雪の奥穂高岳(涸沢テン泊〜無人の山頂を満喫)


- GPS
- 49:11
- 距離
- 39.7km
- 登り
- 2,067m
- 下り
- 2,061m
コースタイム
8:05上高地バスターミナル - 8:55明神館 - 9:35徳沢園 - 9:55新村橋 - 10:35横尾(昼食)11:05 - 12:05本谷橋 - 13:40涸沢ヒュッテ(テント泊)
【2日目】
6:50涸沢ヒュッテ - 7:50ザイテングラート - 8:40穂高岳山荘 - 9:20奥穂高岳山頂9:40 - 10:20穂高岳山荘 - 11:40涸沢ヒュッテ(テント撤収・昼食)12:50 - 14:10本谷橋 - 15:00横尾(テント泊)
【3日目】
6:40横尾 - 7:25新村橋 - 7:35徳沢園 - 8:20明神館 - 9:10上高地バスターミナル
天候 | 1日目:晴 2日目:晴時々曇 3日目:雨 |
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過去天気図(気象庁) | 2012年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
あかんだな駐車場からバスで上高地バスターミナルまで約25分。(往復2,000円) |
コース状況/ 危険箇所等 |
【上高地〜横尾】 危険個所なし。ただし10kmくらい距離があるので景色でも見ながらひたすら我慢。 【横尾〜涸沢】 危険個所なし。涸沢近辺で雪が出てくるがアイゼンは不要。(不安な方は軽アイゼンがあった方が良いかも) 【涸沢〜ザイテングラート】 雪があるが自分はノーアイゼンで特に問題なかった。 たまに石が凍っているので注意。 【ザイテングラート〜穂高岳山荘】 アイゼン要。ピッケルもあるに越したことはない。 時々膝上くらいまで踏み抜くことがある。 【穂高岳山荘〜奥穂高岳山頂】 ピッケル&アイゼン必須。 急登の往復があるのでピッケルがないと辛い。 【穂高岳山荘〜涸沢】 下りはザイテングラートではなく、雪渓をまっすぐ下る。 ピッケル&アイゼン使用。 雪があるときでないと使えないルート。 ■ドコモ携帯電波情報 ・徳沢園 ・・・ × ・横尾 ・・・ × ・涸沢 ・・・ × ・穂高岳山荘 ・・・ ○ ・奥穂高岳山頂 ・・・ × |
写真
感想
ずっと前から有給休暇をスケジュールし、いよいよ迎えた3連休。
できれば雪に降ってほしくなかったが、無情にも3日前の火曜日に本格的な降雪。
穂高岳山荘の情報では吹き溜まりで1m程度の積雪があるとのこと。
いささか不安があるものの、行けるところまで行ってみようと上高地に向けて出発。
今季初のピッケルとアイゼンの出番を想定し、ザックに括りつけてある。
この時期のテン泊も相当の寒さを想定し、湯たんぽにダウンジャケット、ダウンパンツ等、ゴールデンウィークのテン泊と同レベルの装備を用意した。
奥穂高岳。
1泊ではなかなか辛いし、かといってシーズン中は激混みなのでどうしても行くタイミングが図りにくい。
10月の紅葉のピークを迎える最初の3連休を外し、かつ山小屋が営業している間に行こうと考え、10月末のこの日を選んだ。
雪が降らないことを祈っていたが、無情にも3日前に日本列島を寒冷前線が襲って来た。
こうなったら最悪涸沢止まりを覚悟して、行けるところまで行ってみようと覚悟を決める。
上高地から横尾に向けて足を進めるが、やはり圧倒的に人が少ない。
紅葉を目的とする観光客は多いが、登山客はほとんどいなかった。
横尾にしても、7月の槍ヶ岳の帰りに寄った際の混雑は嘘のように静まり返っていた。
そして更に驚いたのが涸沢のテン場だった。
ほんの3週間前に1000張を記録した日本を代表するテン場のはずなのだが、自分が着いた時には10張あるかないか。
そのギャップに驚かずにいられなかった。
それにしても素晴らしい涸沢カールの景色。
紅葉はないものの、代わりに美しい雪化粧をした山々を望むことができた。
特に奥穂高岳はアルプスの名にふさわしい、雄々しい姿を見せてくれた。
涸沢に来る途中ですれ違った人が「テントは寒いから気をつけて」と言ってくれたのを思い出し、さすがに多少不安だったが、確かに寒いがゴールデンウィークの常念岳や5月の立山と比べるとそうでもなかった。
(イスカエア450とダウンジャケット、パンツ、湯たんぽで丁度いい感じ)
それよりも夜中にカールのどこかで落石の音が響き渡り、瞬間ハッと目が覚めてしまった。
カール状になっているのと夜中の静寂とで普段よりかなり大音量かつサラウンドで恐ろしかった。
2日目の朝、目覚ましで5時に起きる。
かねてから涸沢カールのモルゲンロートを見てみたいと思っていた。
そして6時を過ぎた時、幸運にもそれを目にすることができた。
奥穂高岳、涸沢岳の山頂がさっと朱色に染められた。
周りを見ると、数人の登山者が自分と同様に写真を撮りまくっている。
これが見れただけでもかなりの満足感だ。
朝食を採ると、アイゼン、ピッケルを用意してザイテングラートを目指した。
ここからは標高を上げるにつれて積雪量が増えていく。
ザイテングラートまではアイゼン無しで問題なく登れたが、さすがに雪深くなってきたのアイゼンを装着することにした。
降雪してから3日経過していたことが幸いし、それなりにトレースもあるし、雪もアイゼンが効く程度に締まっていた。
穂高岳山荘に到着するも、全く人がいない。
久しぶりのアイゼンの感覚もザイテングラートで取り戻すことができたので、そのまま山頂を目指すことにした。
雪はかなり(常に膝くらい)積もっていたが、アイゼンがあれば歩きやすい。
そして巻道も雪山だと直登できるので楽しい。(もちろんピッケルは装備の上だが)
そのまま誰とも会わないまま山頂まで来てしまった。
なんと日本ナンバー3の奥穂高岳の山頂を貸切!
周りを見渡すと東側〜北側にかけて雲海が広がっている。
槍ヶ岳、涸沢岳、北穂高岳など、3100mを超える峰々だけが雲の上に頭を出すことが許されているような、そんな貴重な光景だ。
そしてもちろん奥穂高岳もそのひとつ。
むしろ雲が全くない景色よりも素晴らしいと感じる。
ジャンダルムはその名の通り、西穂へのルートを阻むべく立ちふさがっている。
しばらくその光景を満喫した後、後ろ髪を引かれながら下山の途についた。
涸沢に戻り、昼食を取った後、涸沢にもう一泊するか横尾まで向かうか迷ったが、3日目の日曜日の天気予報が雨だったので頑張って横尾まで下山することにした。
横尾のテン場に泊まるのは初めてだったが、広々としていて、この日は人も少なくて過ごしやすかった。(夏に見た時は草が多くて気がひけたが・・・)
それに何よりも暖かい。涸沢と比べるとウェアが1枚少なくて済む。
横尾まで下ってきて正解。心地よくぐっすり寝ることができた。
夜中3時頃、雨がテントを叩く音で目が覚めた。
雨のテント撤収は避けたかったが、仕方ない。
6時まで待って明るくなってから軽く行動食をとってからテント撤収。
横尾大橋が雨よけになってくれて助かった。意外なメリット。
その後は雨の中上高地に向けて10km歩く歩く。
河童橋に来ると、そこはいつもの観光地の顔をした「上高地」があった。
雪の奥穂高岳に登頂した達成感と余韻に浸りながらバスに乗り込んだ。
やーいいですね。
初冬のシンとした穂高。青と白の世界。
美しいです。
とても参考になりました。
穂高山荘がやっている間にもう1回行きたいなー。
コメントありがとうございます。
写真だと伝えきれないのが歯がゆいくらいの素晴らしい景色&雰囲気でした。
雪山とか行かれる方ならこの時期の穂高はお勧めだと思いますよ。
適度な雪山なので(笑)
ぜひ楽しんできてください!
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