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Yamareco

記録ID: 239038
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積雪期ピークハント/縦走
十勝連峰

望岳台から積雪の十勝岳を満喫

2012年10月27日(土) [日帰り]
 - 拍手
体力度
3
日帰りが可能
GPS
06:52
距離
12.0km
登り
1,146m
下り
1,144m
歩くペース
速い
0.70.8
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

望岳台(9:30)→雲ノ平分岐(10:10)→1720m標識(11:20)→十勝岳(12:35←昼食・満喫タイム→14:00)→1720m標識(14:50)→雲ノ平分岐(15:40)→望岳台(16:20)
天候 文句なしの快晴
過去天気図(気象庁) 2012年10月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
望岳台駐車場に車を止めて出発。

道道966号十勝岳温泉美瑛線の望岳台(望岳台ゲート)−吹上温泉(白銀ゲート)間が冬季通行止め(来年5月7日まで)のため、十勝岳温泉方面から望岳台には行けませんので白金温泉からのアクセスになります。上富良野から白金温泉までは日新ダム経由する道道353号美沢上富良野線が便利です。

通行止め情報の詳細は北海道開発局ホームページを参照。

http://info-road.hdb.hkd.mlit.go.jp/kisei_kyo0145.htm
コース状況/
危険箇所等
雲ノ平分岐までは積雪は殆どなく、いつものハイキングコースです。雲ノ平分岐から上は積雪ありです。標高1600m手前までは、雪の状態は比較的良くアイゼンなしで問題ありませんが、昭和火口からスリバチ火口までの急斜面はキックステップが使えないぐらい堅く締った雪で、途中で怖くなって軽アイゼンを付けました。

スリバチ火口のある標高1720mから溶岩ドームの麓の1820mまでは緩やかな登りが続きますが、見た目以上に以外と疲れます。1820mから溶岩ドームに取りつくと十勝岳の肩までは急斜面の連続で休憩する場所はありませんので、装備や服装チェック並びに十分な休憩を取って行かれることをお勧めします。この斜面は日が当たる時間が少ないので、大体がカチカチの雪の急斜面です。本日は先人の足跡があって楽できましたが、足跡がない場合はアイゼンの刃を頼りに進んでいくしかありません。滑ったら下までまっしぐらですし、グラウンド火口への崖に落ちたらそれで終わりです。このコースで一番恐怖する場面です。陽があたり始めると多少雪質が改善するので、少し出発時間を遅らせるのも手かもしれません。今回もそれを狙って、夏山時期より1時間ほど出発時間を遅らせました。

十勝岳の肩に登ってしまえば高地特有の苦しさはありますが、一歩一歩踏みしめて行けば山頂がドンドン近づいてきます。山頂付近は岩場の連続で雪が不安定に乗っていることがあるので、一歩一歩確認しながら進むことをお薦めします。一度、両足ともに雪が崩れてもがいた反動で脚が攣って大変な思いをしたことがあります。芍薬甘草湯(ツムラ68)が攣りに有効なので、不測の事態に備えて予め飲んでおくのも良いかもです。


<下山後のお楽しみ>
冬季通行止めのため、下山後の温泉の選択肢は白金温泉しかないのですが、山好きが集う「ほしの灯家」の経営が変わって日帰り入浴ができなくなってしまったので、最近は専ら「大雪山白金観光ホテル」を利用しています。料金は1000円と高いですが、露天風呂があってのんびりできますし、11:00〜21:00と日帰り入浴できる時間が長いのも良いところです。今日はお土産屋さんに立寄って、旭川の酒ですが、高砂酒造の酒を買ってきました。

文学好きの人には三浦綾子の「泥流地帯」の舞台を巡るというのもお勧めです。道道353号美沢上富良野線には舞台となった日新地区やカジカの沢などの地名も出てくる他、大正泥流の記念碑などもあります。上富良野では吉田貞次郎村長宅を移築した上富良野町開拓記念館や、泥流地帯の記念碑なども楽しめます。
望岳台は積雪なし。朝日に向かって出発です。
望岳台は積雪なし。朝日に向かって出発です。
雲の平分岐。雪がチラホラと見え始める。避難小屋表示が消されているのは、2006年9月の避難小屋解体当時の名残か。
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雲の平分岐。雪がチラホラと見え始める。避難小屋表示が消されているのは、2006年9月の避難小屋解体当時の名残か。
2008年10月に旧避難小屋の上手、標高1330m付近に再建された十勝岳避難小屋。
2008年10月に旧避難小屋の上手、標高1330m付近に再建された十勝岳避難小屋。
前十勝コース(通行禁止)の分岐より、大正火口の噴煙が見える。
前十勝コース(通行禁止)の分岐より、大正火口の噴煙が見える。
標高1380m標識から十勝岳避難小屋を見下ろす。
標高1380m標識から十勝岳避難小屋を見下ろす。
標高1440mより進行方向を見上げる。だいぶ雪が多くなってきた。
標高1440mより進行方向を見上げる。だいぶ雪が多くなってきた。
標高1530mより進行方向。左手に昭和火口。
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標高1530mより進行方向。左手に昭和火口。
1720m標識と向こう側に美瑛岳。
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1720m標識と向こう側に美瑛岳。
標高1720mより十勝岳溶岩ドームを望む。
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標高1720mより十勝岳溶岩ドームを望む。
標高1820mまで来ると溶岩ドームがドーンと聳える。
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標高1820mまで来ると溶岩ドームがドーンと聳える。
今日はこれ(6本爪)だけで行く。つま先のエッジは効かないけど軽くて使いやすい。
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今日はこれ(6本爪)だけで行く。つま先のエッジは効かないけど軽くて使いやすい。
十勝岳の肩(標高1940m)より十勝岳山頂。
十勝岳の肩(標高1940m)より十勝岳山頂。
十勝岳の肩より美瑛岳と下山する人々。
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十勝岳の肩より美瑛岳と下山する人々。
自立する海老の尻尾。
標高1970m。もうすぐ十勝岳山頂。
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標高1970m。もうすぐ十勝岳山頂。
転倒した海老の尻尾。気温が高いのでやむなし。
転倒した海老の尻尾。気温が高いのでやむなし。
山頂直下は、一面、海老のしっぽだらけ。
山頂直下は、一面、海老のしっぽだらけ。
氷柱。十勝岳山頂にて。
氷柱。十勝岳山頂にて。
今日の逸品。ミニペペロンチーノ。
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今日の逸品。ミニペペロンチーノ。
十勝岳山頂より上ホロカメットク避難小屋遠望。
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十勝岳山頂より上ホロカメットク避難小屋遠望。
十勝岳山頂より日高山地遠望。
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十勝岳山頂より日高山地遠望。
十勝岳山頂より下ホロカメットク山遠望。
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十勝岳山頂より下ホロカメットク山遠望。
十勝岳山頂よりニペソツ山遠望。東大雪は比較的雪が少ない。
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十勝岳山頂よりニペソツ山遠望。東大雪は比較的雪が少ない。
十勝岳山頂より美瑛岳遠望。
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十勝岳山頂より美瑛岳遠望。
十勝岳山頂よりトムラウシ山遠望。
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十勝岳山頂よりトムラウシ山遠望。
62-2火口を望遠。
大正火口を望遠。
富良野岳への稜線を望遠。
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富良野岳への稜線を望遠。
噴煙を上げる62-2、大正火口と上富良野・美瑛の大地。
噴煙を上げる62-2、大正火口と上富良野・美瑛の大地。
十勝岳山頂より平ヶ岳。雪解け時期は縞模様が美しいが、今は真っ白。
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十勝岳山頂より平ヶ岳。雪解け時期は縞模様が美しいが、今は真っ白。
富良野岳へと続く稜線が美しい。
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富良野岳へと続く稜線が美しい。
富良野岳稜線に二本の飛行機雲。
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富良野岳稜線に二本の飛行機雲。
十勝岳山頂直下。
少しルートを外れると山頂の見え方も随分と変わる。
少しルートを外れると山頂の見え方も随分と変わる。
下山時に富良野岳稜線と飛行機雲を別角度から。
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下山時に富良野岳稜線と飛行機雲を別角度から。
噴煙を上げる62-2、大正火口と上富良野・美瑛。きれいだったので十勝岳の肩よりもう一枚。
噴煙を上げる62-2、大正火口と上富良野・美瑛。きれいだったので十勝岳の肩よりもう一枚。
十勝岳山頂から下山する二人。
十勝岳山頂から下山する二人。
1820m付近の台地。影の明暗が美しかった。
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1820m付近の台地。影の明暗が美しかった。
鋸岳をアップで。
写真を撮りながらゆっくりと下山する。
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写真を撮りながらゆっくりと下山する。
ポツポツとのぞく岩のコントラストがきれいなグラウンド火口。
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ポツポツとのぞく岩のコントラストがきれいなグラウンド火口。
日が傾き影につつまれるスリバチ火口。
日が傾き影につつまれるスリバチ火口。
スリバチの淵は強風が作り出す美しい直線。
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スリバチの淵は強風が作り出す美しい直線。
再び標高1720mより十勝岳。行きよりは晴れている。
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再び標高1720mより十勝岳。行きよりは晴れている。
望岳台近くより夕日に照らされる十勝岳。
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望岳台近くより夕日に照らされる十勝岳。
夕日に照らされる美瑛岳と月。
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夕日に照らされる美瑛岳と月。
沈み行く太陽。いい一日でした。
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沈み行く太陽。いい一日でした。
本日のおみやげ。私の大好きな高砂酒造の逸品です。
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本日のおみやげ。私の大好きな高砂酒造の逸品です。
撮影機器:

感想

今日は本年の〆ということで例年通り十勝岳に登ってきました。朝が眠いのと、十勝岳の肩斜面に陽があたって多少雪質が改善してくれること、先人達が足跡を付けて行ってくれるのを期待して望岳台を9時30分に出発しました。今回は膝の様子が心配なので、極力膝に負担を掛けないように歩幅を抑えて登りましたが、歩幅を抑えると楽なのもあって、結局ペースはそれほど落ちずに、平均時計の3時間で山頂に立てました。堅く締った雪のため、昭和火口あたりからアイゼン付けることになったのが少し予想外でしたが...

気温をメモってきませんでしたが、多分、数℃ぐらいあったと思います。風も殆どなく快晴で山頂からの景色を1時間以上も十二分に味わいました。惜しもながら望岳台に下山した時には、富良野岳稜線上の飛行機雲や、美瑛岳からの月の出にも遭遇して本当にいい一日になりました。

今年はもう2000m級の山は終わりです。あとはたまに札幌近郊の低山を楽しみつつ冬を過ごしたいと思います。



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コメント

ゲスト
あんれまぁ・・・
すっかり雪景色ですね。
8月に歩いた時を考えると、たった2ヶ月でのこの変貌ぶりに唖然です。

27日は札幌市内も好天でした。
サイクリングロードを3時間の間、ひたすらRunしていた私です。
2012/10/28 17:49
あっという間
kuriokunさん、こんにちは。
十勝・大雪の冬の訪れは本当にあっという間です。
もうでもこれで思い残すことはなく低山に集中できます。
あとは雪が降ったら冬眠、引きこもり(^^;。

朝の感じでは札幌の天気も良さそうでしたね。
時にサイクリングロードって人が入ってもいいんですか?
2012/10/29 14:01
プロフィール画像
ニッ にっこり シュン エッ!? ん? フフッ げらげら むぅ べー はー しくしく カーッ ふんふん ウィンク これだっ! 車 カメラ 鉛筆 消しゴム ビール 若葉マーク 音符 ハートマーク 電球/アイデア 星 パソコン メール 電話 晴れ 曇り時々晴れ 曇り 雨 雪 温泉 木 花 山 おにぎり 汗 電車 お酒 急ぐ 富士山 ピース/チョキ パンチ happy01 angry despair sad wobbly think confident coldsweats01 coldsweats02 pout gawk lovely bleah wink happy02 bearing catface crying weep delicious smile shock up down shine flair annoy sleepy sign01 sweat01 sweat02 dash note notes spa kissmark heart01 heart02 heart03 heart04 bomb punch good rock scissors paper ear eye sun cloud rain snow thunder typhoon sprinkle wave night dog cat chick penguin fish horse pig aries taurus gemini cancer leo virgo libra scorpius sagittarius capricornus aquarius pisces heart spade diamond club pc mobilephone mail phoneto mailto faxto telephone loveletter memo xmas clover tulip apple bud maple cherryblossom id key sharp one two three four five six seven eight nine zero copyright tm r-mark dollar yen free search new ok secret danger upwardright downwardleft downwardright upwardleft signaler toilet restaurant wheelchair house building postoffice hospital bank atm hotel school fuji 24hours gasstation parking empty full smoking nosmoking run baseball golf tennis soccer ski basketball motorsports cafe bar beer fastfood boutique hairsalon karaoke movie music art drama ticket camera bag book ribbon present birthday cake wine bread riceball japanesetea bottle noodle tv cd foot shoe t-shirt rouge ring crown bell slate clock newmoon moon1 moon2 moon3 train subway bullettrain car rvcar bus ship airplane bicycle yacht

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