくるが,クライムダウン又は高巻きで,それほど苦労せず通過できる。
谷間の紅葉は今が盛りだ。
2019年11月16日 09:22撮影 by  FinePix XP140 XP141 XP145, FUJIFILM
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11/16 9:22
谷間の紅葉は今が盛りだ。
錦秋の谷を悠々と下っていく。突然の闖入者に驚いたイワナの魚影がさかんに足元を走る。
2019年11月16日 09:29撮影 by  FinePix XP140 XP141 XP145, FUJIFILM
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11/16 9:29
錦秋の谷を悠々と下っていく。突然の闖入者に驚いたイワナの魚影がさかんに足元を走る。
美しいナメの連続。
2019年11月16日 09:39撮影 by  FinePix XP140 XP141 XP145, FUJIFILM
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11/16 9:39
美しいナメの連続。
たまにこのような小ゴルジュも。
2019年11月16日 10:09撮影 by  FinePix XP140 XP141 XP145, FUJIFILM
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11/16 10:09
たまにこのような小ゴルジュも。
この小滝の淵は足が立たないほど深く,唯一泳がされた箇所。この時期に泳ぎは勘弁だったのだが…。帰りは懲りて高巻きました。
2019年11月16日 10:12撮影 by  FinePix XP140 XP141 XP145, FUJIFILM
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11/16 10:12
この小滝の淵は足が立たないほど深く,唯一泳がされた箇所。この時期に泳ぎは勘弁だったのだが…。帰りは懲りて高巻きました。
カツラの巨木もちらほら。励谷は,原生の深い森で有名な金ヶ丸谷のさらに支流なので,自然度の高さは特筆もの。歩いているだけで満足できる。ナメコも出ており,いくつかゲットさせていただいた。
2019年11月16日 10:19撮影 by  FinePix XP140 XP141 XP145, FUJIFILM
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11/16 10:19
カツラの巨木もちらほら。励谷は,原生の深い森で有名な金ヶ丸谷のさらに支流なので,自然度の高さは特筆もの。歩いているだけで満足できる。ナメコも出ており,いくつかゲットさせていただいた。
ゴヨクラ谷との出合に到着。ゴヨクラ谷(写真の右奥に続く流れ)に入る。
2019年11月16日 10:28撮影 by  FinePix XP140 XP141 XP145, FUJIFILM
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11/16 10:28
ゴヨクラ谷との出合に到着。ゴヨクラ谷(写真の右奥に続く流れ)に入る。
ゴヨクラ谷は励谷以上に巨木が目立った。人の手がほとんど入っていないのではないだろうか。本当に奥地に来たな,という気分になる。
2019年11月16日 10:39撮影 by  FinePix XP140 XP141 XP145, FUJIFILM
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11/16 10:39
ゴヨクラ谷は励谷以上に巨木が目立った。人の手がほとんど入っていないのではないだろうか。本当に奥地に来たな,という気分になる。
美しい紅葉の森が続く。
2019年11月16日 10:43撮影 by  FinePix XP140 XP141 XP145, FUJIFILM
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11/16 10:43
美しい紅葉の森が続く。
ゴヨクラ谷は,2〜3mほどの小滝がいくつか出てくるが,問題なく直登でき,通過は容易である。
2019年11月16日 11:05撮影 by  FinePix XP140 XP141 XP145, FUJIFILM
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11/16 11:05
ゴヨクラ谷は,2〜3mほどの小滝がいくつか出てくるが,問題なく直登でき,通過は容易である。
水切れのあと,地図とコンパスをにらみながら,不動山の山頂があると思しき方向へ急斜面を喘登していく。気持ちよい美林が続き,藪があまりないので,このまま山頂まで上がれるのでは?と思っていたら…
2019年11月16日 11:28撮影 by  FinePix XP140 XP141 XP145, FUJIFILM
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11/16 11:28
水切れのあと,地図とコンパスをにらみながら,不動山の山頂があると思しき方向へ急斜面を喘登していく。気持ちよい美林が続き,藪があまりないので,このまま山頂まで上がれるのでは?と思っていたら…
やはりこうなりました(笑)。奥美濃で藪漕ぎは避けられないよな…。
2019年11月16日 11:47撮影 by  FinePix XP140 XP141 XP145, FUJIFILM
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11/16 11:47
やはりこうなりました(笑)。奥美濃で藪漕ぎは避けられないよな…。
笹薮がぽっかり途切れ,不動山山頂に到着。
奥美濃の秘境にふさわしい,藪と,三角点と,空しかない山頂。
2019年11月16日 11:51撮影 by  FinePix XP140 XP141 XP145, FUJIFILM
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11/16 11:51
笹薮がぽっかり途切れ,不動山山頂に到着。
奥美濃の秘境にふさわしい,藪と,三角点と,空しかない山頂。
三等でいらっしゃいました。
2019年11月16日 11:52撮影 by  FinePix XP140 XP141 XP145, FUJIFILM
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11/16 11:52
三等でいらっしゃいました。
灌木によじ登って北東方向を眺めると…千回沢山だ! 先週,藪をかき分けて登ったばかりの山。1週間後の今日,その山を隣の不動山から眺めている。これがやりたかった。
2019年11月16日 11:55撮影 by  FinePix XP140 XP141 XP145, FUJIFILM
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11/16 11:55
灌木によじ登って北東方向を眺めると…千回沢山だ! 先週,藪をかき分けて登ったばかりの山。1週間後の今日,その山を隣の不動山から眺めている。これがやりたかった。
南方向。遠く見えるピークは蕎麦粒山だろうか。
2019年11月16日 11:53撮影 by  FinePix XP140 XP141 XP145, FUJIFILM
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11/16 11:53
南方向。遠く見えるピークは蕎麦粒山だろうか。
南西方向。烏帽子山と高丸かな?
2019年11月16日 11:56撮影 by  FinePix XP140 XP141 XP145, FUJIFILM
11/16 11:56
南西方向。烏帽子山と高丸かな?
そして,ロボットピークから笹ヶ峰にかけての稜線。あそこを越えてきたわけだ。そして,これからあそこを越えて帰らなければいけないわけだ。遠い…。
2019年11月16日 11:58撮影 by  FinePix XP140 XP141 XP145, FUJIFILM
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11/16 11:58
そして,ロボットピークから笹ヶ峰にかけての稜線。あそこを越えてきたわけだ。そして,これからあそこを越えて帰らなければいけないわけだ。遠い…。
せっかくたどり着いた不動山,もっとゆっくりしたかったが,晩秋の日はつるべ落とし。最悪でも日没までに沢パートは終えていないといけない。最低限の憩いを楽しんだ後,再び藪をかき分けて沢に降り立ち,ゴヨクラ谷を下降していく。
2019年11月16日 12:34撮影 by  FinePix XP140 XP141 XP145, FUJIFILM
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11/16 12:34
せっかくたどり着いた不動山,もっとゆっくりしたかったが,晩秋の日はつるべ落とし。最悪でも日没までに沢パートは終えていないといけない。最低限の憩いを楽しんだ後,再び藪をかき分けて沢に降り立ち,ゴヨクラ谷を下降していく。
延々と下降してきた励谷を,今度は遡行。時間短縮のため,直登できる滝はなるべく直登。
2019年11月16日 14:36撮影 by  FinePix XP140 XP141 XP145, FUJIFILM
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11/16 14:36
延々と下降してきた励谷を,今度は遡行。時間短縮のため,直登できる滝はなるべく直登。
高巻き中に励谷を振り返る。不動山は既に雲の中。黒く沈む山並みと,その間にうねりながら続く谷を眺めていると,日帰り山行にもかかわらず,何だか長い長い旅をしてきたような,遙かな心持ちになった。
2019年11月16日 15:07撮影 by  FinePix XP140 XP141 XP145, FUJIFILM
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11/16 15:07
高巻き中に励谷を振り返る。不動山は既に雲の中。黒く沈む山並みと,その間にうねりながら続く谷を眺めていると,日帰り山行にもかかわらず,何だか長い長い旅をしてきたような,遙かな心持ちになった。
高巻き中に励谷の源頭部を見下ろして撮影。狭いV字谷の中に滝が連なっており,険しさが分かると思う。
2019年11月16日 15:12撮影 by  FinePix XP140 XP141 XP145, FUJIFILM
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11/16 15:12
高巻き中に励谷の源頭部を見下ろして撮影。狭いV字谷の中に滝が連なっており,険しさが分かると思う。
何とか日のあるうちに越美国境稜線に戻って来ることができた。あとはロボット尾根を下るだけだ。
2019年11月16日 16:11撮影 by  FinePix XP140 XP141 XP145, FUJIFILM
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11/16 16:11
何とか日のあるうちに越美国境稜線に戻って来ることができた。あとはロボット尾根を下るだけだ。
ロボット尾根もかなりの部分を日のあるうちに歩くことができた。やはり藪漕ぎは下りのほうが楽だ。標高点722mの手前で足元が見えないほど暗くなったため,観念してヘッデンの出番となる。しかし既に藪は抜けて安全地帯であり、足取りは軽い。
2019年11月16日 16:31撮影 by  FinePix XP140 XP141 XP145, FUJIFILM
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11/16 16:31
ロボット尾根もかなりの部分を日のあるうちに歩くことができた。やはり藪漕ぎは下りのほうが楽だ。標高点722mの手前で足元が見えないほど暗くなったため,観念してヘッデンの出番となる。しかし既に藪は抜けて安全地帯であり、足取りは軽い。
無事,林道まで下山。
2019年11月16日 18:49撮影 by  FinePix XP140 XP141 XP145, FUJIFILM
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11/16 18:49
無事,林道まで下山。

装備

備考 ・40mロープを携行しましたが,使いませんでした。ただし,励谷の源頭部は険しく滝もいくつかあるため,持っていたほうが無難。沢通しの下降にこだわる場合は,ハーケンもあったほうがよさそう。

感想

 先週登った千回沢山がよかったため,今度はお隣の不動山にも登りたくなってしまった。
 しかし,不動山は,千回沢山以上にアプローチが難しい山で,どんなに地形図をにらんでも,無雪期に話を限定する場合,岐阜県側からでは2日以上はかかってしまいそうであった(「奥美濃」なので,できるだけ岐阜県側から入山したい,という気持ちが強いのだが…)。本当は赤谷からタンド谷を詰めて登頂するのが最も魅力的なラインに見えるのだが,これも2〜3日かかるだろう。しかし,今季は泊まり山行ができる日程は確保できそうにない。
 来年に回すしかないかと半ばあきらめながらも,未練がましく地形図を見つめていると,意外なことに、福井県側の大河内川沿いの林道からのアプローチが最も近いことに気が付いた。そこで,最初は「大河内川長トコ谷遡行〜励谷下降〜ゴヨクラ谷遡行」という計画を立てたのだが,さすがに行程の全てが沢登り(しかも長トコ谷と励谷上部の情報がほとんどない)だと,行動時間が日帰り可能な範囲に収まらない。そこでなおも調べていくと,無雪期は藪でとても歩けたものではないと思い込んでいたこの山域の尾根の中で,ロボットピークから伸びる一本の尾根,通称「ロボット尾根」は,過去にロボット雨量計(今は撤去されている)のための道がつけられており,今もその痕跡が残っているという情報を得た。この区間だけでも尾根歩きとすることができれば,何とか日帰り可能な範囲に収められる。しかし,その道の「痕跡」なるものがどの程度のものなのか…しょっぱなから激しい藪漕ぎに直面して敗退するのではないかという懸念も抱えつつ,今回の山行を迎えた。
 結果として,懸念のロボット尾根は,藪は濃いものの,思った以上にしっかりした(といっても,あくまでこの界隈にしては,という意味だが)踏み跡が続いており,問題なく稜線に上がることができた。この山行で一番ほっとした瞬間だった。
 また,励谷やゴヨクラ谷も,さすが奥美濃の美渓の一つである金ヶ丸谷の支流であるだけあって,巨木が並ぶ深い森に包まれた素晴らしい渓谷であり,不動山は別にしても,この谷を歩けただけでも今回の山行は十分な価値があった。実際,不動山に向かうゴヨクラ谷の出合に着いた時,その先に流れ下っていく励谷の姿があまりに美しかったので,そのまま励谷に沿って降りて行ってしまいたい,と思ったくらいだった(本当に降りてしまうと,確実にビバーク決定ですが…)。
 不動山は,奥美濃の典型的な山頂で,背丈くらいの笹薮の海の中に,猫の額ほどの切り開き,その真ん中に三角点,それだけである。聞こえるのは一面の笹藪のさやめきと,急登に次ぐ急登を終えたばかりの自分の激しい呼吸の音だけ。それだけだが,それで十分幸せであり,十分よい山頂である。
 今回は日の短い時期であるため,登り出しの2時間あまりと下山時の1時間あまりは闇下での行動となったが,日の長い時期であれば,明るいうちに山行を終えられると思う。しかし,本来ならば,せっかくの奥深い山と美しい渓谷なのだから,余裕のある日程を組んで,じっくりとこの山に取り組むのが王道だろう。今度は別ルートから,赤谷や西谷の河原で焚火の夜を重ねながら,ゆっくりと不動山を再訪してみたいと思う。

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