大キレットよりキツイ! 後立山縦走 〜爺ヶ岳、鹿島槍ヶ岳、五竜岳、唐松岳
- GPS
- 52:36
- 距離
- 26.8km
- 登り
- 3,401m
- 下り
- 2,882m
コースタイム
15日:冷池山荘4:00 - 6:30鹿島槍南峰 - 7:15北峰 - 8:30キレット小屋8:50 - 13:10五竜岳 - 14:10五竜山荘
16日:五竜山荘6:00 - 8:20唐松岳山荘 - 8:40唐松岳 - 11:35八方池山荘
天候 | 14日:晴れ のち 雨 15日:晴れ のち 雨 16日:晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2012年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス タクシー 自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
帰りは八方から白馬駅へバス(180円)、白馬駅から扇沢までタクシー相乗り(12,000円くらいのところ10,000円にして貰った) 八方ゴンドラは片道1,400円 |
コース状況/ 危険箇所等 |
■登山ポスト:柏原新道入口に設置 ■道の状況: (柏原新道〜冷池)良く整備され特に危険な箇所はない (冷池〜鹿島槍ヶ岳南峰)特に問題なし (鹿島槍ヶ岳南峰〜キレット小屋)南峰の下りから道は一転する。急でザレた道を下り、キレットでは細いトラバースの鎖場が続く。慎重に。 (キレット小屋〜五竜岳)岩稜のアップダウンが延々と続いて心身共に疲労する。五竜岳への最後の岩壁の登りもきつい。 (五竜岳〜唐松岳)最後の1時間ほど岩稜の登り返しの難所が続く。 ■入浴: 今回は大町市コミュニティーセンターで入浴。400円。 |
写真
感想
先月の大キレット(http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-220572.html )に続く今年予定されていた岩稜コースは扇沢からの後立山縦走。
4日間を前提にあれこれ検討するが、現在の体力上、安全に踏破できるのは冷池、キレット小屋、五竜に3泊して、不帰ノ嶮を次回に回す案ということになった。
【1日目】
14日の早朝、連休一日前だが扇沢の無料駐車場は空きスペースが僅か。
大町に入った時には見えていた稜線にも、登山口を出る頃にはガスがかかり始めている。
それほど寝不足でもないと思うのだが体が重く、思ったより早く疲れが出てくる。
汗もかなりかいた。
種池山荘に着いた時には既に相当な衰弱を感じる。
稜線はほとんどガスの中で見通しが効かないが、ポカリを一本飲んでから冷池を目指す。
爺ヶ岳南峰、中央峰は通過したが北峰はパスして1時前に冷池山荘に入る。
この日は小屋にそれほど客は多くなく、一部屋に5人程度でゆったり過ごす。
3時くらいからかなり強い雨になり、その後もガスが取れずに撮影の機会もなし。
【2日目】
朝のうちは快晴。
4時過ぎに小屋を出て、テント場で夜空の撮影を行う。
この日は東の空にカミソリのような月、金星などが集まって賑やかだったのだが、冷池の東には絵になる山はなし。
仕方なく爺ヶ岳の上にあるオリオンとシリウスを入れて撮影する。
その後ゆっくりと鹿島槍へ向かい、ちょうど布引山で日の出を迎える。
鹿島槍の南峰に着くと既に10人ほどが先着していて、北峰にも何人かの姿が見える。
ここから先は自分にとっては未踏のルート。谷底に落ちるように始まる北峰への吊尾根に踏み出す。
南峰までの道から一転して痩せた岩の尾根をぐんぐん下り、両側の切れ落ちた道を慎重に進む。
キレットへの道との分岐にザックをデポして空身で北峰へ。
北峰からはこれから進む五竜までの稜線が一望でき、アップダウンが続いて厳しい道であることが何となく分かる。
見下ろすと意外と近くにキレット小屋の屋根が見えている。
分岐に戻り、キレット小屋へのザレて急な岩道を下りていく。
岩稜に慣れない人には既に相当大変な道のはずで、かなり先行していた若いカップルも苦戦していて途中で追い越した。
小屋の直前のキレット区間は岩壁に付けられた細いトラバースに、木の桁が設けてあるような鎖場が連続し、それなりに注意が必要。
特に小屋の屋根を見ながら下りて行く部分で気を緩めると危険な感じ。
この日の予定はキレット小屋泊まりだったので宿泊をお願いすると、連休初日で予約がいっぱいなので五竜まで進んでくれないかとのこと。
午後から雨になるという予報だったので嫌な感じはしたが、小屋の人の愛想も良くなかったのでどうせなら、と先へ進むことにする。
五竜山荘までCTで5時間。何とか3時までには着きたいところ。
が、この区間は厳しい。
岩を掴んで壁を登り、細いリッジを乗越え、切れ落ちたトラバースを鎖を頼りに渡り、すぐには足の置き場を探せない20mの壁を這い下る、というような場所が延々と続き、アップダウンも多い。
ガスも出てきてルートの先が見通せなくなり、あとどのくらい歩けば良いのかも見当を付けにくくなってきた。
五竜岳への最後の登りの取り付きと思われる場所へ着いた時にはキレット小屋から既に4時間経過。
疲労困憊して力も出ない。とうとう雨も降りだした。
疲れた頭で「もう歩きたくないからここでビバークするか」とさえ一瞬思う。
そこへ40代くらいの夫婦が追いついて来て取り付きを登り始めたので、付いて行くことにして腰を上げる。
五竜の頂上まであと標高差200mくらいか。
しかしとてつもない急登。前を行く夫婦の奥さんの方が「壁やんか!」と音を上げる。
息を切らすほどの急登だけにあっという間に標高を稼ぎ、意外に早く頂上稜線に到達。
取り付いてから30分ほどで五竜岳の頂上に着いた。
ガスで何も見えず、雨も降り続いているので早々に小屋へ下りる。
あと少しだが濡れた岩は滑りやすく、慎重にゆっくり下る。
2時過ぎ、冷池を出てから10時間かかって五竜山荘に辿り着いた。
この日の小屋は定員の200%が入り凄いことになった。
廊下も部屋も人と荷物で溢れ、夕食は5回目まであった。
翌日は唐松に泊まるという選択肢もあったが、こんな状態でもう一晩小屋に泊まりたくない、と下山を決める。
【3日目】
目を覚ますとこの日も快晴。暗いうちから五竜の頂上を目指して行く人達も沢山。
6時に小屋を発ち、あまり急がないように唐松へ向かう。
最初のうちはどんどん下る。
40分余りで最低鞍部付近まで来ると、しだいに唐松方面からの登山者とすれ違うようになる。
お互いこれからが登り返しの辛いところ。
登り始めて暫くすると鎖場の連続する岩稜部分が現れるが、昨日と比べて区間は短い。
牛首の部分も難易度はそれ程高くないが、唐松方面から来ると準備ができていない上に足元が見えにくいので躊躇する登山者が多いのだろう。
牛首の先端に這い上がる鎖場まで来ると対向方向に渋滞ができていて進めない。
待っていても埒が明かないので、鎖場を回避して突端へ直登した。
小屋にザックを置き、空身で唐松岳を往復。
小屋に戻り、残っていたパンを食べてから八方へ下山する。
三連休の中日で登って来る人の数が見たこともないほど多く、各所ですれ違い渋滞が起きている。
扇沢まで車を回収に戻るためにバスターミナルで白馬駅行きのバスを待っていると、昨日五竜への登りで一緒だった夫婦とバッタリ。
彼らも扇沢へ戻ると言うので白馬駅からタクシーを相乗りし、予定外の早い時間に車を回収できて助かった。
キツかったが、日程を一日早めて計画行程を達成でき充実の山行となった。
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