西丹沢自然教室〜畦ヶ丸 雷雨に追われるように下山
- GPS
- 05:36
- 距離
- 10.6km
- 登り
- 1,241m
- 下り
- 1,227m
コースタイム
天候 | 登山途中で雷が遠くで鳴りはじめ、下山途中から雷雨。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
ルートのところで写真とともに書きましたが、地図と実際のルートが大幅に違うところがあります。 落石注意の箇所が何カ所かありました。 丸太橋が多くありますが、長めのやつがちょっと弾むくらいで特に危険はありません。 登山ポストは西丹沢自然教室にあります。 |
写真
感想
大石キャンプ場にテントをはっての山行の最終日。午前中はテントやタープを乾かしながら撤収をし、昼頃から西丹沢自然教室〜畦ヶ丸の往復をすることに。
道迷いで30分くらいロス。地図と実際のルートが違っており、かつ実際のルートがそれまでと比べ結構険しかったため、必要以上に地図にこだわりすぎたため。これがなければ山頂ちかくで雷の音を聞かずに済んだのに、と悔やまれる。
山に取り付いてからしばらくして、遠くの空で雷が鳴り始めた。「ゴロ、ゴロ」という音が2〜3回聞こえた後にどこか遠くに落ちたような「ビシャーン」という音が鳴る、というのが3サイクルくらい聞こえたが、その間隔が後の方になるにしたがって長くなっていったのと、その後は聞こえなくなったのでとりあえず山頂を目指す。
ウェザーニュースの会員になっているので「道志村に雨雲が接近中」というメッセージが届いていた。ただ、電波の関係で1時間程の時間差があったのが悔やまれる。頂上目前だったのでそのまま進んでいった。
山頂に着き、ちょっとだけ避難小屋を覗いた後いそいそと下山にかかってから10分後、雨が降り出した。当初から「18時頃からは雨」という予報が出ていて、山の上では悪天候が早く現れるというのは知識としては知っていたが、考慮していなかったのが悔やまれる。畦ヶ丸付近で降り始めたのは16時頃だったと思う。雨だけだろうと思ってレインウェアを着て先を急いでいたら、雷が近くの方で聞こえて来た。避難小屋に戻ると雷に近づいていくことになる。この高度であればビバークするより降りてしまった方がいいと判断して先を急いだが、3回ほど近くで雷の音を聞く羽目になった。身の危険を感じなくなってからも、数えていただけで15回くらいは後ろの方で雷の音が鳴っていた。
雨量がそこそこあったので、場所によって道沿いにも水の流れができ始めている。雷は気をつけようがないと諦めて、滑落と道迷いにだけ気をつけた。自分は人よりも雷に落ちついて対処できる(最低限のことに気をつければあとは運だと諦めている)ので比較的落ち着いて行動できたが(それでも恐怖は感じていた)、もしグループ登山の時に山頂付近で雷の音を聞いたら、躊躇なく下山しようと思った。雷の恐さは打たれることそのものだけでなく、冷静さを失って滑落したり道に迷ったりということもあるのだと肌で感じた経験だった。
降りるに従って、雷→滑落と道迷い→落石という感じで、自分の身体が脅かされる要因が移り変わっていくのを肌で感じていた。あまり味わいたくない感覚ではあるけど、自然の中でしか感じることのできない感覚だなと思いながら、確実に歩を進めていく。
戻ってくると、スタート時とあまり変わらない光景があった。通り雨程度には降っていたようだが、家族連れが変わらず川遊びに興じている。当たり前のことだけど「大変でしたね…」とか「大丈夫でしたか?」なんて声をかけてくれる人は誰もいない。山の上と下では文字通り世界が違うのだ。
前日、犬越路の避難小屋でみかけた遭難者の貼り紙を思い出した。海外登山にもよく行っていた経験豊かな方だったようだ。とても優しげな表情をしていた。山に登る以上どんな人にも事故は起こりうるし、そこで起こることは山の下からは圧倒的なまでに隔絶されている。これまでに誰にも看取られることなく亡くなっていった多くの人たちが、せめて最期の瞬間くらいは平安の内に抱かれていたことを願う。
自分にとって山に登ることは死を身近に感じることであり、それは生の実感と表裏一体なんだと改めて思った。
畦ヶ丸にはまた登りたいと思う。今度は雨マークが一切ない日を選んで。
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