スノーシュで歩く日白山&平標山縦走(熊とニアミス)
- GPS
- 15:50
- 距離
- 16.1km
- 登り
- 1,536m
- 下り
- 1,526m
コースタイム
天候 | 曇り→晴れ→強風 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
崖地の積雪状況に注意! |
写真
装備
個人装備 |
冬季幕営道具
ラッセル道具
スノーシュー
スコップ
冬季基本装備
ゴーグル
ピッケル
アイゼン
ストック
|
---|---|
共同装備 |
【M】ガス
ガスヘッド
新聞
お玉
ブス板
ツエルト
<BR>
【S】テント
MSR一式
水つくりセット
ランタン
なべ大中小
たわし
|
感想
20200215-16 日白山からの平標山
過去に日帰りで日白山へ行った事があった。
その時に、その尾根を辿れば平標山へ着けると知り、いつかはここを歩いてみたいと思い、
なかなかその機会に恵まれなかった。
この道は雪が無いと激薮の為、歩く事が難しいという事で、そのチャンスを伺い3年ほど前に一度企画をしたが、
雪不足の為、転進をした。あまりにも雪が多いとラッセルも大変だし、少ないと藪漕ぎになる為、なかなか難しいルートであった。
正月明けに1度、チャレンジするも雪不足と上部はあまりのパウダーで東谷山までたどり着く事が出来なかった。
今回は、2度目のリトライ。万を持して挑んでみた…。
今年は天候が安定せずになかなか良い山行に恵まれず。今回も初日は高温。2日目は降雨の予報。
無事に抜けられるか凄く心配ではあった。
二居の登山口では、日帰りで日白山に行く3人パーティが準備をしていた。心強いラッセル仲間だ。
入山口で、スノーシューを装着し入山する。雪も適度に締まり、トレースもある為、歩きやすい。先行者もいる様だ。
東屋で軽く休憩をして東谷山を目指す。先行のパーティはカメラを撮るパーティの為、抜きつ抜かれつし、少しずつ高度をあげて行く。
途中でスノーボーのパーティにも追いつく。
心配していた尾根上の雪もしっかりと言うほどでは無いが、登るには影響の無い位の量が付いており、藪漕ぎも無く快適に高度を稼いで行く。
前回1日かかっても着かなかった東谷山には3時間程で到着した。日も高くなり気温もかなり上がって来て雪がだいぶ緩みだす。
ここから先はラッセルをする必要がある。スノーシュとはいえ、上に載る雪が鉛のように重く感じる。途中メガネを落とし捜索する場面などもあったが、3人パーティと協力をしつつ1時間程で日白山に到着する。
ここから先は、平標山へ向かって歩いて行く。スキーヤが多いのか、スキーの古いトレースが残っている。
二居俣の頭までは順調に到着。ここからは崖地となる。雪庇の張り出しは少なくかつした方がえぐれ出している。慎重にルーファイをしながら進んで行く。崖地といってもスラブ状になっているので、落ちでも死ぬことは無さそうだが、雪庇の崩壊などは避けたい。
慎重に時間をかけて進んで行く。何とか無事にコル迄到着するも、パートナがバテ始める。
翌日の悪天候を考慮すると時間がまだあるので少しでも先に進もうとパートナと話しをして補給をしてもらい夕方の締まり始めている雪を利用して少しずつ高度をあげて行く。
16:00にテン場適地に着いた為、整地をしてテントを張る。下の方は雪が締まっており、整地には苦労しなった。
水を作り、たらふく水分補給をして、街の街頭も見えない真っ暗の環境で、満天の星空の元、文字通り嵐の前の静けさの快適な夜を過ごす。
ふと、耳を傾けると遠くの方から、低いバッフ音が聞こえる。
バフッ。バフッ。と等間隔に少しずつ近づいて来ているように感じる。
なんだろう… ウサギだろうか? 低い音はどんどん近づいてくる。声を殺してパートナとどうしようかと相談。
まずは手元のライトを目一杯着けようと持っているランタンなどを最大出力にする。
そうするとバッフ音は止まり遠ざかって行った。 2,3分様子を見て、吹き出しの穴から外を覗く。見える範囲は限られているが、近くに何かが
居る気配は感じられない。 またしばらくして外に出るとテントのすぐ脇、1メートルほど離れた所に整地時には無かった何かの足跡のようなものが見られた。その後は、物音がする事は無かったが、風が少しずつ吹き始めて来た。
朝、起きると、星や月はまだ見えるものの、高曇りになって時折強風がテントをたたき始めていた。テントの撤収を行う。
昨夜の足跡らしきものを再度確認するとクマのものであると確信が出来た。テントの本当にすぐ脇で止まっていた。
ランタンやライトを全開にして事なきを得たが、そのまま突っ込んで来られたらと思うととても恐ろしい。クマの足跡は痩せ尾根の稜線を上から続いていた。
恐らく上からこの尾根を降りて来て我々のテントにぶつかり進む方向を変えたような感じである。いうなれば、我々がクマの散歩道を邪魔した
のだろう…。
登山道は、平標山へ向けて一本道となり、上部に行くにつれ少しずつ道も太くなって安心度が増してくる。 それとは引き換えに風が強さを増してくる。
標高1700を超えると森林限界を越える。この頃になると常に強い南西の風が吹きおろし、行く手を阻むようになってくる。
仙の倉北尾根を思わせるような白一面の雪原が広がる。天気の良い時に歩きたかったなぁと思いつつ、風に負けじと稜線を目指す。
事前に予想をしていたが、稜線上はものすごい風が吹く。頂上までは残り100m程度ではあるが、とても頂上目指すような状況では無く、一歩足を出すのもよろめきながら、体を傾けながら進んで行く。
パートナは、あまりの圧で呼吸が出来ない位であったと例える程である。 幸い南向きの為、寒さは感じ無いが時折飛んでくる雪の粒が、礫となり体にあたる。小指程の雪のかけらは10m程度ぶっ飛んでいる。 写真などでは全く確認をすることが出来ないがとにかく命の危険を感じる程の風である。登山道上に居るのが唯一の助けではあるが、一部登山道は階段などがある為、そこをこの状況下で歩くのは危険と感じ雪の中を歩いて降りる。松手山迄降りてようやく樹林の陰に隠れ休憩を取る。
ここからは、松手尾根を下り二居に着くだけ。再び山影に入る為、風の心配も無くなる。尾根もゆったりとしたものである。
ルーファイをしながらゆっくりと下っていく。最後の尾根への取付きの所で少し足場の悪い所があったがそれ以外は快適な下山道である。樹林の中を歩くと、道路らしき道に出てそれ通りに降りて行くとようやくアスファルトが。
2日間スノーシュを歩き続けて足も大分痛くなってきてスノーシュから解放された!この喜びと無事に下山が出来た安堵感で帰宅が出来た。
色々あった充実した2日間であった。
今年1月に一度歩こうとしたルートですが、1月は雪が多く、最終的に新雪の腰ラッセル位になり東谷山までも辿り着くことが出来ませんでした。
今回は腐り雪だったものの深いラッセル地帯は無く、前回の痩せ尾根藪地帯の難所も歩き易くなっており、日白山まではあっという間に到着。
今回日白山までは登山者パーティー3名、スノボBCパーティー2名、スキーBCパーティー1名が登っていたので賑やかな雰囲気でした。
日白山からテン場までの道程は崖地帯があり、足場が悪いです。今回は最後までスノーシュー通しで歩きましたが、ワカンの方が安全に通過出来るかもしれません。但しワカンを選択していたら深い踏み抜き多発で、縦走を完遂出来なかったかもしれません。
夜は街の光の届かない、真っ暗な山中でテント泊。無音の真っ暗な夜空に星がプラネタリウムのように広がり最高のテント場でした。
夜、テント外でドシ、ドシ…という聞いたことのない大きく重いラッセル音のような物が聞こえてきました。その足音は徐々にテントに近づいてきました。おそらく熊だろうという話になり、ランタン3つの光を最大限に明るくしたら、その光に驚いて大きな動物は逃げて行きました。翌朝確かめるとやっぱり熊の足跡。テントの真横まで来ていたようで驚きました。
翌朝は大荒れ予報でしたので、朝暗いうちから歩きました。深く高く難しいラッセルはsatoo担当、安全地帯はmikurichan担当で進みました。暗いうちに歩いたので両サイド切れ落ちた稜線でも怖さを感じず歩くことが出来ました。
平標山直下に到着すると想定外の爆風。
久々に身体ごと飛ばされそうな命の危険を感じるほどの爆風でした。平標山は目の前ですが、あまりの爆風に立っているのがやっと。
歩きやすい方向として、風をまともに正面から受けると今度は息が出来ず、別な意味で危険な状態に。さすがのsatooもピークは諦めて下山することになりました。
こんな日に山登りしている人は誰もおらず、山は満喫出来ましたが風が強すぎて少し危険な状態でした。
帰りの松手尾根は最後が急斜面なのでスノーシュで降りるのに難儀しましたが、何とか無事に下山完了。
久々の体力ルートで大変でしたが、充実感で満たされる良い山行となりました。
コメント
この記録に関連する登山ルート
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ラッセルに、崖地に、爆風に、クマ、満天の星空と自然を享受できた山行でした、
やはり山はこうでないとね🎵
熊が出るとは!ちょっと怖いですね💦
こんにちは
コメントありがとうございます。
谷川の主稜線北部エリアはクマがいます。
夏に沢にはいますが2回遭遇してます。
今年は暖かいので活動が早かったのでしょう。
この稜線上にお泊まりの際には光るもの等をお持ちになって入られたほうがよいですね。
余り刺激しなければ彼らも戦いたくないので逃げていきますよ。
お気を付けて💡
くまさんも目覚めが早かったのですね!
承知しました♪光るもの持っていきます〜
足跡は熊の足跡ですか??
お返事が遅れてごめんなさい。
はい。テントのすぐ脇、2mも離れていなかったところにありました
43枚目の写真になります。
わーですね💦度々返信ありがとうございます。
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