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Yamareco

記録ID: 2177924
全員に公開
アルパインクライミング
八ヶ岳・蓼科

八ヶ岳 小同心クラック

2020年01月11日(土) ~ 2020年01月12日(日)
 - 拍手
jassmine その他1人
体力度
2
日帰りが可能
GPS
09:43
距離
3.5km
登り
650m
下り
649m
歩くペース
ゆっくり
1.31.4
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

1日目
山行
4:08
休憩
5:09
合計
9:17
距離 3.5km 登り 650m 下り 660m
8:41
6
10:29
10:31
19
10:50
14:50
17
15:07
15:56
54
16:50
17:07
44
17:58
0
17:58
ゴール地点
小同心基部で登攀準備、11:35 1Pめ開始 14:46 4P終了、小同心の頭。
コンテで雪稜歩き、横岳山頂直下へ。
15:07 5Pめ、横岳を登るが途中敗退。クライムダウン。下山ルートは横岳を左トラバースして大同心沢から大同心へ戻り、大同心稜から鉱泉へ。

ロープは登攀自体では50m 1本でよいと思うが、懸垂下降を想定するならば50m 2本のほうがよい。
ホールドは豊富で、ほぼ手での登攀となる。したがって登攀に際してはピッケルは1本で充分。
各ピッチの最終支点はしっかりしたハンガーがあり明確。
カムはほとんど使えそうにない。
横岳直下のピッチだけは、カムを使うしかないかも、、、
天候 晴れ、ほぼ風なし、日中の気温 -5℃
過去天気図(気象庁) 2020年01月の天気図
アクセス
利用交通機関:
バス 自家用車
毎日アルペン号で4:15に美濃戸口着、
自家用車で前夜いり、八ヶ岳山荘で仮眠。
コース状況/
危険箇所等
雪は少ない。
1/8の吹雪で鉱泉から上はエビの尻尾や樹氷がたっぶり
最初は大同心沢の左岸を登り、ほどなく沢を渡り大同心稜へはいる。
2020年01月11日 08:51撮影 by  COOLPIX AW110 , NIKON
1/11 8:51
最初は大同心沢の左岸を登り、ほどなく沢を渡り大同心稜へはいる。
大同心稜、樹林帯の急登だが明確な尾根線
2020年01月11日 09:18撮影 by  COOLPIX AW110 , NIKON
1/11 9:18
大同心稜、樹林帯の急登だが明確な尾根線
樹林帯をぬけて傾斜が緩まる。風で樹氷どうしがぶつかってガラスの風鈴のような音。
2020年01月11日 09:50撮影 by  COOLPIX AW110 , NIKON
1
1/11 9:50
樹林帯をぬけて傾斜が緩まる。風で樹氷どうしがぶつかってガラスの風鈴のような音。
大同心が見えてくるが、ここからまだふた登りくらい。
2020年01月11日 10:08撮影 by  COOLPIX AW110 , NIKON
2
1/11 10:08
大同心が見えてくるが、ここからまだふた登りくらい。
大同心
2020年01月11日 10:16撮影 by  COOLPIX AW110 , NIKON
5
1/11 10:16
大同心
大同心の基部を右に沿って小同心へトラバース。支点は1か所くらいしかない。ロープは出さなかったが雪の状態が悪ければコンテでも。
2020年01月11日 10:25撮影 by  COOLPIX AW110 , NIKON
1/11 10:25
大同心の基部を右に沿って小同心へトラバース。支点は1か所くらいしかない。ロープは出さなかったが雪の状態が悪ければコンテでも。
小同心下部。氷がたくさんついている。正面からとりつく。ビレイ支点なし、木の根か岩でとる。氷が風でぱらぱら落ちてくる。
2020年01月11日 10:49撮影 by  COOLPIX AW110 , NIKON
2
1/11 10:49
小同心下部。氷がたくさんついている。正面からとりつく。ビレイ支点なし、木の根か岩でとる。氷が風でぱらぱら落ちてくる。
1Pめリード。左上が終わったあたり。エビのしっぽがびっしり。
2020年01月11日 07:06撮影 by  DMC-FT3, Panasonic
1
1/11 7:06
1Pめリード。左上が終わったあたり。エビのしっぽがびっしり。
1Pめ終了点。ハンガー。残置スリングとカラビナあり。
2020年01月11日 12:19撮影 by  COOLPIX AW110 , NIKON
1/11 12:19
1Pめ終了点。ハンガー。残置スリングとカラビナあり。
1Pめ終了点からとりつきを見る。
2020年01月11日 12:19撮影 by  COOLPIX AW110 , NIKON
2
1/11 12:19
1Pめ終了点からとりつきを見る。
3Pめは左ルートを選択。チムニーは狭くて体が入らないので、左の岩の上にあがる。内側に支点あり。まずクリップしてから。
2020年01月11日 13:41撮影 by  COOLPIX AW110 , NIKON
2
1/11 13:41
3Pめは左ルートを選択。チムニーは狭くて体が入らないので、左の岩の上にあがる。内側に支点あり。まずクリップしてから。
4Pめ終了点を見上げる
2020年01月11日 14:46撮影 by  COOLPIX AW110 , NIKON
1
1/11 14:46
4Pめ終了点を見上げる
横岳直下から左
2020年01月11日 15:07撮影 by  COOLPIX AW110 , NIKON
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1/11 15:07
横岳直下から左
5Pめ、横岳直下。横岳山頂で終了するつもりだったが、途中まで登って支点なく敗退。クライムダウンする。
2020年01月11日 15:10撮影 by  COOLPIX AW110 , NIKON
4
1/11 15:10
5Pめ、横岳直下。横岳山頂で終了するつもりだったが、途中まで登って支点なく敗退。クライムダウンする。
横岳基部にそって左にトラバースし、大同心脇から降りることにする。
雪はしっかりしており、ピオレトラクションでの急斜面の下りもステップをしっかり踏めた。
2020年01月11日 15:57撮影 by  COOLPIX AW110 , NIKON
3
1/11 15:57
横岳基部にそって左にトラバースし、大同心脇から降りることにする。
雪はしっかりしており、ピオレトラクションでの急斜面の下りもステップをしっかり踏めた。
トラバース後、大同心の上の広場へ。ここへは横岳と硫黄岳の間の稜線(登山道)からも下れる。雪はそんなに深くなく、ラッセルや踏み抜きにはならなかった。
ここから大同心と小同心の間へおりる。
2020年01月11日 16:08撮影 by  COOLPIX AW110 , NIKON
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1/11 16:08
トラバース後、大同心の上の広場へ。ここへは横岳と硫黄岳の間の稜線(登山道)からも下れる。雪はそんなに深くなく、ラッセルや踏み抜きにはならなかった。
ここから大同心と小同心の間へおりる。
懸垂地点へはこんな感じのところをクライムダウンしてきた。悪い。
夕日でアーベントロート。
2020年01月11日 16:39撮影 by  COOLPIX AW110 , NIKON
4
1/11 16:39
懸垂地点へはこんな感じのところをクライムダウンしてきた。悪い。
夕日でアーベントロート。
大同心と小同心の間のコルから、往路でトラバースした地点まで懸垂下降。長いスリングの懸垂支点あり。
2020年01月11日 16:39撮影 by  COOLPIX AW110 , NIKON
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1/11 16:39
大同心と小同心の間のコルから、往路でトラバースした地点まで懸垂下降。長いスリングの懸垂支点あり。
懸垂で大同心沢へおりる。50mで往路で小同心へトラバースした地点の近くまで下降。ロープをしまい、大同心基部へトラバースして戻る。あとは大同心稜を下り、赤岳鉱泉まで。
2020年01月11日 16:39撮影 by  COOLPIX AW110 , NIKON
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1/11 16:39
懸垂で大同心沢へおりる。50mで往路で小同心へトラバースした地点の近くまで下降。ロープをしまい、大同心基部へトラバースして戻る。あとは大同心稜を下り、赤岳鉱泉まで。

装備

個人装備
12アイゼン 縦走用ピッケル1本
共同装備
50mダブルロープ2本 アルパインヌンチャク10本

感想

◆とりつきまで
赤岳鉱泉から硫黄岳方面に向かってすぐの大同心沢の標識から、ロープをくぐって沢に入る。
踏み跡は最初沢の右側(左岸)にある。これに沿ってしばらく登り、踏み跡が沢におりるとほどなく沢を横切って右岸の稜線に上がる。(この稜線への踏み跡と、そのまま沢を詰める踏み跡に分かれる。)
最初は斜面をトラバースしつつ登る感じだが、そのうち樹林帯の明確な尾根上を歩くようになる。大同心稜、ずっと急登が続く。
傾斜が緩まり樹林帯から出ると大同心が目前に見える。が、ここから大同心基部までもアップダウンのある雪稜を進む。見えているわりに時間がかかる。
大同心基部の岩壁に沿って右へトラバース。前回はコンテとしたが、今回はロープはださず。トラバース部分の中央あたりに1か所支点があるのみ。
小同心の基部に向かい、正面まで登る。正面は足場のいいテラス。ここで準備する。

◆小同心クラックの登攀(4P, 3H余り)

1Pめ IV 30m? 左上から急なチムニー (リード)

とりつきには残置支点はないので、岩か、あれば木の根でとる。
明確な左上ラインをのぼり、そのあとチムニーの直上。
とりつきから左上が終わるところまでは残置支点はないので岩でとるしかないが、岩はどれも丸くてスリングがかかるものはほとんどない。カムがとれそうなクラックもないので、ほぼ確保なし。難しくはないがしびれる。
ホールドは、2日前の風雪で氷やエビのしっぽがついており持ちにくい。ピッケルで氷を落としながら進む。
左上部分が終わるとようやく残置支点が出てくる。一安心してチムニーを直上。
ホールドは豊富だが、やはりピッケルで氷をおとしながら登る。
最初にりっぱなハンガーが出てくるところでもピッチを切れるが、もうひと登りしたところにも同様のハンガーがあるのでそこまで登ってから切る。
残置スリング、カラビナあり。

2Pめ IV 35m? 急なチムニー(フォロー)

チムニーを直上。
ここも岩ではほぼ支点をとれないので、残置ハーケン(2〜3か所)を探していく。
途中、ついたてのような岩にぶつかる。立派な支点があるのでそこでもピッチを切れるが、右側のチムニーを継続して登る。チムニーはどこも似た感じだが、ここが一番登りにくいかもしれない。レッジで2Pめを切る。

3Pめ IV 15m? 左のクラックか右の凹角の2ルートに分かれる。(リード)

レッジから右ルートと左ルートに分かれる。
トポによるとどちらでも行けるらしい。
右は、チムニーから継続しているような凹角、
左は垂壁で体がはいらない狭いチムニーから。
前回は右を登り、難しくなかったが、今回は雪で真っ白でホールドが悪そうだったためとても行く気にならない。ホールドが大きく明確な左ルートを選択。
チムニー(クラック?)には体は入れないので、まずクラックの左の岩の上にあがる。チムニー内部に新しいハンガーボルトがあるので、そこにクリップしてから行ける。
左の岩の上に立てたら安定する。そこからチムニーに入りなおして登る。ここからは難しくない。
チムニーを抜けるとテラス。ここでピッチを切ったが、次は短いのでテラス右から上にのびる階段状も継続して登ったほうがよかった。

4Pめ (フォロー)

テラスから右の階段状の凹角を登ると、小同心の頭にでる。
傾斜の緩んだ雪の広場に赤い残置スリングがあるので、そこから懸垂下降可能。
数メートル先の広場でピッチを切る。
ここで小同心クラックの登攀終了。
トポでは3Pのところ、4P切った。

このあとはコンテで横岳山頂直下まで歩く。

◆横岳山頂直下

横岳直下は雪がつもって岩がでていないのでビレイ支点が取れず、かろうじて出ていた灌木の根でビレイ支点をとる。
横岳正面を直上。
ここを1Pスタカットで登って山頂にでるつもりだったが、中間支点(残置)が1か所もとれない。ホールドも雪でうまって悪く、途中で登攀を断念。クライムダウンして基部に戻る。

◆下山

このため、横岳基部を左にトラバースして大同心の上部にでることにした。
横岳の左側とを5mくらいトラバースしたのち、雪壁を後ろ向きでピオレトラクションで下る。ここは上部でビレイ。
雪はたっぷりだが、そこそこしっかりしているので快適に下降のステップを踏める。
50mロープ1本をめいっぱいのばして相方がルンゼへ下降。あとに続く。
ここからコンテで進む。
相方はそこから大同心のほうへルンゼをトラバース。雪が深くて歩けないのではと危惧したが、ほどほどに締まっており問題なし。
横岳山頂に登った場合の下降ルートとして、横岳と硫黄岳の間の稜線から大同心のほうへおりるルートが考えられるが、それと同じところまでトラバースで移動したことになる。
大同心の上の緩斜面でコンテ解除。いったんロープをしまう。

大同心上の緩斜面から小同心との間のコルへ降りる。
無雪期に見られる縞模様の垂壁の上部だと思う。
コルには残置の長いロープの懸垂支点がある。50mロープ2本で目いっぱい懸垂下降。50mロープ2本持参が役に立った。
往路で大同心から小同心へトラバースした地点の1mくらい上まで懸垂で降りられた。ロープをしまい、大同心基部にトラバース、あとは往路を同じ大同心稜を戻る。

◆下山ルートについて
(1) 横岳下部をトラバースして大同心と小同心の間のコルから下降するルート(今回
(2) 横岳山頂に登り、稜線から大同心上斜面におり(懸垂下降でも)、そこから(1)と同じ下降路をたどるルート
(3) 横岳山頂から稜線の登山道を硫黄岳経由で、または地蔵尾根から下山。
(4) 小同心の頭から登攀ルートを懸垂下降
などが考えられる。
小同心クラックの各ピッチにはしっかりした終了点があり、ほぼ残置カラビナもあるのでロープ長さえたりれば懸垂下降は可能と思う。





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