紅葉の名山を一筆書きで☆安達太良・吾妻連峰縦走
- GPS
- 46:59
- 距離
- 35.2km
- 登り
- 2,635m
- 下り
- 2,448m
コースタイム
【day2】 0600くろがね小屋-0700安達太良山-0800鉄山避難小屋-0900箕輪山-1000鬼面山-1030野地温泉1105=1145浄土平1215-1300一切経山-1430東吾妻山-1645谷地平避難小屋(泊)
【day3】 0620谷地平-0925東大巓0935-1105中大巓1110-1215西吾妻山-1320西大巓-1450デコ平=1500グランデコ=1600民宿高原の宿(泊)
【day4】 0900高原の宿=0942猪苗代=1012郡山1025=1435新宿
天候 | day1:晴れ day2:快晴 day3:快晴、夕方から雨 day4:雨 |
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過去天気図(気象庁) | 2012年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
自分はまず、郡山起点にして岳温泉観光協会の宿泊客専用バス(予約制)を利用して岳温泉まで行き、くろがね小屋利用ということでさらに奥岳登山口まで乗せてもらいました。合計1000円です。 安達太良山を下山した野地温泉から吾妻連峰の登山口の浄土平までは、1日2本だけ通る磐梯吾妻スカイラインの観光バスでつなぎます。660円だったかな。このバスは福島起点の周遊型で一方通行なので、どうしても反時計回りの縦走になります。ちなみに私の乗った日は平日でしたが紅葉のピークだっため満席であやうく乗車拒否されるところでした(浄土平まで誰も降りないので床に座らされました)。 吾妻連峰を下山して磐梯山の登山口まで繋ぐには、グランデコスキーリゾートのゴンドラ(片道1000円)に乗るとホテルグランデコのシャトルバスに乗せてもらえて五色沼まで送ってもらえるというのも、ポイント。実際には五色沼の宿の方に送迎してもらったのですが、距離を考えるとお得感があります。 都内からの往復にはJRバスのあぶくま号か夢街道会津号が、早割NET割が効いて圧倒的に安いし便もたくさんあるのでおすすめです。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
■道の状況 紅葉が1週間から10日遅れているとはいえ、夜は氷点下まで気温が下がるため、朝は登山道が凍ったり霜が降りたりしていて滑りやすかったです。安達太良連峰は、特に箕輪山から鬼面山の下り、最初の30分ほどは急勾配で粘土質の道がU字にえぐれている上に背丈の高い笹で足元が見えづらく、かなりコケやすいです。吾妻連峰は稜線は展望がなく笹薮がひどいと聞いていたので湿原ルートを取りましたが、谷地平から東大巓の最後の登り30分ほどがやや徒渉が多いのと薮っぽかったぐらいで、おおむね歩きやすいルートでした。グランデコスキー場への下山道は楽勝と思いきや思いのほか木の根や岩が多かったです。 ■登山ポスト 福島県の登山者カードは入山届の下部にきりとりせんがついていて下山届になっていました。ポストは入山時は目立つところにありましたが、グランデコではちょっと見たところでは見つかりませんでした。 ■温泉 くろがね小屋の温泉は確かに素晴らしいですが、小さいので紅葉ピーク時はあまりゆっくりできないかも。野地温泉の泉質も硫黄泉で柔らかくて、木造の内湯も山並みが見える露天も雰囲気が良くて気に入りました。次は泊まってみたいです。五色沼で日帰り入浴しようと思っていた健康センターは残念ながら閉館していました。磐梯山は雨で中止したので予定していた押立温泉も入れずじまい。 ■飲食店など 浄土平のレストハウスは2Fレストランの展望がよく座席数も多いのでゆったり食事ができる割にお手頃価格。なので、大混雑の1Fの売店でスナックをつまむより良いかもです。また水はここで調達しました、やっぱり沢水はちょっと怖いので。グランデコスキー場のゴンドラ山頂駅にあるレストランは雰囲気もよくメニューも美味しそうでしたが、2時半ラストオーダーということで残念ながら食事にありつけず。五色沼にはセブンイレブンや物産館もあるようなので物資の調達は楽そう。 |
写真
感想
去年この山域を縦走した山トモのおじさんから、紅葉のボリュームが違うから是非一度行ってごらんと強力プッシュされていた安達太良山。しかし原発事故の影響で山ガールを誘ってもいい返事が来ない。しかたない、秋恒例になりつつあるみちのくひとり旅にて福島の山へ行こうと決めてました。しかし地図を見るにつけ、ピストンじゃ面白くないし、なんとか吾妻連峰や磐梯山という至近の名山も一緒に串刺しにできないかと考えてはいましたが、近いようでそれぞれの登山口は10kmぐらいずつ離れているんで、いかんせん点を線にすべく足がない。レンタカーすると縦走できないし。と思っていたら、同じことを考える人がいるもんですね。中央アルプスの避難小屋で出会った方から点を線にする「吾妻磐梯スカイラインバス&グランデコのシャトルバス利用」という素晴らしいアイデアを教えてもらって、縦走プランが実現しました。
【奥岳温泉〜安達太良山〜野地温泉】
初日は朝家を出て高速バスにて郡山まで来るので、入山がどうしても午後になってしまうことから、鉄山避難小屋まで辿り着くのは諦め、くろがね小屋泊まりで予定を立てる。しかし紅葉のピーク、平日でもなかなか予約が取れなかったのですが、直前に台風が近づいて来たため月曜の空きが出たようで、晴天が2日続くことを天気予報で確認し、すぐさま予定を前倒ししました。
岳温泉には縁があって15年前に3ヶ月弱住んでいたことがあるのですが、その頃は随分鄙びた温泉に感じたのですが、秘湯たる秘湯の数々を見て来た今となってはリゾート地に思えます。バスの運転手の方が、週末はゴンドラの混雑がひどくて30分から1時間待ちだったとか。チケットもぎりのおじさんがゆっくりだからという話でしたが、そんなら歩いた方が早かろうに。。。
それにしても人気がある山ですね。主にシニアの方々がメインでしたが、放射能のことなどすっかり忘れるほどの盛況ぶり。確かに紅葉は圧倒的なボリュームだし、道もかなり整備されて歩きやすいので、地元の方なのか登山というより犬を連れたりしてお散歩の延長のような格好の方が多く見受けられました。泊まりは圧倒的に少数派ですね。くろがね小屋のお風呂は小さくて芋荒いでしたが、なかなか硫黄泉のわりに柔らかでいいお湯、そのせいか夜の冷え込みも厳しいはずなのに温かく眠れました。そしてゴンドラが動き出す前に稜線に出ると嘘のようにひっそりとしていて、ザクザクと霜を踏む小気味いい音を立てながら歩いてひとり静かに山頂を踏みました。安達太良山の魅力は紅葉だけにとどまらず、決して高山ではないのに火山らしくダイナミックな地形変化に富み、眺望がよく、縦走の面白さにあるな、と思いました。それと温泉。野地温泉があんなにいいお風呂をいくつも持っている立派な旅館だとは想像つきませんでした。平日なのに駐車場は車がびっしりで、鬼面山にハイキングに出かける子ども連れや長湯を楽しむお年寄りがたくさん。次は是非こちらに泊まってみたいです
【浄土平〜吾妻連峰〜裏磐梯】
平日の磐梯吾妻スカイラインは渋滞するほどではありませんが、震災以来の無料化がきいているのか、通行量は多く、また1日たった2便しかないスカイラインバスは満席で15分遅れて到着。確かに車窓から見ているだけでも歓声をあげたくなるような見事な紅葉ぶりで、浄土平まで満席のままでした。着く頃にはお昼をまわっていたので、立派なレストハウスで食事をとり、煮炊きのための水を汲ませてもらって、いざ縦走の続きへ。ヤマレコを見ると、吾妻連峰の稜線は家形山〜東大巓までが荒れていて眺望もなくただ薮漕ぎ、と皆さんおっしゃっているので、ヘタレの私は吾妻連峰のハイライトである一切経山をピストンしたあとは中央の湿原をつっきって東大巓に上がる谷地平ルートを採ることにしました。
鎌池から東吾妻山までは非常によく歩かれているらしくたくさんの人にすれ違いましたが、その先は谷地平避難小屋まで誰ひとり会わず。本来なら釣り人に人気のある場所らしいのですが、残念ながらセシウムの値が高いため禁漁のようです。それなのにきちんと清潔に片付いていて、とても感じの良い小屋でした。問題は、夕食を作ろうと思ってさあ食材を広げてみて、はじめて気がついた。私、ガス缶持って来てない。。。夜は寒かろうと、せっかく体を温めるメニューを考えて、トッポギとスープを持って来ていたのに、さつま揚げは冷たいまま齧って、キャベツと下湯でしたアスパラとブロッコリは塩とオリーブオイルをつけて食べるほかありませんでした。とりあえず余計なエネルギー消費は避けようと、持っている服は重ねられる限り全部着て就寝。案外朝まであったかく眠れました。翌朝、凍り付いた朝に飲んだアイスカフェオレとクロワッサンサンドの冷たかったこと。それでもフリーズドライとレトルトだけしか持っていなかったらもっと飢えていたに違いありませんが。。。残りの(すぐ食べられる)食料はバナナとゆで卵とチーズ1切れのみ。これで7時間歩けるのかな。。。
そんな悲しい気持ちも、朝の谷地平の美しさにはあっという間に払拭され、日を浴びて歩き出せば温かく元気が出ました。徒渉も薮こぎも思ったほど厳しくなく、登山道はきちんと刈り払いの手が入っていて有り難い限り。東大巓からは距離は長いですがずっと見晴らしが良く、整備された木道をたどって可愛らしい湿原や池塘をいくつも超えながらの稜線歩き。幸い天気予報は曇りのち雨でしたが、終始日差しが温かく、降り出す前に何とかグランデコスキー場に辿り着きました。大凹でラーメンを作って食べれたらもっと楽しかっただろうけど。。。ゴンドラを降りてほどなくして大粒の雨が振り出し、その雨が翌朝になっても止まらなかったので、結局磐梯山は登らずじまいでしたが、裏磐梯の美しい湖の数々と雄大な磐梯山の眺めには魅了されたので、また別の機会に必ずテント持ってベースキャンプ張ろう、と思いました。
また東北に好きな山域が増えたな。。。
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