金峰山(過去レコです)。
- GPS
- 32:00
- 距離
- 7.9km
- 登り
- 516m
- 下り
- 513m
天候 | 曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2003年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
危険個所はありません。 |
写真
感想
瑞牆山だけに登るも勿体無いから、もう一つ近くの山をと金峰山(きんぷさん、信州ではきんぽうさん)を選んだ。朝早く出発して9時頃から登り、その日は瑞牆山荘に泊まる予定であったが、早起き、長時間運転、その日のうちの山登りというスケジュールはきつそうなので前泊も入れる事にした。大弛小屋に問い合わせると、峠の手前の道は工事中で夕方の5時半からしか通れないとの事であった。平成15年9月12日、工事現場で少し待つぐらいの余裕をもったつもりで、十12時半に自宅を出発。中央道を韮崎で下り、主要地方道27号線を北上。出る時に満タンにしたガソリンも、今日明日と走るには心細い量となっていたが、こんな山道ではガソリンスタンドは見当たらない。荒川ダムからクリスタルラインに向かう筈だったが、そのままダムを遣り過ごし昇仙峡でようやく小さなガソリンスタンドを見つける事が出来た。タンクを満タンにして今来た道を引き返し、荒川ダムから奥への林道を走った。クリスタルラインに出て大弛峠に向かうが、洒落た名前から想像される道とは程遠く、常に対向車に気をつけて運転せねばならない細い道である。幸いな事に対向車に出会う事は無く、川上牧丘林道に出ると道幅は広くなり緊張することも無くなった。工事中の場所を通過した時はすでに6時を過ぎており、だんだん暗くなり大弛峠に着いたのは6時半であった。駐車場に車をとめ、右手の林の中に入ると丸太づくりの大弛小屋の灯りが見える。小屋の扉を開けると、すでに3人の泊まり客が食事をしており、いきなりわたしも夕食の席に坐らされた。ご飯は焚き木ストーブに圧力釜をのせて炊かれたもので、柔らかく美味しかった。客の一人が「気圧が低いので普通に炊くとパサパサになる。5000mの山に登る時でも圧力釜をかついで行く」と云う。山登りのベテランのようである。もう一人は茸の見分け方について若い客に熱弁をふるっており、これ又ベテランのようである。本日の泊まり客はこの4人だけで寝床はたっぷりゆとりがあり、夕食が終わった7時過ぎには全員布団の中の人となっていた。峠はすでに標高2360mで、気温は10℃以下、毛布と布団をしっかり被って寝た。
翌朝5時半に朝食を摂り終え外に出ると、霧でおおわれた峠の駐車場は満杯になっていた。人気の程が伺えるが、ここは金峰山だけでなく北奥千丈岳、国師ガ岳の登山口でもあるので週末はいつもこんな状態らしい。雨具をまとい、6時22分に登山口に入った。朽ちかけた丸太で土留めされた階段を10分程登ると尾根道となる。風が森をざわめかせているが、尾根道まで風は届かない。時折、シラビソやコメツガの葉っぱから雨のように水滴が降り注ぐ。軽いアップダウンを繰り返し20分程歩くと石がゴロゴロした登りとなり、ついで大きな岩も現れる。30分程登り、7時22分に「秩父夛摩国立公園、朝日岳、標高2581m」と記された標識の立つピークに到着。天気が良ければ金峰山が一望出来る筈なのだが、霧におおわれて生憎何も見る事が出来ない。朝日岳は金峰山とほぼ同じ標高であり、あと少し登るだけかと思いきや、岩だらけの斜面の急降下に始まり、ひたすら下り続ける事になる。20分程でベンチのある広い鞍部に降り立つ。そこから再び登りが始まり、岩を這い上がると木立が無くなって風をまともに受ける。その先は林の中の登山道となり風も遮られ、40分程登ると賽の川原に到着。ここはすでに森林限界で、瓦礫状の石と這い松とケルンだけの荒涼たる世界に濃い霧が立ち込め、まさに賽の川原である。霧にはばまれ頂上は見えないが、大きな石を伝って10分程歩いて岩のトンネルをくぐると「金峰山」の標識があり、あっけなく頂上に着いた。8時30分、所用時間は2時間10分程であった。遠くから見て金峰山を探す時、頂上に立つ五丈石が目印になるそうだが、目の前のその五丈石さえも強い風に吹き上げられて来る霧にかすんでおり、ましてや遠望は望むべくもない。深田久弥は「そこからの山岳展望がいかに素晴らしいかは、この山の位置を考えただけでも納得出来るだろう」と記しているが、考えただけでは納得いかなかった。長居は無用だが岩かげに腰をおろし、折角持って来たのだからとナシを剥いて食べた。その僅かな間にもどんどんと人が上がって来て、巨石が積み重ねられた頂上は人で埋まっていった。8時50分、頂上を発ち、もと来た道を引き返しにかかる。朝日岳への登りはきつく、9時40分、頂上のベンチで一服。大勢の人とすれ違い、10時40分に駐車場に帰り着いた。駐車場から溢れた車が道路脇に、はるか下の方まで並んでおり、さらにはタクシーでやって来る人も沢山いる。山の中で誰にも会う事がない寂しい岐阜の山とは大違いで、賑やかな山は安心して登る事が出来る。
クリスタルラインを通り、日帰り温泉施設である「増富の湯」に寄り、前回入る事が出来なかったラジウム温泉で汗を流した。まだ充分時間はあり、ビールを飲んで車の中で昼寝をしてから、今夜の宿泊先である瑞牆山荘に向かった。
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