雨の久住山 風強!
- GPS
- 05:29
- 距離
- 11.4km
- 登り
- 964m
- 下り
- 669m
コースタイム
4:10瀬の本ー7:30久住山頂ー7:45避難小屋8:00−9:20牧ノ戸峠
天候 | 最初から雨 強風 最後に雨がやみ風景を見ることができた |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
赤川 :30台ほど可 トイレ・入山届ポストあり 牧ノ戸峠:50台ほど可 トイレ・入山届ポストあり |
コース状況/ 危険箇所等 |
特になし 共によく整備された道 特に赤川ー久住山ルートは近年整備が進み、今年は非常によく整備されていた。 今の時期は赤川・瀬の本のルート共に草が伸び、晴れていても朝露で濡れることを覚悟したほうがいい。カッパのズボンはずぶ濡れになる前に着用したほうがいい。 |
写真
感想
「このままでは夏が終わる!23日休みを取って朝2時出発」という話をしていたら、帰省していた二男が、「俺も行こうかな〜。」と言うので、計画を練りなおす。帰省してしばらくは友達との予約で毎日毎晩忙しくしていたが「体が鈍る、トレーニングしなければ。」ということだろう。
3人の体力が違いすぎるので、現役アスリートの二男はコースタイムは標準の半分を想定して、最初は「初めてのルート & 夜間1人歩き」に「瀬の本から扇ガ鼻・その後は1700m級、何座制覇できるかタイムレース」をプラスしてコース設定する。私は「赤川から久住山・それから気分次第で1700m級をいくつか・本当はすっずしい風に吹かれて雲海と日の出を見ながらどっかの山頂でコーヒーブレイクコース」ということで。最近「一緒に行こう。」と誘っているのに「家事が忙しい。」と渋るもう一人「牧ノ戸峠から気分次第で適当に休憩しながらコース」を設定する。
ハンデイ機を使うと別々に歩いていても一緒に歩いているような錯覚を覚えるほど楽しい会話しながらの山行ができる。しかも各自の体力レベルでコース設定ができ、逆コースから歩けば車のために周回やピストンすることなくコース設定できることも魅力。もちろん携帯でも可能だが、バッテリーの問題や「いつでもON」ですぐ話せる状態は、ホントに楽しいし会話しやすい。そして全員が会話を共有できる。九重の夜明けを見ながら共通の会話ができるのはホント楽しみだ。
U−20のヤングナデシコをテレビ観戦してしまい、結局そのまま起きていて準備、お弁当も用意してくれて予定通り(最近、予定通りはとてもめずらしい!)午前2時に出発できた。
ちょっと心配は天気。長者原・阿蘇・熊本の予報はどこも一緒で「晴・午後一時雨」ということで午前中にミッションが完結するので問題ない。ところが竹田だけ「朝6時小雨、のち1日曇」というちょっと嫌な予報。
2時にスタートすると阿蘇外輪山の二重の峠付近はいつも濃霧になるので本当は阿蘇谷経由で久住に行きたいが、今回は7月の大洪水の影響でやまなみハイウエイの阿蘇側がまだ通行止でミルクロードを使うしかない。嫌な予感。外輪山のミルクロードを走る。予想通りの濃霧。ここの霧は強烈で視界が5m程。ノロノロ運転で時間はかかるし、とても見えにくいので非常に神経を使う。途中「霧が晴れて来たかな…」と思ったら予想外の小雨が…。「まあ、6時過ぎには止むだろう。」と思っていたが、予想に反してその後は結構な雨となる。かといって中止したり時間を遅らせることもなく天気予報を信じて「瀬の本コース」ー「赤川コース」−「牧ノ戸峠コース」の順で出発し、後は連絡を取りながら状況により各自歩き、どっかいい場所に3人が集合して一緒にコーヒーブレイク、そしてまた、各自のペースで歩いて最後は牧ノ戸峠に帰る、という予定で、各自、雨が強く降る中、真っ暗な森の中へ1人進む。
ところが最悪でも「6時にやむ」という竹田の天気予報だったのに雨は増々激しくなる。先月の豪雨で赤川温泉上流の丸木橋が流されていないか心配だったが、無事だった。豪雨の後はいつも流失して靴が水没する羽目になったのでホッとする。でも真っ暗な森の中を雨に降られながらカッパを着て1人黙々と歩く気分はいいものではない。ライトの範囲が狭いので視野が狭くなり、周囲が確認できない上に、雨で道と川の区別がつきにくく、時々道を間違う。
場所的に最初は3人とも無線も携帯も通じない場所なので、黙々と歩く。
やむどころか増々雨は強くなり、早く予定変更の連絡をしたいが、二男と連絡が取れない。ロケ的には電波は届くはずなのに応答がない。携帯の方で何回も連絡を試みるが、二男には「バッテリー保護のために携帯の電源は切っておけ。」という指示を出していたので、それを忠実に守っているらしく携帯もダメ。
標高1500mを超えると雨は増々強くなり、風も凶暴性を増し「後で雨もやむかな…」の微かな希望は、完全に可能性がなくなり、「感動の御来光と爽やかな風に吹かれながら楽しい会話で満たされたハイキング、そして絶景の中でみんなで薫り高きコーヒーブレイク」の夢は跡形もなく吹っ飛んでしまい、この悪天候では二男がまた「伝説の遭難未遂 第3章」をやらかすのでは、と「冷や汗もん」の厳しい状況になってきた。牧ノ戸峠発組は早々に「暴風雨のため山行中止・長者原でリゾート中、コーヒー飲みながら待機中」の連絡あり。
久住山の山頂まで登ればロケもよくなり無線も確実に使えるので先を急ぎ、少しでも早く計画変更の連絡を取りたい。次男は体力に関して自信過剰で、そのために「危険を事前に察知する」という謙虚さに欠けているので、ガスで方向を見失い、現在地の確認も気にすることなく、体力任せのバリバリ行ってしまうのでは、と心配する。特に稲星や白口岳や中岳方面に行っていたら、連絡できない状態で濃霧の中を回収するのはとても面倒になる。「今どこ?」「まわり真っ白。うーん、目の前に大きな岩があるなあ〜。」「はあ?」「…」そんなトンチンカンな会話が始まるかもしれない。
牧ノ戸峠で「いつ帰ってくるやら…。」とボ〜っと待つのも辛い。
山頂に着いて交信を試みるが、絶対に交信できるはずのお互いの位置関係のはずなのに連絡がつかない。この強雨で無線機がザックの中で水没の可能性もあるし、スピーカーマイクも「多少の雨ならOK」程度でも基本的に防水仕様ではないので、この雨で機能が停止してしまうこともある。あと一つの可能性は「避難小屋で待機中」もある。
山頂は濃霧の上、暴風雨で早々に下山を開始すると、向こうから人影が…。
「聞こえなかった?」「この付近でやっと聞こえたけど、それまではゼンゼン聞こえなかった。」ということで、ザックの中にある無線機の状態をチェックするが水没は免れているようでホッとする。ここで待つのも寒いので「久住分かれの小屋で待っているから、頂上に行って来い。必ず小屋に来るように。」と言って別れるが、ロケはいいのに少し離れると全く交信できない。無線機の調子が良くない。小屋でお互いの無線機のスケルチなど調整するが改善が見られない。電波は届いているが「声が小さいし、ひどい時は全く入らない。」とのこと。結果的に水没しているスピーカーマイクの問題かな〜。
(後日、しっかり乾燥させてチェックしたらOKだったので、不調の原因は「スピーカーマイク水没」でした。
現在、我が家ではNO1の体力の持ち主である二男(総合的には今は三男かも知れないが)は、その体力がある故に数々の遭難未遂(まあ、単なる道迷い)伝説を打ち立て、「要注意人物」というレッテルを張られている。
今回は「夜道と未踏ルート」ということで「迷った時はこれで確認せよ。」とGPSを持たせた。という訳でこの山行記録のログは次男の歩いたルートです。
避難小屋で飯を食って一息入れたら、ボソリと「中岳に行っていい?」と物足りなさそうだったが、この天気で無線機の調子が悪いとなれば「撤収!」となる。少し休憩して一気に牧ノ戸峠へ。
「平日でこんな悪天候」ということで「今日は誰もいない。」と思ったが、星生崎で一人と下山直前に天候が回復傾向になったために、牧ノ戸峠で待機していたグループとすれ違った。
びっくりしたのは、赤川ー久住山のルート整備で、昨年は途中までだったが、今年はほぼ完成していた。今までは「土の急斜面が崩壊して、よく滑るので、あまり使いたくないルート、特に下山は滑るので危険。」という印象だったのが、「雨でも安全に登ることができる素晴らしいルート。雨の日の下山に使っても快適。」と感じるほどに整備されている。
1年前の夏に同じルートを歩いているので写真もご覧ください。
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-125094.html
「雨と風ばかりの山行」で最大の思い出は、最後の登り、沓掛山の鉄ハシゴのところで強風に煽られ、体のバランスを崩し、踏ん張った時、足を滑ベらせて右足の脛を「ギエッ〜ツ!」と叫びたい程、打ちつける。
しばらくは痛みもひどかったが、下山して脛を見たら少し切れていて血が出ていた。「この程度で済んだ…。」とホッとしたが、下山後の温泉で「ギエ〜ッ!」というほど傷口がしみてしみて、「脛を上げながら」という変な格好で温泉につかる。
いつもの「高菜飯定食」のお店に向かうが、途中の道が通行止で迂回路を遠回りする。途中の道もいたるところでガケ崩れとなり工事中で片側通行の場所も多い。特に内牧温泉付近は大変な被害だったことを、ここに来て初めて実感する。
高校野球の決勝戦を見ながら、ガッツリ食べて帰路につく。
赤水付近のここから見える外輪壁のいたるところでガケ崩れの跡が生々しい。立野から白川周辺の住宅や田畑被害もひどいことを知る。
とても楽しみにしていた山行だったが、最後に阿蘇を通って、その被害の大きさを実感し、大変なことだったことを改めて再認識した。
コメント
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せっかくのご家族3人での登山なのにホント残念でしたね〜 。
三人三様のコース取りで久住山を目指し久住山近くで集合、至福のコーヒーブレイク・・、なかなか楽しげでおもしろうそうな計画でしたね・・。久しぶりの山行が雨に降られて重ね重ね残念 。
それと昨年の山開き、雨の中、赤川から登って途中ずるずるだったんですが、登山道が整備されたんでしょうか。雨でも大丈夫とのことでこれから楽しみですね。ついでに扇ヶ鼻への登山道も整備されると良いんですが・・・ 。
土砂降りの雨の中、あの赤川登山道、とても整備されていました。
「下りにも使えるなあ〜 」そんな感じで相当な整備費が投入されたような感じです。
赤川−扇ガ鼻ルート、瀬の本ー扇ガ鼻ルート共に夏は夏草が生い茂り今の時期はちょっと大変な区間がありますね
夏の九重は、夜明け前後の2〜3時間がとても好きで爽やかな少し冷たい風に吹かれながら登り、日の出と共に少し暖かくなって、雄大な風景を見ながら朝食、コーヒー、気温が上がるころゆっくり下山が定番なのですが、今回も天気予報から考えても「夜明け前の少し不安定な天気」程度に考えて登りました。台風の影響もあったかもしれませんね
これで「今年の夏の九重、終了… 」そんな感じです。
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