記録ID: 21339
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積雪期ピークハント/縦走
白馬・鹿島槍・五竜
鹿島槍ヶ岳・東尾根(2890m)
2000年05月13日(土) [日帰り]
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- GPS
- --:--
- 距離
- 11.8km
- 登り
- 1,758m
- 下り
- 1,747m
コースタイム
5月13日大谷原C0→一の沢出会いの先標高1200m駐車(6:30)→西の俣出会い(7:00)→三の沢出会い(8:30)→稜線標高2280m(11:00)→P2(12:45〜13:50)山頂(15:00〜15:20)→大冷沢布引尾根末端(16:40)→車(17:00)→大谷原
アクセス | |
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コース状況/ 危険箇所等 |
東尾根→大冷沢本流→大谷原 今年は10年振りに雪の多い春。残雪季バリエーションをいつまでも登れるうれしい年だ。5月第二週だが半月前の感じだ。沼田の不良社会人二人組と、鹿島槍の東尾根を登る。松本駅前で酒を飲みながら二人の到着を待つ。夜、10時半をまわって、仕事を終えた二人は沼田からぶっ飛ばしてきた。1時過ぎ大谷原林道終点に駐車、テントを張ってビール、寝る。 翌朝は4時起床のはずが、6時半。林道ゲートは開いていた。一の沢の先まで行ったところで雪が道に乗っていて行けず、駐車。目の前をカモシカが横断。赤岩尾根末端の西の俣二股までは結構早かった。谷は氷河のよう、U字谷を埋めたびっしりの雪、主稜線までどのルンゼにも雪がたんまり付いている。緩い傾斜を登っていく。高曇りのような、青空もかけらほど見えるような、そしてガスが稜線に巻き付いているような、なんでも有りの天気だ。天気図も解読不可解な配置。昨日の雨で雪の表面はじゅくじゅく、終日膝までのラッセルだ。 布引尾根末端を右のU字谷に入ると程なく三の沢二股だ。この季節だけに許される、鹿島槍東尾根の核心部だけのショートカットルートがこれ。この季節、日帰りでアタックできるクラシックバリエーションルートの研究を重ねに重ねた清野さんの執念のアイディアだ。積雪期スタンダードの東尾根末端からではなく、いきなり核心部に突き上げるのがこの三の沢。ブロック雪崩の落下音にビビりながらもこのルンゼを選択、急傾斜の雪面を上だけを見ながらずぼずぼ登る。両脇の絶壁からのブロック雪崩はこの沢に関しては一カ所怪しいところがあるのみ。そこはこの季節だけに、土混じりのデブリで一見して分かる。 東尾根の稜線に到り、岩峰群が現れる、荒沢側は霧で底が見えない。左側を捲きながら延々ラッセル。第一岩峰もザイル出すより捲いたほうが早そうで、左を行く。第二岩峰はゆらゆらに浮いた岩が抜けそうで怖い1ピッチ。ホールドはガッチリ、スタンスはアイゼンの爪一本しかひっかからないという感じ。第二岩峰を抜けた雪稜上で、やっとガスがとれかけ、東尾根上部のノコギリ状の雪稜が姿を現す。雪庇方向にガスを吹き上げ、猛烈にかっこいい。北峰直下でついにガスが一挙に晴れ、隣の鹿島槍南峰、爺ヶ岳が出現した。歩いてきた東尾根の細さをやっと目で確認する。なんだかこらえにこらえて一挙公開の劇的天気だ。 吊り尾根の最低部から冷沢へ下降。すぐにもシリセードといきたかったが、サスガにこの傾斜は怖い。北穂沢の下降点くらいのクラスか。シリセードは傾斜と雪質の微妙なコンビネーションを判断しないと、滑落と区別が付かなくなる。200mも下ったところでいよいよ滑落でなく滑降開始。真正面には日の当たる爺ヶ岳が雲海上に屹立。その懐めがけしゃがんだ男たちが滑り降りていく。途中、小雪崩によってボブスレーコースのように削られた、深さ1m以上の溝が出現、その中は実にスピードが出た。あっと言う間に大冷沢の布引尾根末端、登りにとった三の沢分岐まで帰ってきて、尻は滑らぬ傾斜になった。 山頂からわずか1時間半で下山。この季節だけに可能な、たった一日で可能なボリューム山行だ。この顔合わせで明るいうちに下山ができるとは。 |
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