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記録ID: 217
全員に公開
沢登り
丹沢

世附川水系 水ノ木沢

2004年11月27日(土) [日帰り]
情報量の目安: B
都道府県 神奈川県 山梨県
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kamog tuna その他1人
GPS
09:30
距離
13.0km
登り
1,036m
下り
1,032m

コースタイム

11/26(金)
 道志みち・山伏峠トンネル脇駐車スペース(幕営)
11/27(土)
 5:30 起床
 6:30 山伏峠発
 7:00 大棚ノ頭
 7:30 西丸(1227m)北東尾根仕事道
 8:00 金山沢沖ビリ沢に降りる
 9:10 菰釣橋手前分岐
 10:05 水ノ木沢入渓
 11:05 梅ノ木沢合流点
 13:20 菰釣山北西稜線
 15:40 大棚ノ頭
 16:00 山伏峠
天候 快晴
過去天気図(気象庁) 2004年11月の天気図
アクセス
コース状況/
危険箇所等
・道志みち・山伏峠トンネル脇駐車スペースは、5,6台駐車可能。
・地形的に風がとおりやすく、強風時はテントが張れないので注意。
・山伏峠登山道入り口は廃墟ホテル横の鳥居をくぐる。
・大棚ノ頭には標識にない登山道があり、それを下ると西丸北東尾根仕事道へ。
・金山沢へは藪漕ぎ中心だが、比較的わかりやすい踏み跡あり。
・赤テープも所々にあるので注意して進めば問題ない。
・踏み跡を頼りに沢を下り左岸を見上げると石積みが見える。そこが林道。
・林道は上から下ると菰釣橋が少々わかりにくく要注意。3分岐で右手前方になんとなく
ある。
・水の木沢林道を歩き、堰堤を越えたところが入渓点。
・渓相はナメが多く水量も多くてきれいだが、苔が多く非常にすべるので要注意。
・最後は藪漕ぎ。距離は長くないのでなるべく少ないところを選んで進めば苦ではない。
・稜線に出ても山伏峠まで2時間ほどかかるので全体に早めの行動が必要。

遡行グレード:1級上(遡行自体は1級だがアプローチと下山が長い)
ファイル
非公開 217.xls
計画書
(更新時刻:2010/07/28 08:54)
中盤に出てくる10m滝
中盤に出てくる10m滝
ナメ帯の後に出てくる10mスラブ滝
ナメ帯の後に出てくる10mスラブ滝
さらにナメは続く
さらにナメは続く

感想

西丹沢でも中川川や玄倉川流域の沢と比べ
世附川流域の沢は平凡な流れが多い。
数ある記録を見ると「期待以上!」という評判が多かったのだが
それも世附川の中でのことだろうと半ば期待しなかった。

しかしこの沢、何といってもアプローチが悪いのだ。
丹沢湖の西端、浅瀬から入ると林道を延々3時間近く歩いて入渓できるが
稜線に上がってから浅瀬に戻るには、菰釣山から山中湖方面に縦走し
切通峠から林道経由で6時間半、菰釣山から逆に城ケ尾山経由で4時間半と
一日の行動時間が通常で11時間以上に及ぶ。菰釣山近くのブナノ丸から
道志みちに降りるのが一番早いがバスの本数が極端に少ない。

車で行った場合どうしたらよいものか思案した結果
道志みちの山伏峠から大棚ノ頭に登り、バリエーションルートではあるけど
西丸から沖ビリ沢を下り、金山沢沿いの林道から入渓したのち、
東海自然歩道を縦走すれば日帰りで戻ってこれそう。
念のためwebでも探すと、やはり皆同じことを考えていたようだ。
中には単独で同ルートを17時間かけて夜、山伏峠に降りた記録もある。
「そんなに迷う箇所があるのかい?」
少し不安も覚えたが10時間計画で行ってみた。

未明山伏峠トンネル手前(山中湖方面から)右側の側道入口に車を入れる。
先にゲートがあるけど、5〜6台は停められるかしら。
車から降りて、折からの発達した前線通過に伴う突風に見舞われる。
テントはどうあがいても飛ばされてしまうので、仕方なく2名は車の中で
僕は車の横でシュラフを被って仮眠。時折突風に弄ばれた。

小野ちゃん(アルパインクラブ横浜:利根川本谷同行者)が足を揺さぶって
起こしてくれた。
「あ!45分寝坊した」
結局計画書より30分遅れのようやく明るくなり出した6:30に出発。
オーダーは自然と小野、綱島、後藤の順になる。自然とオーダーが決まるのは
メンバーがそれぞれ役割をわかっているという阿吽の呼吸なのだ。
営業停止している赤い屋根のホテルは玄関のドアも空いており、いかにも
幽霊スポットになりそうな廃墟。その横の鳥居が登山口。
大棚ノ頭に近づくと東の空から差す太陽が眩しい。
水ノ木分岐のピークまで登り、ここから西丸(1227m)を目指して南東尾根を
笹を掻き分けながら歩く。
地形図では西丸の北斜面を巻くように仕事道がつけられていたが
それは判然とせず、西丸ピークまで踏み跡は続いていた。
ピークから沖ビリ沢目指して尾根を下る。時々赤テープとかすかな踏み跡を
忠実に追うけれど、痩せた支尾根が出始め、ここはルーファイの見せ所。
やがて沖ビリ沢らしき小沢に降りるが、あとは河原と左岸の踏み跡を拾えば
やがて左岸の林道となった。誰もいないけど明るい開けた林道をてくてく。
30分少しで道はT字路に。ここは下ばかり見ているとT字路とはわからないかも。
左折方面しかわからないかもしれないが、振り返ると右には菰釣橋がある。
左側に進むと川上に向かって歩いていることに気づき「あれ?」と思うが
ここはもう水ノ木林道に入っているので正解。
やや登りの林道は支流を回り込むように付けられているが、また水ノ木本流に戻る。
堰堤を越えた辺りで入渓する。

12月も間近だけれども足下を濡らす水はさほど冷たくはない。
みんなは「こんな時期に沢登りだなんて・・・」と思うかもしれないが
それは泳ぎの沢であって、膝程度の沢なら寒波の時以外は問題ないであろう。
それだけ沢登りに傾倒している人が少ないってことだ。
やがて3mほどの滝、そしてナメ帯、小ゴルジュ、3m滝、釜滝・・・
ヘツリあり、小高巻きあり、「おぉ遡行感度なかなかよい沢じゃないか」。
しばらく歩くと今度は10mくらいの滝だ。ここは右側の階段状を簡単に登る。
登れば今度は何とも小ぎれいなナメ帯。まるで奥秩父のナメラや竜喰谷みたい。
しかも丹沢の他の沢と違い、空が開けている。晩秋の真っ青な空と葉を落とし
冬を待つ木々に吸い込まれそう。とどめはまたまた10mはあるナメ滝。
奥の二俣で休憩をとり、ポカポカ日差しに昼寝と洒落込む。
丹沢でも珍しいナメと開けた谷は5本指に入るんじゃないかな。
期待薄であったためか、前評判通り期待以上の沢だ。

上流部は水も涸れガレ登りとなる。
本当は菰釣山周辺に詰め上がる予定であったが、左沢に入り、最後の三俣は
真ん中に入った。脆くなったザレを急登し、最後の数十mは濃密な笹藪漕ぎで
ブナノ丸西側コルで東海自然歩道に出る。
あとは一般道だから楽ちんだろうと思っていたが、小さなアップダウンが
幾つも続き疲れ切ってしまった。
お馬鹿なことにトレッキングシューズを持ってきたつもりが、冬用登山靴を
間違えて持ってきてしまったため疲れも倍増だった。
2時間のコースタイムをそれ以上かけてしまい、僕は一番最後16:15に
山伏峠に戻る。それでも計画した10時間を何とか割れたのでよしとするか。

今回のコースは登って下って登って下ったのでやっぱり疲れた〜。
もし体力に自信のない人、高巻きなどに時間のかかる人がいくなら
1泊2日で組んだ方がよいと思う。林道でも沢中でもビバークできる箇所は
何カ所かあるし。
沢自体はそうさなぁ・・・あまり関係ないけど1級上ってとこか。
本当に沢だけなら「何でこの沢がメジャーにならないの?」というくらい。
やはりアプローチと下りに時間がかかるからであろう。
でもこの人跡少ない世附エリア、このままにしておいてほしいな。
次に狙いたいこのエリアの沢は法行沢あたりかな。

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