富士山(富士宮ルート)
- GPS
- 14:10
- 距離
- 7.5km
- 登り
- 1,393m
- 下り
- 1,374m
コースタイム
天候 | 晴れ時々曇り 気温(五合目4:30 14℃)(山頂13:50 12℃)早朝の五合目は肌寒く、昼時の山頂は薄手のウインドブレイカーで十分でした。但し、早朝の山頂は真冬の世界になると思われます。 |
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過去天気図(気象庁) | 2012年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス タクシー 自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
8月下旬の富士宮コースに危険箇所はありませんでした。但し、足の疲労による転倒は何度か見かけました。特に下りでは足の運びに慎重さが求められます。 |
予約できる山小屋 |
八合目池田館
|
写真
感想
生まれて初めて富士山に登って来ました。一度位は登ってみたいと前々から思っていたのですが、なかなかチャンスがありませんでした。今回、山仲間で昨年六合目でリタイアしているUndiedokpさんがどうしても富士山頂(3776m)に立ちたいと言うので、戦略と戦術を練ることにしました。最初は山小屋を利用して、一泊二日で無難に登る予定でしたが、同行者の休日が取れず、仕方なく深夜発の日帰りでこのミッションを遂行することにしました。まず主要な4本のコースの内、どのコースを選択するか? 時間的余裕がないことと登りに休息を含めてたっぷりと時間をかける必要があるため、登頂時間の一番短い富士宮コースに決めました。また背負うザックの重量はできるだけ軽くする必要があります。ザックが重過ぎて、リタイアしたのでは何にもなりません。不足分はかなり高価(500mlの水のペットボトルが500円します)ですが、途中の山小屋で補充すればよいのです。さて時間の関係で電車が使えず、夜を徹して車で富士中腹の水ヶ塚公園(1450m)まで行くことにしました。蒸暑い東京(28℃)からスタートしたので、水ヶ塚公園(14℃)はとても肌寒いところでした。マイカー規制中なので、五合目(2400m)まではタクシーで1000m近く上がります。徹夜状態で一気に高度を上げたため、主役のUndiedokpさんはすでに高山病の症状が出ていました。全くの悪条件下での挑戦なので、出来るだけの対策をとることにしました。まず、五合目で1時間ほど休息をして高度順化し、その間に酸素の血中濃度を上げるための腹式呼吸の練習をしました。あとは十分な水分とミネラルを補給し、休息もとりながら、ゆっくりと時間をかけて登って行くだけです。五合目はまだ暗かったので、満天の星空の下ヘッドライトをつけて登り始めました。火山特有の火山礫の道が延々と続いています。眼下には駿河湾沿いの市街地の光がキラキラと輝いていました。六合目に至ると、ようやく朝日が射して来て、周辺の様子が見渡せるようになりました。朝靄に包まれて遠く愛鷹山や箱根連山が見えています。先週登った宝永山への分岐を過ぎ、七合目を目指します。山頂の方角を見上げても、山頂は隠れて見えません。大きな岩がごろごろしているところを登っていると、右手に黒々とした宝永山山頂の背後からまばゆく輝く朝日が見えました。先週宝永山山頂に登っているだけに感動的でした。朝日が射して来ると、寒さは急速に和らいでいきます。高度が上がるにつれて、次第に伊豆半島の山々や相模湾の伊豆大島などが見えてきました。箱根連山のカルデラの内側にはガスが発生していて、芦ノ湖が霧に覆われているのが想像されました。赤茶けた火山礫の斜面には高山植物のオンタデが群生していて、殺風景な山肌を黄緑に彩っています。七合目を過ぎると、宝永山の第二第三火口が見えてきました。地形のパノラマを眺めるのは楽しいものです。時々、どど〜んと大きな音が聞こえてきますが、陸上自衛隊の火砲演習のようです。御殿場方面の裾野を見ると、白煙が次々と上がっていました。御殿場の富士裾野には自衛隊や米軍の演習場がありましたね。上を見上げると、いまだ山頂は見えず、遠く八合目の衛生センターや池田館が小さく見えていました。抜けるような青空が広がり、空気も澄んで、陽射しは強いが、冷たい風が吹き上げてくるので、とても清涼な気分でした。八合目は3250mあり、高山植物も次第になくなり、火山礫や火山岩だらけの荒涼とした世界となります。傾斜もきつくなり、空気も薄くなってくるので、息をゆっくりとしっかり吐いて、目一杯の空気を吸い、高山病を防がねばなりません。九合目を目指して登っていると、前方に二本の白い木の柱が立っていました。近づいてみると、なんと小銭がびっしりと差し込んでありました。一体誰がいつ始めたのでしょう。九合目を過ぎると、雪渓が現れ、冷たい風が吹き抜けていました。昔、北アルプスの穂高の涸沢でワインを雪渓で冷やしたことを思い出しました。岩だらけの急な斜面を息を切らしながら登っていると、突然カラフルなスーツに身をまとったゴレンジャー(?)が上から颯爽と降りて来ました。日本一有名な富士山では、何が起こっても不思議ではありません。さすがにこの頃になると山頂が見えてきて、元気が出て来ます。但し、道が狭くなり、登り下りが共用なので、とても混雑して渋滞が起きます。やっとのことで山頂の浅間大社奥宮が見えた時は、困難に思えたミッションもこれで達成したと安堵しました。後は日本最高地点剣ヶ峰に立つだけです。その前に噴火口を見物です。単純な逆円錐ではなく、複雑でダイナミックな姿をしていました。気象観測所跡がある剣ヶ峰へは急坂をひと登りすれば到達します。但し、記念撮影する登山者が多く、列に並んで待たねばなりません。幸い、時間がずれていたせいか、15分ほど並んで日本最高地点に立つことが出来ました。やったぁ! さぁ、下山だ! 登りでは時間をたっぷり使い、写真も撮り続けましたが、下山はひたすら五合目まで降りるのみ。しかしMr.Joが下山時に高山病を罹ってしまい、激しい頭痛に襲われました。呼吸に問題があったと思われます。もっとも五合目に降りるにつれて、うそみたいに治りましたが。下山中にも多くの登山者が登って来ていました。富士山の人気のほどが分かりました。今回の富士登山で、深い呼吸(腹式呼吸)が出来れば、高山病をかなり軽減できることを自分の寝不足の身体を使って確認しました。呼吸の大切さを再認識しました。とにもかくにもUndiedokpさん、おめでとうございました。
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