金山沢、白馬岳
- GPS
- 26:11
- 距離
- 19.3km
- 登り
- 2,448m
- 下り
- 3,047m
コースタイム
5/4 3:20猿倉−4:23白馬尻−5:19大雪渓1950m−6:55お花畑避難小屋−8:20白馬山荘
−9:00白馬岳−9:25白馬山荘−【小雪渓、大雪渓滑降】−10:47猿倉
天候 | 5/3 晴、5/4 晴 |
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過去天気図(気象庁) | 2005年05月の天気図 |
アクセス |
写真
感想
5/3
白馬駅に前夜入りステビ、5:00起床。白馬駅は去年の正月に来て以来二度目だ。モルゲンロートに輝く白馬三山が実に美しい。駅前は24時間営業のコンビニすらなく若干寂しげだが、新たにマックが開業していて賑わいを見せている。三人分の幕営装備を無理矢理コインロッカーに詰め込み6:10のバスで栂池高原へ。6:45に到着するが、その後ゴンドラが動き出す8:00までぼーっとすごす。初めは10人かそこらだったが、だんだん時間がたつにつれ人が増え出し、8:00直前には何十人もの行列が出来た。うーん、やはりGWだけのことはある・・・。8:00過ぎにゴンドラリフトイブに乗り、雪のある山域へ。今日滑る予定の金山沢を確認すると、かなり広い斜面で快適な滑りを満喫できそうだ。その次はスムーズにロープウェイに乗り継ぎ乗鞍自然園へ。途中立派な山岳部の山小屋も確認することが出来た。いよいよこれからGW白馬・立山、残雪スキー満喫山行の口火が切って落とされる。
天気は快晴、しかも3〜5日まで晴れ続きという最高のシチュエーション。文句一つなしである。しかし少し歩いて思った。・・・暑い!暑すぎる!!直射日光や雪面からの照り返し、そしてなによりもヤッケを着ている。いきなりの登りで汗だくだくである。なんとか頑張って一時間弱で天狗原着。上空をヘリが飛んでいるが、一万円程で山スキーヤー、ボーダーをこのあたりまで連れてきているらしい。良いご身分だと悪態を付きたくなるものの、やっぱり羨ましい。前方を見るとかなり急な乗鞍岳の登りを、無数のシートラ集団が歩いている。いや動きが遅すぎて止まって見える。どうやら試練はこれからのようだ・・・。登りの手前まで行き、案の定シール歩行は無理だと判断しシートラチェンジ。しかし辻さんを見ると上までシール歩行で歩いている。まじっすか!?普通にシートラ集団をごぼう抜きしてどんどん進んでいる。うーんとりあえず感服しました。現役二人はぼちぼちシートラで登る。なんとか乗鞍岳山頂付近に着くと沢山の人が休憩中。そしてナイス展望!!三月に登った火打山や我らが妙高もばっちり見える。せっかくだから頂上を踏みに岩場を登ってみるが、広すぎてどこがピークかわからない。遠くにケルンが見えるが、あれではないらしい。どこがピークなんだ・・・と戸惑いながらすごすごと引き返した。
乗鞍岳山頂付近は雪がとけて岩が露出していたので、進行方向からなんとなく左から巻いていくことに。しかしこれが間違いだった。しばらくいくと手詰まりになり、岩場を歩くことに・・・。ここはやや白馬大池山荘よりの右からせめるべきであったようだ。しばし岩とハイマツに悪戦苦闘してなんとか雪のあるコルへ。ここから船越の頭への直登は、無積雪期では通れないショートカットコース。今日最後の登り!!と思い、暑さに苦しみながら登り詰めた。船越の頭付近からいよいよ金山沢の滑降が始まる。北西を見ると雪倉岳、朝日岳が並んで見えるちょっとしたビューポイント。ちょっと先へ進み、金山沢をのぞき込んでみると・・・・・怖っ!!めちゃめちゃ急斜面。45度以上あるんじゃないか!?とさえ思う。ビビリ気味の三人。久しぶりなのを考えるといきなりこの斜面はつらい。事前の打ち合わせ通り、2301mの台地を経由する比較的緩やかな斜面から滑ることにした。
しばらく休憩した後、意を決して滑降開始。なにげに下から登ってくる人が多いが、滑っている人は誰もいないのでちょっと緊張する。しかし急斜面も最初はビビリはしたものの、ちょっと滑れば勘を取り戻して、ガンガン攻めて行ける。雪も良い感じに柔らかく、めちゃくちゃ楽しい!!2301mの台地でワンクッション取って、右へ向かい沢沿いに進む。メンバーも全員、滑降が比較的上手いのでどんどん距離を稼いでいける。全体的に金山沢上部は快適な滑降を楽しめたが、下部はデブリが点在しうーんといった感じ。特に最後の方は崩れ落ちてきた岩などもごろごろとしており、スキー板にとてもよろしくない。案の定板の裏でガリッと音がしたときは鬱になった・・・。そして滑降から40分程で金山沢出合着。クラックがあったのでのぞいてみると、底を流れる水がめちゃくちゃ綺麗。アクアマリン、ターコイズブルー・・・なんだか適当な表現が思いつかないが、今まで見たことのないような美しい色の水。白馬の美しい自然に感動しながら猿倉へと向かい、本日の行程は終了した。
この後は明日の大雪渓に備えて、猿倉でテント泊。Lが代表して白馬駅においてある幕営道具を回収しに行く。今年は道路の状態により、バスは猿倉から10分程歩いた臨時停留所までしか入っていない。バスの時刻を見ると1時間先だったので、暇つぶしに二股のバス停まで5km程の道を歩く。二股では残雪の残る白馬三山と美しい色の川、そして桜が絶妙のバランスで素晴らしい景観を作り出している。やっぱり白馬は良いとこだなーとしみじみと思った。帰りはバスがないので残念ながらタクシーを使う。そして明日のニサシ行動にそなえ7:00に就寝。
5/4
2:00起床。一時間後ぐらいにはピストン装備を持ってテントから出る。当然のごとくまだ夜中なので、星が本当にきれい。北斗七星、そして春の大三角形などおなじみの星座が瞬いており、明るく輝く惑星も2,3確認できる。流れ星も何度が頭上を流れては儚く消えていった。エレキを点けてさっそく行動開始。こんな時間でも登山者が一人歩いている。白馬岳方面から吹く爽やかな風を感じながら、気持ちの良いシール歩行。一時間ほどで、テントがいくらか立っている白馬尻に着く。ようやく視界も明るくなってきたようだ。ここからはいよいよ大雪渓の登りが始まる。早く出発したおかげで、どうやら自分たちが今日の一番乗りのパーティー。モルゲンロートが自分達ごと大雪渓を紅に染め上げ、世界がだんだん明るくなっていく様は実に壮観だった。
大雪渓の登りはある意味大変。視界が開けすぎて遠近感が狂うので、あそこまですぐだろうと思っても、なかなか着くことができない。コツコツと距離を稼ぎ、しばらく行くと岩室あたりでかなり斜度が上がってくる。ここでシートラ&ピッケルにチェンジ。ここら辺は小雪渓と呼ばれるところらしい。景色もアルペン的でなかなか良い。ただ今日は天気は昨日に引き続き快晴なのだが、なぜか風が強い。しかもたちの悪いことに向かい風なので、急斜面の登りと合わさり、意外と苦しめられる。お花畑避難小屋あたりでようやく急な斜面は終わったが、相変わらず風が強い。うーん、ここが正念場か。一歩一歩踏みしめていき、だんだん視界が開けてきた頃に、ついに稜線に立った。積雪期の後立山連峰の稜線から見る西側の展望。言葉にするとなんでもないようだが、自分は一年前の八方尾根での雪上訓練を思い出す。そのときも快晴だったが、二月ということもあり危険要素も多かったし、唐松岳に向かう途中で引きかえした。そのとき純粋にあの稜線の向こうにはどんな景色があるんだろと感じ、いつか見てみたいと思っていた。そして今回天気にも恵まれ、その思いが叶えることができた。天高く突き上げる剱岳の威容やそれに連なる立山連峰。しかも今回は今日中にそこにいるんだなと思うと、なんだか不思議な気分だった。
山頂に近づくとだんだん雪も無くなってきたので、白馬山荘手前でスキーと荷物をデポし、空身で山頂へと向かう。しかし相変わらず強烈な風が吹き続けているため、白馬山荘でしばらくゆっくりと休むことにする。実は昨日Lが白馬駅のマックでハンバーガーを三つ買っており、白馬山頂で山頂マックという前代未聞の計画を実行しようとしていたのだが、この風でそれどころではなく腹も減っていたので、ここで食べてしまった。うーん、残念・・・。結局小屋では30分程休憩したが、相変わらずの風なのでぼちぼちと山頂へ向けて出発。う・・・これはやばい。耐風姿勢が必要ではないかと思われる強さにまで、風の強さが達している。さすがの辻さんも頂上を断念し、岩陰で待っているとのことである。何とか耐えながら頂上に登り切ると、風もいくぶんか穏やかになってきたようだ。まあそこはなんと言っても北アルプス北部の盟主『白馬岳』。素晴らしい360°の大展望!!写真を撮っていると、ガケからいきなりピッケルが!?白馬岳主稜を登ってきたクライマーがいきなり足元に現れた。こんな風が強い中よくもまあ・・・。すごい人達だ。山頂で心ゆくまで展望を満喫した後、再び白馬山荘へと戻る。
ここからは待望の小&大雪渓滑降。登りにあれだけ苦しめられた場所も、滑ってしまえば本当にあっという間だ。ちょうどこの時間頃は登山客も増え始め、200〜300人はいるんじゃないかと思われる大混雑ぶり。さすが白馬の大雪渓!!その横をスキーで滑っていくのはかなり気持ち良い。岩室あたりの急斜面も10:00を過ぎれば雪が柔らかくなっているので、滑落の危険もなく滑ることが出来る。白馬山荘付近から大雪渓上部辺りまではそれなりに快適な滑降を楽しめた。ただ大雪渓に入ったとこで思ったのは人の足跡・・・。これだけ人がいれば、辺り一面中にあるのだが、滑降中それらがスキーに引っかかり、いまいち上手く滑れない。人が多すぎるフィールドは、やはり滑降に適さない。
50分程であっという間に滑降も終了。いや〜やっぱりさすがは白馬岳!!なんだかんだいっても雄大な自然と、残雪期でもスキーを楽しめる斜面がたくさんあり、本当に素晴らしいとこだと思う。天気も終始快晴だったし、それなりにハードな行程で、満足の行く山行だった。そしてこれからはGW後半編『立山』山スキーが待っている。テントを撤収し、荷物をパッキング。バスに乗って白馬駅へ。ここから見る白馬三山はやっぱり神々しい。白馬岳の斜面には名前の由来になったともいわれる代馬の残雪あともはっきりと見える。白馬の地に名残おしみながらも、次の目的地へ向かうため、信濃大町への電車に乗り込んでいった。
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