記録ID: 21408
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積雪期ピークハント/縦走
十勝連峰
トムラウシ山、下ホロカメットク山、トウヤウスベ(原始ヶ原横断)
1984年12月31日(月) ~
1985年01月07日(月)
イグルスキー米山
その他13人
- GPS
- 176:00
- 距離
- 68.1km
- 登り
- 3,358m
- 下り
- 3,528m
コースタイム
12月31日西布礼別(7:30)→秋雲橋(9:30〜l0:00)→標高820(l1:40〜l2:05ー9℃)→標高1060(13:00)
1月1日Cl(6:50)→コル(9;40〜l1:00)C2→トウヤウスべ(ll:50〜l2:l0、-l7℃)→コル(12:35)C2
1月1日C2(7:l0,-l7℃)→コル(10:30)C3
1月2日C3(l0:05)→下ホロ(l2:00〜l2:30,-l7℃)→コル(13:20)C4
1月3日C4(6:40,-15℃)→C5(l2:50)
1月4日C5(6:40)-24℃→C6(l3:10)
1月5日C6(6:50、ー22℃)→C7(l2:40)カムイサンケナイ川 標高980
1月6日C7(7:10)→トムラウシPeak(l1:l0〜1l:50、-22℃)→C7=C8(14:00〜l4:30)
1月7日C8(8:05)→最終人家(13:40)
1月1日Cl(6:50)→コル(9;40〜l1:00)C2→トウヤウスべ(ll:50〜l2:l0、-l7℃)→コル(12:35)C2
1月1日C2(7:l0,-l7℃)→コル(10:30)C3
1月2日C3(l0:05)→下ホロ(l2:00〜l2:30,-l7℃)→コル(13:20)C4
1月3日C4(6:40,-15℃)→C5(l2:50)
1月4日C5(6:40)-24℃→C6(l3:10)
1月5日C6(6:50、ー22℃)→C7(l2:40)カムイサンケナイ川 標高980
1月6日C7(7:10)→トムラウシPeak(l1:l0〜1l:50、-22℃)→C7=C8(14:00〜l4:30)
1月7日C8(8:05)→最終人家(13:40)
アクセス | |
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コース状況/ 危険箇所等 |
フレベツから原始ヶ原→トウヤウスベ山→下ホロカメットク山→カムイサンケナイ川→トムラウシ山 【行程】 富良野のフレベツから原始ヶ原を横断してトムラウシまでの10日間無人地帯の旅。一年目部員全員とリーダースタッフ5人の総勢16人の大所帯。北大山岳部では少人数の山登りをするがこの年は上級生の数が足りず、この形態になった。一年目の僕には10日も雪山に登るのは初めての上、果てしない針葉樹林の谷を越え尾根をまたいで彷徨う幸せを味わった。北海道らしい山行。 原始ヶ原という森は広大で、1日中歩いても終わらないほど広い。シーソラプチ川や上ホロカ川を渡渉して白い森の中をスキーで果てしなく進む。小地形は目を惑わせる。5万分の一地形図を見て位置と方角を決める。4年目も分かっている風に見えても間違えることもある。それでもその読図力に一年目は全然及ばない。 十勝連峰の南東山麓をトラバースしていく途中、支尾根上の下ホロカメットクとトウヤウスベを踏んだ。下ホロは美しい円錐形の山。しかし冬まだ早く、アイゼンでは踏み抜いて、山頂周辺ではハイマツのヤブ漕ぎに近かった。 原始ヶ原でキツネや鹿の群れを見た。先輩に譲ってもらった古いスキーのバッケンは、何度もネジが緩んだりして壊れたし、竹のストックも何度か治した。シールの紐もちぎれて、針金で直した。装備がボロなのと、山行が長いのでこうなる。しかし簡単な構造の道具を修理し、工夫しながら使う。そのたびに、道具が身に馴染み、自分の物になっていく。 古いが単純な装備、手持ちの修理具で直しながら長い山行を続ける。古典の探検記を読むような北大山岳部の山行スタイルに憧れて納得した。そして何度も転んで身動きがとれない雪の中で、起きあがり、冬山での行動を身につけた。技は実践を以て身に付いた。 そうした森の最深部にトムラウシがある。カムイサンケナイ川に添って行き着いた二股にアタックキャンプを設営した。アタックの日、森林限界を越えてシーデポした台地は天上の雪原、吹き荒ぶ強風だったが視界は無限大。吹きさらしの長時間往復になるので、リーダースタッフの指示で全員目出帽をデストロイヤーにして、上着の下にセーターを着込んだ。とっておきの温かいハンガロン手袋に換え、アイゼンバンドをきりきり締める。 一週間かけて越えてきた原始ヶ原を俯瞰で眺める。帰りのために紅いデポ旗を数カ所に刺しながらトムラウシの山頂ドームに至る。一週間の間にか細く伸びた髪を凍らせ、目をしょぼつかせて大雪山を眺めた。いい気分だ。一週間食べずにとっておいた、実家から送ってきた林檎をポケッ卜から出し、一同かじって回した。ガリリと凍って、旨かった。初めての冬の旅の最後をしめくくるにふさわしいピークだった。 坂本直行は北大山岳部部報一号のなかの紀行文で、学生時代最後の山行でトムラウシに訪れた頂上での印象を”ひたひたと、足元によする大小幾多の山並み、タンネもて埋づむる谷々。”と書いていた。 |
写真
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