残雪と新緑の穂高(涸沢〜奥穂高〜前穂高〜岳沢)
- GPS
- 29:50
- 距離
- 25.1km
- 登り
- 1,925m
- 下り
- 1,920m
コースタイム
6/28 4:00穂高岳山荘発−4:40-5:00奥穂高岳−6:50-7:00前穂高岳−9:30岳沢ヒュッテ−11:50上高地
天候 | 6/27 晴れ時々曇り 6/28 晴れ |
---|---|
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
船
[帰り]上高地ー(バス、電車)−松本−大阪ー(夜行フェリー)−新居浜 |
コース状況/ 危険箇所等 |
(この時期)涸沢からの登りは、最初は残雪の上を行く。 ザイテングラートに取りついてからは岩場の道で雪は所どころといった感じ。 穂高岳山荘から奥穂高、吊尾根、前穂高の稜線の道には雪はなく、夏道を行く。 紀美子平から岳沢への重太郎新道は、部分的に雪が残っていた。 |
写真
感想
【山行No 109】
※ 梅雨の時期だが、急に思い立って、土日を利用して穂高に行こうと思った。
四国(新居浜)から土日で北アルプスというのは、かなり日程的にきついが、
天気がよさそうなので、頑張って出発。
6月26日(金)
(この当時は、瀬戸大橋がなかったので、まず大阪まで行くのに苦労した)
・夕方、会社を定時で退社し、急いで駅へと向かう。
17:20新居浜駅発のJRでまずは今治へ行く。
今治駅に17:57分着。タクシーに乗って今治港に急行し、18:10発の高速艇に飛び乗る。
高速艇で瀬戸内海を渡って広島県三原市に着くと、19:30三原駅発の新幹線に乗り大阪へ。
大阪着は21:26分。在来線のホームに急ぎ、出発直前の夜行急行「ちくま」に乗り込むと、
ようやく信州へ向かう旅路に着くことができた。
6月27日(土)
4:01-20 松本
・松本電鉄は4:20の始発があり、それに乗る。
知らないうちに、松本電鉄の電車は、東急のカエル型の中古に変わっていた。
・新島々からバスで上高地へ。土曜日のせいか、バスは満員で2台出た。
5:45-6:00 上高地
・天気予報通り、梅雨の時期とは思えない好天の朝だ。
梓川の河畔からは、穂高連山がまぶしい。早速出発する。
・新緑の時期なので鳥のさえずりを期待していたが、時刻が少し遅いせいか、さえずりは以外と少ない。
それでも以下の鳥のさえずりや姿を見聞きすることができた。
ヒガラ、シジュウカラ、ウグイス、コマドリ、カッコウ、ツツドリ、ジュウイチ、
メボソムシクイ、ミソサザイ、アカハラ、キセキレイ。
コマドリが意外と多い感じだった。
アカハラは、登山道の真ん中に出てきてくれて、人間に同じた風もなく、のんびりしていた。
6:50-7:00 明神
・明神岳の鋭い岩峰を眺めながら進む。
7:50-8:10 徳沢
・朝食休憩とする。ここからは前穂高東面の鋭い姿が眺められた。
9:00-20 横尾
・今回はピッケルを持ってきているが、ここまでの道ではピッケルを持っている人が少なく、少し場違いな気がしていた。
しかし、横尾から谷に分け入ると、南岳あたりだろう、雪の稜線が見えだして
ピッケルを持ってきて正解だったな、と思う。
10:30 本谷橋
・ここまで、朝だというのに結構暑く、寝不足もあってバテ気味。
本谷橋からの急登では、足のふくらはぎがつって、参った。
・涸沢ヒュッテが見えだす標高2100m付近より、道には残雪が出てきた。
12:20-13:20 涸沢
・約6時間歩いて、ようやく涸沢に到着。
寝不足のせいもあり、今日はすでにかなり疲れているので、昼食休憩を兼ねて、大休止とし、体を休める。
朝方はあんなに上天気だったが、昼にかかると上空は積雲がもくもくと湧き出してきて、
涸沢からは穂高の稜線は雲に隠れている。
・さて、だいぶ休んだので、気を取り直して、稜線まで最後の急登に挑む。
最初は雪の大斜面をゆっくり上ってゆく。50分ほど雪の斜面を登ると、ようやくザイテングラートへの取りつきとなる。
ザイテングラートに取りつくと、あとは岩場をよじ登るだけだが、疲れもあるので、ゆっくり目のペースで黙々と登る。
登るにつれ、前穂高北尾根のギザギザの稜線が大きくなり、穂高らしい雄大な眺めに、しばし疲れを忘れるようだ。
16:30 穂高岳山荘着
・結局10時間もかかって、ようやく稜線の小屋に到着できた。
小屋はあまり混んでおらず、中は明るくて、バッハの音楽が流れており、気持ちのいい山小屋だ。
・夕暮れ時、夕焼けはそれほどでもなかったが、小屋の窓から眺める
ジャンダルム方向は、岩場が金色に輝き、なかなか美しい風景だった。
6月28日(日)
・今日は奥穂高〜前穂高を縦走して上高地に下り、そのまま四国に戻らないといけないので、今日もかなり強行軍だ。
朝は3時に起きる予定だったが、少し遅れて3:20起床。外はすでに白み始めている。
4:00 穂高岳山荘発
・風は少しあるが、寒いほどではない。上空は雲もなく、暁の空に浮かんでいた星々も次第に消えてゆく。
・出発直後は体が温まっていないせいか調子がでなく、もたもたとハシゴを登って山頂を目指す。
4:40-5:00 奥穂高岳山頂
・頂上に着く直前の4:30に日の出を迎えた。
今日は、上空はきれいな青空だが、大気の下層はもやっていて、朝焼けは期待したほどは大したことはなかった。
・奥穂高の山頂に来るのはこれで2回目となる。
前回(85年11月)は、ガスと雪で展望もなく、寒々しい山頂だったが、
今日は一転して青空の下、四周に展望が広がって素晴らしい山頂の朝だ。
北の方には涸沢岳、北穂高岳の向こうに槍ヶ岳も見える。
一方、西に目を転じると、まじかにジャンダルムの岩峰がそびえている。
先に山頂に着いていた登山者は、その後、ジャンダルム方向に向かっていった。西穂への縦走だろうか。
・前穂高へ向かって吊尾根の縦走路へと足を運ぶ。
吊尾根は切り立った稜線かと思っていたが、最初の下りこそ急だったが、あとは残雪もなく、以外と楽な稜線だった。
6:10-20 紀美子平
・この分岐に荷物をデポして、カメラのみ持って、前穂高へと向かう。
6:50-7:10 前穂高岳山頂
・ここも展望の良い山頂だ。特に涸沢カールが眼下によく見える。
振り返ると奥穂高の向こうに、西穂高や北穂高が立ち並び、
まさに、岩と雪の殿堂といった風景が広がっている。
南東の眼下には、奥又白池付近の台地が見え、半分凍った奥又白池がエメラルド色に光っている。
ヨーロッパアルプスの山の一角に来たような錯覚さえ覚え、
日本アルプスという名前も、まんざら嘘ではないな、と思う。
7:30-40 紀美子平
・予定よりはだいぶ早く2つのピークに登頂できたので、少し時間的には余裕ができた。
しかし、紀美子平からの重太郎新道は、なかなかに急な下りが続き、気が抜けない。
・カモシカの立場(標高=約2500m)付近からは、東の頭上に、明神岳の岩峰が
黒々としたシルエットでそびえており、なかなか素晴らしい風景だ。
・その後、奥明神沢沿いの道となり、残雪が多かったので、シリセードを使いながら下る。
9:30-50 岳沢ヒュッテ
・日が高くなり、だんだんと暑くなってきた。あとひと踏ん張りと思い、下り続ける。
11:50-13:00 上高地
・日曜日なので観光客で大混雑の、上高地に戻ってきた。
・バスは13:50発のを昨日予約していたが、だいぶ早く下山できたので、13:00発のバスに予約変更してもらう。
バスの待ち時間の間に、ビールを飲みながら行動食で昼食とした。
・ようやくバスに乗って帰路に着くが、
(この1987年当時、マイカー規制がされてなかったせいで)
道路は大渋滞となっている。特に釜トンネルの通過に時間がかかり、
トンネルを抜けるまでで1:30もかかり、帰りの電車に間に合うだろうか?と気持ちが焦る。
それでもトンネルを抜けてからはバスもスピードを出して下ってくれた。
15:15-19 新島々
15:48-16:14 松本
・あとはJRで大阪に出、夜行フェリーにて四国(新居浜)に戻る。
※ 四国から1泊2日の強行軍で穂高に行ったが、
梅雨時には珍しく天気も良くて、残雪と新緑の景色も素晴らしく、なかなか充実した登山だった。
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